──6月24日に東京・渋谷で開催されたサーキット型アイドルフェス「IDOL CONTENT EXPO@アイコン12周年祭Premium Circuit」で、ソロとしてアイドルフェス初出演を果たしました。まずは、そのときの感想から話してもらってもいいでしょうか?

「短い時間ではあったんですけど、ファンのみなさんがたくさん集まってくれて、温かく迎えてくれてうれしかったです。SKE48時代もそうなんですけど、アイドルフェスにはほかのアイドルさんのファンの方もいらっしゃるので、どうしても自分たちの単独ライブにはない“アウェイ感”を感じる部分があるんです。そういう意味では、ソロで初のアイドルフェス出演になった6月24日も緊張していました。でも、イメージしていた以上に、みなさん温かくて…むしろ熱かったです!」

──ソロでのライブには、今どんな手応えを感じていますか?

「“1人って本当にむずかしいな”とは感じています。曲中は歌いたいし、踊りたいし、煽りたいし。でもMCになっても1人なので、やっぱり大変です…これからライブを重ねることで自分なりのいいやり方を見つけていけたらと思っています。そういうむずかしさはありますけど、それ以上に充実感があって。自分から“ソロで活動したい”と言って、実際にソロで活動させていただいていて、そんな私がアイドルとして1人でもたくさんの方を幸せにできたら、それがもう最高のことなので。今、そういう自分がやりたいことに向かって活動できていることがありがたいですし、本当に楽しいです」

──グループ時代とはまた違う手応え、やりがいがある?

「“仲間と一緒にステージを作り上げることはもうできないんだ…“と思うと、やっぱり寂しいです。それでも、自分1人にこれだけたくさんの人が集まってくれるのがありがたいですし、自信にもなって、素直にうれしいです」

──そんな中、2枚目のシングル「プリンセステイラー」が完成しました。今回も収録されている3曲すべてで作詞を手がけていますし(「プリンセステイラー」は、kazueiとの共作詞)、せっかくの機会なので全曲解説をお願いします。

「はい! まず、表題曲の「プリンセステイラー」はすごく可愛い曲なんですけど、女の子が生み出す“可愛い”ってポジティブな感情だけでできているわけじゃないと、私は思っていて。誰かの“可愛い”の裏側には悩みだったり、苦労とかが必ずあって、そういう感情も一緒に詰まって生まれる“可愛い”って、とても尊いものだと思うんです。そんなことを思いながら、“可愛い”の二面性を“可愛い”の象徴でもある“プリンセス”をモチーフにして表現したいと思って作った歌が、「プリンセステイラー」です」

──可愛くありたいと思いながら一方では悩みもあるし、自然に出る可愛さもあるけど、それこそ“テイラー=仕立て屋”じゃないですけど、自分で意識して作り上げる可愛さもあるんですね。

「そうですね。ネガティブな感情がありつつも、しっかりおめかしをしたり。この曲ではプリンセスとして表現していますけど、それはアイドルにも通じる部分なので、プリンセスをアイドルに置き換えても成立するのかな?と思います」

──「プリンセステイラー」の歌詞にある、<生まれた意味を背負いながら 今日も歌うんです プリンセス>というフレーズにハッとしました。

「なんか、重いですよね(笑)。でも、プリンセスであるということ、可愛くあるということは、私の中でそれぐらいの重みがあるんです。昔も今も、私は“可愛い!”って言われるのが一番うれしいです! 最高の褒め言葉です(笑)」

──ボーカルにはエフェクトがかかっていて、サウンド的にもスピード感のあるダンサブルポップですね。

「歌っていても楽しいです。振付もすごくキャッチーだし、メロディやサウンドで“可愛いな”、“この曲いいな”って思ってもらいつつ、“よく聴いたら意外とメッセージ性があるな”って思ってもらえると、うれしいです! アイドルファンには時代を問わず好きになってもらえる曲だと思いますし、ライブ映えもする曲なのでこれからたくさん歌っていきたいです」

──@Loppi・HMV限定盤には、「時々ドキドキ」が収録されています。

「“好き”っていう感情に振り回されている子の歌です。私はいつも歌詞を書くときって、歌詞を書いてから最後にタイトルを決めるんです。でも、「時々ドキドキ」は“ドキドキ”っていうワードがいいなと最初に思って、そこからシチュエーションを膨らませて書きました。歌詞の中で<時々ドキドキ>したり、<後々後悔>したり、サビごとに感情が入れ替わるところがお気に入りです」

──「プリンセステイラー」では“可愛い”とその裏にあるネガティブな感情を歌っていますし、「時々ドキドキ」でも“ドキドキ”と“後悔”を行ったり来たりする気持ちを綴っています。そういうどちらか一方の気持ちだけ、光が当たる部分だけを描くんじゃなくて、物事の光と影というか、どちらの面も歌にしたいという感覚が根底にあるんでしょうか?

