UNCHAIN、佐藤将文（Gt.）限定復帰中最後の公演が終幕【ライブレポ】

UNCHAINが、12月14日に「UNCHAIN You & U ’24 -Changing Seasons-」を東京・ヒューリックホールにて開催した。

ギターの佐藤将文は4年前にUNCHAINを脱退しているが、最後のツアーがコロナ禍で中止になってしまい、今年はリベンジライブを行うためUNCHAINに限定復帰中である。

本公演は佐藤のUNCHAIN脱退前ラストライブという位置付けでもある特別な公演となる。

ゲストメンバーにはdonny（Key./Cho.）、中ノ森文子（Cho.）、多和田えみ（Cho.）が参加している。

久しぶりのホール公演ということもあり、チケットはSOLD OUTとなっており、満員の会場にはスペシャルな公演への期待感が溢れていた。

SEに乗せてメンバーが登場し、「Eat The Moon」を演奏し始めると、「僕たちとあなたの、物語を始めましょう！」と谷川正憲（Vo./Gt.）が声を上げ、ショーがスタートする。

続けて演奏された「Let Me Be The One」では、早速上質なUNCHAINの音で会場を満たし、観客は身体を揺らしていく。

「暁のコドウ」のギターソロでは谷川が佐藤をニックネームの”シュガー”と紹介し、大きな歓声があがる。「Fresher」で魅せた谷川と佐藤のギターの掛け合いは、まさに4人のUNCHAINを象徴する瞬間の一つだった。

「Changing Seasons、暑い夏がやってきましたよ！」と谷川が言うと、ステージ上の照明も春から夏に季節が移り、「Easy Come, Easy Go」が演奏される。人気曲の一つである「Show Me Your Height」でヒートアップした会場で、観客は手を上げて楽しんでいた。

ゲストメンバーの3人が一度ステージを後にすると、「ここからは4人のUNCHAINをしばらくお楽しみください。」と谷川が話す。

メンバー4人だけのUNCHAINで「Quarter」、「Always Shining」をよりロックなサウンドで披露し、「Super Collider」で4人のUNCHAINのグルーヴを紡ぎ出す。

4人パート最後の曲「Precious」の歌詞には、この公演のタイトルとなった”Changing Seasons”というフレーズが入っている。佐藤も作詞作曲を行なっている曲ということもあり、エモーショナルな雰囲気を漂わせながら、このセクションは終了した。

次に佐藤もステージを去り、谷川が「未来のUNCHAINを少し見ていただきたいなと思います。3人で今から音を奏でさせていただきます。佐藤とみんなの人生の居場所の一つであり続けられるように、これからもUNCHAINを続けようと決めました。今後とも応援よろしくお願いいたします。」と佐藤脱退後のUNCHAINへの想いを伝える。

昨年配信リリースされた「Bloom」、そして今年の最新トラックである「GINGILA」はゲストメンバーも加えた6人体制で演奏され、これからのUNCHAINでの活動をさらに楽しみに思わせてくれるセクションとなった。

「GINGILA」の最後にはなんと佐藤も登場しギターソロで参加するという、本公演でしか見ることの出来ない特別な瞬間を作り出す。

再度フルメンバーに戻り演奏された「Libyan Glass」、「Don’t Need Your Love」では、吉田昇吾（Dr.）と谷浩彰（Ba.）の力強いサウンドに谷川の圧倒的なヴォーカルや佐藤のメロディアスなギターソロが呼応し、UNCHAINワールドが会場の隅々まで広がる。

ファンにとっては恒例の、佐藤によるグッズ＆メンバー紹介では、佐藤のシンガーとしての力量も見せつける。このコーナーもラストになるからか、コミカルな演出とは裏腹にセンチメンタルな雰囲気も会場を包み込んだ。

ここで谷川が「明日からは僕たちにとっても佐藤にとっても、皆にとっても、新しいスタートになると思います。このライブは終わりに向かっているようで始まりに向かっています。終わりと始まりの狭間に、ギタリストとして、UNCHAINの新しい曲に佐藤に参加してもらおうと思います。」と話すと、3人体制になった後に作った曲「deracine」を佐藤と共にプレイする。

季節が移り変わってきた本公演の中で、もう一度春がめぐってきたような温かさと感動が会場を包み、続けて「I’ll Be The Music」の優しい音で観客の心を鷲掴みにする。

「季節が変わったらまたお会いしましょう！」と谷川が告げ、ラストは代表曲の一つである「make it glow」を演奏し、最高潮の盛り上がりの中で本編を締め括った。

鳴り止まない手拍子の中、佐藤含むUNCHAINメンバー4人が再びステージに登場すると、UNCHAINでの思い出を振り返る。

佐藤が「ずっとワシはUNCHAINのファンなので、ワシのことも、UNCHAINのことも応援し続けてください。本当にありがとうございました！」と話した後、佐藤の曲紹介から「You Over You」を披露し、4人体制UNCHAINのライブは完結した。

「本当にありがとうございました！」と佐藤が告げると、「佐藤ありがとう。みんなありがとう。また会いましょう。ピース！」と谷も話し、大きな拍手と歓声の中メンバーはステージを降りた。

楽しさや寂しさなど、様々な感情が入り乱れる中、最高のショーを披露したUNCHAIN。

きっと季節が変わっても、本公演は会場にいた全員にとって色褪せない思い出となるだろう。

公演の中でも垣間見たUNCHAINの未来、そして佐藤将文の未来を、引き続き見逃さないでいて欲しい。