――2010年に東京厚生年金会館で開催された『ASKA 10 DAYS SPECIAL グッバイ&サンキュー東京厚⽣年⾦会館 -ここにあなたの⾜跡を-』がライブ映像作品としてリリースされることに驚きました!
「実は、ずっとリリースのタイミングを計っていたんです。Blu-rayができるまでは、DVDが主流でしたが、DVDには、容量の問題でライブを全部収録することができなかった。僕はこのライブを完全版でリリースがしたかったので、Blu-rayで、このタイミングでリリースすることにしました。あそこに居た、居なかった多くの方から、“あのライブが見たい!”という声を頂いてました。ここまで14年かかりましたね。やっとです。とはいえ、14年前の映像なので、ミックスや映像編集もやり直しました。改めて見てみると、すごく声も出ているし、“我ながらいいライブをやっていたな”って思いました」
――素直にそう思えるのは素敵なことですよね。
「そうですね。このライブは、東京厚生年金会館の10日あるうちの9日目の映像です。実はこの日、一睡もせずにステージに上がっているんですよ」
――え!?そうなんですか?
「でも、いざライブが始まって、お客さんを前にすると、アドレナリンが出てものすごくテンションが上がるんです。ステージに上がると、自分の状態などまったく気にならなくなって、問題なく最後までいつも通り歌うことができました。さらに、この東京厚生年金会館が閉館する前の10日間という長い間、館長がCHAGE&ASKAのライブを選んでくれたのもすごく嬉しかったです。僕もこの会場には強い思い入れがあったので、“もうここでは歌えないんだ…”いう切なさを感じていたのも覚えています」
――東京厚生年金会館は、当時ASKAさんにとってどんな場所だったのでしょうか。
「当時、海外のアーティストが来日した際に、この東京厚生年金会館でライブをすることが一種のステータスになっていたんです。アメリカやイギリスに行った時も、アーティストの人たちと話すと、“東京厚生年金会館でライブをしたことはあるかい?”って聞かれることが多かったんですよ。きっと、あのレッドカーペットや扇型になっている客席、さらに椅子も前の人とかぶらないように計算されているなど、素晴らしい環境があったからだと思います。ステージからもすごく見晴らしがよくて、歌っている方もすごく気持ちよかったです」
――そんな素敵な場所でのライブが14年の時を経て映像になるのはすごく嬉しいですね。
「嬉しいです。いざ見直したときは、すごく客観的になることができました。編集してくれたのも、長年の付き合いがある信頼できるスタッフなので、すごくいい編集をしてくれていましたし、改めて、“今、この曲を歌ってみてもいいのかな?”と思う曲もあって。ただ、僕たちって、作品が完成するまでに飽きるほど試行錯誤してますからね。そしてリハーサルから本番まで何度も何度も。その映像作品ができたとしても、僕は1回か2回くらいしか見ないんですよ」
――そうなんですね!?音源は聞きますか?
「ライブの時に聴くくらいです。それくらい楽曲づくりに注力をしていて。ぶっちゃけて言うと、きっと楽曲を作る人って、完成した後は、リスナーほど楽曲は聴いていない思うんです。次に向かっています。そして、カラオケで歌をコピーされてる人がいますけど、あれすごいですね。僕は特に他のアーティストの楽曲を覚えられない。いつもコード進行の中で自分の思うがままにメロディを作ってる。コードが流れてきたらどうとでも歌えるんですよね。だから他のアーティストの楽曲は覚えようとしなくては覚えることができない(笑)。そして当然だけれど未だに謎なのがレコーディング。不思議なことに、その時の感情もすべて録音する事ができる。本当に命を吹き込むという感じなんですよね。なので、中途半端に歌ってしまったら、それがそのまま記録されてしまうので納得のいくまで歌う。妥協はないです。記録されるから」
――そんな楽曲たちを生で聴けるツアー『ASKA CONCERT TOUR 2024≫2025 -Who is ASKA !?-』が、9月からついに始まりますが、どのような準備をされていますか?
