──encore初インタビューです! まず、JELEEはどんなユニットなのかを教えてください。
「女性4人組の匿名アーティストです。私、JELEEが作詞と歌唱担当で、イラスト担当の海月ヨルと作曲担当の木村ちゃん、アレンジや映像担当の竜ヶ崎ノクスと一緒に活動しています」
──それぞれのメンバーを紹介してもらえますか? ヨルさんはJELEEさんにとって、どんな存在ですか?
「私はヨルの描くイラストが大好きなんです。キラキラしていて、元気がもらえて、温くて、目を奪われてしまいます。そういうヨルと一緒に活動ができてすごく幸せだし、ヨルがいなかったら、今のJELEEは生まれなかったと思います。いつも助けられているので、ずっと隣にいてほしい存在です」
──木村ちゃんとノクスさんは?
「木村ちゃんは天才的なメロディーを作ってくれます!それでいてなんでも“やりましょう”って肯定してくれるんです(笑)。JELEEにとって木村ちゃんの感性は欠かせないですし、大事な本質を見失わないでいてくれるのも木村ちゃん。そんな木村ちゃんに“居心地がいい”と思ってもらえるJELEEの活動ができて幸せです。ノクスはひと言で言うと…“カッコいい”!ゲームもうまくて、歌もうまいです。できないことないんじゃない?と思ってしまうくらい、最高にカッコよくて好きですし、そんなノクスを信じています。4人ともみんなバラバラな性格ですけど、これからもJELEEがそれぞれにとって居心地のいい場所であり続けるといいな…って思っています」

──その中で、作詞と歌唱担当のJELEEさんはどんな役割ですか?
「JELEEのリーダーですけど、メンバーには精神的に支えられています。みんながいないと本当は何もできないというか…。そういう弱いところも含めて、みんなには知ってもらっているので、私にとってもJELEEは居心地のいい場所です。名前だけのリーダーにならないように頑張ります!」
──音楽活動以外に生配信やゲーム実況も行っていますね。
「はい。ノクスが作ってくれたLIVE2Dのモデルを使っておしゃべりしています。私、配信が大好きみたいで(笑)。リアルタイムでお返事をもらえたり、同じタイミングで見れなくても、後日改めて見てくれる方もいて。今、私が考えていることを話しながら、一緒に決まっていくことも多いですし、定期報告みたいな場所になっています。JELEEは1人ではできない活動だと思うからこそ、応援してくれるみんなと定期的に会える約束ができるのが幸せです。私、約束をしたいタイプなんです。次がないとどうしても不安になってしまうので、“次は何月何日に会おうね”と言えることが嬉しいですし、日常の支えになっています」
──今後も続けていくのでしょうか?
「続けていく所存です!相当まずいことしてしまって、アカウントがBANされなければ、生き残りたいです」
──(笑)。
──そして、前作のミニアルバム『JELEE BOX』(2024年6月リリース)から1年半ぶりとなる2枚目のミニアルバム『JELEE BAG』がリリースされます。本作の始まりとなったのは、2025年2月にデジタルリリースされた「笑顔のおかわり」でした。
「ありがたいことにタイアップのお話をいただきました。『JELEE BOX』が私たちのJELEEとして活動していく軌跡が詰まった1枚だとしたら、「笑顔のおかわり」からがJELEEの第2章という感じです。自分たちの内面と向き合って生まれてきた曲たちから、次はタイアップ。外の世界に挑ませてもらいました。『神楽がゆく!』という連載漫画のイメージソングとして、作品の空気感を私たちなりにどう届けるか…お仕事のご依頼という経験も含めて、本当にJELEEとしての新たな一歩になった曲です」
──作詞はJELEE、作曲が木村ちゃん、編曲がノクスになってます。作品と寄り添いつつも、JELEEらしさを感じるフレーズも盛り込まれていますね。
「そうですね。例えば、<気になって眠れなくて>というフレーズの後になんの数を数えようか?と考えて、<羊>じゃなくて、<クラゲ>にしてみたり。あと、<愛のフルコース>の後も、最初は<どうぞ 召し上がってください>で。でも、なんだかしっくりこなくて…結局、<全部平らげてみたい>になりました。なんて言うんだろう?…自分で言うのもあれですけど、愛のフルコースを提供する側じゃなくて、やっぱり平らげたい側だなって」
