――デビューしてから8ヶ月が経過しましたが、振り返るとかなり濃密な日々を過ごしているのではないでしょうか?
谷口太一「そうですね。デビューしてから、たくさんのイベントに出演させていただくことで、成長できているんじゃないかと感じています。最初の頃は、パフォーマンスに精一杯で、MCやライブの中身まで追求することが出来ていなかったんですが、先輩方のパフォーマンスをたくさん見させていただく中で、そこからたくさん学ばさせていただきました。MCでも、“こうしたい”という意見が増えたり、ライブの内容も、“こうしたらスムーズに、流れも良くなるのでは?”とより良くするために話すことがが増えました。そう考えると、最初の頃よりかは、いいパフォーマンスを見せることが出来るようになった気がします」
――たしかに、JO1やINIなど事務所の先輩のほかに、他事務所のグループと共演するイベントへの出演がとても多いですよね。そのなかで、より影響を受けたアーティストはいましたか?
大久保波留「JO1さん、INIさんからはもちろん、大きな影響を受けているんですが、一度ご一緒して大好きになったWATWINGさんとイベントが重なるときは毎回ワクワクします。TikTokでもコラボさせてもらったんですよ」
谷口「波留のWATWINGさんへの想いは、ほぼファンだよね」
大久保「うん(笑)。みなさん、本当にパフォーマンスがすごいんです。他にもたくさんボーイズグループがいますし、それぞれ尊敬するところもたくさんあるんですが、特にWATWINGさんは曲も歌もカッコよくて!いつか、僕たちも他のグループの方たちに“かっこいい!”と思ってもらえるようなパフォーマンスがしたいと強く思わせてくれた存在です」
平本健「リリースイベントを重ねる中で、MCも慣れてきて、ものすごく自然体のまま喋れるようになりました。デビューする前、韓国で共同生活をしている時は、カメラの前に立った時に、メンバーそれぞれがどんなキャラクターになるのか?というのはわからなかった部分があるんです。でも今は、MCを回したり、ボケたり、ツッコんだりと、そういった“役割”もしっかり見えてきて、より成長したかな?と思います」
――MCに関して、誰が一番伸びましたか?
谷口「(福田)歩汰じゃない?よりおもしろくなったよね(笑)」
一同「そう!」
――と言われていますが、いかがですか?
福田歩汰「デビュー当時は、本当に話せなくて、みんなが話している間もタイミングをうかがってばかりだったんです。YouTubeを見ている時も、“あれ、黄色い字幕(福田のメンバーカラー)がないな”って思っていて…。そこで“どうしたら、上手く会話に入って行けるだろう?”と考えているうちに、ボケたり、ふざけたりしたほうが入りやすいなって思うようになりました。それからは、自分のターンが来た時に、しっかり決めに行く技を覚えました!(笑)」
谷口「リリイベでのMCでは、歩汰のボケがかなりいいスパイスになるんですよ」
福田「でも、最初のうちは意味がわからないボケをしてしまい、メンバーだけじゃなく、その場にいるみんなを困らせてしまったり、ボケたものの全員が“???”になって僕が独りぼっちになったりもしたんです。でも、経験を重ねていくうちに、どこがダメで、どれがいいのか、なんとなくつかめてきました」
――現場で覚えて行ったんですね。
福田「はい。すごくいい経験をさせてもらいました。ついてきてくれたNICO(ファンネーム)のみなさんにも感謝しています!」
大久保「去年、有明アリーナで開催された『STARLIGHT TOKYO 2023』で、歩汰くんがボケたんですよ。でも、全員がそのボケの意味がわからなくて有明が凍ってしまったことがあって…!(笑)」
平本「でも、あの経験が歩汰を強くしたよね」
福田「うん。でも、いつも、ライブが終わると自分たちの映像を振り返るためにしっかりと見るんですが、MCのところだけはちょっと飛ばしちゃいました(笑)」
一同「あはは!」
寺尾香信「でも、そういうときのために周りの瞬発力もあげていかないとね」
福田「優しい!あの日はパフォーマンスでカバーしました(笑)」
――良かった!田中くんはこれまでを振り返ってみていかがでしたか?
田中笑太郎「僕の地元である山梨で開催された『TGC FES YAMANASHI 2023』に出演させていただいたときは、初凱旋だったので、地元の友達や親戚のみんなが見に来てくれたんです。それは本当に嬉しかったですね。さらに、夢だったランウェイも歩けたので、本当に感動しました」
――そう考えると、本当にいろんなステージをこなした8か月だったんですね。
寺尾「そうですね。そのおかげでシンプルに体力がつきましたし、最近では30分のステージでどこに力をいれるか、どうやって見せていくのかというのをしっかり考えるようになりました。個人的には、音楽についてより理解を深める時間が増えたんです」
――具体的にどんなことでしょうか?
