K-POP第5世代のけん引役として大ブレイク中のBOYNEXTDOORが9月9日、3rd EP『19.99』をリリースし、カムバックを果たした。

カムバックを3日後に控えた9月6日の時点で、すでに予約枚数が81万枚を突破しており、これは2nd EP『HOW?』の予約枚数(57万1600枚)より約42%増加。さらに9月2日に先行公開された「Dangerous」のミュージックビデオはYouTubeの人気急上昇音楽ランキング4位にランクインし、9日午前7時時点で約1,100万回に迫っている。前作『HOW?』は、発売直後に5つの国および地域のiTunesトップアルバムチャートでトップに輝き、Billboard JAPANの“Hot Albums”でも首位を獲得するなど、国内外の主要チャートで好成績を収め、さらに7月にはJP 1st Single『AND,』がオリコンのデイリーシングルランキングで1位(7/10および7/22付)になるなど、勢いに乗る彼ら。人気も実力も折り紙付きのグループが次はどのような姿を見せてくれるのか——。そんな周囲の期待感の高まりを証明するように、韓国で開催された『19.99』発売記念メディアショーケースには大勢の記者が詰めかけた。

 定刻になるとMCの呼びかけに応えてBOYNEXTDOORのメンバー6人が登場。いずれも着実にキャリアを積み重ねてきたからこその自信が表情に浮かぶ。クールそうに見えながら茶目っ気があることで知られるTAESAN、ファンに“チーズネコ”と呼ばれる魅力的なルックスを持つSUNGHO、MCやダンスチャレンジ、楽曲制作などすべてに対して情熱的なリーダーのJAEHYUN、穏やかな性格がにじみ出た中低音ボイスで魅了するLEEHAN、プロフェッショナルなステージングで評価が高いRIWOO、ソングライティングで頭角を現しているWOONHAKといった風に、MCがそれぞれの持ち味を紹介しながらソロ撮影が進行。引き続いてグループ撮影を行った後、TAESANの「本日は良いステージをお見せできるように最善を尽くします!」という力強いコメントに続いて、残りのメンバーらが次々と挨拶をした。

『19.99』のトレーラーフィルムの上映に続き、同作のリードトラック「Nice Guy」の初披露となるステージへ。「イージーリスニング(聴き心地のいいチルなサウンド)でありながら、観る楽しさや歌う楽しさもある」(RIWOO)このナンバーは、「グループの持てる力を最大限に引き上げた」(JAEHYUN)自信作。その言葉の通り、6人は卓越した歌唱力と難易度の高い振り付けで独自のステージを見せていく。

 パフォーマンスを終えた彼らは『19.99』のセールスポイントを紹介。SUNGHOは今回のEPについて「メンバーの参加度が歴代級に高い」と熱く語り、LEEHANが「作詞・作曲のみならず、僕たちの実際の経験を音楽に落とし込んだ点で、“歴代級の参加度”だとアピールしたい」と付け加えた。

曲名と同じく現在高校3年生で、まさに19.99歳(20歳を迎える直前の時期)のWOONHAKは、「自然に僕の感情がサウンドに反映されたと思う」と満足げ。「本当に生活に溶け込む音楽が作りたかった」というJAEHYUNは、その中でも「Nice Guy」は「かっこいい歌ではあるものの、可愛い面も取り入れた」と話し、RIWOOは「19.99歳の“根拠のある自信”を表現した歌。BOYNEXTDOORを知らない人でも聴いたらすぐにプレイリストに追加したくなるような魅力的なサウンドに仕上がっています」と補足した。

 トークタイムの次は「Nice Guy」のミュージックビデオが上映された。WOONHAKは「ワイヤーを使用したシーンでアベンジャーズになった気分だった」そうで、LEEHANは「かっこいい表情やウィンクに挑戦して監督に褒められた」とのこと。忙しい合間をぬっての撮影はメンバーたちにとって良い思い出になったようである。

今回のイベントでは、『19.99』の先行配信曲「Dangerous」のパフォーマンスも披露された。人生で最も熱い年齢と言われる19.99歳の“分別のない姿”を盛り込んだこのナンバーは、グループの新しい方向性が見出せるウィットに富んだヒップホップだ。勢いのあるダンスとシンギングラップを目の前で体験したMCが「メンバーたちが親に内緒で外に出て踊って遊ぶ姿をそばで見ているような気がした」とコメントしていたが、会場に集まった記者たちも似た気持ちを抱いたのではないだろうか。

 『19.99』のハイライトメドレーの映像が流れ、ショーケースはいよいよラストへ。最後は報道陣との質疑応答の時間が設けられた。なかでも「日に日に人気が高まっているが、実感するときはあるか」との問いに、SUNGHOが「最近ライブをするたびに僕たちのペンライトを持ってくださる方が増えています。それを見るたびに少しずつ認知度が高まっているのを感じて、良いステージをお見せしないといけないと痛感します」と、真剣な表情で語っていたのが印象的だったが、きっと他のメンバーたちも同じ思いだったに違いない。

 3rd EP『19.99』は「Nice Guy」「Dangerous」以外の曲も「19.99歳を経験した方なら誰でも共感できる」(TAESAN)ものばかりだ。なかでも、別れを告げられた若者の心境を描いた「Gonna Be A Rock」や、20歳に対する思いを溶け込ませた「20」、大変な時期を経験している人々を“必ずしも完ぺきではなく、思い通りに進まなくても大丈夫”と慰める「Call me」といったナンバーは、上の世代にも懐かしさを感じさせる作品に仕上がっている。

JAEHYUN、TAESAN、WOONHAK が、ほとんどの収録曲の作詞・作曲クレジットに名前を連ねている本作で、ファン層は今まで以上に広がるはずだろう。2024年のアルバム販売数が100万枚を突破し、米ビルボードのメインアルバムチャートに2週連続でランクインするなど、絶好調のBOYNEXTDOOR。『19.99』と「Nice Guy」のヒットにより、6人の輝かしい未来がさらにまぶしく鮮明になることを期待したい。

(取材・文:まつもとたくお)

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