──あははは。
「思い切って大胆にしちゃいました。「笑顔のおかわり」を作るにあたっては、メンバーそれぞれのnoteの連載もあるんです!それぞれがどういう風に挑んで、どんな答えを出していったか…日記みたいな形でまとめているので、ぜひnoteも読んでみてください!」
──続いて、8月には「ってゆーか」がデジタルリリースされましたが、生配信で“インスタに届いたお悩み相談から作った曲”だとおっしゃっていました。
「学生さんの悩みでした。周りに合わせてしまうことにモヤモヤする気持ちを抱えていて。どういうふうにお返事をしてあげたら、この子は楽になるだろう?って考えていたんですけど、ある時、“無理して答えまで導いてあげるのがJELEEちゃんなのかな?”と気付くことがあったんです。そうではなく、私の中から出てくる言葉を代わりに叫んで、肯定してあげたいって。寄り添う気持ちで言葉にしていったら、「ってゆーか」になりました」
──悩みを解決するのではなく、一緒に悩むという姿勢ですよね。
「この曲を聴いて、何かが急に変わるわけではないですし、“正しい答えが見つかった“というところまで責任を持てるわけでもなくて。私たちができることって、こういう形での寄り添いなのかな?と思いました。いつでも一緒に叫んであげられるし、いつでもその気持ちを分かってあげられる。絶対、ひとりぼっちにしないよっていう想いです」
──さらに2ヶ月後の10月には、連載漫画『ドリーム☆ジャンボ☆ガール』のイメージソングとして書き下ろした「億万☆Choooo者!」がリリースされました。
「メンバー分の“o”を入れてみました(笑)。もともと木村ちゃんがこの漫画が好きで、勝手に曲を作っていたんです。普段メールのやり取りをしてくれているヨルが、原作者のヒロユキさんにダメもとで連絡を入れてくれたところ、“コラボしましょう!”というお返事をくれて!」
──木村ちゃんはこのコラボが実現して嬉しかったんじゃないですか?
「本当に喜んでいましたし、その喜びもメロディーに詰まっています。“この作品の面白いところや楽しいところを曲でも表現するぞ!“という意思を感じたので、私も面白い展開に合わせて歌い方を変えたり遊んだりして楽しんでいます」
──途中でお祭りになったりしますし…。
「沖縄パートって呼んでいるんですけど、歌う時に<ん>を入れたら、沖縄民謡っぽくなるかな?とか。いろいろ試行錯誤しながら、やったことのない歌い方をしてみました」
──合いの手やセリフも入っていますね。
「まず、メンバー全員に声をかけて、“合いの手を入れたい”ってお願いをしたんです。“レコーディングスタジオだと恥ずかしいから、お家で録るんだったらいいよ“という話になったので、みんなには無事、合いの手で参加してもらいました!セリフは、店員経験のあるヨルにお願いをして…すごく元気が出る店員さんですよね!”このアイス屋さんに行きたい!“って思うくらいのヨル店員の接客が聴けます!」
──(笑)。歌詞は宝くじがテーマになっていますね。
「7億円が当たる『ドリーム☆ジャンボ☆ガール』のイメージソングなので、実は私も今回宝くじを買ってみたんです。そしたら、1万円が当たって! じゃあ、1万円あると何ができる?っていうところから歌詞を書いていきました」
──<アイスクリーム トッピング全乗せ>とか。
「そうです! でも、1万円ってとても大きな金額で、“何でもできちゃうな“と思ったんですけど、自分のしたいことに改めて気づける経験にもなって…改めて、自分にとっての幸せをかみしめる曲になりました」
──JELEEさんにとっての“幸せ”というのは何ですか?
「当たり前の日常です。みんなとJELEEの活動をできることがすごく幸せで。『ドリーム☆ジャンボ☆ガール』のみんなはすごく愉快に生きているので、自由に楽しく生きてほしいですけど、JELEEとしては、<当たり前の日常が史上最高の大当たり☆>が心からのメッセージです」
──そして、2ヶ月連続リリースとなった「JOURNEE」は2ndミニアルバムのリード曲になっていますか?
