──encore初登場のニューアヤカさんです。“ニューアヤカとは?”を知りたいので、音楽を始めたきっかけから聞いてもいいですか?
「高校生の時に軽音楽部に入ってからです。小さい頃からずっとテレビを見ながら歌うのが好きだったんですけど、“歌手になりたい”とは恥ずかしくて言えなくて…親にも友だちにも言ったことがないまま、中学生まではずっとスポーツばかりしていました」
──スポーツは何をしていたのでしょうか?
「バレーボールと空手をしていました。中学の時に、高校に空手の推薦で行くか、勉強で行くかとなって…このまま空手を続ける人生はないと思って、“じゃあ好きなことをしよう”と、勉強で高校に行きました。そこでやっと、“音楽をしたい”と言えたのがきっかけです」
──テレビを見ながら歌っていたのはどんな歌だったんですか?
「なんでも歌っていました。もう全部です。学校から帰ってきたらずっとテレビを見ていました。年末だったら音楽番組8時間スペシャルとかを録画して、宿題をしながら流していました。最初から最後まで、出演しているアーティストを全部飛ばさずに見ていましたし、CMも飛ばさないからそのCMの曲も歌えて、演歌もテレビ尺のところだけ歌えるような小学生時代でした」
──見ていた音楽番組というのは?
「それこそ『ミュージックステーション』や『COUNT DOWN TV』、『NHK紅白歌合戦』は必ず見ていましたし、『うたばん』や『HEY!HEY!HEY! MUSIC CHAMP』、歌手が出るバラエティ番組も好きでずっと見ていました。私が見ていた番組が終わっていってしまうので、焦っています。番組が終わる前に売れて出演したかったです」
──その中でもご自身に影響を与えた音楽的ルーツを1人挙げるとすると?
「aikoさんです。幼稚園の頃からおばあちゃんの車で流れていたaikoさんが好きです。高校生からもっといろんな音楽を聴くようになったので、plentyというバンドが好きですけど、細胞レベルなのはaikoさんかもしれないです。私、ずっと“aikoをaikoさんって呼べるように頑張ります”って言っているんですよ」
──それは…どういう意味ですか?
「“aiko”って呼ぶのはファンですよね? “aikoさん”はもうご本人を目の前にしている…だから、“aikoをaikoさんって呼べるように頑張ります”って。それこそaikoさんが『しゃべくり007』に出演した時はすごく興奮しました。と言うのも、『しゃべくり007』のホームページに番組に出演してほしいゲストを書いて応募する場所があって、小学生の頃にお母さんの携帯電話を借りて、“aikoをお願いします”と送っていたんです。それが高校生の時に叶って! すごく興奮したのを覚えています」
──高校生になるまでは全く音楽をやっていなかったのでしょうか?
「一切していなかったです。高校生になって、コピーバンドを始めました。アコースティックギターは買ったけど全然触らずに、ピンボーカルでバンドを組んでカバーをして歌っていました。阿部真央さんの「FREE」を校内ライブでやったのが人前で歌った最初でした。スカートをヒラヒラさせながら、髪の毛もぐちゃぐちゃになるくらい暴れて歌って、すっきりしたのを覚えています」
──オリジナル曲を書き始めたのは?
