──まず、2ndミニアルバム『SHUTDOWN→REBOOT』が完成した感想から聞かせてください。

夏芽ナツ「今までは可愛らしくてポップな曲が多かったんですけど、今回のミニアルバムは、スタイリッシュでクールでカッコいい曲がとても多くて。特に新曲「SHUTDOWNREBOOT」は疾走感があって、また新しいダルフォンを見せられたって思います」

小町まい「ナツが言ったように、“カッコいい”に全振りしているし、“ダルフォンらしさ”がどんどん固まってきたなって感じるアルバムになりました。ジャケットも私たちの特徴を捉えたイラストでカッコいいので、いろんな人に手に取っていただきたいです」

藤井エリカ「今回のミニアルバムは、私的に本当に全曲すごく好きなんです!全曲が推し曲なので、いろんな人に届いてほしいって思いますし、ジャケはA盤はイラストなんですけど、B盤はバイクに乗っていたり、衣装もカッコいい感じなので、“これが今のSANDAL TELEPHONEだぞ!”というのが伝わればいいなと思います」

──フィジカルとしては、1stアルバム『REFLEX』から1年4ヶ月ぶりになります。昨年の夏に3か月連続でデジタルシングルをリリースしていましたが、この1年間というのは、グループにとってはどんな日々でしたか?

小町「維持の期間だった気がします」

藤井「1年以上リリイベをやっていなかったので、ファンの皆さんから“新曲ないの?”って聞かれることもあったんですけど、私達は結構、早い段階からレコーディングはしていて…“いっぱい新曲あるんだよな”って心の中では思いながらも言えなかったので、やっとミニアルバムが出せて嬉しいです」

夏芽「これまでは定期的にCDをリリースしていたので、常にリリイベをやっている感覚だったんです。レコーディングをして、レッスンをして、リリイベ期間があって、CDがリリースされる頃には次の新曲が決まっていて…。ずっとバタバタが続いている状況だったんです。でも、リリイベとライブでは違う見せ方が必要で…」

藤井「リリース期間になると、どうしてもライブよりもリリイベが中心になっちゃうからね」

夏芽「この1年間はワンマンライブとか、対バンイベントに出演させていただくことが多くなったので、サンダルテレフォンのライブ感が増したというか、ライブでの伝え方を学んだというか…カッコいいサンダルテレフォンを作れた期間になったかな?って思います。あと、メンバーとゆっくり過ごすことも増えました。毎日のように会っていた時期はプライベートではあまり会わなかったんですけど、会わない期間がちょっと増えたからこそ、みんなで遊び行ったり、ご飯食べたりするようになって。メンバーで話す機会も増えたし、濃い1年になったって思います」

──メンバーでどこに行ったんですか?

夏芽「3人でユニバやディズニーランドに行ったり、みんなで食べ放題にも行って。今までは3人で遊ぶことがあまりなくて…ご飯すら行ってなかったんです」

藤井「ライブが終わったらすぐ帰る、みたいな」

夏芽「でも、今はライブ後に、ご飯に行くことも増えました」

藤井「1週間、会わない日が続くと、久々にメンバーに会うと嬉しくって。一人一人に“久しぶり!”って言いにいったりもします(笑)」

夏芽「改めて、メンバーといるときの心地よさと楽しさに気づけました。当たり前になっていたけど、やっぱり会うと楽しいってなるし」

藤井「“友達より楽”ってなっちゃう」

夏芽「いろいろ話しやすいしってことに気づきました」

──先ほど、まいさんは“私達らしさが固まってきた”っておっしゃっていましたけど、それは言葉にするとどんなものですか?

小町「以前はかわいい衣装もあったりしたんですけど、最近は本当にかっこいい感じになってきて。他のアイドルさんと差別化できると思うし、クラブセットでライブすることも増えていて。それが今のサンダルテレフォンという感じです」

藤井「単独ライブは渋谷のWOMBでクラブセットをやることが多いんです。それがもう定着してきているので、アイドルファンの方だけじゃなくて、クラブセットだけ来るファンの方もいるんですよ」

夏芽「やっぱりアイドルさんがいっぱいいるので、その中での私らしさってなると、まず3人っていうのが珍しいなと思っていて。大人数で大きく見せて華やかなアイドルさんも多い中、私達は3人なので、その華やかさや大きさで見せるのは絶対に負けちゃうと思って。だから、3人で一つみたいな見せ方で、フォーメーションも広く取らずに、狭めでまとまった見せ方をしています。そこにダルフォンらしさがあるなと思ってるし、曲調もカッコいい曲やおしゃれな曲が多いんですけど、その中でも全曲ちゃんと違っていて、1曲もテイストが被っていないので、いろんな見せ方ができるグループだと思っています。私は、そのかっこよさと、アイドルだけどアーティストっぽい感じが“らしさ”かなって」

