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2019.06.21

ビームス、フリークスストア、アーバンリサーチに聞く――セレクトショップが音楽フェスに参加する理由

1997年にはじまったフジロックフェスティバルが今年の開催で22年目を迎える。この約20年間で大小さまざまな音楽フェスティバルやイベントが急増し、日本のカルチャーのひとつとして定着した事は周知の事実。そんな音楽フェスだが、協賛する企業にも飲食やアウトドア系ブランドに並んで、ファッション系セレクトショップのロゴマークが目立つようになってきた。今回は、ビームス、フリークスストアを展開するデイトナ・インターナショナル、アーバンリサーチの3社に音楽フェスに参加する意味とその理由を聞いた。

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まずは、フジロックフェスティバルをはじめ、都市型野外フェスであるグリーンルーム フェスティバルや静岡県で開催された「頂 -ITADAKI-」などの野外フェス、さらにスペースシャワーネットワークが下北沢で開催しているマーケットイベント「GOOD VIBES NEIGHBORS」などにも参加しているビームス。

2015年から「HAPPY OUTSIDE BEAMS」というスローガンを掲げ、さまざまなコトを中心に外遊びの楽しさを発信しているビームス。「山や海、街中でも外に出て遊ぶ楽しさを自分たちのフィルターを通して届けたいのと、モノ、コト、ヒトを通じて体験や出会い、感動などのワクワクを伝えたいんです。そういう環境を多く作る事で、“今度ビームスに行ってみようかな!”と思ってくれたらうれしいですよね」と株式会社ビームス 販促企画部の千木良 学さんは音楽フェスをサポートする理由を語る。もちろん、それはユーザーなどの外向きだけではなく、「スタッフでもアウトドアやフェス、音楽が好きな人が多いので、彼らのモチベーション・アップにも繋がりますし、最終的にはスタッフ自身が“自分も参加したい!”という土壌が出来たらいいですよね」と、スタッフなどの内向きへの作用も考えているという。

2004年からサポートをしているフジロックでは、会場運営スタッフ用Tシャツからオフィシャル・コラボアイテム、オフィシャルショップ用ショッパーをサプライ。オウンドメディアでも「HAPPY OUTSIDE BEAMS」の特集コンテンツを展開しており、会場でのスナップ撮影など、さまざまな形で関わり続けている。

また今年の「頂 -ITADAKI-」では、ブース出店ではなく「BEAMS Village」というグランピング・コミュニティエリアを作るという、より踏み込んだ形で参加している。「この形は、これからのイベントとの関わり方の第一歩になったと思います」とビームスが考える今後の方向性を指し示すものになったようだ。

「代表の設楽(代表取締役社長 設楽 洋氏)が“色んなコミュニティの集合体でありたい”と言うのですが、さまざまなイベントに関わる事で、色んな人たちにお会いして、コミュニティが広がっていけば、それこそ、その形に近くなると考えています」。さまざまなコミュニティを巻き込んで、吸収しながら自社の価値を高めていく。これこそがビームスらしい音楽フェスとの関わり方なのかもしれない。



FUJI ROCK FESTIVAL’18

FUJI ROCK FESTIVAL’18

頂 ITADAKI- 2019

頂 ITADAKI- 2019

頂 ITADAKI- 2019



一方、約5年ぶりにグリーンルーム フェスティバルに参加したデイトナ・インターナショナルはどうか?「原点が茨城県古河市という事もあり、大規模な音楽フェスをサポートするというよりは、むしろローカルに根ざしたユニークで面白いカルチャーを誰かに届けるというのが、僕らのミッションのひとつだと考えています」と語ってくれたのは、株式会社デイトナ・インターナショナル マーケティング部の清宮雄樹さん。その言葉のとおり、茨城県結城市で開催されている音楽祭「結いのおと」や静岡県沼津市愛鷹で開催される野外マーケットイベント「Yes Good Market」など、主にローカル系イベントを中心に参加している。

