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――12月2日にメジャー2ndアルバム『世界一幸せなひとりぼっち』がリリースされました。

「Twitterでエゴサをしてるんですけど、ファンの方がいろんな感想を書いてくれていて。それを見ながら、“あ、アルバムが出たんだな”ってことをじわじわっと実感してるところですね。このあと、ライブで曲名を言ったときに――今は“おおっ!”とか、声を出せないので――拍手とかのリアクションが返ってきたら、曲が浸透してるのかなって感じることができる。それが、今から楽しみではあります」

――フルアルバムとしては前作からは1年半ぶりですが、改めて、どんな作品にしたいという思いで制作を始めましたか。

「いずれは自分で全部、作詞作曲をやったアルバムを出したいなとずっと思っていて。今回、それが叶ってうれしい反面、カルマみたいな(笑)。背負わなければいけないものがたくさんあるなって思って。結構、歌詞やアレンジ面で悩みつつも、頑張ったアルバムですね」

――2017年2月にリリースされたミニアルバム『CLOUD 7』も全曲で作詞作曲を手掛けてましたよね。

「『CLOUD 7』は、私の中では黒歴史って言ってるんですけど(笑)、わかる人にだけわかればいいっていうのがあって。もちろん、そういう考えの方もいるとは思うんですけど、自分はそれじゃダメだ!! と思って。だから、今回は『CLOUD 7』を絶対に超えたかったんですね。だからこそ、めちゃくちゃ悩みました。自分の欲と世間のイメージをすり合わせるためにすごく考えなければいけなかったんですけど、それが勉強になったし、楽しかったですね」

――自分のやりたいことと、相手に伝わりやすくすることのバランスはどう考えてますか。

「結局は、両立しないとダメだなって思ってて。そのバランスは曲によって違っててもいいと思うんですけど、まずは両立できないといけないんですよ。そうじゃないと、どっちかを多く、どっちかを少なくするのもできなくなるから」

――わかる人だけわかればいいという考えじゃなくなったのはどうして?

「どこかで、“わかる人にだけわかればいいっていう作品は、見てくれる人、聴いてくれてる人への攻撃でしかない”って見て。その通りだなと思ったんです。これは、わかんない人に向けての攻撃だと思って。もちろん、なかにはそういう曲もあっていいと思うんですけど、今の私はそれをやっちゃいけないなってあらためた感じですね」

――全体のコンセプトは、みんながわかる作品にしようっていう目標の上で決めてました?

「アルバムのタイトルでリード曲にもなっている「世界一幸せなひとりぼっち」が全ての曲に通じているんですけど、個人的なテーマとして“別れ”を描きたいなというのがありました。5年前に家族を亡くした時の気持ちを書けるかもしれないっていう思いもありつつ、曲を書いていましたね」

――リード曲は美しいロックバラードで、亀田誠治さんをプロデューサーに迎えてます。

「いずれは亀田さんにアレンジしてもらいたいねっていう話を昔からスタッフ間でしていて。まさかこんな早くやっていただける日が来るとは思ってなかったですけど、ほんとにうれしかったですね。元々は、ちゃんとしたバラードを描いてみたいっていうのがあって挑戦した曲で、冷たくも温かい雰囲気にしたかったんですけど、とにかく、亀田さんのアレンジが素晴らしくて。自分が作ったデモのアレンジを大切に扱ってもらえたこともうれしかったし、仕事も早いし、まわりのことも全部見えてて。ほんとレジェンドだなって思いましたね。現場では、実は亀田さんは母と仕事をしたことがあったり、いろんなところで繋がっていたという話も聞きまして。アルバムがリリースされたタイミングで“ずっと昔からいっしょに仕事をしてるみたいな感覚になりました”って言ってもらえたことも激エモ!って感じました(笑)」

――それはエモいですね(笑)。聴く人のことを考えるという意味ではこれ以上の人選はないですよね。

「そうですね。デモはかなり暴れていたんですけど、私がやりたいことをちゃんと汲み取りつつ、ブラッシュアップしてくださって。見事に、聴きやすくもエモーショナルな曲にしていただけてうれしいです」

