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2021.02.01

「パスカル マリエ デマレ」を買い付けた理由─ロイヤルフラッシュ 青木友宏×マリエ 対談

モデルでタレントのマリエさんが手がけるファッションブランド「PASCAL MARIE DESMARAIS(パスカル マリエ デマレ)」。 一切妥協せず、最高のクオリティーを追求するブランドとして、さまざまなセレクトショップからも注目されている。 今回は、デザイナーのマリエさんと、ブランド立ち上げ当初より買い付けしているロイヤルフラッシュ神宮前店のアシスタントマネージャー兼メンズバイヤー青木友宏さんの2人に、立ち上がりの経緯やデザイナーに期待する事などについて対談してもらった。

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──どのようなきっかけでマリエさんのブランド、パスカル マリエ デマレを認識されたのでしょうか?

青木友宏(以下、青木)
「きっかけは3年くらい前です。マリエさんがインスタグラムで、うちで取り扱っている”IF SIX WAS NINE(イフ・シックス・ワズ・ナイン)”というブランドのレギンスとクラッシュデニムと合わせたスタイリングを投稿されてまして、その着こなしがロイヤルフラッシュっぽかったのと、そこでアパレルブランドをやられている事を知ったんです。 世の中がよりサステイナブルの方向に進みはじめた時期でもあり、そこに特化したブランドを扱っていなかったので面白いかなと思って、レディスのバイヤーに伝えてコンタクトをとらせていただいた次第です」

マリエ「共通の知り合いを介して連絡を頂いたのですが、ちょうど初めての展示会を開催する予定だったので、お誘いしたら来て下さったんですね」

青木「ファーストでは別注スウェットをお願いして、ローンチのタイミングでポップアップイベントをやりました。でも、男性がデニムのリバーシブルのセットアップを買われたり、ちょっと新しい切り口でお客様に提案できたのが良かったです」

マリエ「この辺りで遊んでいた私としては、ロイヤルフラッシュさんの店頭を自分のデザインが飾るなんて、もう感動でしたね。うまくいくいかないは別として、サポートしてくださった事は本当に感謝しています」

青木「うちは取り扱っている商品の癖が強いですし、その中でもマリエさんのブランドはやはり作り込みが面白いんですよ。商品に対する付加価値の部分をお客様にきちんとお伝えする事で、気に入っていただき、ご購入いただける。そして、伝えた分だけ、お客様はリターンしてくださるんですよね。顧客率が非常に高いお店ですし、デザイナーさんとお客様を繋ぐ者として、来店されたお客様に対してのアプローチについて、日々スタッフは考えています」

──スタッフへの商品の説明会はされたのでしょうか?

青木「ローンチ前に地方店全店のレディス担当の販売スタッフが集まった会議があり、そのタイミングでマリエさんを会社にお呼びして、説明会をやりました」

マリエ「とにかく緊張しました(笑)。私ではなく作った物をジャッジされるわけですからね。でも、説明が終わった瞬間に”いいじゃないですか”って。”私、これ欲しい”とか、”買いたい”とか言っていただいて、張り詰めていた空気が一気に和んで、涙が出そうになりました」

──開催されたポップアップイベントの内容を教えてください

青木「1階の入口のラックで展開して、インスタライブをやったり。オーバーサイズのスウェットを探されている方が多かった時期で、手にとって見られた方は多かったです」

マリエ「国産の生地で素材にこだわった別注スウェットを2種類作りました。起毛のヘビー素材だけどとても軽い。でも、あの良さが分かってもらえるのは、もしかしたら3年後くらいなのかな」

──どのようなお客さんがいらしたのでしょう?

マリエ「とにかく、海外の方が本当に多かったですね。あとは近くのライブハウスからリハを終えたミュージシャンのおじさまが来て、”これ可愛いじゃん!”って買っていただいたり。お店にいらした中国からのカップルの女性と話して、インスタを交換したのですが、フォロワー数がすごい数で”だれ!?”って(笑)。そういう出会いもあったりで、やっていて面白かったです」

──ブランドに対して、お店側からの希望はありますか?

青木「生地などのメーカーさんや工場にとてもこだわられているので、それをマリエさんの感覚で、どう面白く商品に落とし込んでくれるのか、どういうクリエイティブをされていくのか、という部分に期待しています。コロナ前よりもお客様に対して伝える時間が増えたので、今まで通りではないアプローチができるようなアイテムを楽しみに待ってます」

マリエ「実は良いアイデアがありまして、今、退化が早い生地を見つけて、自然に任せるダメージ加工の実験中なんです。例えば、Tシャツを土に埋めて、それをプランテーションみたいな形にして、”ただ今ダメージ加工中!”みたいなプラカードを作って、1ヶ月後、2ヶ月後、3ヶ月後で分けて、毎日、水をやっていただく。最終的にクリーニングして、仕上げして、お客様に届けるというのはどうですか?」

青木「それ面白いですね(笑)。それがディスプレイになるというのも良いです」

マリエ「繊維を食べるバクテリアが水を必要としていて、あとは埋める堆肥も大事なんです。堆肥自体はもっとサステイナブルで、実は我々の食生活で出てきた生ゴミで堆肥を作っているんです」

──もう実験室ですね(笑)。近い将来に実現できる感じなのでしょうか?

