モーニング娘。’25が、7月8日に東京・日本武道館で単独ライブ「モーニング娘。'25 コンサートツアー春 Mighty Magic DX~生田衣梨奈を見送って~」を開催。今回の単独公演をもって、10代目リーダーとしてグループを牽引してきた生田衣梨奈がグループとハロー!プロジェクトを卒業した。北川莉央は活動休止中のため、本公演は欠席となった。

会場には平日にも関わらず約10,200人のファンが訪れたほか、全国86館と台北の映画館にてライブビューイングを実施。さらにはオンライン動画サービスHuluでもライブ配信されるなど、3月15日にスタートし、本公演を含む全国14会場18日程35公演を巡ったツアーのラストにふさわしいプレミアムな公演となった。

開演直前には、生田のメンバーカラーである黄緑一色に会場が染まり、“えりぽん!”コールが巻き起こる。各メンバーが朝を迎えるかわいらしいオープニング映像がスクリーンに映し出されると本編がスタート。この映像に出てくる時計の針は“7時8分”を指しており、ツアー中に流されていた映像にツアーファイナルの日が発表前から暗示されていたという、遊び心を感じられる内容になっていた。

最初の登場シーンで生田は会場に魔法をかけるような仕草でステージに現れ、アイドルとしての集大成を飾るに相応しい最高の登場を見せてくれた。

ライブは『I'm Lucky girl』でスタート。『浪漫 ~MY DEAR BOY~(23 Ver.)』『恋愛Destiny~本音を論じたい~』と、冒頭からアップチューンなナンバーをたたみかけ、ファンを自分たちの世界へ引き込んでいく。『強気で行こうぜ!』では “こぶしあげろ!”の歌詞に合わせ、メンバーとファンが一緒になって力強くこぶしをあげるなど、コール&レスポンスも相まって会場は一体感に包まれる。

ステージはお城をイメージした装飾が印象的で、これは生田の“最後はお姫様みたいに卒業したい!”という想いを形にしたもの。“魔法にかかったプリンセスたちがいろんな気持ちと戦いながら、街の人を笑顔にする!”という気持ちも込められているという。

冒頭のMCでは、リーダーの生田が先日発表された自身卒業後の新体制に関して言及。新体制で11代目リーダーとなる野中美希が紹介されると、ファンは拍手でエールを贈る。野中は「モーニング娘。の歴史を大切にしながら、みんなで闘志を燃やして丁寧に一歩ずつ進んでいきたい!」と決意表明。

引き続きサブリーダーを担う小田さくらは、自身も来年に卒業することを踏まえ「未来へつなげていけるように頑張ります!」と語り、新たにサブリーダーに就任した牧野真莉愛は「モーニング娘。に貢献できるよう、これからもたゆまない努力で頑張っていきます」と力強く宣言していた。

モーニング娘。としてのラストライブを迎えた生田は「今日は悔いの残らないライブにしたい。皆さんの盛り上がりが大事」と、ライブにはファンの声援が必要と率直な思いを吐露。生田が「皆さん盛り上がる準備できてますか?」と叫ぶと、会場のファンは大きな拍手と声援で応えていた。

MCのあとは7曲連続でパフォーマンス。『元気+』『ナルシス カマってちゃん協奏曲第5番』『「恋人」』『LOVEぺディア』『A B C D E-cha E-chaしたい』『勇敢なダンス』と、哀愁感漂う楽曲やアップテンポな楽曲など、グループとしての楽曲の多彩さを見せつけるブロックとなった。

メンバー個々の表現力の幅の広さでもファンを魅了していき、このブロックの最後には7月2日に発売されたばかりの75枚目のシングル『明るく良い子』を披露。ロックテイストな世界の中に女の子の本心に迫る歌詞が散りばめられた、モーニング娘。だからこその一曲に仕上がっているのが特徴だ。

その後、井上春華、弓桁朱琴の17期メンバー2人によるMCコーナーを挟み、キュートな白いドレスからクールなライダースへと衣装をチェンジ。

ここからモーニング娘。のライブには欠かせないメドレーへ突入する。毎回、作り込まれた曲間のつなぎや、ノンストップでパフォーマンスを続けるメンバーが話題となるが、今回も怒涛のメドレーをたたみかけていく。

メドレーは『One・Two・Three(23 Ver.)』でスタート。同曲では、生田が自身の渾身のソロパートである“る”の一言を発すると、会場からは大歓声が巻き起こる。『愛され過ぎることはないのよ』『もっと愛してほしいの』と続き、『大阪 恋の歌』の冒頭のセリフを生田が担当すると再び歓声が! 『泡沫サタデーナイト!』のセリフパートは生田が担い、「モーニング娘。5301日頑張りました! 今までありがとう、これからもよろしくね」と叫び、会場を盛り上げていく。

