a flood of circleが、5月7日に東京・下北沢SHELTERで『a flood of circle 20周年記念公演 LIVE AT 下北沢SHELTER』を開催した。

同ライブは、前日6日に行われた初の東京・日本武道館公演『a flood of circle 20周年記念公演 LIVE AT 日本武道館』のアンコールで急きょ発表。その熱気冷めやらぬままの小キャパ公演に、熾烈なチケット争奪戦を勝ち抜いた250名の観客が集まった。

武道館よりさらにギリギリの開演5分前にバックヤードへと到着した佐々木亮介(Vo, Gt)は、トレードマークのライダースを羽織るなり即ステージへ。肩慣らしにギターを弾いているところに渡邊一丘(Dr)、HISAYO(Ba)、アオキテツ(Gt)が合流し、原点の一曲「ブラックバード」をかき鳴らす。続くメロウなギターリフがいざなった「Honey Moon Song」の時点で佐々木のほほには汗が伝い、若かりし頃に必死にもがいた故郷のようなライブハウスの密室感と親密感の中で奏でた「花降る空に不滅の歌を」でも、すさまじいボルテージが充満。昨夜の武道館で初披露された新曲「ロックンロール」では、20年転がり続けた今もなお、消えることはないロックンロールという炎が人生を突き動かすと訴えかける。

昨日は8000人の前で叫び、今宵は250人と対峙する。でも、やることは何ら変わらないと言わんばかりに、バンドの正念場に生まれた渾身の「花」や、「俺の夢は武道館じゃなくて、武道館の次の日にSHELTERでやることだから」という佐々木の粋な一言から始まった「月夜の道を俺が行く」と立て続け、武道館への思いをつづった「夜空に架かる虹」では、歌詞の一節を〈5月7日 SHELTER 目を開けて夢を見ている〉と更新。魂の震えるような大合唱が巻き起こる。

テツの高速カッティングがソリッドに空を切り裂くアンセム「シーガル」を経由し、「プシケ」では曲間で「2026年5月7日、下北沢SHELTERにお集まりの親愛なる皆さんに、俺の大事なメンバーを紹介します」と、ライブではおなじみの佐々木からのメンバー紹介も。当時、はるかかなたの大舞台を夢見て放たれたであろう口上が、願いをかなえて再びこの地で述べられたのは、エモーショナル以外の何物でもない。〈こんな日がどうせ来るってわかってた〉という「虫けらの詩」の冒頭も、まるで自身の音楽人生をかけて成し遂げた伏線回収のように響く。

その後も、「ゴールド・ディガーズ」、「Rollers Anthem」、「北極星のメロディー」、「マイ・モーターサイクル・ダイアリーズ」と矢継ぎ早に畳み掛け、漫画『ふつうの軽音部』の作中で取り上げられたことが思わぬ追い風となった「理由なき反抗 (The Rebel Age)」では、佐々木が客席へダイブ! 熱量に熱量を重ね一切減速することのないアッパーなロックナンバーの連続で、気付いてみれば、前夜の日本武道館のセットリストを後ろからさかのぼった曲順というのもニクい。それを佐々木の一挙手一投足から察知したメンバーの対応力はさすがで、予定調和なしのヒリヒリするようなライブをし続けた日々のたまものか。

20年の道のりをたどる楽曲群は圧巻で、他にも〈君を連れてく 約束の地へ〉というフレーズを現実にした鳥肌モノの「New Tribe」や、佐々木が「俺の友達と作った歌」と告げたUNISON SQUARE GARDENの田淵智也(Ba)との共作曲「ミッドナイト・クローラー」を届けたところで、今度は佐々木が超満員のフロアにマイクスタンドを立て、「東京都歌舞伎町からやって参りました、a flood of circleです」と「The Beautiful Monkeys」へ突入! 途中でギターをオーディエンスに預け、もみくちゃになりながらドリンクカウンターでビールを注文し歌い続ける佐々木に対して、「Dancing Zombiez」ではHISAYOがベースを置き、髪を振り乱しダンスするという何ともレアなシーンも。

日本武道館の翌日に、下北沢SHELTERでライブをする。活動初期から明言していた約束を果たした灼熱のワンマンを締めくくったのは、「伝説の夜を君と」。最後に、〈ピークのようで始まりに過ぎない夜を 伝説の夜を 今夜も君と〉と歌った、有言実行のa flood of circleによる、完全燃焼の全30曲だった。

なお、a flood of circleのYouTube公式チャンネルで同時生配信されたこの日のライブの模様は、5月31日(日)23:59までアーカイブ視聴可。今後のa flood of circleは、ファンクラブ限定イベント『Black Magic Fun Fun Night 4』を6月18日(木)に東京・東京キネマ倶楽部、25日(木)に大阪・Music Club JANUSで実施。これまでのキャリアを網羅したベストアルバム『革命未遂の蝶が見る夢』を8月にリリース予定で、同作を携えた全国34公演の『a flood of circle TOUR 革命未遂の蝶が見る夢』を、8月26日(水)の千葉・千葉LOOKよりスタート。ツアーは2027年1月30日(土)・31日(日)の沖縄・Outputまで展開される。

取材・文:奥“ボウイ”昌史
撮影:新保勇樹

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