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――『Destiny』には、MINMIさんをフィーチャーした「Outta Love feat. MINMI」も収録されていますね。
「以前、彼女の「シャナナ☆」をカバーしたことがあったっていうことと、この曲ができた時、最初はラッパーをフィーチャリングしようかって話があったんです。でも、なんとなくラッパーは違うかなと思って……。その時、曲の感じがちょっとMINMIっぽいなと感じて、以前、私が彼女の曲をカバーしているし、今度は私の曲でコラボレーションできたらおもしろいんじゃないかなって閃いたんです。
――この曲のプロダクションはどうやって進めたんですか?
「一度、MINMIに会って、いっしょに簡単なデモを作って、その後は、彼女からちゃんと録ったものを送ってもらってという感じですね。私が日本語で歌っている曲は、私が英語で書いた詞を日本の作詞家の方が翻訳してくれているんですが、この曲ではMINMIがそれをやってくれています。それにしても、彼女はすごくかわいい人ですよね?3人も子供がいるなんて、本当信じられない!(笑)」
――「Fun」や「君がいれば」といった曲では、以前「Happiness」にも携わったプロデューサーのFAST LANEさんや作詞家の岡嶋かな多さんも参加されていますね。
「気心が知れている分、こうしたいという意見は、たくさん言わせてもらいました(笑)。やっぱり、制作面では以前に比べて自分が主導権を持つようになりましたね」
――そのタフさはどこから生まれてくるんでしょうか?
「やっぱり、2年間という時間をかけて、自分の音楽を見直したことが大きいと思います。音楽のことだけでなく、自分自身のことも見つめ直して、自分らしくいること、自分ができることを、自分自身が受け入れるって気持ちになれた。自分らしくいることに自信が持てれば、例えば自分がNOと言ったことに罪悪感を感じたり、後悔することもなくなります。なぜなら、自分のしたいことが明確に見えているから。もちろん、自分が選んだことに確信が持てない日もありますけどね。でも、とにかく今は、決断を早くするように心掛けてますね。それがもし間違っているってわかったら、修正すればいい。私自身がこうしたいんだという意思を持つことで、幸せになれると思えるようになったんです」
――もっと自分を好きになりたいと思っている日本の女の子たちにとって、心強いメッセージですね。
「自分に自信を持つことに対して、文化的背景が弊害になっていることもあると思うんですよ。自分の個性と社会の文化は違うものだから。とくにアジアは伝統とか文化を重んじる社会ですよね。私自身、中国系の父とインド系の母を持ち、そういった環境で育ってきたからよくわかるんですけど、その人自身が何をしたいのか、あるいは周りにどういう人がいるかによっても、大きく変わってくると思います。その中で、いわゆる固定概念みたいなものから一歩抜け出して、自分が何をしたいのか、何が好きなのか。そのためだったらとにかく頑張れると思えるものを見つけることが大事だと思います。そういうところから、少しずつ自信がついてくるんじゃないかな。やっぱり今の社会って、男性のほうがまだまだ優位な場面も多かったりしますから、その中で生きていくって大変だと思うんだけど、それでも自分はこれがやりたいんだ、これが私なんだっていうものを見つけて、それにしっかりコミットしていくこと。それを続けていけば、見えてくるものがあると思います」
――自分にコミットすることが大事?
「自分が言ったこと、やると決めたことにしっかりコミットすることだと思います。私の場合は2年間のオフがそうでした。契約も何もない状態で、先が見えなくて怖い部分もあったんですけど、じっくり音楽を見つめ直すんだ、私の音楽を作るんだと決めて、それをとことん貫いたんです。それから、自分の直感をキャッチすることも大切。もちろん聞く耳を持つことも必要だけど、人の意見を聞いて、それが自分のやりたいことなのかどうかっていうのを、ちゃんと自分の中で確認する作業も大事かなって思います。何事も結局は自分次第だと思うから。誰かが決めることじゃなくて、自分が決めることだっていうのを忘れないでほしいですね」
――『Destiny』が、そんな風に自分と向き合ってできた作品だと思うと、聴こえ方もまた変わってくるような気がします。シェネルさん自身も満足のゆく1枚になりましたか?
「もちろん。でも、同時に、次に自分がやることも見えていて、それを発表するのがすごく楽しみ。それこそ、私の人生の新しいチャプターになるはずです。これまでも、作った作品に対しては満足していたけれど、当時は、アルバムができました、じゃあ次は何をしよう?何ができるかな?って感じだったんです。でも『Destiny』で新しい自分のサウンドを確立することができて、次はこういう作品を出すっていうのがすでに見えた……というか、実はもう次回作もできていているんです(笑)」
――えっ!そうなんですか?
「そうなんです。それこそ、みんながあっと驚くような新しいサウンドになっていると思いますよ。楽しみにしててくださいね」
――それこそ、『Destiny』が、後々シェネルさんにとってのターニングポイントだったと言われるようなものになるかもしれないですね。
「そうだといいですね。かつて、マライア・キャリーが「Honey」という曲を出した時、世間は“こんなのマライアじゃない!”ってびっくりしたと思うんですけど、長い目で見ると、やっぱり彼女はそこから変化したと思うんです。それは、周りの意見に左右されず、自分はこの道で行くんだと貫いたからこそ。今回の『Destiny』が、私にとってそういう存在になればいいですね」
――これを機に、日本での活動も再び加速していくと思いますが、シェネルさんが今後日本でやってみたいことは?
「私の作品に刺激を受けた日本のアーティストが、もっと新しいサウンドに挑戦してくれたらすごくうれしいですね。日本で培われた音楽が、世界で聴かれるようになったらいいなって……。例えば、K-POPはすでに世界で受け入れられてますけど、日本のアーティストだってそういう風になってもおかしくないわけで。なので、日本から発信された音楽が世界に出てゆく――それが私の作品であっても、あるいは私の作品から刺激を受けた他の人の作品であってもいいんですけど――そのきっかけになれたらいいなと思います」
(おわり)
取材・文/片貝久美子
- シェネル『Destiny』
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2017年6月14日(水)発売
UICV-1084/2,500円(税別)
Virgin Music