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「ジュルナルクボッチのファッショントークサロン」by SMART USEN
ファッションを取り巻く環境は日に日に変化を続けており、まさに今はその変化の大きなうねりのなか。特に地球環境とビジネスとの共存は、ファッション業界だけでなく今を生きるすべての人たちにとっての重要な課題であり、そこに向き合わない業界や企業に未来はないと言われている。
2020年7月28日に渋谷宮下公園跡地の新商業施設「レイヤード宮下」に、サステイナビリティーとクリエイティビティーの融合を目指すコンセプトストア「Firsthand(ファーストハンド)」の2号店がオープンした。
ファーストハンドは、不完全さを許容しながらもまずはスタートし、テイクアクションを優先していくというポリシーのもと、ファーストハンドのクリエイティブをしっかりと表明したうえで、環境については今自分たちができることの100%をきちんと行う、ということを進めている。
ショップオープンのタイミングでは、NYブルックリンに拠点を置くデザインスタジオ「PLACEHOLDER (プレースホルダー)」の創設者である澁谷氏が手掛ける「PLASTIC PAPER(プラスチックペーパー)」 というプロジェクトのエキシビションを開催している。
2011年に澁谷氏が渡米した際、NYで使われているビニール袋のほとんどは、店のロゴではなく「Thank you for shopping with us」などの一文が書かれていたり、「スマイリーフェイス」のデザインだけであり、それが逆にNYという街のデザインアイデンティティーにもなっていると感じた体験があった。
そんなNYの日常に溢れる使い捨てビニール袋のデザイン性に興味を持ったことがきっかけで、収集を始め、仲間のデザイナーやフォトグラファー、作家とともに写真集「プラスチックペーパー」を2019年3月に出版することになった。
この写真集は、日常のなかに存在する「デザイン」というクリエイティビティーへの賞賛と記録、ビニール袋文化という「環境課題」への提言という意味を込め、出版された。
サステイナブルアクションは、日々の生活や行動のなかに矛盾があったり、批判があったり、学びが足りていないことがあったりということが少なくなく、躊躇してしまうこともあるのだが、まずは1人1人が小さくてもアクションを起こすことで、気づきや学びが生まれてくる。「プラスチックペーパー」のような思いを持った人たちの活動が、自分を含め1人でも多くの人の行動の「変化のきっかけ」になれば素晴らしいと思う。
(おわり)
文/清宮雄樹(デイトナ・インターナショナル)