その後もメドレーは続き、『すっごいFEVER!』『恋愛レボリュ-ション21(updated 23 Ver.)』とたたみかけ、会場を埋め尽くしたファンを熱狂させていく。このブロックの最後は、先に披露した『明るく良い子』と両A面の新曲『気になるその気の歌』。同曲は先日開催されたリリースイベントで「つんく♂さん要素がたくさん詰まっていて、みなさんに盛り上がっていただける楽曲です」と生田が語っていたように、間奏に祭囃子のような音楽が流れたりするなど、緩急のついたメロディーと聞いている人の背中をそっと押してくれるような歌詞が印象的な一曲。聞けば聞くほどハマっていってしまう、モーニング娘。らしい楽曲となっている。

MCを挟み、野中の振りで『なんだかセンチメンタルな時の歌』をメンバー全員で歌い、ここからは懐かしいシングルやアルバム曲を歌うシャッフルユニットコーナーへ。小田、羽賀朱音、岡村ほまれ、山﨑愛生、櫻井梨央、井上が『夕暮れは雨上がり』『ドッカ〜ン カプリッチオ』をパフォーマンス。続く生田、野中、牧野、横山玲奈、弓桁は『しょうがない 夢追い人』『Moonlight night ~月夜の晩だよ~』を歌い、このツアーならではの魅力がギュッと詰まった時間が続く。

その後はメンバー全員が再び集結し、『フラリ銀座』『今すぐ飛び込む勇気』をパフォーマンス。そして、過去のインタビューなどで生田がモーニング娘。の楽曲の中でも特に好きだという『ムキダシで向き合って』を披露。生田は同曲の魅力を「MVも好きだし、曲もダンスもすべてにおいて完璧」と語っており、躍動感のある楽曲とダンスでファンを熱狂へと誘っていた。

ここからライブは後半戦へ。山﨑が「私たちの魔法足りていますか?」と煽り、生田が「みなさん、タオルの準備はできていますか? ラストスパート! 人類史上最大級のMighty Magic行くよ!」と叫ぶと、会場のボルテージは一気に最高潮へ。『Hand made CITY』では、メンバーとファンが一緒になってタオルを回し、コール&レスポンスで気持ちを一つに紡いでいく。『Ambitious!野心的でいいじゃん』では力強い歌声を響かせ、『みかん(23 Ver.)』『Wake-up Call~目覚めるとき~』と、メンバーの鬼気迫るパフォーマンスで会場を支配していた。

ファンへ向けた感謝の気持ちと生田への想いをメンバーが述べていく。

生田の“熱いハート”が大好きと語った弓桁。「人って誰しも心の内側には野心とか野望を秘めていると思うんですが、生田さんってそれを隠そうとしない。そういうガツガツさみたいなものはモーニング娘。に必要。生田さんが残してくださったこの熱い勢いを引き継いできるように、これからも頑張っていこうと思います!」と力強く宣言。

櫻井は「リハーサルが怖くなって、泣いてリハ室に入れない日があった。そのとき生田さんが“またしょげてるの!”って、慰めてくれた」と、生田への感謝を口にする。最後には「ここでは伝えられないほどの愛が生田さんにはある」とリーダーへの絶大な信頼を吐露していた。

山﨑はツアータイトルの“Mighty Magic”にかけ、「今ツアーを通してキラキラな魔法をお届けできた。私にとってニコニコになる魔法は、ファンの皆さんが楽しんでいる姿。これからもそういう姿を見られるように頑張ります!」と誓い、「生田さんは私自身も知らなかった私の魅力を引き出して、皆さんに発信してくれた。これからは私も、メンバーやグループの魅力を皆さんにお届けできるように頑張りたい!』と笑顔を見せていた。

横山は「このツアー、とにかく楽しかった。生田さんが考えてくださった、可愛い衣装に楽しすぎるセットリスト」と感謝の言葉を口にする。そして「生田さんはメンバーに自信をつけさせてくれる。生田さんに言われて自信を持てたことがたくさんある。その褒めてもらったところをモーニング娘。の活動に活かしていきたい!」と、前の3人と同様に生田の想いを引き継ぐ意思を固めていた。

最後にメンバー全員で『ブラボー!』を歌い本編は終了となった。今回のツアータイトルは、生田が今までやってきたキャラクターの魔法使いと、当時プロデューサーだったつんく♂がつけた自身初参加のツアー「モーニング娘。コンサートツアー2011春 新創世記 ファンタジーDX 〜9期メンを迎えて〜」をオマージュして生田が考えたといい、“加入から卒業までのストーリーが繋がっているように感じられるツアータイトルにしたい”という願いが込められているという。

また、セットリストも「モーニング娘。にはたくさんの楽曲があり、その中にはまだ見つけられてない楽曲があると思います。その中から、お気に入りの曲を見つけて更に好きになってもらえるような特別なセットリストにしました」と、14年にわたりモーニング娘。のメンバーとして活動してきた生田だからこその視点が盛り込まれているそうだ。

アンコールでは会場が生田のメンバーカラーである黄緑に染まり、「えりぽん!」コールが巻き起こる。このファンからの声援に応えるように、華やかなドレスを着た生田が登場。

卒業衣装には“キラキラにしたい”という生田の想いが込められているという。「私がずっと着たいとイメージしていたドレスを可愛く作っていただきました」とコメントを寄せてくれた。

