デビューから3年。歌とダンス、そして俳優活動やバラエティで活躍し、経験を重ねた円神。そんな彼らが、円神史上最大キャパとなるEX THEATER ROPPONGIでワンマンライブを開催。

以前、encoreのインタビューでは、全員が口を揃えて「絶対に埋めたい」と熱い思いを語っていた。その言葉を口にするということは、“埋まらないかもしれない”という不安があったからだろう。しかし、そんな不安を吹き飛ばすかのように、615日のEX THEATER ROPPONGIには、ぎっしりと各々の推しのメンバーのペンライトを持った、期待と笑顔に満ちたMU3Eが集まっていた。

いよいよ始まるステージでは、それぞれの自己紹介がビジョンに映し出され、ファンは大きな声をあげていく。そして、青い光を浴びながら全員がステージに立つと、叫びに似た声が上がり、「MERRY GO ROUND」がスタート。彼らの第二章でもあり、新たな意思が力強く込められているこの曲を歌いながら、メンバーそれぞれが客席を見て、うれしそうに笑顔を向ける。続く「Overheeeeeeeeeat」では客席を一気にダンスホールに変え、それぞれがとびきり楽しんでいる姿がとても印象的だ。ビートチェンジを経て、楽曲がさらに盛り上がり最年長のA.rikが持ち上げられる振り付けも愛らしい。中林登生、宮里ソル、山田恭によるアクロバットでさらに盛り上がり、瀧澤翼の「こんなもんじゃないよな!」という煽りからクラップが始まり、「ワンタイムショータイムパーティー☆」では、メンバーそれぞれが個性的な動きやポーズで笑顔を提供。緩急をつけ、一人も置いていかないスタートダッシュに笑顔が咲き乱れる。

最初のMCではそれぞれが個性的な自己紹介で盛り上げ、3年を振り返るトークでお互いの絆が深まったことを再確認。コロナ禍でデビューし、ずっと声出しのライブを経験したことがなかった彼らだからこそ、大きなMU3Eのコール&レスポンスで盛り上がり、とてもうれしそう!

ステージの後ろから草地稜之と熊澤歩哉が「OBENTO~お弁当の歌~」を歌いながら登場し、客席の中央通路スペースでパフォーマンス。途中、草地が熊澤をお姫様抱っこをするとより大きな歓声が上がり、メインステージに戻った二人は手をつないでハートマークを作り、ハートフルな雰囲気に。その後の「We are ENJIN」でも、メンバーたちがそれぞれ客席やステージからサプライズで登場。彼らの個性をとらえた歌詞がコミカルな自己紹介ソングとなるこの曲では、MU3Eの掛け声とともに盛り上がり、「Dressing is a way of life」ではA.rikがセンターを務めるキュートな世界観を見せ、コロコロと変わる表情に、円神の引き出しの多さを感じることができる。

瀧澤は客席に降りMU3Eの近くに行けたことを受け、「お客さんとの距離が近い!コロナ禍のデビューだったのでようやくできましたね!」ととっても嬉しそうに話していた。

シティポップテイストのサウンドがスタイリッシュな「Highway In Blue」ではじっくりと聴かせ、少し大人の円神も見せ、瀧澤の歌声から始まる「Far away」ではそれぞれの歌声が紡がれて繋がれていく、ソロパートが多いからこそメンバーみんなの成長を感じさせてくれる。これまでとはガラリと変わった切なそうな表情と、中本大賀のハイトーンボイスが響き渡りグッと世界観に没入させていく。そのまま中本のソロのアカペラが美しく響き渡る歌声を合図に始まった「YOU」では、ミラーボールの光が星が降るかのように美しく映し出し、それぞれメンバーが目を見ながら歌っていく姿がとてもドラマティックだ。気持ちがこもった歌声は、しっかりと聴き手の心に伝わってくる。

To The Light」のイントロが始まると、MU3Eのから大きな歓声が上がる。この曲は彼らのDebut Stage nonagon(ノナゴン)~始まりの音~』で歌われていたメモリアルな曲。瀧澤と宮里は一気に空気を変え、2人が感情を爆発させていく。あらためて、彼らの軌跡を感じる瞬間だった。

それぞれが“3年付き合った彼氏”のようにMU3Eへのメッセージを話すスペシャル映像に没頭したあと始まった「Anniversary」では、カラフルでカジュアルな衣装に着替えたメンバーが登場。ポップでとても楽しそうにMU3Eとともにジャンプをした一体感を得た後、妖艶な青のライトに包まれて「Wanna Love Me」がスタート。重心を低くしっかりと魅せていくパフォーマンスは、彼らがネクストレベルのステージを駆け上がっていく姿を感じさせる。その後はブルゾンを羽織った中林、中本、中谷日向が登場し、歌い始めた「Messing Around」ではクールなダンスで魅せ、山田の高速ラップを堪能できる「Gunshot!!」では、先ほどの中林、中本、中谷とともに激しいヒップホップステージを見せ、重低音が身体中に響くダンスパートではアクロバットを含む力強くテクニカルなダンスで圧倒した。