「今はその場でしか体感できないモノやコトの価値が上がっていると思うんです。だからこそ、ショップが次のコミュニケーションのきっかけの場所になっていくのかなと」。そのための導線作りに取り組んでいるという。そのきっかけのひとつとして、昨年2月、同社本社内に併設されたOPEN STUDIO HARAJUKUで開催された「The Fabulous Sounds Jazz Festival」では、ヴィンテージジュエリーのThe Fabulous Sounds Outfitters、OVALやKan Sanoを擁する音楽レーベル、origami PRODUCTIONSとコラボレーションするなど、音楽イベントにも力を入れはじめている。そこから派生して、ホテル事業の「EARTHMANS TSUGAIKE」では、グリーンシーズンと呼ばれる夏季に、プライベート感のあるラウンジライブ&宿泊イベントも計画中だとか。

「“LIFE TO BE FREAK─熱狂的に生きて世界中を幸せに”という社是のとおり、自分たちが応援できるモノを大事にして、その共感者を増やしていきたいと考えてます」と清宮さんが言うとおり、ローカルカルチャーにフィーチャーして、コラボレーターといっしょに新しい価値を作っていくハブを目指すのがフリークスストアらしさだろう。



GREENROOM FESTIVAL

Yes Good Market 2019

Yes Good Market 2019

結いのおと

The Fabulous Sounds Jazz Festival



最後は、自社で野外音楽フェス「TINY GARDEN FESTIVAL」を開催しているアーバンリサーチ。最近では、“サーフィンのオリンピック”と言われる世界的なビッグイベント「2018 ISAワールドサーフィンゲームス」のサポートもしている。

「TINY GARDEN FESTIVAL」に関して言えば、今年からアーバンリサーチ ドアーズからアーバンリサーチのプレゼンツとなり、会社全体で参加する方向へと転換。いままで以上に自社主催の野外フェスにフォーカスしていくようだ。

「もともと会社的には、自前で“好きなようにやる!”という主義なんです」と自社開催の理由を語ってくれた株式会社アーバンリサーチ 販売促進部の齊藤 悟さん。また今年の夏には、長野県茅野市の蓼科湖近くに新しく自社で運営するキャンプ場「TINY GARDEN」をオープンさせるという。来季からは、オリジナルのアウトドア関連レーベル「EKAL(エカル)」も立ち上げ、そこでブランディングした商品を育てていくとの事。

「お客さまと都会でも会うし、山でも会う。現場でお客さまと会話して、そういう距離感で実現できるモノ、コトの方が弊社には合っていると思うんですよ。そこで価値を共有してブランンディングしていきたいと考えていますし、お客さま自身がブランドのアンバサダー的な感じになってくれたらうれしいですよね」。現場でユーザーの意見を聞いたり、実際に使ってもらいながら、商品を開発し、ブランディングしていく方向に力を入れていくそうだ。

齊藤さんいわく「社長(代表取締役 竹村幸造氏)には“自分が面白くなかったら、お客さんも面白くないでしょ?”と言われるのですが、面白くないと続かないですしね。だから、この事業では商売に徹する感じではなく、ここでブランディングして、やがて売り上げを取るという考え方です」とのこと。自社で音楽フェスからキャンプ場までを立ち上げアーバンリサーチは、ユーザーとの距離感を工夫することで新しい何かを生みだそうという考えのようだ。

TINY GARDEN FESTIVAL

TINY GARDEN FESTIVAL

TINY GARDEN FESTIVAL

TINY GARDEN FESTIVAL

TINY GARDEN FESTIVAL



各社に音楽フェスへの関わりについて話を聞いてきたが、ビームスはフェスをサポートすることで消費者とのタッチポイントを増やしながら自社の価値を高め、フリークスストアは、ショップとローカルを直結させながら人々を惹き付けて、仲間を増やしていく、そしてアーバンリサーチは自前主義で自分たちでさまざまなモノ、コトを育てていくと感じられた。

三者に共通しているのは、音楽フェスというリアルな場所から自分たちの価値観を発信することに魅力を感じているという点。しかも、そこで直截的に収益を上げるということが目的ではなく、ブランドや商品の価値を高めるブランディングの方法のひとつとして参加し、サポートし、あるは主催しているという事なのだ。音楽フェスに参加する事へのアプローチや考え方は三者三様だが、方向性はともに同じという事が明らかになったと思う。

(おわり)

取材・文/カネコヒデシ(BonVoyage/トーキョーマガジン)









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