「そうです。3曲作ったあたりから次のミニアルバムのコンセプトが見えてきて…それが“旅”でした。タイアップで作った曲があって、お悩みをもらってできた曲があって。3曲とも私たちの内面ではなく、別の人に出会って、触れて、生まれた曲たちです。“いろんな人たちとの出会いによって生まれた気持ちを曲にしてきたよね”って。そういった1枚にミニアルバムがなるといいな…そう思って、リード曲は“旅”をテーマに作りました」
──出会いだけではなく、別れも感じますね。
「はい。旅って楽しいですし、大好きな人たちと一緒に行けるともっと楽しいですけど、旅の終わりはものすごく寂しくて…。でも、帰り道にも美しいものはたくさんあって、“寂しいだけじゃない”というのを大切にしたくて。次の旅とか、“また一緒にいたいな”という気持ちを噛みしめるのも、そういう瞬間だったりするんですよね」
──JELEEのメンバーは高校を卒業したタイミングでもありますね。
「実は、“それぞれの道に行く”切なさも、ちょっぴり入っています。本当はもっとずっと一緒にいたいと思っていても、あんまり言いすぎると、“重い”って言われるし…。そういう、ちょっと言いづらい本音は、曲に込めちゃうのもいいかなって」
──実際にメンバーと旅したりは?
「ちょこちょこ遊びに行ったりはしています。でも、昔ほどは行けていなくて。そういう寂しさも、今回の歌詞に当てはまるような気がします。でも、一緒にいられることは幸せですし、みんなそれぞれに新たなステップを踏んでいて。学びの場に行ったり、未来に向かって走り出しているところではあるので、“私も頑張らなきゃ!”と思うからこそ、“寂しいだけじゃいけないよね”とも感じていて。だから、“旅”というコンセプトにしましたが、きっとこういう瞬間って、みんながいろんなタイミングであると思うんです!それこそ学生を卒業する時に感じたこととか、もっと大人になってから感じることだってありそう。なんというか…位置は移動しているんだけど、心はまだ移動してない、みたいな瞬間に寄り添いたいと思って歌いました」

──ミニアルバムのタイトルは『JELEE BAG』です。
「“旅の鞄”のイメージです。たくさんの人たちと出会うことでもらってきた気持ちや経験、音楽を全部、詰め込んだ鞄。キラキラの鞄です!」
──その鞄には、新曲に加えて、前作に収録されていた「最強ガール」の竜ヶ崎ノクス ver.が収録されていますね。
「もともと「最強ガール」はノクスに届けたい最強感を詰め込んで出来上がった曲でしたし、ノクスは最強ガールなので、“ノクスに歌ってほしい”とずっと言っていて。今回、ついに叶ったんですけど、やっぱりノクスの歌声、すごくいいんですよ。“歌う人や歌い方が違うだけで、曲ってこんなに変わるんだ!“という新たな気づきももらいましたし、おねだりしてよかったです」
──さらに、ボカロPとして有名な40mPさんのJELEE ver.が2曲収録されています。
「JELEEのオリジナル楽曲ができる前から、40mPさんの楽曲を聴いていて。すごく素敵な曲が多くて大好きだったので、“次のミニアルバムにカバーを入れよう”ってなった時に、40mPさんの曲を歌えたらいいな…と思って。ダメ元で“貸していただけませんか?”というお願いをしたら、快く貸してくださいました!最初は40mPさんの代表曲「からくりピエロ」(初音ミク/2011年)だけのつもりだったんですけど、40mPさんから、“「海を泳ぐ月」(LUMi/2018年)も良かったら歌っていただけませんか?“というご提案をいただいて」
──海月=くらげ=jelly fishですし。
「そうなんですよ。私が綴りを間違ったせいでこの表記になっているんですけど(笑)、JELEEの活動をとても応援してくれていて。“ぜひ歌わせていただきたい!”という気持ちで、2曲カバーさせていただくことになりました」
──実際にカバーしてみて、どう感じましたか?「からくりピエロ」からお聞かせください。
「楽しかったです。歌詞は私自身の言葉ではないからこそ、“「からくりピエロ」の持つ世界観になろう”という気持ちで歌うことができました。このミニアルバムで「からくりピエロ」を知っていただく方にも“いい曲”と思ってもらいたいですし、原曲を知っている方には、“JELEEちゃんが歌う「からくりピエロ」もいいなあ”って思ってもらえたら嬉しいです。40mPさんへの敬意とJELEEという存在を一緒に味わっていただきたい気持ちです。あと、イントロに泡のような効果音も入れて頂いていて、そこから没入感があるというか…より自分の居場所を感じながら歌うことができました」
──「海を泳ぐ月」の方はどうでしょうか?
