2024年12月21日にメジャーデビュー30周年を迎えたゴスペラーズが、2025年4月より総動員数約9万人超え、全51公演にもおよぶ全国ライブツアー「ゴスペラーズ坂ツアー2025 “G30”」の千穐楽公演を9月27日(土)に沖縄コンベンションセンター 劇場棟で開催した。

午後5時、ライブの始まりを合図するかのようにクラシック音楽が止まるとリズムトラックがスタートし、それに合わせバンドメンバーがクラップをしながら登場した。そしてゴスペラーズバンドの演奏が会場に響き渡る中、ステージに5本のライトが照らされたと同時に、グレーやシルバーの色味を基調とした煌びやかなスーツを身にまとったゴスペラーズ(北山陽一、黒沢 薫、酒井雄二、村上てつや、安岡 優)の姿が。会場中に歓声があがり、「ようこそ、ゴスペラーズ坂ツアー2025 “G30”へ!」という挨拶から村上の「Clap your hands to the music! 沖縄ファイナル、Let’s go!!」の言葉とともに、2004年発表楽曲「You are my girl」のアンサーソングとして2024年リリースEP「Pearl」に収録された「Dear my girl」を皮切りにライブの幕があがった。過去に安岡が「毎朝目覚めたら、今でも君にラブレターを書いているよ」というメッセージを込めたと言及している当楽曲歌唱中には、5人全員がステージ前方へ歩み寄り、観客の目の前で膝をつき“Dear my girl”と甘いトーンで語りかけ、ライブ冒頭から会場を甘い雰囲気で包みこんだ。爽快感あふれるナンバーの「Fly me to the disco ball」、“チケット握りしめて”などの歌詞が散りばめられ、ライブ前の高揚した気持ちを表現した 「F.R.I.」を立て続けに披露し、会場の熱気もさらに上昇した。

村上が「今日のツアーファイナル、皆さんとともに最高に盛り上がる、最高の夜にしたいと思います!」、黒沢が「我々が今まで歩いてきた道のりを、30年分の軌跡をたっぷりとお届けいたします」と口にした後、シングル楽曲としてリリースされた数々の名曲の中でも、10周年シングルとしてリリースされた黒沢のハイトーンボイスが際立つ「ミモザ」、15周年シングルで切ない恋心を表現した「ラヴ・ノーツ」を披露。その後、シングル楽曲と双璧をなす名曲ぞろいのカップリング楽曲が披露され、その中でも沖縄公演では「Golden Age ?黄金世代?」、「AIR MAIL」、そして、メジャーデビュー30周年を記念し、ゴスペラーズの盟友でもある俳優・堺雅人主演のミュージックビデオでも話題を生んだ至極の名曲「東京スヰート」では、切なさをも感じさせる5人の歌声に会場は大きな感動で包まれた。

北山の「ここからはみなさんとともに、懐かしいあのころへとLet’s go back!一緒にはじけてまいりましょう、20世紀のゴスペラーズ!!」という合図で、5人の軽やかなダンスからも目が離せない「Tonight」から“20世紀のゴスペラーズメドレー”がスタート。安岡がセンター、その他の4人がバックダンサーに徹し、あざとかわいいパフォーマンスでも観客を魅了する「それでも恋はやってくる」、酒井ののびやかな声が響き渡る「t.4.2.」、5人が縦に1列となりダンスをしながら歌うシーンも印象的な「BOO~お腹が空くほど笑ってみたい~」、北山が落ち込んでいるところに4人がなぐさめる茶目っ気たっぷりなお芝居も見逃せない「まちがいさがし」と続き、ムーディーなライティングの中で「Slow Luv」を歌い上げ、緩急ある大人の無邪気さと色気を魅せつけた。