マリエ「今、生地を堆肥の中に埋めて、毎日引き上げて、どのくらい退化したかをチェックしている状態です」

青木「堆肥も自分の家から持ってくるとかであれば、スーパーエコですよね」

マリエ「サステイナブルに関しては、”Bottega Veneta.(ボッテガ・ヴェネタ)”のクリエイティブ・ディレクター、ダニエル・リーが、今後、シーズンレスとか、在庫過多をやめるとか、ジェンダーレスにいくという宣言をしていて、ボッテガがそうなると、あと数年で業界が変わると思うんですよね」

──たしかにファッションサイクルはこのコロナ禍で変わると思います。

マリエ「私たちも模索しているし、皆さんも模索している状況。色々なセレクトショップさんともヒアリングしていきたいとは思っているのですが、ショックな事を聞く時もあります。例えば、”もう新しい物はいらない”とか、”お客様が新しい物に興味がない”とか、”いつものあれの色違いみたいな物しか怖くてバイイングできない”とか、それを大手のバイヤーの方からお聞きした時にぞっとしたんですね。それって”もっと素敵なものに出会いたい”とか、今まで自分が見た事がないものに出会って、それに腕を通した時の”やっぱり素敵”という感覚に二度と出会えなくなってしまうのではって。そして、消費者側は彼らの教育で育つから、ゆくゆくはそういう流れになってしまいますし、それはすごく悲しい。恐怖感を覚えましたよね」

──方で、ロイヤルフラッシュは変わった店ですよね(笑)?

青木「常にチャレンジしています(笑)。若いスタッフにも伝えていきたいですし、お客様や外への発信もそうですが、色々と提案していかないと、変わっていかないかなと思っています」

マリエ「セレクトショップの魅力って、オーナーさんや店員さんと話しているうちに、そういう服が好きだったら、どういう音楽を聞いたらかっこいいとか、どういう車に乗ったらかっこいいとか、そういう部分まで教えてくれたんですよね、昔は」

──カルチャー全般ですよね

マリエ「そのセンスのお兄さんやお姉さんと話すのが楽しくて仲良くなれた、だから通うみたいな。そこがセレクトショップの魅力だと。私はそのカルチャーで育ったので”そういう場所に自分のデザインを置いて欲しい”という思いから始まっていて、昔ながらの自分の思いもあります。だから、今日は青木さんから”今だからこそもっと素敵な物をクリエーションして欲しい”と言われた事は、すごく嬉しいですよね。ありがとうございます」



「コロナ禍の今だからこそもっと面白いクリエーションを」という青木さんに、新しいアイデアを語るマリエさん

ボッテガ・ヴェネタのサステイナブルの宣言を受けて「数年で業界が変わると思います」とマリエさん

「いろいろ提案していかないと変わっていかないかな」と青木さん

パスカル マリエ デマレのラック。デニムのセットアップは男性客も購入したとか。

パスカル マリエ デマレの素材からこだわったTシャツ

ロイヤルフラッシュ神宮前店の外観

1階はメンズ中心のセレクト

2階はウィメンズブランドを中心に展開

2019年3月に開催されたポップアップイベントで販売された別注アイテム。
(写真:HELL OF HEAVEN提供)

コチラは別注アイテムのもう一方のデザイン。素材にこだわったオーバーサイズのスウェットで、女性、男性問わず人気があったという。
(写真:HELL OF HEAVEN提供)



マリエ

株式会社HELL OF HEAVEN代表取締役兼デザイナー・Jwave ナビゲーター・環境省森里川海アンバサダー
1987年6月20日生まれ。東京都出身。
ViViの専属モデルやTV笑っていいともや主要番組レギュラーを数多く務め、タレント活動を含め多方面で活躍。
2011年渡米、NYにある名門「パーソンズ美術大学」へ留学。
ファッションを専攻。JWAVE「SEASONS」ナビゲーターを務める傍、企業家・デザイナーさらに2020年から環境省アンバサダーに就任。今も活動の場を広げている。

青木友宏

ROYAL FLASH神宮前店 アシスタントマネージャー兼メンズバイヤー
1990年11月15日生まれ。栃木県出身。
趣味:サウナ。

ロイヤルフラッシュ神宮前店

東京都渋谷区神宮前6丁目18-8 ニュー関口ビル
TEL&FAX 03-3498-2973
営業時間:11:30-20:30

(おわり)

写真/野﨑慧嗣、HELL OF HEAVEN提供
取材・文/久保雅裕、カネコヒデシ





久保雅裕(くぼ まさひろ)
(encoremodeコントリビューティングエディター)

ウェブサイト「Journal Cubocci(ジュルナル・クボッチ)」編集長。杉野服飾大学特任教授。繊研新聞社在籍時にフリーペーパー「senken h(センケン アッシュ)」を創刊。同誌編集長、パリ支局長などを歴任し、現在はフリージャーナリスト。コンサルティング、マーケティングも手掛ける。2019年、encoremodeコントリビューティングエディターに就任。

カネコヒデシ
メディアディレクター、エディター&ライター、ジャーナリスト、DJ。編集プロダクション「BonVoyage」主宰。WEBマガジン「TYO magazine」編集長&発行人。ニッポンのいい音楽を紹介するプロジェクト「Japanese Soul」主宰。そのほか、紙&ネットをふくめるさまざまな媒体での編集やライター、音楽を中心とするイベント企画、アパレルブランドのコンサルタント&アドバイザー、モノづくり、ラジオ番組製作&司会、イベントなどの司会、選曲、クラブやバー、カフェなどでのDJなどなど、活動は多岐にわたる。さまざまなメディアを使用した楽しいモノゴトを提案中。バーチャルとリアル、あらゆるメディアを縦横無尽に掛けめぐる仕掛人。





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