「そうかもしれないです。だって、人間ってそうですよね。いいときもあれば、そうじゃないときもあるというか…そのどちらもあることを踏まえて表現するのが、自分の感覚としてはしっくりくるんだと思います」

──タイトルを先に決めて歌詞を書くということに関しては、どんな感触を得ましたか?

「今後もありかもしれないです。SNSというわかりやすいシチュエーションがあったからというのもあって、すごく早く書けました」

──江籠さんにとってSNSはどんなツールですか? アイドルはSNSでの発信も重要になっている時代ですけど。

「正直、苦手なツールです(笑)。ファンクラブとかで自分のファンの人たちに向けて発信はるのはどんどんしたいんですけど、不特定多数の人が目にするSNSは、どうしてもいろんなことを考えちゃって…。だから、毎日SNSに投稿しているアイドルさんとか、“すごいな!”って思います。私はもう、必要最低限です。写真も全然撮らないんで(笑)。だから、SNSでいろんなことを知りたい人にとっては、ちょっとつまらないアイドルだと思います(笑)」

──通常盤に収録されているカップリング曲は、「雨上がりだ」です。時代を問わず、何度も聴きたくなるような楽曲ですね。

「ありがとうございます。相手にまだ未練がある男の子の失恋ソングです。何度も聴きたくなると言っていただきましたけど、実際に何回も聴いて、これはこういう意味なのかもしれないって、考察をしながら聴いてもらえる曲になったらいいなと思っています。言葉選びとか、すごく試行錯誤しながら作ったのでかなり時間はかかったんですけど、そのぶん思い入れも強い楽曲です」

──男の子の失恋ソングということですけど、どう発想していったんでしょうか?

「まず、曲を聴いたときに“すごくいいな”と思って、すぐにこの曲に歌詞をつけたくなりました。ちょうどそのとき、雨が降っていたんです。それで、雨をテーマにして書こうと思って、そこからストーリーに合うワードをパズルみたいに探して書いていきました」

──主人公が男の子になったのは?

「曲を聴いたとき、“主人公は私じゃないな、女の子じゃないな、男の子だな”って、なんとなくの感覚なんですけど。そこから曲調的に別れの歌が似合うと思ったので、未練があるけど“雨が止んだらもう一緒にはいられない”っていう、未練があるから美しい、そういう歌にしました」

──そんなシングルを携えて2024年の夏を走る抜けるわけですが、今年の夏はどんな夏にしたいですか?

「忙しさの中で、気づいたら夏が終わってそうです(笑)。でも、私は暑いのが苦手なので、それぐらいがありがたいかもです(笑)。夏は苦手ですけど、いろんなお仕事で忙しくさせていただきつつ、8月31日には名古屋ダイアモンドホールでワンマンライブ『江籠裕奈 LIVE 2024 “あつすぎる きみとサマー”』を開催するので、そこまでしっかり突っ走っていきたいです!」

──プライベートでの夏は?

「暑いのが本当にダメなので、涼しい部屋でかき氷を食べてたいです(笑)」

(おわり)

取材・文/大久保和則
写真/野﨑 慧嗣

RELEASE INFORMATION

江籠裕奈「プリンセステイラー」

2024年731日(水)発売
通常盤/ZEST-0028/1,500円(税込)

江籠裕奈「プリンセステイラー」

江籠裕奈「プリンセステイラー」

2024年731日(水)発売
@Loppi・HMV限定盤/ZEST-0029/1,500円(税込)

江籠裕奈「プリンセステイラー」

EVENT INFORMATION

IDOL SUMMER JUNGLE
2024年810日(土)お台場R地区
開場 9:00/開演 10:00

推し寺アイドルまつり アイドルナイトpowered by BomberE
2024年817日(土) 真宗大谷派名古屋別院(東別院)
開場 17:45 / 開演 18:30

miniちかっぱ祭ver.13.0 in OSAKA
2024年824日(土)、25日(日) CCO クリエイティブセンター大阪

LIVE INFORMATION

江籠裕奈 LIVE 2024 “あつすぎる きみとサマー”

2024年831日(土) 名古屋ダイアモンドホール
開場 18:15 / 開演 19:00

江籠裕奈 LIVE 2024 “あつすぎる きみとサマー”

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