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2020.12.16

「非都市型ショップ」の醍醐味とは?

このコロナウイルスの状況により、仕事や学業のリモート化が進み、自身の居住地域近辺からあまり出ないという、強制的な生活の変化が起こっている昨今。 アパレル業界などは、中央都市部にある大型ターミナルに位置するショップよりも、少し離れた隣接する都市、いわゆるベットタウンにあるような非都市型の店舗が盛り上がりを見せているという。 今回は、「非都市型店舗における醍醐味」をテーマに、その土地ならではの特異な営業スタイルのほか、現状のコロナ禍における状況の変化などについて、「BLUE BLUE YOKOHAMA(ブルーブルー ヨコハマ)」(神奈川県横浜市)、「The Camp FREAK'S STORE(ザ キャンプ フリークス ストアー)」(茨城県古河市)、「ロンハーマン 逗子マリーナ店」(神奈川県逗子市)の3店舗を取材した。 連載第1回は、1996年、横浜市中区にオープンしたブルーブルーヨコハマを取り上げる。

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横浜の大さん橋のふもとにある、一見、倉庫のような不思議な建物。店の目の前がまさに海という不思議な立地が特徴のブルーブルーヨコハマ。ファッション好き、ハリウッド ランチ マーケットのファンにとってはお馴染みのショップだ。

1996年に横浜市中区の海沿いにオープンし、2020年で24年目を迎えたという、この地区のショップとしても老舗の域だろう。

このなんとも不思議な立地について、「1967年にオーナーのゲン垂水が、お店の先にある大さん橋から”ぶらじる丸”という船でアメリカに行った場所でして、非常に思い入れがあるエリアなんです」と答えてくれたのは店長の下田宙央さん。

「オープン当時は、今とは全く違って人通りも少なく、港以外何もない場所で、昼間はフリーマーケットをやっていたり、夜になればローライダーが集まるような場所だったようです」と当時の様子について教えてくれた。

ちなみに、オープン当初はお客さんが全く来ない時間帯もあり、そんな時はスタッフが目の前の海で釣りをしていたというエピソードもあるとか。

最近では「横浜の花火大会の花火が目の前で綺麗に上がるので、スタッフとお客さんと一緒に見て楽しんだりしていますよ」と、まさに海の目の前というこの場所だからこその醍醐味だろう。

また、「ご縁がありまして、昔からお世話になっている近隣の方が船を持っていらっしゃって、それをお借りして、顧客や関係者を呼び、スタッフ含めて50人くらいの船上パーティーも過去に開催しました」という。なんとも面白いエピソードだ。

この不思議な建物だがもともとは倉庫だったらしい。しかし、いつ頃のものなのかは正確には分かっていないという。

「残念ながらデータとして残っていないので、厳密に何年というのは言えません。ただ、当時、改装した際、床に新聞が落ちていたらしく、その新聞の年号が昭和初期だったという資料があるので、おそらくそのくらいではないかと言われています」との事。

建物の補修保全的なメンテナンスに関しては、スタッフたちでできる部分は自分たちでやっているというのも、このお店の特徴かもしれない。

「外観のブーゲンビリアを育てていたり、内装や外装、改装も、もちろん業者にお願いしている部分もあるのですが、自分たちでやらせてもらっています」。

店外や店内に飾られている象徴的なネオン類や絵、オブジェは、オーナー垂水氏の私物だったり、昔売っていた商品だったりするとか。

「店外のネオンとか、フロントにあるライトクロックとかは基本的にオーナーの私物なんですよ。博物館みたいな内装の雰囲気も楽しんでいただければと思っています」。

また、店舗の敷地内には同じ聖林公司グループの飲食部門がやっている、天然酵母のパンを扱っているベーカリーカフェ「YOKOHAMA LOTUS(横浜ロータス)」が併設されている。奥の白い建物はイートインスペースだそうだ。

さて、現状のコロナウイルスにおける影響や変化については、「やはり、近隣のイベント、音楽系のフェスも含めてほとんどやっていないというのは大きな変化ですね。人の流れがまったく変わったと思います」という。