前半の衣装とは打って変わり、光沢が眩いゴールドのジャケットに身をつつんだ5人がまるで星空のようなライトを背に登場し、5人の歌声のみで奏でられる「星屑の街」で会場は神聖な空気を感じさせる雰囲気に。「我々が学生の時、サークルの創始者だった方が作ったこの曲が、我々にとって最大のチャンス、デビューへと導いてくれたんです」と黒沢が語り歌った「Promise -a cappella-」では、ゴスペラーズの音色を聴いてくれる全ての人と約束(Promise)を交わし、30年間色あせることなくまっすぐに歌を届けてきたからこそ伝わってくる、5人の声がひとつの音となるたしかなハーモニーが紡がれた。

なんとライブ千穐楽沖縄公演に嬉しすぎるサプライズが待ち構えていた。村上が「30周年のツアーをやっているのに、最新のリリース曲を歌わないでそのツアーを終わっていいものか、そんなわけありませんよね」と口にし観客も嬉しい悲鳴をあげると、「今日この曲を歌うために、素晴らしい我々の音楽仲間がこのステージに駆けつけてくれました!Anly!!」というアナウンスと同時に、ステージに沖縄県出身のシンガーソングライター、Anlyがサプライズ登場。大きな拍手と歓声に包まれる中、ゴスペラーズとAnly、この日限りの特別なコラボレーションでAnly楽曲「ENERGY」を北山のコーラスアレンジで披露。その後、安岡が「チームワークの歌をつくってAnlyと一緒に歌いたい」と楽曲制作エピソードを語り、両者の美しい歌声が観客をさらに強く惹きつけながら、ゴスペラーズの最新シングルである2025年1月クールTVアニメ「天久鷹夫の推理カルテ」エンディングテーマソング「will be fine feat. Anly」を初歌唱。

村上が「ここからは、21世紀になってリリースされたオリジナルアルバムの中から、最近この曲歌ってなかったぞという曲を2曲ピックアップしてお送りしようと思います」と口にすると、2009年リリースアルバム「Hurray!」収録曲「Blue Planet」、2011年リリースアルバム「ハモリズム」収録曲「恋のプールサイド」を披露すると、久々に生で聴くことができた観客も嬉しい歓声をあげていた。

酒井の「いろは!」からはじまる掛け声とともに、言葉遊びのような歌詞とリズミカルなメロディー、ゴスペラーズバンドとの掛け合いにも目が離せない「いろは 2010」から“灼熱の後半戦 G30 ver.”へ。いつもお互いを想い合っている気持ちが込められた「24/7」、楽曲中に「君が、好きだー!」と歌詞をアレンジし披露した「靴は履いたまま」で会場のボルテージがさらに盛り上がり、「一筋の軌跡」では、楽曲終盤で観客がサビ部分を讃歌し、ゴスペラーズと観客が一筋の声となる輝かしい空間が広がっていた。

突如ステージが真っ暗になり雷音が鳴り響くと、ファンの中で崇められている愛の化身“Mr.LOVE MACHINE”が黄金の仮面とマントを纏い登場。「LOVE MACHINE」のイントロが流れ、Mr.LOVE MACHINEの魂のDNAを受け継いだ“Super LOVE MACHINES ∞”の5人が様々なパーツとお揃いのマント、メンバーカラーのサングラスを着用し登場した。バンドメンバーもサングラスを掛けて一緒にステージングをする演出も飛び出し、会場の盛り上がりも最高潮に。改めて“Super LOVE MACHINES ∞”のメンバー紹介のあと、「終わらない世界 2009」へ。冒頭歌詞の“終わらない”を村上、“世界へ”を黒沢がバトンタッチで力強いロングトーン歌唱を繰り広げると、さらに会場の熱気があがり、文字通り灼熱の空気に包まれた後半戦を締めくくった。

「今日よりも一歩でも先へ、さらにその先の未来へあなたを連れていきたい。そんな想いを忘れずに、僕らはこれからもずっとずっと歌い続けていきます」と安岡が語ると、 “愛しい人”=ゴスペラーズの音楽を聴いてくれる全員とこれからも共に歩いていく誓いのような想いが「永遠(とわ)に」「パール」「約束の季節」の3曲をとおしてより一層伝わってくような温かい歌声で本編は終了。