──アイドルって言っていいんでしょうか?プロフィールには3人組ガールズグループって書いてあります。

夏芽「そうなんですよ。確かに一番うまい言い方かもしれないです。アイドルとアーティストの間っていう感じがダルフォンらしさかな?って思います」

──衣装の話題も出ましたが、バイカースタイルの新アー写も話題になっていました。

夏芽「そういう小物…じゃなくて、大物(本物のバイク)を入れて撮影したので(笑)、すごく緊張しました。“バイカー”とか言いながらも、私達、誰もバイクに乗ったことないし、触れる機会もなかったので、どう触っていいのかがわかんなくて。すごく寒い中、みんなで頑張って撮りました。あと、以前もバイカースタイリングがあったんですけど、今回の方が上着がライダースジャケットになって、よりカッコよくなったかな?って思います」

藤井「他のアイドルさんと一緒のライブイベントだと、ふわふわの衣装を着ているアイドルさんがたくさんいて。ファンの人に“本当はふわふわが好きなんじゃないの?”って聞くんですけど、ファンの皆さんは、“ズボンとか、かっこいいスタイルが好きだ”って言ってくれるんですよ。カッコいい衣装を着ている方がライブで気持ちが引き締まるし、個人的にもすごく好きで、自分も楽しくやっています」

小町「こういう衣装は私達しか似合わないと思うので、自信を持って、“どうだ!”という感じで着ています」

──では、新たなジャンルに挑戦したタイトル曲「SHUTDOWN→REBOOT」を最初に受け取った時はどう感じましたか?

夏芽「ゆっくりめのイントロから始まって、急にバーッて疾走感が出る曲で。振り付けで音ハメをすることが多いので、細かい音を拾うのが楽しい曲だなって思いました。あと、ダルフォンの中でこんなにスピード感があって、スタイリッシュな曲が初めてだったので、私はパフォーマンスするのが楽しみでした。難しそうかな?って思ったんですけど、“私達ならできる!“って思いました」

小町「私達は昔っぽいけど新しい感覚の音楽をやってきたんですけど、この曲を聴いたときは“今っぽい曲!”って思いました」

藤井「あと、長い間奏が入っているんですけど、テンポも速いし、ここでとんでもなく難しい振付が来るんだろうなと思って…私はそれに怯えていました」

小町「あははは。実際に来たよね、難しい振付が」

──来ましたか?

夏芽「カウントで取らないといけない振付が来たので、みんなで大苦戦しました。“ワンツー、スリー、ワンツー、スリー”って言いながら頑張って合わせました。初めはヤバかったです」

藤井「私達ってレッスンとかでも鏡があるとうまいんです。でも、実際にライブで披露するときは鏡がないから、ちょっとヘニョヘニョしちゃって…もっとカッコよくしたいって思っているので、これからの見どころです」

──歌詞も含めて、ここまでお伺いしてきたダルフォンの現状ととてもマッチしているなと感じました。今日は、作詞・作曲・編曲を手がけたちばけんいちさんにも同席していただいているので、ちばさんの意図を聞いてもいいですか?

ちば「はい。メンバーには言っていないんですけど、歌詞は時代的な部分を結構反映しています。パソコンのワードとなぞらえて書いているんですけど、情報過多で、嫌な話題で溢れているSNSを一度、全部閉ざして、“やり直しちゃえ!”っていう思い切りの良さが大事な時もあるよなって。そんなことを思いながら、ダルフォンも長く活動を続けている中で、ぬるっといくのではなく、何かを切り替えるきっかけの1つになるような曲を書けたら面白いんじゃないか?っていう思いも入ってます」

小町「え?これは私達のことを考えて作ったくれたんですか?」

ちば「歌詞を書くときは、今歌ったら何かしら響いてくれるといいなっていうのは、どの曲も考えているよ」

小町「そうなんですね。ファンの人から“どういう意味なのか、いろいろと探った?”って聞かれて。私は、ちばさんが普通にこういう曲を聴きたいんだって思っていたので、ダルフォンに合わせて作ってくれたってことを今、知りました」

夏芽「私は“ちばさんは、いつも今の私達に合わせて作ってくれてるな”って思っていました。でも、ここまで思いがこもっているとは思ってなかったです。ふふふ」

ちば「でも、歌詞に関しては、基本的に、捉える人の自由でいいと思っています。どれが正解で、どれが間違うというのはなくって。聴く人によっては、“電源を一度切って、再起動しよう”くらいの感覚で楽しんでもらってもいいし、いろんな解釈の仕方があっていいかな?って思いながら作っているんです。ただ、ちょっとだけ、考察する面白さという意味で話すと、“繰り返しの日々をどう捉えるか?”みたいなことがテーマにはなっています。自分たちの活動や生き方に、つまらない無限ループ感があるようなところから、どう抜け出すかっていう、ちょっとだけ強い思いがこもってるかもしれないですね」

──どうですか?ご自身の心境やグループの活動とリンクしている部分はありますか?