「本当にJELEEのイメージソングと言ってしまえそうなくらい、私たちの活動にぴったりな楽曲なんですけど、自分的には難しさもありました。ぴったりだからこそ、“何ができるかな?”って。もう既存で愛されている楽曲で、それでいてぴったりだったら、歌う意味が出せるかな?って。歌いながら、試行錯誤を繰り返しました。世界観と親和性がある曲だからこそ、”JELLEらしい歌い方“を見付けたかったんです。JELEE ver.の「海を泳ぐ月」は、皆さんに受け取ってもらって完成する気がします。”しっかりとJELEE ver.になっていますか?“って聞きたいです」
──ファンの方の反応が楽しみですが、全7曲揃って2nd Mini Album『JELEE BAG』が完成して、ご自身ではどんな感想を抱きましたか?
「“2枚目が完成して、嬉しいー!“というのが一番です。あははは。最初の『JELEE BOX』を応援してくださった方が本当にたくさんいて。しかも、定期的に生配信を見に集まってきてくださる方、渋谷音楽祭に遊びに来てくださった方、日常でJELEEの曲を聴いてくれている方。JELEEの活動をたくさん応援してくれている方がいることを、心から嬉しく思います。そんな方々のおかげで『JELEE BAG』をリリースできますし、こうして実際にリリースすることもまだ夢のようだと感じていて…。でも、”まだまだここで終わりたくない”という気持ちが強いんです!『JELEE BAG』には今の私たちをギュッと詰め込んだので、今しかない私たちをまずはぜひ受け取ってもらいたいんですが、次の曲も早く作りたいので、もう3rd Mini Albumも夢見ていて…」
──もう先を見ているんですね。JELEEの活動は続いていきますよね?
「はい!まだまだJELEEとしてたくさんの曲を届けたいので、応援よろしくお願いします! なんというか、私はJELEEでいられる時間が好きというか…。みんなには“私をJELEEにしてくれてありがとう“みたいな気持ちもありますし、みんなといられる時間をすごく幸せに感じるんです。ずっと続けていきたいですし、みんなと一緒に居続ける覚悟はできているので…これからも一緒にいてもらえると嬉しいです!」
──来年3月には『JELEE 1st LIVE』も決定しています。どんなライブになりそうですか?
「すごいですよね。私たちだけで作るライブではなくて、とてもたくさんの方が関わってくれると聞いています。自分たちもまだ少しふわふわしているところはあるんですけど、一体どんなファーストライブになるのか? これから作っていきますが、きっと来てくれるみんなと一緒に作るライブになることは間違いありません。JELEEをしっかり感じられる空間にしたいですし、会場で直接、生の想いが届くようにしたいです!」
(おわり)
取材・文/永堀アツオ
声優界のぷかり隊、JELEE応援隊長・高橋李依からのコメント
「JELEEちゃん、良いですよね。JELEEの活動はまだ見ぬ新しさを秘めていると思うので、JELEEちゃんがこの先どうなるのか、ぷかり隊の私ですらわからないです。でも、だからこそ、JELLEちゃんと同じ時代に生まれて、同じ時代に出会えた我々でJELLEちゃんを育んでいきませんか? JELEEちゃんと同じ時代を歩める喜びを感じながら、みんなで一緒に見守っていきましょう!」