――歌詞は先ほどもあったように、別れがテーマになってますが、<泣いたりもするけど/寂しくはないんだよ>って歌ってます。

「大事な人を失っても、その人からもらった愛や思い出は絶対に消えないなって。それが、ここ5、6年で辿り着いた、残された人である自分の答えですね。失ってしまった人は消えてしまったわけではなくて。私が覚えている限りはずっといる。たぶん、一生忘れることのできない悲しみなんですけど、ちゃんと心の中にいるっていうのは覚えておきたいなって。もちろん、また、凹んだり、寂しくなったり、苦しくなる時はあると思うんですけど……」

――僕は僕のことを許せたし、愛せたとも言ってますね。これもご自身の正直な気持ちですか。

「愛せる時もあれば、許せない時もあると思うんですよ、人間なので。私は私を愛せたんだ!って歌詞に書いたとしても、“ああ、マジで自分大嫌いだな”と思う時もあるし。でも、その時の気分によって聴いてもらえたらいいかなと思ってて。音楽ってエフェクトだなと思うんですよ。人生の中で、この曲がぴったりくるって思ったときに聴いてもらえたらいい。この曲の世界はそういう自分っていう感じですかね。この曲を書いた自分は、確かに自分のことを愛せたって言えたっていう」

――最後の「エンジェルナンバー」も通じるものがあるんですが、そこに至るまでの楽曲について順を追ってお伺いしてもいいですか。2曲目のピアノロック「23:59」では、もし世界が今日で終わるとしたらどうなるんだろうねっていうことを問いかけてます。

「こうなればいいなとか、自分はこうなるんだろうなっていう想像ですね。最終的にこの世界が終わるか終わらないかはわからない。デマかもしれないけど、もし本当だとしたら、こういう風であって欲しいし、こういう感覚になって欲しいなっていう曲です」

――どうなって欲しい?

「この世界が終わるってなったら、世間のしがらみによって作られている自分のキャラクターが一切、なくなるじゃないですか。小学生くらいの素直な自分になれるんじゃないかなって思ってて。<悪い夢を見てたみんなも我に返って>っていう歌詞がありますけど、同じ毎日を繰り返して生きてる人たちも、それをしなくて良くなる。言っちゃえば、ストレスもなくなるだろうし、人間関係も私はこうなるんじゃないかなってことを書きましたね」

――人と素直に向き合って、本音で話せるようになりますかね。

「そうなればいいなと思いますね。あと、世界が終わるって、一斉にみんな死ぬってことじゃないですか。それって、世界が目指している平等なんですよね。私たちが生きているうちは平等は一生来ないと思ってて。出生も平等ではないんですよ。……めちゃくちゃ妄想トークなんですけど(笑)、世界の終わりは初めて世界に訪れる平等なんだよなっていうのを考えたりしてたので、それをそのまんま歌詞に書いた感じですかね」

――世界の終わりの後に神様が出てきます。「神様でもあるまいしは」は、カオティックなエレクトロスイングになってますが。

「2曲目から5曲目までは、どかーん!とアップで行くって決めてて。これはただただ乗れる曲を作ろうっていうので、歌詞にあんまり意味はないです。あはははは!」

――なるほど(笑)。で、続く「Once Upon A Time In TOKYO」はファンキーですね。スラップベースにコンガとホーンも絡んでて。

「アルバムの曲が着々と出来てきた頃に、カッティングの曲があっていいんじゃないっていう話になったので、ファンク系かなと思って。それに、人間関係でスッキリ、サッパリすることがあった時期でもあったので、スラスラ描けた気がしますね。歌詞は自分の中におかまちゃんをおろして描きました」

――サンバカーニバルのカッコでホイッスルを吹いてるイメージでした。

「あはははは!そうですね。この曲を作ってる時もレコーディングしてる曲もすごく楽しかったですね」

――そして、今年3月4日にリリースした2nd EP「MAJIGEN」に収録されていたソウルフルなジャズロック「エスカルゴ」は口笛から始まります。

「この曲は、起死回生的なニュアンスで作ったと思うんですね。ほんとは殻を破りたいのに破れない人っているよなって。ニューノーマルの時代って言われてますけど、なかなか殻を破ることのできない人に向けた応援歌っていう感じですかね。「エンジェルナンバー」もそうなんですけど」

