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「ジュルナルクボッチのファッショントークサロン」by SMART USEN
大学生の頃にバイト仲間と始めた音楽活動やクラブイベントを通じて出会った仲間達とはもう20年を超える付き合いになる。その彼らはいま、ファッション誌の編集長をしていたり、デザイン事務所の代表を務めていたり、イベントプロモーションの会社を運営していたり、アーティストとして第一線で活躍していたり、図らずも近しいフィールドで互いに切磋琢磨できるありがたい環境にある。あの頃、自分たちが将来同じようなフィールドで働いているとは全く想像していなく、ただ純粋に日々を楽しみ自分の好きなことを追求していただけだった。たぶんいまもそれは変わっていなのだとも思う。
そして当然、出会いがあれば別れもあった。当時、時々いっしょにライブに出ることがあった、とても憧れていた年上のアマチュアバンドがあり、彼らはメジャーを目前にその夢を諦め解散した。その時からもう彼らには会うことはなくなってしまったのだが、その彼らが必ずライブの際にパフォーマンスしていたグローヴァー・ワシントンJR.の「Just the Two of Us」(邦題は「クリスタルの恋人たち」)を聴くと、いまでもイベント終わりのあの明け方の空を思い出す。そして情景だけでなく、その時の風の温度や街の匂いみたいなものまでをも思い出させる。フェンダーローズの旋律に、彼らの音を重ねながら……この曲、この一枚はいつまでも自分のなかにあるのだと思う。
(おわり)
文/清宮雄樹(デイトナ・インターナショナル)
- グローヴァー・ワシントンJR.『ワインライト』
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2019年6月26日(水)発売
アナログ/WPJR-10065/3,800円(税別)
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