夏芽「それこそさっき言っていたように、ずっと同じことが続いてる中で1回リセットするっていう感じは、私達の今の活動状況に合っているなって思います」

小町「私はずっと、ちばさんはご自身が好きな曲を書いてると思っていたので、改めて、今、すごく刺さりました。フリーズした現状をシャットダウンして、リブートしたいです」

藤井「そうだよね。1年くらいリリースしていなかった期間が毎日の繰り返しみたいな感じだったので、すごく重なりました。これからは、そういうのを思いながら歌う!って思いました」

──ちばさん、ちなみにサウンド的にはどんなイメージですか?

ちば「あまりジャンル感は考えていなくて。今っぽいって言ったらあれですけど…」

小町「あ!よかった。合ってました(笑)」

ちば「歌詞がちょっと仕切り直し的な雰囲気も含めて、サウンドも今までよりは新しい雰囲気が出せるようにっていうのは意識しました。ちょっと早いBPMの攻撃的な部分と強いメッセージ性が激しい音と噛み合うといいなって思って作りました」

小町「少しボカロっぽい感じがします」

夏芽「さっき、“初めがゆっくりで、急にバチッと切り替わって速くなる”って言ったじゃないですか。今、そのテンポ感が急にタイトルとリンクして、ちょっとハッとしました」

──ダンスブレイクも意図的に作ったんですか?

ちば「はい。ちょっと長めなのは意図的ですね。しかも、2Bメロの後なので、2サビはあえてなしで、思い切ってここに入れちゃった方が面白いと思って。あとは、サウンドが一番激しくなる部分をなるべく予想外のところで入れちゃいたいなっていうのもありました」

藤井「私達のファンの人は手拍子をしたり、好きに揺れたりしてくれるんですけど、これを対バンで披露したときに…それこそダンスブレイクのところとか、初めて見た人はどうノってくれるのかがすごく楽しみです」

小町「他のアイドルさんたちと比べて、私たちの曲は全然違うじゃないですか。だから対バンでやったら、“カッコいいな”、“ダルフォンやべえな”って思って欲しいですね」

──ちばさん、ありがとうございました。

──ダルフォンは、シャットダウンして、リブートしたあとはどうなっていくんでしょうか?

夏芽「売れます!カッコいい方に振ったガールズグループとして貫いていきたいです」

藤井「アルバム自体はカッコいい曲ばかりなんですけど、ちょっと明るい曲も入っているので、本当に色んな人に好きになって欲しいんです。いろんな系統のファンの人が集まって、大きくなっていきたいなって思います」

小町「“ドン!って上がる感じのグループじゃないよね”ってみんなで言っていて…」

──そうなんですか!?

小町「ふふふ。そうらしいです。何かきっかけがあればいけると思うんですけど、私たちは、この1年間で地道にやっていっても折れない心を持ったので。だから、地道に頑張ります」

夏芽「もう、いい意味で、感情が起伏しなくなったよね」

藤井「落ち着いた?」

小町「ギラギラはしているんですけど、何かを諦めたっていうか(笑)。言い方は悪いですけどなんか、“何で売れないの!”とかはなくなりました」

藤井「“とりあえずやる!”っていう気持ちですね。いただいた楽曲を私達は全力でパフォーマンスするのみです!」

夏芽「今までは、すぐに結果を求めていたんですよ。大きいライブに出演して、すぐに結果を求めたりとか…」

藤井「エゴサとかもして、“あれ、全然反応ないじゃん!?”とか」

夏芽「いい曲ができた。これで売れる。リリースしたけど、そうでもなかった。みたい繰り返しが多くて。すぐに結果を求めていたんですけど、後々についてくるものがあるなっていうことに気づいて」

藤井「リリイベだとみんな来やすいから、“1年前の夏フェスで見て気になってました”って言う方とかもいて。リリイベが始まると久しぶりに来てくれる人も多かったりとかするからね」

小町「今、絶賛リリイベ期間中なのでぜひ遊びに来てください!」

──ミニアルバムには全7曲が収録されていますが、タイトル曲以外でお気に入りはありますか?