「高校の修学旅行の時に体育館に集まって有志でやる発表会のようなのがあったんです。数学の『4STEP』っていう、みんなが大嫌いな分厚い問題集があって…ハリーポッターの映画に出てくるような分厚い教材でした。だから、「4STEPが嫌い」という曲を作って、アコギの弾き語りで歌ったのが、みんなの前で歌った最初のオリジナル曲でした」
──その後、高校を卒業して、2018年からayaka名義でシンガーソングライターとして活動を始め、2023年11月にニューアヤカに改名をしました。
「大学に入ってからぬるっと活動を始めたので、アーティスト名もぬるっと決めたんです。エゴサをすると、アーティスト名被りとかではなくて、全国の“あやか”さんが上がってきて…。“あやか 歌手”と入れても、NiziUのAYAKAさんや絢香さんがいて、私が出てこなくて、もう私が爆売れするしか方法がなくて。“ちょっとこれはまずい”と思って、いい名前を探していて、ニューアヤカっていい意味で意味がなくて、ホテルニュー淡路のようなレトロ感もあって、“ニュー”なので“新しくなった”という意味もあるので、ちょうどいいと思って改名を決めました」
──何か大きな転機となる出来事があったわけではなかったんですね。
「でも、名前を変える前の1年間はオーディションをたくさん受けていました。事務所とか、ライブ出演権のオーディションとか、ピンと来たものは全て応募してオーディションを受ける…を繰り返す1年を過ごして。結局、結果が出なくて“このままじゃいかん!”ってなったのもきっかけです」
──ニューアヤカに改名して、2025年にインディーズで1stアルバム『ニュー』をリリース後、2026年4月からは音楽事務所 Noisyの所属アーティストになりました。
「Noisyが新人アーティスト募集のXポストをしていて…正直、Noisyを知らなかったんです。調べてみたら、シンガーズハイやパーカーズといったロックバンドがいて。“Noisy”という名前にもポップスのイメージはなくて、“私じゃないか…”と思ったんですけど、社長がMOSHIMOのお二人だったので、“バンドマンの人に聴いてもらえる機会があるなら”と思って応募してみました。“どうせ受からない”という気持ちで、“ニューアヤカです。よろしくお願いします”だけのものすごく淡白な文章、ミュージックビデオと音源3つを“もう送っちゃえ!”みたいな気持ちで送ったんです。すると1時間後には社長の一瀬(一瀬貴之/Gt)さんからインスタのフォローがあって、すぐにDMが送られてきました」
──リアクションが早いですね!
「夜中の2時かな? たまたま起きていたんです。“めっちゃいいね。ライブでいつ東京に来るの?”となって、“ちょうど 1週間後に東京のライブが決まっています”と返したら、そのライブを見に来てくださいました。その次の日には事務所に呼んでもらって、“うちに入ってほしいと思ってる”と言ってくださいました。“え!?”みたいな…連絡して2週間で“Noisyに所属しようか”という話になっていて。ちょっとわけが分からなかったですけど(笑)、Noisyのニューアヤカとして、ここからまたいちから歩んでいきたい気持ちです」
──そして、7月22日にDigital mini Album『KNEWIT(ニューイット)』がリリースされました。リード曲「GUM」はどんな発想からできた曲ですか?
「「GUM」は1行目の<言わせてもらうけど>という言葉を使いたくて作った曲です」
──怖くて仕方がないです、この言葉。
「そうでしょ? そうなんですよ(笑)。大阪出身なので、関西弁っぽい強い言葉を使いたくて。<知らんけど>という歌詞の曲(「ニッポンチック」)はあるんですけど、<知らんけど>がメインの曲がないと思って。でも、周りの大阪の友だちは作っていたりするので、同じような曲を作っても仕方がないとか思って…。<知らんけど>に見合う、同じくらい強い言葉としての<言わせてもらうけど>。自分でも“怖っ!”と思いました(笑)。<言わせてもらうけど>から始まる曲だと、“何を言われるんだろう?”ってみんなが聴いてくれると思って作りました」
──元恋人から連絡が来るところから始まりますね。
「女の子ってスパンって切るところがありますよね。でも、少しでも未練があったりすると、“返事しちゃおうか?”って揺らいだりして。でも、この女の子はそれをしないと決めていて。だって、元恋人が連絡してくるってろくな人ではないじゃないですか」
──下心しかないですね。
「あはははは。ろくな人じゃないです。そんな人に時間を使う暇はないという強い気持ちを込めた歌です。<もう君のことは嫌いになったから>とか、<望むなら愛せよ>とか、強い言葉もポップな曲になると言えてしまうし、聴けてしまうじゃないですか。それって一番強い歌の力だと思って、逆にあえて明るい曲にもしました」
──元彼に対する未練も覗く失恋ソングですけど、曲調は祝福くらいの喜びが溢れていますね。
「なんて言うか…“もう許さないし、もうあなたに時間を使う暇はないから、それは揺るがない”ってことは、女の子が一段、強くなった証なので。この曲を楽しく叫ぶように発散するように歌ってほしいという気持ちがすごくあります」
──みんなに歌ってほしいんですね。
「カラオケでみんなで肩組んで<嫌いになった>って歌ってほしいです。もし失恋した子がいたとしたら、みんなで歌うことによって楽しくもなるし、みんなが同じ気持ちでいてくれると心強いじゃないですか。それが私からできるアプローチだと思って、レコーディングでは、アレンジャーさんとか現場にいた人、みんなに一緒に歌ってもらいました」
──MVも公開されてますが、撮影はどうでしたか?