コロナ禍以前は、やはりインバウンドが多かったようだ。

「大さん橋に飛鳥だったり、クイーンエリザベスだったり、大型客船が停泊するので、それを利用している方がよくいらしていましたね。現在は、神奈川県内の方が来ることが増えたようですが、一概に他の地域から来ていないとは言えない状態です」という。

いわゆる地方店舗の店長を任されている下田さん。このお店で働く事になったきっかけを聞くと、自分で希望したとの事。

「新卒からここにいて8年目になります。もともと地元が横浜という事もあって、高校生の時からこの店には通ってました(笑)」。

ひとつの店舗で長く働くというのは、他のアパレルでもあまり見られない感じだろう。スタッフの地元率も高いという。

「この建物が良くて、”ここで働きたい”と言って来たスタッフも多いんです」。

オープン前には、かなり早い時間からスタッフがお店の周りを掃除している姿を見られるのも、この店の特徴のひとつだ。

今後の展開について、「可能な限りこの場所で商売させていただき、この地域に貢献させていただくことが本望です」と抱負を語ってくれた。

目の前に広がる青い海、広い空。まさに唯一無二の最高のローケーションに、他に類を見ない建物のブルーブルーヨコハマ。

そして、D.I.Y.精神にあふれ、店を愛するスタッフたち。

非都市型ショップの醍醐味を十分に味わいながら働けるというのは、今の時代に必要な働き方なのかもしれない。

第2弾はThe Camp FREAK’S STORE編をお届けする。

ブルーブルー ヨコハマ

住所:神奈川県横浜市中区海岸通1-1
045-663-2191
営業時間:11:00-18:00(短縮営業)



お店の外観

お店の外観

店長の下田宙央さん。

店内にはところ狭しと並ぶアパレルと小物の商品のほか、オーナー垂水氏の私物とともに昔の商品も飾られている。

店内にはところ狭しと並ぶアパレルと小物の商品のほか、オーナー垂水氏の私物とともに昔の商品も飾られている。

店内にはところ狭しと並ぶアパレルと小物の商品のほか、オーナー垂水氏の私物とともに昔の商品も飾られている。

こちらはお店の入り口付近。オープン当初はこの部分のみだったという。

改装ごとに拡張し、現在はお店の奥側はレディスフロアとなっている。

こちらは横浜店限定のTシャツ。中央のデザインはオープン当初からあるものだそう。

今季のおすすめアイテム。分厚いフランネルが特徴のUSネイビーのCPOシャツで、お店の代表的なアイテム。

今季のおすすめアイテムその2。表側にベンタイル、内側の中綿はプリマロフトを使用し、洗濯もできて、軽くて温かい真冬でも使えるA2のデッキジャケット。

(おわり)

取材・写真/久保雅裕
取材・文/カネコヒデシ



久保雅裕(くぼ まさひろ)
(encoremodeコントリビューティングエディター)

ウェブサイト「Journal Cubocci(ジュルナル・クボッチ)」編集長。杉野服飾大学特任教授。繊研新聞社在籍時にフリーペーパー「senken h(センケン アッシュ)」を創刊。同誌編集長、パリ支局長などを歴任し、現在はフリージャーナリスト。コンサルティング、マーケティングも手掛ける。2019年、encoremodeコントリビューティングエディターに就任。

カネコヒデシ
メディアディレクター、エディター&ライター、ジャーナリスト、DJ。編集プロダクション「BonVoyage」主宰。WEBマガジン「TYO magazine」編集長&発行人。ニッポンのいい音楽を紹介するプロジェクト「Japanese Soul」主宰。そのほか、紙&ネットをふくめるさまざまな媒体での編集やライター、音楽を中心とするイベント企画、アパレルブランドのコンサルタント&アドバイザー、モノづくり、ラジオ番組製作&司会、イベントなどの司会、選曲、クラブやバー、カフェなどでのDJなどなど、活動は多岐にわたる。さまざまなメディアを使用した楽しいモノゴトを提案中。バーチャルとリアル、あらゆるメディアを縦横無尽に掛けめぐる仕掛人。





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