MoodoÏd『Primadonna Collection』
ディスコ、ビーチ、クラブが直観で思い浮かぶ今作はかなりの豪華メンバーで構成。今までと違う質感でありつつ、トータルで聴くと着地地点は普段通り。POP過ぎず、おしゃれで斬新。日本からは今を時めくキュートガール、ZOMBIE-CHANGや自身がギターとして在籍しているバンド、安定感MAXのMelody's Echo Chamberなど、MoodoÏdの選抜メンバーはいつも安心できます。コムアイとのコラボも斬新で記憶に新しいですが、下北沢好きのMoodoÏdの曲って日本好き感があって、スタイルも取り込んでいるので、すんなり耳に入ってきます。
Oneohtrix Point Never『Again』
ダニエル・ロパティンことOne Ohtrix Point Neverの最新作。もはやWarpの顔とも言えるOPN。ひたすら突き進んだ曲調で、急激な展開やBPM無視の曲等、常にアグレッシブで最前線。そして芸術性の高いジャケットもOPNの特徴。理解をしようとすることを辞め、深く聴こうともしないスタンス、空間音楽であり美術。まさに彼特有であり、固執しないから生まれる最新音楽……なのに聴いた瞬間にOPNと分かるところは一流です。
Eartheater『Powders』
約3年ぶりとなるアルバムにはSystem Of A Down「Chop Suey!」のカバーが挿入歌として、先行シングルでの発表。めっちゃ懐かしい名前だけど現代版にグレードアップ。その辺りをチョイスする点、青春時代の面影が曲に反映されている。電子実験と音響テクスチャーの間で形状を変化させながら、無限の可能性を発揮。多くのプロデューサーを起用した今作はEartheaterの脳内を作品化した凄腕達。
Blonde Redhead『Sit Down For Dinner』
1993年ニューヨークで結成、30年以上のキャリアを誇る日本人女性アーティスト、KAZU MAKINO率いる超絶テクニカルロックトリオ。ライブ映像で、メンバーたちが心酔するような表情での演奏は、アーティストの鏡であり本当に納得のいった作品なのだろう。9年振り10枚目となるアルバムは非常に辛い経験を元に、重みのある作品。普通が普通じゃなくなった時、当たり前だったはずなのに急に目の当たりにする悲し現実。ただし前進する事を忘れないために作ったアルバムでもある。
Say She She『Silver』
Say She Sheによる2ndアルバム『Silver』。ブルックリン拠点のソウルフルなフィーメルトリオ。先行してリリースされたシングル「Forget Me Not、Blow My Mind」は速攻ソールドアウトする実力派。新しさより懐かしさを感じるギターカッティングに3人のハーモニー、CITY POPのようでブラックミュージックの原点のような耳触り抜群の極上ミュージック。
Cleo Sol 『Gold』
短いスパンでのアルバムリリースにもかかわらずクオリティがかなり高いCleo sol。生音、パーカッションでアイランドミュージック感満載ですが、夏というより秋のような優しく落ち着いた「Gold」。Goldとは人の優しさ、人の価値であり、人の価値は金と同じという意味が込められている。それを踏まえて曲を聴くと深みが増し、リリック、サウンドどちらも深みが増していく。
Animal Collective『Isn't It Now ?』
12日で完成させた作品との事ですが、内容のクオリティはかなり高く、姿勢と実行力が相まっていて短期間で出来る事では本来無いのですがバンドスキルが全員高く可能にしてしまった。そして64分と長いアルバムの、そのうちの約3分の1をしめる「Defeat」は魅惑的で爆発的、そしてこれこそAnimal Collectiveだと言わんばかりの静けさや、時折出るテクニックにスタイルの色を感じます。アルバムを通して聴いてみると、今後語り継がれる傑作だと思います。
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