──32枚目となるニューシングルにして、前作に続いて末永さんがセンターを務める「愛のホログラム」が完成しました。
末永桜花「これまでのSKE48のシングル表題曲にはなかったシリアスな曲調の孤独な失恋ソングです。歌詞の中で特に刺さったのが、<肩先が濡れ始めてから 傘を差してない自分に気づいたのさ>で、傘を差してくれる誰かもいなくて主人公が1人でいるという、そういう情景が孤独を連想させていて、私の心に刺さりました」
──実際に同じような体験をしていたり?
末永「私はお天気に関係なく折りたたみ傘を常備しているので、雨が降っているのに傘を差していないということがないんです(笑)」
北川愛乃「しっかりしてる!」
荒井優希「私、常備していないよ。だから雨に濡れちゃうときがあるけど、乾くからね(笑)」
末永「いつか雨が降った日に、あえて傘を差さずに「愛のホログラム」の主人公の気持ちを実感してみたいですね(笑)。せっかくなら、けっこう強めの雨がいいです(笑)」
──北川さんと荒井さんは、「愛のホログラム」をどう捉えていますか?
北川「恋愛も失恋もしたことがないから、実際にどんな気持ちになるのかは正直分かりません…でも、好きな人をファンの方に例えて考えてみると、私のファンの方が“推し変”をして違うメンバーを応援するようになることってあるじゃないですか(笑)」
──アイドルグループのファンには、もちろんそういうタイプもいますよね(笑)。“推し変”はしないけど、“推し増し”で他のメンバーも応援するようになるとか。
北川「自分が“推し変”されたときって、やっぱり寂しいんですよ。だから、その時の思いと重ねて「愛のホログラム」を歌っていこうと!」
──なるほど。確かに、アイドルとファンが“相思相愛”だとしたら、“推し増し”はセーフだとしても、“推し変”は“失恋”にあたりますもんね。
北川「サビの歌詞に、<僕の人生 照らしてたのは 君という名の太陽>というフレーズがあるんですけど、本当に私にとってファンの方は太陽。“推し変”されないように、“推し変”された方には戻ってきてもらえるように頑張ろうって、「愛のホログラム」であらためて思いました!」
荒井「私は、この曲で思い出したことがあるんです。高校生のとき、私は愛知出身じゃないので、1人暮らしをしていたんです。その頃、ある日の公演終わりに疲れ切ったまま歩いて帰っていたんです。そしたら、家をかなり通り過ぎて見たこともない場所まで行ってしまって(笑)」
──どうしちゃったんですか?
荒井「何かがすごく嫌で、すぐに帰りたくはないというか、外を歩いてたかったんだと思います。その“もうどうでもいいや!”ってなっている感じを、(主人公の失恋と孤独を歌った)「愛のホログラム」で思い出しちゃいました」
──その日は、ちゃんと帰れたんですか?
荒井「Googleマップで調べて帰りました(笑)。今はもう、そんなことしないですけどね。仕事が終わったら、まっすぐ早く帰ります!」
──「愛のホログラム」のMVは、小さな人形サイズになって歌い踊るメンバーの姿が印象的です。
末永「私は等身大のシーンもあるんですけど、私が鉄道好きだと知ったスタッフさんが、鉄道模型のセットを用意してくださったんです。しかも、もともとは青とか黄色だったレールをすごくリアルな線路みたいに塗り直してくださっていて。汚れの感じとか、すごくリアルなんですよ。スタッフさんの愛をとても感じましたし、“美術さんってすごいな!プロの技ってすごいな!”ってあらためて思いました」
北川「回っているレコードの上でのダンスシーンがあるんですが、その撮影が大変でした。撮影では回っているレコードに乗って踊っているように見せるために、実際に足場をレコードのように回転させながら撮ったんです。足場が動いている中で踊ることってなかったし、体幹がしっかりしてないと台から落ちちゃうんです。そのシーンは特に大変だったので、注目してほしいです!」
荒井「レコードに乗って回るシーンは、私たち以上にスタッフさんが大変だったと思います。1人ずつ撮ったので、足場になっている台を人力で引っ張って、どのメンバーも同じスピードで動かさないといけなくって。それが、すごく大変だったんじゃないかな?と思います」
──MVの内容にちなんだ質問になりますが、もし自分がMVに登場するぐらいのサイズ感まで小さくなれたら、何がしてみたいですか?