間髪を入れず村上のみがステージに戻ってくると、てつやとてつこ1人2役をコミカルなお芝居で演じ、会場が笑いに包まれる中、「FIVE KEYS」のイントロとともに他4人も登場し、観客も楽曲に合わせジャンプ、クラップ、コール&レスポンスで応え、まるで夏フェスのような熱気をも感じさせる空間と化した。

?「せっかくこのツアー最終日ですから、皆さまに 1つお知らせしたいことがあります」と村上が口にすると、「ゴスペラーズコンサート 2026 in Naeba開催決定!!」と黒沢が声高に発表し、ファンにとっては千穐楽公演日にさらに嬉しいサプライズとなった。

メンバーひとりひとりが感謝の言葉を返し、「このツアーに関わってくれた皆さんへの、全ての感謝の気持ちを込めてもう1曲お送りします」という村上の合図とともに、日本武道館と大阪城ホールで開催した「ゴスペラーズ 30周年記念祭」幕開けの楽曲でもある「ひとり」を歌い、割れんばかりの大拍手が会場中に響いた。「どうもありがとう!ゴスペラーズでした!」という挨拶でライブが締めくくるかと思われた矢先、「VOXers」が待ち構えており、歌唱後にゴング音が鳴ると、惜しまれつつエンディングを迎えた。

ゴスペラーズとして坂道を登り続けている5人の、ヴォーカルグループとして進化・深化している姿そのものだった。メジャーデビュー30周年のツアーを終えたゴスペラーズには、ここからさらに“止まらない歌と終わらない旅”が待っているだろう。そして、さらに幅広い音楽ファンを虜にするに違いない。その瞬間を一緒に見ていきたい、聴いていきたいと思わずにはいられない素晴らしいステージだった。

そして、熱狂のうちに幕を閉じた「ゴスペラーズ坂ツアー2025 “G30”」沖縄公演セットリストが公式プレイリストとして公開され、9月28日(日)には「ゴスペラーズ坂ツアー2025 “G30”」の東京公演の模様がWOWOWにて放送される。さらに、全51公演のライブツアーを完走したばかりだが、待望の苗場公演を2026年1月に開催することが決定。メジャーデビュー30周年、さらに音楽ファンを魅了したゴスペラーズ。これからもゴスペラーズが生むハーモニー、サプライズに引き続きご注目いただきたい。

ゴスペラーズ「ゴスペラーズ坂ツアー2025 “G30”」 2025年9月27日(土)沖縄コンベンションセンター 劇場棟 セットリスト
01 Dear my girl
02 Fly me to the disco ball
03 F.R.I.
04 ミモザ
05 ラヴ・ノーツ
06 Golden Age ???世代?
07 AIR MAIL
08 東京スヰート
09 Tonight
10 それでも恋はやってくる
11 t.4.2.
12 BOO?おなかが空くほど笑ってみたい?
13 まちがいさがし
14 Slow Luv

15 星屑の街
16 Promise - a cappella -
17 ENERGY 
18 will be fine feat. Anly
19 Blue Planet
20 恋のプールサイド
21 いろは 2010
22  24/7
23 靴は履いたまま
24 ?筋の軌跡
25 LOVE MACHINE
26 終わらない世界 2009
27 永遠(とわ)に
28 パール
29 約束の季節
30 FIVE KEYS
31 ひとり
32 VOXers

「ゴスペラーズ坂ツアー2025 “G30”」沖縄公演公式プレイリスト

INFORMATION

【WOWOW「ゴスペラーズ坂ツアー2025 “G30”」】
■放送・配信日時:9月28日(日)17:15~
https://www.wowow.co.jp/music/gospellers/

【ゴスペラーズコンサート2026 in Naeba情報】
2026年1月30日(金)、1月31日(土)
新潟・苗場プリンスホテル ブリザーディウム

■チケット料金:全席指定 8,500円(税込)
■チケット一般発売日:2025年11月30日(日)午前10:00
詳細はURLよりご確認ください。
https://www.gospellers.tv/news/detail/11335

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