「90年代のステージを振り返ったときに、すごく華やかなイメージをする人が多いと思うんです。それは本当にその通りで、ステージセットなど豪華でしたからね。そうですね、今では考えられないほどお金を使ってた。それが出来ていたのは、アーティストにとって、ライブはプロモーションだと考えていたからこそ。それはCDの売上でカバーできていた。今はそれができない。時代は変わりました。とは言え、こんな時代です。今、無理をしてでも“あの頃のステージを今、やってみたらどうだろう?”と。あの頃とまでは行かなくとも、今回9月からのツアーは90年代の音楽が華やかだった頃を、何となく再現してみたいと思ってます」
――最高に楽しみです! さらに、『ASKA CONCERT TOUR 2024』2025 -Who is ASKA !?-』というタイトルも、すごく気になりました。
「ここ数年は、ステージから見てもわかるくらい、客席に若い人がどんどん増えているんです。SNSでも、高校生が“まわりでASKAの音楽を聴いている人がいないんです。僕は変なんでしょうか?”と聞いてくる子もいて(笑)。その子の周りからしたら、“ASKAって誰?”ってなるわけです」
――なるほど!
「あと、実はこの“Who is ASKA !?”は、DAVID FOSTERのセリフなんです。ディヴィッドが僕のラジオにロスからオンラインで出演してくれたことがあったんです。で、出演前の打ち合わせが終わり、さて本番収録に入ろうとした時、ディヴィッドが番組スタッフに”ところでASKAって誰?”ってジョークを放ったんですね。番組スタッフが一瞬固まった(笑)。僕はそのシーンを映像で観てました。ちょっと待てよ、これ正に今使えるなと」
――すごくオシャレですね! しかも今回は学生キャッシュバックやファミリーチケットも設けるんですね。
「だって、学生から同じ料金を取れないですよね。ファミリーチケットもそう。親子で来られるのに、子供から大人料金は取れない。実は数年前から当日席として学生チケットは出してました。今回は、もっとそのようなことを謳ったライブツアーになります。“今、僕の音楽を見つけてくれてありがとう”という気持ちを込めてやり始めました。その分、大人の方からはしっかりチケット代を頂きます(笑)」
――しかも今、SNSで90年代の音楽が流行っているからこそ、ASKAさんのライブを見てみたい10代はたくさんいますでしょうしね。
「ありがたいですね。でも本当に若い子が増えていますし、ライブに触れる、いいきっかけになってもらえたら嬉ばしいじゃないですか」
――そして、来年2月には待望の武道館公演が控えています。これは特別なものになるのでは?と期待してしまうのですがいかがですか。
「武道館のライブになると思います。実は、この日本武道館の日程は、アジア公演の初日として押さえていたんです。でも、僕の喉の調子がすごく上向きでよいので、この感覚を忘れてはいけないと思って、急遽ツアーを前倒しにしました。前倒しにしたはいいですけど、今度はホールに空きがない。関東、特に東京が大変なことになってしまった。それもあって、アジアツアー初日用に押さえていた武道館を今回のツアーラストに持ってきました」
――それくらい、喉の調子がかなり良いんですか?
「すごくいいです。年齢を重ねると、どうしても声帯が下がってくるんですよ。でも、今は明らかに30代の時の感覚なんです。それ忘れないように、そして、“歌いたい!”と思ったんです」
――今回は、初めて行く会場も多いんですよね。
「そうなんです。みなさん、“地元に来てくれた!”と思ってもらえる場所が多いので、ちょっとやそっとのライブではないライブをしたいですね。セットリストも、デビューからの曲を選曲して歌おうと思っています」
――みなさんの思い出の曲が聴けるかもしれないですね。
「昨年、「モーニングムーン」を歌った時の反応。予想を超えてきましたね(笑)。ある程度の予想はありましたが、それ以上だった。今、自分に何を求められてるのかに敏感なセットリストにしたいですね。今回、新しくサポートメンバーに加わるミュージシャンが居る。いつものように急な楽曲の変更ができない。しっかりとリハーサルを行ってから挑みます」
――行く土地で楽しみにしている食べ物などはありますか?
「美味しいものは美味しいで十分です。どこか遠くまで食べに行くとか、並んででも食べるということはしないですね。でも、京都に住むようになって、そのようなことをする人たちの気持ちが分かったかな(笑)。さすが1000年続いてる都ですね。口コミのないお店は残らないんじゃないかな。どこに行っても本当に料理が美味しいと思える。これまでお腹が満たされたらそれで十分だったんですけどね。ちょっと変わってきましたね」
――では最後に、ライブに来るファンのみなさんにメッセージをお願いします!
