シンガーソングライターの由薫が2024年6月22日(土)に、渋谷WWW Xにて1stアルバムツアー「Tour 2024『Brighter』」の東京公演を開催した。光と高揚感に包まれたライブの模様をお届けする。

氷のようにひんやりとした質感と、シルクのような包容力をあわせ持つ天性の歌声ですぐに多くのオーディエンスを引き込んだ由薫。孤独、ときめき、熱情、刹那、イノセンス……様々な感情が込められた多彩な楽曲が鮮度の高い歌によって、丁寧に届けられていった。由薫は時にバンドのグルーヴに合わせて体を揺らし、元気よくジャンプをし、ハンズアップを誘い、心からこの場と誠実に向き合い、楽しんでいるようだった。

ライブ中、由薫はアルバム「Brighter」への思いをこう明かした。
「アルバム『Brighter』にはメジャーデビューしてから2年弱の自分がすべて詰まっています。1個1個を思い返して曲を並べていく中で、その曲を書いた時に抱えていた悩みや衝突を曲を作ることで乗り越えてきたことということ実感しながら作っていきました。アルバムを作る過程で、『じゃあどういう人間なんだろう』『どういう人生をこれから歩んでいくんだろう』ということに向き合わなきゃいけなくて、すごく怖かった。たくさん悩んで泣きました。でも完成した時に、『これで前に進める』『胸を張って歩いていける』、そう確信した大切なアルバムです」

続けて、ここWWWXは由薫が一番ライブを観に行った回数が多いハコで、「私を育ててくれたハコ」と公言する近くにあるライブハウスgee-ge.からの帰り道、「WWWXに立てる人になりたい」と思っていたと話し、「みんなのおかげで立てました!」と晴れ晴れしい表情で感謝の気持ちを伝えた。

代表曲「星月夜」のパフォーマンス。由薫にわずかな光が当たり、静謐なピアノの音色が響く中、一つひとつ言葉を噛みしめるようにAメロ、Bメロを紡ぎ、サビで一気に思いを吐き出し、深遠なハイトーンの歌を聴かせた由薫。徐々にバンドの音が重なっていく様は、ひとりぼっちで音楽を始め、もがき苦しみながら光に向かい続けた由薫が今こうやって多くのオーディエンスと共振している道程と重なった。

ハンドマイクでステージの上手から下手に移動し、オーディエンスにできるだけ近づきながら情感たっぷりに歌われた「E Y E S」はハミングのような歌で会場がひとつになり、オーディエンスの合唱が巻き起こった。「Hangry」は由薫の「みんな、全然足りてないよ!」というアジテーションからスタートし、サビで由薫が力強く人差し指を上に突き上げ、熱狂を呼び込んだ。「音楽は私を暗闇の中から引っ張り出してくれるもの。その気持ちを込めてタイトルを付けた」と言って歌われた「brighter」は、由薫の背後から2つのライトが照らされ、ギターを爪弾く音だけが響いたところから、ハスキーな歌が響き、暗闇から光へ導くようにして一体感が増していった。

何度も「また会おうね」と口にした由薫。新曲「Sunshade」がTBS系金曜ドラマ「笑うマトリョーシカ」の主題歌に決定したことを嬉しそうに告げ、「みんなにここにいたことを誇ってもらえるアーティストにならなきゃいけない。音楽を通してこんな素敵な繋がりができたことが私の力。本当に幸せです」と言って、再び「絶対また会いましょう」と告げ、再会を約束した。

◾︎LIVE INFORMATION
由薫 Tour 2024 「Brighter」
※宮城、広島、福岡、東京公演は開催済み
[日程]2024年6月29日(土)
[会場] 愛知 / ell.FITS ALL
[開場 / 開演] 17:15 / 18:00
[問] サンデーフォークプロモーション 名古屋:052-320-9100(12:00〜18:00)
[日程]2024年6月30日(日)
[会場] 大阪 / 梅田Shangri-La
[開場 / 開演] 16:15 / 17:00
[問] サウンドクリエーター:06-6357-4400(平日12:00〜15:00祝日を除く)

由薫 Tour 2024 “Brighter” Special Site

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