「大阪で撮影したんですけど、とても楽しかったです。紙吹雪が舞っているシーンは全部手作業なんです。社長の一瀬さんが直々に撒いてくれました」
──まさに祝福ですね。
「本当ですね。マネージャーさんと一瀬さんの紙吹雪を撒いている姿がキュートでした。カメラマンさんの後ろで、私にかかるように一生懸命に撒いてくれていて…すごく嬉しかったです」
──部屋のシーンもありますよね。
「曲の主人公で言うと、失恋してしまうと予定を詰め込んで気を紛らわす女の子もいますけど、そういうことが出来ない不器用な女の子もいるだろうと思って。ダラダラ過ごしながらあなたのことを思い出しても、“部屋にあるものも全部捨てれるからね”みたいな。“私は暇でもあなたを求めないから”みたいな気持ちも描写したいと思っていました。ただ、私自身も家でダラダラ過ごすのが好きですし」
──元スポーツ少女ですが、家ではダラダラしてしまうタイプなんですか?
「はい、ダラダラしています。高校に入ってからは一切スポーツをしなくなりましたし、もともとテレビっ子なので、家にいる時はもうずっと寝転んでテレビを見ていました。今でも何もない休日は朝から晩までソファーの上で寝転んだり座ったりして、テレビやスマホを見たりしています」
──ちなみに全6曲が収録されたDigital mini Album『KNEWIT』の中で最新の曲は?
「「指輪を埋めて」です。今までのニューアヤカにない、少しカッコいい系の雰囲気を出したくて。私が作ってきた曲の中で1番メンヘラな曲だと思います」
──片思いのラブソングですね。
「純粋に好きなんですけど、言えないし、ただただ募っていくだけで。募りすぎて刺してしまうんじゃないか?くらいの女の子の狂気をイメージして書きました」
──向こうは何とも思ってないんですか?
「何とも思ってないです(笑)。友だちとしてしか見ていないです。“こんなに一緒にいるのに、どうして女として見てくれないの?”という気持ち。これを言ってしまったら、近くにいれなくなってしまう…そういう気持ちをもう吐き出してしまおうか?みたいな、その狭間で苦しくなってしまっている曲です」
──<こんな面でも世界一ウブなラブソング>の<面(つら)>というフレーズが強烈です。
「ここは私も面白いと思えた歌詞です。<こんな面でも>って、確かに普通だったら変えると思うんです、歌詞として。あまりね…女の子が<こんな面でも>とは言わないですけど、この女の子はもうふつふつと煮えたぎっているから言えてしまうし、こんな刺しそうな怖い女の子でもウブにあなたのことを想っているという…」
──指輪を相手の心臓に埋めてやるということですか?
「いえ。 私は、“自分の心臓に指輪を埋めて、私の心臓をあげる”という意味で書きました」
──ええ!? とても怖いです…。
「怖いでしょ。そうなんです。この曲は<あからさまに狂ったこの心臓に>というサビの歌詞とメロディが同時に出てきて…“もうこれは狂っている。この狂った女の子は何を思っているんだろ?”って。そこの1行からメンヘラ女子を広げました」
──最後の「スースー」はラブソングですか?
「いえ、これはラブソングというよりは、友だちや家族をイメージして作りました。最近はSNSがあるから、会っていない友だちでも今の姿が見えるじゃないですか。だから、久しぶりに会って、“久しぶり!”とは言いますけど、何が変わったかはあまりわからなかったりして。そういうことを書いているんですけど、元々は春を想って書いています。CMが好きなので、勝手にCMソングを作ろうと思って」
──何のCMですか?