夏芽「私は「Sparkle」です。カッコいい曲はもちろん好きなんですけど、明るくてポップな曲も好きなんです。言霊じゃないですけど、自分が発して歌っている言葉で自分が元気をもらうこともあって。この曲はキラキラしていて、“みんなと一緒に未来に行こう!”って連れていってくれる感じがするので、自分で歌ってていても、“みんなと一緒にもっと上に行きたいな”って改めて思わせてもらえる曲だし、私はすごく好きです」

小町「まだ披露していないので変わるかも知れないですけど、「Allegro」が、声優アーティストさんやアニメで流れる曲のような雰囲気があって好きです。レコーディングでも新しい感じがして楽しかったし、早くみんなにも聴いてもらいたいです。また新しいダルフォンを見せられたらなと思っています」

藤井「今の推し曲というと、「悲劇的アイロニー」かな?」

小町「エリカはめっちゃ変わりやすいんですよ。全曲、好きだから」

夏芽「その日でその日ので違うらしいです(笑)」

藤井「二人はブレないんですけど、私だけ全部のインタビューで毎回、違う曲を言ってて。今日の推し曲は「悲劇的アイロニー」です。ラップがあったり、高音のパートがあったり、1曲のなかで見どころがたくさんあるところが好きです」

小町「あと、「Shangri-La」もお勧めです!電気グルーヴさんの原曲を知っている人が大勢いると思うんですけど、新しいアレンジもとっても可愛いし、リミックスもあるので、私達の「Shangri-La」も聞いて欲しいです!」

──アイドルやアニソン好きはもちろん、クラブミュージックが好きな人にも届けたいですね。

夏芽「さっき、“すぐ結果を求めない”って言ったばかりなんですけど(笑)、久しぶりのミニアルバムなので、やっぱりいろんな人に聴いて欲しいです。発売した期間だけじゃなくて、のちのちも“このアルバム好き!”って、ずっと言ってもらえるアルバムにしたいです」

藤井「私達が今できる最高のものだと思っているので、それを感じてほしいです!」

小町「ジャケットも、“なんだこれ?”って感じで手に取りやすいって思いますし、やっぱり、私達を知らない人にも届いて欲しいです。私達のファンの人は、友達とか知り合いにも勧めてくれると思うんですけど、勧めて恥ずかしくない作品になっている自信があります。“ダルフォン、いいでしょ!”、“やっぱダルフォンすげえ!”って思ってほしいし、結果は気にしないって言ってたんですけど、やっぱりすぐに反応はしてほしいなって思います」

──最後に今後の目標を聞かせてください。

夏芽「新しいことをいっぱいしたいです。それこそ今回、初めてカバー曲をやったり、海外にも初めて行ったりしていて。まだ発表前ですけど、もう既に新しいことが決まっているし、今まではバンドセット、クラブセットをやってきたので、さらに新しいセットにも挑戦したいです。まだ行ったことない地方にも行きたいし、まだ立ったことのないステージにも立ってみたいです。楽曲のテイストもまだやったことない曲調もあるし、いろいろと挑戦したいことがたくさんあるので、今年は、新しいことを今までで一番する年にしたいなって思います!」

(おわり)

取材・文/永堀アツオ
写真/中村功

RELEASE INFORMATION

SANDAL TELEPHONE『SHUTDOWN→REBOOT』

2024年220日(火)発売
A盤/SDTP-192,200円(税込)
hoen music

SANDAL TELEPHONE『SHUTDOWN→REBOOT』

SANDAL TELEPHONE『SHUTDOWN→REBOOT』

2024年220日(火)発売
B盤/SDTP-20/2,200円(税込)
hoen music

SANDAL TELEPHONE『SHUTDOWN→REBOOT』

SANDAL TELEPHONE『SHUTDOWN→REBOOT』

2024年2月17日(土)配信

配信

LIVE+EVENT INFORMATION

EVENTSANDAL TELEPHONE「SHUTDOWN→REBOOT」発売記念アウトストアイベント

2024年2月23日(金・祝) 開場 15:30 / 開演 16:00
会場:恵比寿CreAto
入場無料 ※入場時別途1ドリンク代
[来場予約]:https://tiget.net/events/295167
<一般予約> 受付期間:2024/1/18(木)20:00〜2024/2/22(木)23:59

LIVESANDAL TELEPHONE 第31回定期公演 「S.T vol.31」

2024年2月23日(金・祝) 開場 19:00 / 開演 19:30
会場:恵比寿CreAto
料金:前売 ¥2,500 / 当日 ¥3,000 ※入場時別途1ドリンク代
[一般発売]チケット販売URL:https://tiget.net/events/295177
<一般販売> 受付期間:2024/1/29(月)22:00~2024/2/22(木)23:59

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