バービーボーイズ、次回復刻は『BLACK LIST』に決定！CD、LP 4/23同時発売！

1985年発表の『1st OPTION』『Freebee』で一気にシーンに躍り出たバービーボーイズ、続く1986年発表の『3rd. BREAK』、1987年の4thアルバム『LISTEN! BARBEE BOYS 4』と復刻されるなか、新たな復刻作品はオリジナルアルバムではなく、オリジナル・アルバムにも匹敵するようなバービーボーイズのこだわりが徹頭徹尾詰まったリミックス盤『Black List』に決定。初期の楽曲を中心にセレクトされた12曲を当時ニューヨークでリミックスされた作品。1988年3月21日に発売された本セレクションアルバムは、今で言う「ベスト」とは意味合いが違った、作品や音へのこだわり抜いた美意識に貫かれた、いわゆる完成したオリジナル・アルバムにも匹敵した内容を誇る。

男女のツインボーカルで、1987年「女ぎつね on the Run」でブレイク、「目を閉じておいでよ」はオリコン週間ランキング最高位8位を記録、1988年発表の『Black List』は、4thアルバム『LISTEN! BARBEE BOYS 4』までの全キャリアを総括するベスト盤の形態を取っておらず、主に1st、2ndからの選曲で、一気にブレイクしていく3rd、4thアルバムでの新たなファンへも向けられた作品にも映る。新たな価値を提示すべく、ニューヨークでリミックスされ、当時発売された楽曲群がより解像度とエッジが高まり、音質向上と音の広がりの獲得に大成功したプロジェクトと言えよう。ファンによっては、オリジナルを上回る作品として愛されている逸品でもある。その内容は、冒頭の「C'm'on Let's go!」の音が出たその瞬間から、あまりの音のパワフルさに驚愕必死。すべてがクリアでパワフル、リズム隊の重心もグッと太く低く、ギターが輪郭がしっかりとサウンドデザインされ、これほどクオリティの高い、俗に言う「ベスト盤」はなかなか存在しないと思われる。この作品にはいまみちの気迫、決意、執念などが封じ込められている。ただ、クセモノなのは『Black List』を聴いたらすべてOKではなく、ここに未収録の1st、2ndの楽曲が漏れてしまっていることがある意味際立ってしまっており、収録尺の関係上仕方のないことではあるが、これを聴いたら初期はもうOKとも言えないのもまた明白な事実。『Black List』から始めるもヨシだが、すでに復刻済みの1st、2ndを改めてチェックしたくなる作品にもなっている。

『Black List』はそれまでアルバム未収録だった疾走感抜群の傑作「C'm'on Let's go!」で幕開け、「暗闇で DANCE」も骨太なリミックスが施され、「でも!?しょうがない」「チャンス到来」「MIDNIGHT CALL」、終盤の三連打「帰さない」「負けるもんか」「ダメージ」という流れの釣瓶打ちは超強力。クオリティの高い楽曲がズラリと並ぶ。アルバム未収録、当時CD化されていなかったシングルB面曲「瞳の奥でまばたくな」「MIDNIGHT CALL」はこの作品で初めてCDで聴けるようになった、ファンのニーズにもしっかり応えた美味しすぎる作品と言えよう。

80年代中心に人気を博した5人組ロックバンド、バービーボーイズが2024年9月21日、デビューシングル「暗闇でDANCE」から40周年を迎えた。デビュー40周年の2024年の翌年1月16日には遂に＜NHK総合『The Covers～放送100年！名曲LIVE スペシャル～』＞に、いまみちともたかと杏子が地上波にも登場した。2024年クリスマスに届いた『1st OPTION』から始まって、『Freebee』『3rd. BREAK』『LISTEN! BARBEE BOYS 4』、そして本作『Black List』と続く復刻リリースの連打は、デビュー40周年後半となる2025年の今後の展開を否が応でも膨らませてくれるだろう。

バービーボーイズは、80年代中心に90年代初頭に人気を博した5人組ロックバンド。1980年代後半から1990年代初頭にかけて、常に異彩を放ちながらシーンを駆け抜けてゆく。男女ツイン・ヴォーカルを擁するロックバンドという個性的な編成。疾走感あふれるクールなバンド・サウンドと印象的、刺激的かつキャッチーなメロディーの絶妙なバランス。時にエロティックなメタファーを絡ませた挑発的な歌詞。40年経っている今だからこそ、シンセやキーボードに頼らず、ほぼギターだけで驚異的なサウンドメイキングを見せつけた、いまみちのサウンドメイカーとしてのポテンシャルとバブル以前の普通の男女の憂いを切り取るコピーライティングは唯一無二の評価が得られるはず。パンク/ニューウェイブの実験的なエッセンスをそのままお茶の間でも通用するポップさでやってのけるしやなやかエンタテインメント性。まさに意外性の連続だった。

バンドサウンド、KONTAと杏子の躍動するヴォーカルはもはや無敵。KONTAと杏子による掛け合いのヴォーカルはまるで小さな演劇を見ている錯覚にもとらわれる。歌詞の大半は様々な男女関係から生まれる世界が描かれ、男女のツインヴォーカルで別れる寸前の修羅場や痴話喧嘩を掛け合うところからも、ベタな演歌・歌謡曲の世界を完全にロックンロールへと昇華させた大発明と言っていいだろう。女の情念に男のわがままは、和音を奏でる楽器がギターのみに貫かれた、リズムを刻みつつリードも弾く「間」の減衰するスペースに、ソプラニーノサクソフォンと二人の男女による掛け合いヴォーカルを際立たせる構築美、研ぎ澄まされたバンドアンサンブルは、バービーボーイズにしかない唯一無二の真骨頂。当時のしのぎを削るバンドブームの中、バービーボーイズは完全に覚醒し独自の音楽を展開。他のバンドでは描けない成立できない世界がそこにあった。そして、いまだにこの世界観を表現できるバンドは出てきていない。 “二股” “寝取り” なんでもありのバービーボーイズの歌詞の倫理観は、現代でも枚挙に暇がない、不倫やパパ活などの話題も完全に先取りしていた。

バービーボーイズは過去にも現在にもない、既視感のなさが新鮮、孤高。周囲のあらゆるものに対して同居を望まない距離感を保ちながら、時代のちょっとだけ先をめがけていた。聴き手の"意思"を常に問うかのような、ただならぬバンド。メンバー立ち会いによる今回のリマスターによって、さらに新たな響きを纏って『Black List』のCDとLPも届けられる。今から待ち切れないファンもきっと多いことだろう。

なお、毎月更新40周年特設サイト『暗闇日砲デジタル』WEB版も最新版が本日更新された。今号もファンは要チェックだ。いよいよ彼らの40周年イヤーも後半へ突入していく。いよいよ全貌が明らかになっていくので、引き続き注目してほしい。