「スーツの新春セールみたいな…“TVから<タックワイドが suit suit>って流れてきたらいいな、CMなりそうだな”と思って作りました。これは私が歌詞とメロディを考えて、コードはアレンジャーさんに“ちょっとラップっぽい曲ができたんですけど”と言ってお願いしました」
──『KNEWIT』収録曲の流れで聴くと、最後に<ここから始まるんだ>というのが、ニューアヤカさんの新しい旅立ちにも聴こえますし、<いろんな顔見せて 一生かけて>も、これからファンになっていく人との関係性のように感じました。
「本当ですね。今、気づきました。すごくいい曲順ですね!」
──(笑)。<ジャンルなんてジャンプしてそのまま>というのもいろんなジャンルを横断するポップスを歌うニューアヤカっぽいですよね? この曲はラップもしていますし。
「今までラップっぽい曲を作ったことなかったので、“これでいいのか?”みたいな気持ちもありました。ラップをバカにしているように思われてしまうんじゃないか?みたいな気持ちもあったんですけど、ラップにもいろんなスタイルがありますよね。私が“したい”と思って、“これがいい”と思ったらいいんだと、勇気を出して作った曲です」
──また、先ほど、“知らんけど”の話がありましたけど、Digital mini Albumのタイトルは逆の意味にも感じました。『KNEWIT』はどんな意味でつけたのでしょうか?
「英語で“I knew it”で、“やっぱりね”という意味で…“知ってたよ”みたいな感じがあるんだと思うんですけど。“やっぱりニューアヤカ、いいな”とか、“やっぱり最終的にこのmini Albumを聴きに戻ってきちゃうわ”とか。そういうみんなのポジティブな“やっぱり”がこのmini Albumに集結させたいという気持ちを込めて『KNEWIT』にしました」
──“知らんけど”に対して、“知ってた”という意味なのかと思っていました。
「あはははは。確かにそうですね。本当だ!」
──Digital mini Album『KNEWIT』が完成して、“これからのニューアヤカ”は何か見えましたか?
「今はただただ必死です。4月にNoisyからお声がけしていただいて、7月のリリースなので」
──すごいスピード感ですよね。
「そうなんです。わけがわからないままにレコーディングが決まって、ミュージックビデオも作って、わたわたとリリース…という感じなので。実感はしているんですけど、まだ“ここから私はどうなっていくんだろう?”みたいな感じでもあります。もちろん、目標が何もないわけではないですけど周りの人が“こんなことをしたら楽しいんじゃない?”というのも大事にしたいです。例えば、“こんな雰囲気のアレンジどう?”と提案してもらうと、自分の中にはなかった世界が広がったりするので。それを見せてもらえることがすごく好きなので、仲間が増えた分、いろんなアイデアを取り入れつつ、自分の世界を広げていきたいと思っています」
──どんなアーティストを目指していきますか?
「本当に小さい頃からテレビを見て育ってるので、テレビの歌番組に出れるようになりたいですし、誰が見ても“ニューアヤカって歌手だよね”と言われるようになりたいです」
──ポップであることはブレずにですか?
「もちろんロックも好きですし、いろんなジャンルを聴いていますけど、私に根付いているのはやっぱりポップスだと思います。弾き語りでライブハウスに居すぎると、ポップスというものがわからなくなってくるんです。ライブハウスでライブをしている人でポップスをやっている人って思ったより少なくて…」
──確かにシンガーソングライター然とした人が多いかもしれないですね。
「一時期は私もわからなくなってしまって、弾き語りはやっぱり語るように歌って、歌詞はもっとリアルにしないといけないと思っていた時期があったんです。でも、そこで、“あれ? 私がやりたかったことと逸れてきてないか?”と気付いて。私が聴いてきた音楽はみんなが歌えるような歌でしたし、やっぱりポップスを聴いて育ってきたというのは守り続けたいと思っていて。それもayakaの頃に、“危ない危ない。戻せ戻せ。 自分の小さい頃に聴いていた音楽を”となった経験があったので、やっぱりポップスは私の真ん中にあります」
──来年1月にはNoisy所属後は初となるワンマンライブ『THE POP』が決定しています。その前には、『ニューアヤカ presents READY POP LADY』というライブシリーズを行っていましたね。
「はい。私はもともとフリーで、“ポップなレディーになる準備”という意味でタイトルをつけた自主企画を続けていました。Noisyからのデビューをきっかけに『THE POP』にしたのは、ある意味、覚悟です。もう準備とか言ってられないので。そこへのプレッシャーもあってドキドキですけど、ワクワクもしています」
(おわり)
取材・文/永堀アツオ
RELEASE INFORMATION
LIVE INFROMATION

ニューアヤカ 1st ONEMAN LIVE 『THE POP』
2027年1月31日(日) 大阪 ROCKTOWN