全員がステージに揃うと「Addicted」がスタート。音源よりも明らかに成長したボーカルに感動した人も多いはずだ。細やかに刻むピアノアレンジに合わせたキャッチ―なダンスで魅了させた後、「Perfect Step」では熊澤と山田がじゃれ合ったり、みんなの笑顔が炸裂するハッピーなステージに。まさに歌詞通り、“一人たりとも置いていかない”ステージだ。「TREASURE」ではみんながタオルを振り回して“楽しませよう”という気持ちよりも“楽しもう”という気持ちがピッタリ。最後にはそのタオルを客席に投げおおいに盛り上がるも、A.rikのタオルだけ反対に飛んでいき、大慌て(笑)。何度も投げて成功させる姿をみんなが見守る姿は温かく、本編ラストの「Perfect Circle」へ。彼らの軌跡をたどるような、これまでリリースされた楽曲のタイトルがちりばめられたこの曲は、今回のライブの最後にとてもふさわしく、とてもエモーショナル。みんなが幸せを届けようと爽やかに歌い、伝えていく。ステージの前に全員が一列に揃い、瀧澤が「これからも円神をよろしくお願いします!」と声をあげると、抑えきれない笑顔でそれぞれが「楽しかったよ!」「ありがとう!」と叫び、ステージを去った。

しばらしくてアンコールで再登場した彼らはライブTシャツに着替え、わちゃわちゃとじゃれ合いながら「Home」を披露し、みんなが両手を左右に振ると、大合唱が始まり、美しい景色を作り上げていく。
最後のコメントを促されると、中林が「みなさんのキレイな声がたくさん聴けて幸せです」と話し出し、「3年前の今日、僕たちが出会って、メンバーになったおかげで、こうしてMU3Eのみなさんと出会うことが出来ました」と話し出すと言葉が詰まり、山田が肩をポンポンと叩くと笑顔を取り戻し、MU3Eやメンバースタッフに感謝を述べ、「これからもついてきてください」と締めた。山田はこの場に来たくても来られなかったMU3Eの話をし始め、「僕たちはみなさんを裏切ることは絶対にできないですし、皆さんが求め続ける限り僕たち9人はこのステージでパフォーマンスをしていきたいと思っています。4年目、5年目、20年、9人誰一人かけずにいられることを願ってこれからも頑張っていきたいと思いますと」と決意を表明。
瀧澤は「この9人で3年間やって、すべてが楽しい思い出ではなくて、辛かったり、悔しかったり、悩んだり、喧嘩したり…そっちの方が多かったです。でもこんな素敵な景色が見られるなら、諦めちゃダメだって思えるんです。みなさんのおかげでこのEXシアターが素敵な景色になったのも、この9人誰一人諦めなかった証拠だと思うし、MU3Eも諦めないで支えてくれた証拠だと思います。苦杯を喫した僕らでも、こんな埋もれ木にも花は咲くんだよって絶対に証明して見せます!」と力強く話し、「陰で支えてくれるA.rikがいて、がむしゃらで全力で突っ走る稜之がいて、振られた振りには大爆笑で返してくれる熊ちゃん、いつもニコニコして現場を明るくする日向くんがいて、スタッフさんのお手伝いをして、片付けてくれる登生くんがいて、ボーカルという大事な面で引っ張ってくれる大賀がいて、がむしゃらになんでも先頭を走ってくれるソルがいて、このEX THEATER ROPPONGIをいい物にするために全力で戦ってくれた恭ちゃんがいて、僕は幸せです! この9人で良かったです!」と話すと、メンバーの目元が涙でキラキラと輝き、それぞれが最高の笑顔で見つめ合い、「そんな僕らの決意を歌った曲です」と「We Go」がスタート。
途中、中本が涙で歌えなくなり中谷がそっと背中を抑えるシーンがありながらも、<我が道を行こう 遠慮は要らない>と歌う姿に、彼らの強い意志を、そして目指すべき未来を感じ、鳥肌が止まらない。きっと彼らは<約束したから><we’re just going on(前に進んでいく)>とこの曲の歌詞にあるように、諦めずに、たとえ何があろうとも前に進んでいくのだろう。

最後は思い切り振り切った笑顔で客席に降りながら「ENJIN」を披露し、Wアンコールではなんと913日にリリースする新曲「Dreamland」を初パフォーマンス。ポップでキャッチー、かわいらしい楽曲はきっと、この夏から秋にかけて、多くの場所で、多くの人たちの気持ちを盛り上げてくるはずだ。

アーティストにとって3年目は、勝負の年と言われている。しかし彼らはそんな定説に流されることなく、着実に、自分たちらしくしっかりと道を切り開き、確実に絆を強固なものとして、前に進んでいく。だからこそ、これからの彼らの多岐にわたる活動が実を結び、成長し、活躍していくはずだ。今からでも、次のライブが楽しみになる、素敵なライブだった。

(おわり)

取材・文/吉田可奈
Photo/ 宮脇進

円神 『Live Tour 2023 "GATE" 〜3rd CIRCLE〜』
SET LIST

M1 MERRY GO ROUND
M2 Overheeeeeeeeeat
M3 ワンタイムショータイムパーティー☆
M4 OBENTO〜お弁当の歌〜
M5 We are ENJIN
M6 Dressing is a way of life
M7 Highway In Blue
M8 Far away
M9 YOU
M10 To The Light
M11 Anniversary
M12 Wanna Love Me
M13 Messing Around
M14 Gunshot!!
M15 ☆ダンスパート☆
M16 Addicted
M17 Perfect Step
M18 TREASURE
M19 Perfect Circle
EMCORE
EN1 Home
EN2 We Go
EN3 ENJIN
W ENCORE
EN4 Dreamland(新曲)
┗6/15(木)EX THEATER ROPPONGI

『Live Tour 2023 "GATE" 〜3rd CIRCLE〜』セットリストプレイリスト

RELEASE INFORMATION円神「Dreamland」

2023年913()発売
初回盤(CDDVD) UMCK-7221 ¥3,700(税込)
通常盤(CD only) UMCK-5732 ¥1,400(税込)

円神「Dreamland」

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