――<残念だけどわかってやれるのは自分だけだぜ>っていうフレーズにハッとしました。

「自分がそう思ってることをもろに書いたというか。残念だけど、人の苦しみを100パーセントわかってあげられる人はいない。だから、自分で自分のことをわかってあげるしかないよなって思ってるのがそのまま歌詞に出た感じですね」

――そして、6曲目からは、さまざまなラブストーリーが展開されてますよね。まず、ジャジーなローファイポップ「勝手にしやがれ」の主人公はどんなイメージでしたか。

「大人めのお姉さんですね。結構、昔に書いた恋愛の曲なんですけど、当時の自分の感情が入ってると思います。ほんとに昔なんですけど、自分の年齢に追いついた感じですね(笑)。好きな男子が“この子かわいいわ~”って言ってるのを見て、“いかにもって感じでおもしろくねーなー”って思ったことがあったので(笑)」

――今も変わってないですか?その恋愛観は?

「昔から変わってないかもしれないです。皮肉屋だけど、夢も見ちゃう。ロマンチストだけど、ひねくれてもいる。超めんどくさい人ですね」

――あはははは!ジャズナンバー「魔女のルール」の主人公は?

「私よりも上の世代の女性のことを考えて作りました。自分が子供の頃、母の仕事上、いろんな人を見てきた中で、一瞬見せる表情に、あれっ?ていう感覚があって。子供の頃はわからなかったんですけど、年が近づくにつれて、もしかして哀しい感情でいたのかなとか。そういうことを思い出して書いた感じですかね」

――これは10年後も歌っててほしいですね。

「歌ってたいですね。これが似合う女になるのか……怖いけど、ドキドキします。その後の「ほしに例えば」はフィドルを入れさせていただいて。異国的な、ワールドチックなアレンジにしたんですけど、抽象的な歌詞になってて」

――君に対して<僕はまた僕になることを望むのかもな/君はどう?>と呼びかけてますね。

「前世もいっしょだったっていう女の子に対して、じゃあ、来世もいたいと思う?っていう問いかけを考えてましたね。ちょっとラノベっぽい主人公だなって思ってて。めちゃ説明口調で早口でいうタイプの男の子。女の子のこと好きなんだけど、ツンツンして言えないっていうのを個人的には考えて作りました」

――ああ、丘の上に座りながら、空の星を見上げてる二人が目に浮かびます。

「あはははは!ほんとにそういう感じになっちゃいました」

――もしくは電車で向き合って座ってるみたいな?

「車内には誰もいないっていう(笑)。SHAFTがアニメ化しそう!」

――楽曲の主人公はいろんなイメージで書いてるんですね。

「自分だけだと自己嫌悪の歌しか書けなくなると思って。この間、VTuberの戌亥とこちゃんに「地獄屋八丁荒らし」っていう曲を提供したときに、すごくスラスラかけたんですよ。いろんなネタを自分と重ねて描こうと思って、今回、いろんな自分の妄想とコラボしました」

――そして、再びロックバラード「一応私も泣いた」に向かいます。

「誰かを失った曲なんですけど、喧騒にまみれた社会で、ちゃんと悲しめてる人って、いないんじゃないかなって。誰かを失ったとき、何か悲しいことがあったときに、ちゃんと泣いたり、ひとりになる時間は大事だよねって思ってて。私、祖母が亡くなったときに、泣けなかったんです。まわりは泣いてるんだけど、自分だけ泣けなくて。悲しいのか、悲しくないのかわからないというか、どうなってるんだ、なんなんだこれはっていう感じになってたことがあって。でも、親戚がごちゃごちゃしてるところを離れて、ひとりになったときにやっと、ブワッて涙が出て。自分もそうですけど、今の人たち、ちゃんと悲しめてないし、ちゃんと怒れてないし、ちゃんと笑えてないんじゃないかって思い始めて。この曲は悲しみに絞って作った曲ですけど、個人的にはポジティヴな歌だと思ってて。最後の最後に、無性に泣けた。だから、次に行けるよねっていう見えないメッセージを込めてます」