荒井「小さくなったぶん風に乗れそうなので、風に乗って空を飛んでみたいです(笑)」
末永「あのサイズの小ささだと、普通の人間の世界は大冒険ですよね!私は、棚と棚の間に落ちているものを探してみたりとか…地味(笑)」
北川「人間は人間の中に入れないじゃないですか。だから、人間の体内に入ってみたいです。そんなこと考えたことなかったんですけど、質問されて、今そう思いました(笑)」
──新たな発見をして、医学界に貢献しそうです(笑)。
北川「体内から出てこれたらですけどね(笑)」
──今回のシングルでは、中野愛理さん、倉島杏実さん、大村杏さんが初選抜。この数年で、SKE48はどんどん変化している印象があります。
末永「正直、今はどういったメンバーがいるのかを知らない方も多いと思います。なので、もっともっとたくさんの方に今のSKE48の魅力を伝えていきたいです」
北川「須田亜香里さんや古畑奈和さん、江籠裕奈さんといった、長年グループを引っ張ってくださっていた先輩たちが卒業されて、若いメンバーが増えました。そんな今のSKE48を見てもらいたい気持ちが強いので、歌番組などにもたくさん出演させていただきたいですし、そのためにも個人がもっとレベルアップして、新たな層の方たちにも好きになってもらえるようにしたいです!」
荒井「去年は春夏秋冬でライブをさせてもらったり、Team Eの新公演ができたり、今年に入って研究生の『制服の芽』公演も始まって、メンバーとスタッフさんたちが一丸となって、他のアイドルさんと違うことをしていこうという時期だったなと思います。その姿勢を変えず、これからも新鮮なものをファンの方に届けて、いろんなメンバーの姿を見てもらいたいなと思っています」
──いろんな姿という意味では、荒井さんは2021年から東京女子プロレスにプロレスラーとして参戦して、アイドルとは異なる魅力を発揮しています。今年1月に東京・後楽園ホールで開催されたタイトルマッチで王者を下し、シングル王座初戴冠を果たしました。
荒井「ありがたいです。プロレスで私を知って、握手会や劇場公演に足を運んでくれるようになった方もいます。繰り返しになりますけど、本当にありがたいです」
末永「相手の選手とか本当に大きくて、“優希さんよく無事だな、すごいな”って素直に思います」
──荒井さんのかかと落としは、本当にすごいですよ。
北川「優希さんの試合は配信でしか見たことがないので、今度会場に行って観戦します!」
荒井「うれしい!」
末永「コスチューム、かわいいですよね!」
荒井「女子プロレスラーは、みんなコスチュームで個性を出してるから!」
──末永さんと北川さんは、どんな個性を出していきたいですか?
末永「私は鉄道と辛いものが好きなので、その2つをお仕事につなげて個性を出していきたいです。将来の夢が女優なので、演技のお仕事もしたいと思っています。それ以外にも、いろんなことに挑戦したいです」
北川「絵を描くのが好きで、美術展に出展したり、番組で作品を紹介していただいたこともあります。見たことのない作品を作って、いずれは個展を開催したいです!あと、舞台もすごく好きで、去年はヒロイン役をやらせていただきました。自分じゃない人になれるのが楽しいです。これからもいろんな役に挑戦して、いろんな姿を見てほしいなと思います!」
──ここまでの話を踏まえて、2024年はどんな1年にしたいですか?
荒井「私は、“野望をいっぱい叶える年”にしたいです。テレビで星座と血液型で占った幸運ランキングが発表されていたんですけど、私は40以上のパターンがある中で1位だったんです!それによると、今年は何でも叶う年らしくて。実際、初詣で引いたおみくじも大吉だったし、年明けの試合でシングルチャンピオンにもなれたし、出だしから好調すぎてテレビで見た占いを鵜呑みにしています(笑)。この勢いのまま、もっといろんな野望をいっぱい叶えたいですね!」
北川「夢を現実にする年にしたいですね。去年はソロコンサートが目標だったんですけど、それが叶わなかったので。私自身ができることをもっと探して、それを発信することで夢を実現させたいです」
末永「私は、自分を高める年にしたいです。「愛のホログラム」のリリース2日前には22歳にもなりました
(おわり)
取材・文/大久保和則
撮影/中村功
RELEASE INFORMATION
EVENT INFORMATION
リリースイベント決定!
場所:ららぽーと名古屋みなとアクルス 野外イベントスペース デカゴン
日程:2024年3月3日(日)
出演メンバー:32ndシングル 選抜メンバー
※ステージサイズの都合上10人、9人編成でのライブ開催になります。