生田はソロで、道重さゆみ・鞘師里保・鈴木香音・飯窪春菜とともに歌っていた楽曲「信念だけは貫き通せ!」を披露。同曲を選んだ理由は「2番の歌詞が自分と繋がる部分がたくさんあるなと思い、この曲にしました」と語ってくれた。また。選曲には、長年、同期として苦楽をともにしてきた前リーダーの譜久村聖も選曲を一緒に考えたという。

歌い終えた生田はステージ上で、ファン、スタッフ、メンバーに向けて感謝のメッセージを語る。

「皆さん来てくださってありがとうございます。13歳から28歳まで14年半、モーニング娘。として活動してきました」と感謝の言葉を冒頭に述べ、続けて「一個だけ夢があるけん、叶えてもらってもいいかいな?」とファンに語りかける。ライブ前日が誕生日だった生田は「みんなにHappy Birthdayを歌って欲しい」とファンに懇願。

この生田の願いを呼応するかのように会場に訪れたファンが“Happy Birthdayえりぽん!”と大合唱。これには生田も「ありがとう!これが本当に夢でした」と満面の笑みを見せる。

続けて生田は恩師でもあるつんく♂への感謝の言葉と、これからの思いを口にする。「えりは、つんく♂さんからたくさんの楽曲をもらって、つんく♂さんの曲をモーニング娘。として歌うことで、皆さんに笑顔になってもらえた。でも、今回は卒業という道を選んだから、つんく♂さんの楽曲の力じゃなくて、生田衣梨奈一人の力として、これからも頑張っていきたい。これからは皆さまに生田衣梨奈が笑顔を届けられるように頑張りたい!」と宣言。

最後は「たくさんお仕事していきたい。これからもいろんなことに挑戦し続ける生田衣梨奈でありたいなと思います!」と締めていた。

その後は生田以外のメンバーも登場し、再び11人でパフォーマンス。全員で生田の門出を祝うかのように、生田(9期メンバー)のデビュー曲である『まじですかスカ!』を披露。最後に、『涙ッチ』を披露し、Mighty Magicという夢と希望、楽しさに満ちたライブは終了となった。

生田は2011年1月にモーニング娘。の9期メンバーとして加入し、グループ及びハロー!プロジェクトのメンバーとして、約14年6ヶ月間活動。これはモーニング娘。のメンバーとしては歴代最長記録となる。なにより歴代最長記録にも関わらず、モーニング娘。の単独コンサートだけでなく、ハロー!プロジェクト全グループが参加するコンサートも含めて皆勤賞という驚きの記録も達成された。また、生田は本公演前日の7月7日には誕生日を迎え28歳となり、卒業時での年齢も歴代メンバーの中でも一番上となる。

「ちちんぷいぷい」の掛け言葉とともに“魔法が使えるアイドル”としても活躍してきた生田。Mighty Magic(強力な魔法)にかかったファンの心の中には、永遠にアイドル・生田衣梨奈は存在し続けるだろう。

モーニング娘。'25 コンサートツアー春 Mighty Magic DX~生田衣梨奈を見送って~
7月8日(火)日本武道館

1 I'm Lucky girl
2 浪漫 ~MY DEAR BOY~(23 Ver.)
3 恋愛Destiny~本音を論じたい~
4 強気で行こうぜ!
5 元気+
6 ナルシス カマってちゃん協奏曲第5番
7 「恋人」
8 LOVEペディア
9 A B C D E-cha E-chaしたい
10 勇敢なダンス
11 明るく良い子
12 One・Two・Three(23 Ver.)
13 愛され過ぎることはないのよ
14 もっと愛してほしいの
15 大阪 恋の歌
16 泡沫サタデーナイト!
17 すっごいFEVER!
18 恋愛レボリュ-ション21(updated 23 Ver.)
19 気になるその気の歌
20 なんだかセンチメンタルな時の歌
21 夕暮れは雨上がり / 小田・羽賀・岡村・山﨑・櫻井・井上
22 ドッカ〜ン カプリッチオ / 小田・羽賀・岡村・山﨑・櫻井・井上
23 しょうがない 夢追い人 / 生田・野中・牧野・横山・弓桁
24 Moonlight night 〜月夜の晩だよ〜 / 生田・野中・牧野・横山・弓桁
25 フラリ銀座
26 今すぐ飛び込む勇気
27 ムキダシで向き合って
28 Hand made CITY
29 Ambitious!野心的でいいじゃん
30 みかん(23 Ver.)
31 Wake-up Call~目覚めるとき~
32 ブラボー!
EN1 信念だけは貫き通せ! / 生田衣梨奈
EN2 まじですかスカ!
EN3 涙ッチ

ハロ!コン2025

出演:モーニング娘。'25 / アンジュルム / Juice=Juice / つばきファクトリーBEYOOOOONDS / OCHA NORMA / ロージークロニクル / ハロプロ研修生
7月19日(土)・7月20日(日) オリックス劇場(大阪)
8月16日(土)・8月17日(日) LaLa arena TOKYO-BAY(千葉)
8月30日(土)・8月31日(日) Niterra日本特殊陶業市民会館 フォレストホール(愛知)

イベント詳細

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