――「グリム」はピアノロックですが、すごい勢いですよね。

「この曲は片っ端から、悲劇のおとぎ話と呼ばれている物語を無理やりハッピーエンドにしちまおう!っていう脳筋な曲です(笑)。これは確か、これから私、頑張っていくぞ!っていうタイミングで。まだコロナがない頃に作った曲なんですね。2020年に向けて、新しい物語を初めていきます! っていうテンションだったんですけど、お預けを食らっちゃって(笑)」

――ハッピーエンドにしたいんですね(笑)。「23:59」もこれは最高のハッピーエンドだって歌ってて。

「考えている核はいっしょなんだなって思いますね。「23:59」も個人的ハッピーエンド。極論なんですけどね」

――そして、最後に「エンジェルナンバー」が収録されています。先ほど、「エスカルゴ」と同じく応援ソングだって言ってましたね。

「そうですね。この曲はまず、誰かを応援できる曲を作りたいってところから始まって。歌詞はめちゃくちゃ考えたんですよね。自分は人の相談に乗ることがすごい苦手で。その人が求めている答えが分からなかったり、その子がどういう選択をしたところで、私は何も言えないよなって思っちゃう。ただ聞いて欲しいだけの場合もあるんですけど、それも私は分からないなと思っちゃって。否定も肯定もできないし、しない方がいいなって思ってて。その中で曲を書いていたときに、私はよく、ある一定の数字をよく見ることがあるなと思って。それをエンジェルナンバーっていうみたいで。じゃあ、この曲は第三者目線、天使目線から書けばいいんじゃね?って思いついて、バーってできた感じですね」

――エンジェルナンバーにはどんな思いを重ねてますか。

「数字としてメッセージを与えているっていう感覚を曲にした感じですね。見えないし、わからないだろうけど、ちゃんと見守ってるし、あんたの努力は見てるからねって。この曲を最後にしたのは、『世界でいちばん幸せなひとりぼっち』という物語の最後に、天使目線で見たときに、それでもいいんじゃないっていう解決というか。それがいいんじゃないかなっていう感じの終わり方にしたというか」

――最後に<Just be as you are>というフレーズを残してます。

「あなたはそのままでっていう意味なんですけど、これは本当に、自分にも向けて言ってて。なにものになる必要もないというか。あなたはあなただから素晴らしい。だから、そのままでいればいいじゃないか。そんなあなたが選んだことであれば、それは素晴らしいことだし、きっと正解なんだと思うっていうメッセージ。自分にも奮い立たせる言葉だったりしますね」

――この曲で、先ほど言っていた、もっと怒ったり、泣いたり、楽しんだりした方がいいってことを歌っています。

「今の若い子達って、いちばん怒らない世代って言われてて……まわりを傷付けない代わりに自分を傷つける人が多いんですね。人を傷つけてはいけないけど、もっと怒っていいし、苦しい時は、苦しいんだって言っていいと思うんですよね。歌詞にもあるけど、“死にたい”よりも、“みんな死ねばいいのに”の方が軽いんですって。それでもいいから、図々しく生きて欲しいし、図々しく生きたいと思って描きました。へへへ!」

――いや、まさにエールソングですよね。アルバムを通して聴いて、とても胸が熱くなりました。そして、久しぶりのワンマンライブも開催されます。

「めちゃくちゃ緊張しますね。ほんとに1年ぶりです。1年経っちまったかと思うと時の流れはこえーな!と思ったりしてて。でも、ライブは、まずは会えたことに喜びを分かち合いたいのがいちばんにあって。『MAJIGEN』のリリースイベントも中止になってしまったので、久しぶりに会えたねってことは伝えたい。既存の曲から新曲まで、制限はあると思うんですけど、それでも、心の中で楽しんでもらいたいと思いますね。来たくてもコロナが怖くて来れないっていう方たちもいると思うので、配信でも見てもらえるようにして。みんながいてこその自分だから、なんかね、頑張りたいなと思います。マジで、ほんとに感謝を伝えたいですね。ライブに来てくれたことに対して、来れなかったけど、待ってたよっていう声に対しても、ありがとうって言いたいし、アルバム出せたって言いたいですね」

(おわり)

取材・文/永堀アツオ





■majiko ONE MAN LIVE 「世界一幸せなひとりぼっち達」 majikoオフィシャルサイト
2020年12月21日(月)@豊洲PIT/Streaming+生配信情報



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