「今回はこれまでの活動を全て詰め込んだライブになっています。ライブでは”これでもか!”というくらい楽しみましょう」
(おわり)
取材・文/吉田可奈
RELEASE INFORMATION
『ASKA 10 DAYS SPECIAL グッバイ&サンキュー東京厚⽣年⾦会館 -ここにあなたの⾜跡を-』
2024年9⽉4⽇(⽔)発売
Blu-rayパッケージ/DDLB-0025/9,900円(税込)
DADA label
完全限定⽣産のため、下記の期間受注申し込み受付を⾏います。
受注期間:2024年6⽉18⽇(⽕)12:00 〜 2024年7⽉28⽇(⽇)23:00
全国CD店各店舗(タワーレコード / HMV 他)
※完全限定⽣産商品のため、受注期間内にお申し込みの⽅は、確実に⼊⼿できます。発売⽇以降でも上記店舗でご購⼊いただけますが、完全限定⽣産のため枚数に達し次第販売終了となります。
ストリーミング配信/4,620円(税込)
※2024年9⽉3⽇お昼12:00より配信スタート
配信サイトURL >>>
◉ Blu-rayをご購⼊の⽅は、Blu-rayに同封しておりますシリアルナンバーを⼊⼒すると無料で配信をご覧いただけます。ダウンロードも可能となりますので、スマホやタブレットなどでもお楽しみいただけます。
※ ダウンロード⽤映像は、画質を落とし分割しての提供となります。
ストリーミング配信のみご購⼊の⽅は、Travel TV内で購⼊⼿続きを⾏なってください。
LIVE INFORMATION
Travel TV presents 『ASKA CONCERT TOUR 2024≫2025 -Who is ASKA !?-』
2024年9⽉21⽇(⼟)東京 J:COMホール⼋王⼦
2024年9⽉25⽇(⽔)⼤阪 オリックス劇場
2024年9⽉26⽇(⽊)⼤阪 オリックス劇場
2024年10⽉3⽇(⽊)福岡 福岡サンパレスホテル&ホール
2024年10⽉4⽇(⾦)熊本 熊本城ホール メインホール
2024年10⽉6⽇(⽇)⿅児島 川商ホール(⿅児島市⺠⽂化ホール)第⼀
2024年10⽉19⽇(⼟)神奈川 神奈川県⺠ホール 大ホール
2024年10⽉24⽇(⽊)岩⼿ 盛岡市⺠⽂化ホール ⼤ホール
2024年10⽉26⽇(⼟)⼭形 やまぎん県⺠ホール(⼭形県総合⽂化芸術館)
2024年11⽉4⽇(⽉祝)北海道 札幌⽂化芸術劇場hitaru
2024年11⽉8⽇(⾦)岡⼭ 倉敷市⺠会館
2024年11⽉10⽇(⽇)広島 広島⽂化学園HBGホール
2024年11⽉15⽇(⾦)兵庫 神⼾国際会館こくさいホール
2024年11⽉16⽇(⼟)京都 ロームシアター京都メインホール
2024年11⽉23⽇(⼟)島根 島根県芸術⽂化センター 「グラントワ」⼤ホール
2024年11⽉24⽇(⽇)⼭⼝ 周南市⽂化会館
2024年11⽉29⽇(⾦)新潟 新潟県⺠会館 ⼤ホール
2024年12⽉1⽇(⽇)⽯川 本多の森 北電ホール
2024年12⽉8⽇(⽇)静岡 静岡市⺠⽂化会館 ⼤ホール
2024年12⽉13⽇(⾦)⻘森 リンクステーションホール⻘森(⻘森市⽂化会館)
2024年12⽉15⽇(⽇)宮城 仙台サンプラザホール
2024年12⽉20⽇(⾦)兵庫 アクリエひめじ ⼤ホール
2024年12⽉21⽇(⼟)⼤阪 箕⾯市⽴⽂化芸能劇場⼤ホール
2025年1⽉11⽇(⼟)愛知 愛知県芸術劇場 ⼤ホール
2025年1⽉12⽇(⽇)愛知 愛知県芸術劇場 ⼤ホール
2025年1⽉17⽇(⾦)沖縄 那覇⽂化芸術劇場なはーと ⼤劇場
2025年1⽉18⽇(⼟)沖縄 那覇⽂化芸術劇場なはーと ⼤劇場
2025年1⽉25⽇(⼟)⾹川 サンポートホール⾼松 ⼤ホール
2025年1⽉27⽇(⽉)⼤阪 フェスティバルホール
2025年2⽉14⽇(⾦)東京 ⽇本武道館
2025年2⽉15⽇(⼟)東京 ⽇本武道館