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――今回の『BL-EP』、何が驚くって47都道府県ツアー中に作ってたということなんですけど。
一同「(笑)」
オカモトショウ「“今年はライブの1年にしよう”と宣言して、47都道府県ツアーをまわっていたのに、結局レコーディングもして。でもやれて良かったです。ツアーの間だったからこそレコーディングは純粋に“楽しいね”という雰囲気で。いい意味で肩の力抜いてやれてる部分が存分に出てるんで」
――曲自体もツアー中にできたんですか?
ショウ「ほぼツアー中です。もともと〈Burning Love〉が映画『にがくてあまい』の主題歌としてお話をいただいたおかげで、早めにできていて。1曲でシングルとしてリリースするのはどうだろうという話になったときに、例えば〈Burning Love〉をはじめ、そういうカラーの楽曲を4、5曲まとめてスペシャルなEPとして制作するのはどう?というアイディアが出て、作り始めた感じですね」
――ものの見事にBPMが80前後くらいの楽曲が集まって、ほんとにダンスレコードだと思いました。
オカモトコウキ「BPMが遅いのも、力とスピードで盛り上げにかかるということとはまた別のベクトルで、じんわり温度が上がっていく様な盛り上げ方を意識しました」
――ちなみにツアー先でもひたすらレコードをディグっていたというお話ですが。
オカモトレイジ「現地のオフの日に、レコ屋でハマくんに会ってばかりでしたからね」
――そういう中で掘り出し物は?
ショウ「俺、鈴木 茂の『LAGOON』、被りで2枚買っていたことに気づいた(笑)」
ハマ・オカモト「僕も。安全地帯のアルバムが数字(のタイトル)だから、もう持ってるのとごっちゃになってしまって。でもそれは、常に刺激になっていたということの裏返しかな、と」
ショウ「あとはツアー中に、サブスク系で新譜をすごく聴くようになったのもスピード感的に大きいです。それで聴いていくと、どうやらもうギターがうるさい音楽がほぼ流行ってないなぁという世界の情勢が見えてきたり(笑)。それとハマとコウキが、ソフトロックとAORがトレンドだった時期があったり、そういうのが混ざり合っていって、自分たちの今のモードが出来上がって、そんな中での『BL-EP』制作でした」
――80sっぽい感じもするんだけど、実際のサウンドプロダクションは今っていう仕上がりですね。
ショウ「サウンドが大きく変わった理由として、今作ではアルバムを通してエンジニアに渡辺省二郎さんを迎えたということが大きいです。まず〈Burning Love〉で初めてご一緒したところ、今の俺らのモードにぴったりな音に録れたので、1枚全部を渡辺省二郎さんと作りたかった。それこそ音は最先端を行っていますが、80年代当時からずっとバリバリやってる方なので。そういう楽曲に対しての理解も深い上で、いいところをいっしょに作れた結果だと思っています」
――「Border Line」も「Burning Love」と同じぐらいのテンポ感でほんとにパーティーレコードって感じがします。
コウキ「〈Burning Love〉と同じ温度感なんですが、もう少しそれの発展形の様なイメージで作りました」
――これ、女子の一人称パートをコウキさんが歌ってるんですか?
コウキ「そうです。BARBEE BOYS的なイメージで女子パートを作りました。二人で歌っている一番かっこいいのがバービーという印象が勝手にありまして、そうすると片方、女性の歌詞になってしまうという」
――「NEKO」のサビメロはくるりの「琥珀色の街、上海蟹の朝」と双璧をなす感じで。もうちょっとこういうメロディーについてみんなで語りたい感じ(笑)。
ショウ「まさに(笑)。俺はいつもステージで一番前に立ってお客さんを見ている立場の意識があるところで書くので、もっと力押しな楽曲を書きがちなのですが、そうするとじわじわくるような感覚はないかな?と思っていたんです。くるりの上海蟹はものすごくいい曲だなと思うし、“ハズし感”というのが正しいかわかりませんが、それはかなり今年きてるような気がしていて。そんな最中に、俺、猫飼い始めたんですよ、実は(笑)」
――ああ、だからサビで“猫なでよう”ってそのまんまのリリックなんですね(笑)。
ショウ「ハズしの感覚って、リリックだけではなくて、ギターがほとんど鳴っていない感じもそうですし、聴けば聴くほどドラムが鳴ってない、そういうことも含めて、当たり前のことを当たり前にやらない人たちがすごく増えてるなと思っていて」
――なるほどね。「NEKO」に関しては、4人でやったバージョンと、KANDYTOWNの呂布さんとMUDさんが参加しているバージョンとの2曲が聴けます。レイジさんはKANDYTOWNのディレクションもしていますけど、今回、このふたりを呼んだのは?
レイジ「“このふたりでしょ”という感じですね、楽曲的に。2ヴァース分しかないですし。ラップがかっこいいのはもちろんですけど、ふたりはすごいきちんとリリックを書いてきてくれるし、レコーディングもスムーズにやれるんで」
――「Phantom(By Lipstick)」は少しカラーの違う曲ですが、イントロのエレピがノスタルジックで、Aメロやスキャットの感じもいいですね。
ショウ「個人的には英語版〈ルビーの指輪〉というところを意識しています。ちょうど地方のハードオフで、アナログの7インチが50円で売っていて、阿久 悠が歌詞を書いている曲を全部買うということをひたすらやっていたタイミングがあったんです(笑)」
レイジ「その裏で俺はニュー・ジャック・スウィングにハマるっていう。変なバンドだなー(笑)」
ショウ「〈Phantom〉は、歌謡曲の世界観を取り入れたいけど、日本語でやったらそのまんまになってしまうし、難しいなとずっと思っていたので英語でやったらうまくいくかもな、という心持ちで書きました」
――そして並行して海外の新しい音楽も聴いていたと。
ショウ「フランク・オーシャン、全くわからないです……」
コウキ「フランク・オーシャン、好きだなぁ(笑)」
ショウ「断然ボン・イヴェールの方が好きだった」
レイジ「俺はどっちも好きじゃなかったな。やっぱりニュー・ジャック・スウィングにハマってるから、ビートがきてほしい」
――(笑)。肩の力が抜けてるようで、2016年最後のリリースという意味では、“あ、2016年って、OKAMOTO’Sはここまで来たんだな”って音でもあるし、意味のあるEPに仕上がったなと思います。
ショウ「今年は、俺らと同世代の洋楽っぽいサウンドのバンドが盛り上がった印象がありまして。それは俺らが2010年からやって来た中で、初めての空気感なんです。もっと長い目で見たらそういうものがぐるぐる入れ替わってきていたりすると思うのですが、風向きが変わった感じがしています。なので、改めてきちんと濃いことをやっていてよかったと思いますし、このEPがそういう音楽が好きな人たちにもきちんと届いたら嬉しいなと思います」
(おわり)
取材・文/石角友香
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