寺尾「作曲の勉強のほかに、音楽理論を勉強しています。芸能の道とは別に、音楽理論について前から勉強したかったので、すごく楽しいです」
――DXTEENの自作曲も聴けるかもしれないですね!
寺尾「頑張ります!できることから少しずつチャレンジしていきたいですね」
――となると、みなさん作詞に対する欲も湧いてきたのではないでしょうか?
平本「僕はもともと作詞にすごく興味があるんです。いつか作詞に結びつくように、音楽を聴いている時も、何も聴かずボーっとしている時も、自分の心情などを振り返るようにしています。ただ、まだ語彙力の問題で、ちょっと言葉がキツくなっちゃうことがあって…」
大久保「何を書こうとしているの!?(笑)」
平本「あはは。もともとラップポジションなので、いつかバチバチのHIP HOPにも挑戦したいなと思っているんです」
――たしかに、ラップとなると言葉は強くなるかもしれないですね。
平本「そうなんですよね。でも、あまり鋭利な言葉は今の僕たちには合わないとも思うので、いつかハードでクールな曲が出来たときに挑戦できたらいいなと思っています」
――楽しみにしていますね。
――そして、3RD SINGLE 『Snowin’』がついに発売されます!既に「Snowin’」は配信ではリリースがされています。どんな反響が届きましたか?
平本「“すごくカッコいい!”という声をたくさんいただきました。僕たちも最初に曲を聴いたときにそう思ったんですが、パフォーマンスを追求すればするほど、明るくてかわいらしい曲なんです。前に歩汰の地元の栃木でのイベントで「Snowin’」を披露したんですが、自分たちでも明るいイメージでパフォーマンスをしたので、来てくれた方には、カッコよくて明るいイメージが伝わったんじゃないかなと思っています」
――地元でのパフォーマンスはいかがでしたか?
福田「お母さんが来てくれたんです。友だちは用事があって来られなかったんですが、行こうという気持ちがあったことだけでも嬉しくて!いつか絶対に見てもらいたいですね」
――楽しみですね。
――さて、この曲のお気に入りポイントをそれぞれ教えてください。
大久保「僕は、この曲のイントロが大好きなんです。始まった瞬間にオシャレな曲だなって思いました。一気に引き込まれます。それなのに、ラップパートになった瞬間雰囲気がガラッと変わって。これまでのシングル曲よりも、テンポの良いラップになっているので、太一くんのファンは嬉しいはずです!」
寺尾「太一ファンの目線なの?(笑)」
大久保「うん(笑)」
――あはは。その点、谷口くんはいかがでしたか?
谷口「2ND SINGLE『First Flight』からラップパートが増えてきて、今はラップをメインでやらせてもらっているんですが、初めて聴いたときによりラップがしやすいリズム、映えやすい曲だなって思ったんです。レコーディングの時も、コツを(平本)健に聞いて練っていったので、よりラップに関しての“欲”が増えたように感じます」
平本「たしかに、その“欲”は増えたよね」
谷口「うん。DXTEENのなかでも、僕と健のラップの違いをどう出していくかは大事だと思うので、違うスタイルで魅了していくことをより突き詰めていきたいですね」
平本「今回は二人で、“この音をちょっと遅らせた方がオシャレに見えるかも?”とか、発音のリズムの取り方なども話しあってレコーディングに挑みました。いま太一が言っていたように、ふたりのラップの違いがより出てきたら、もっと面白くなる気がしています」
――ボーカルについてはいかがでしたか?
田中「「Snowin’」は、僕がすごく出しやすい音域だったので、歌いやすかったです。ただ、収録曲の「Calendar」はすごく高いパートがあったので苦戦しました。とはいえ、以前よりも音域も広くなってきたので、歌える曲が増えてすごく楽しいです」
福田「あとは、1曲を通して、どうしたらインパクトを残せるのか?と考えることも出来ました。今回は自分らしさも考えながら、全体的に余裕を持って、気持ちを込められたのですごく気に入っています」
寺尾「僕も余裕を持って歌うことはできたんですが、ボーカルの先生に相談して、“誰が聴いても圧倒的に華があるような歌を歌うためにどうしたらいいのか?”ということを追求したいと思うようになったんです。音楽って、生まれ持った才能が大きく関わってくることを、勉強すればするほど感じるんです。でも、例えそうだとしても、一発目に聴いた音の芯の太さや、音楽に対する態度、ディティールなどにこだわって、何も語らずに歌声だけで聴いている人にすべてを感じてもらえるような実力を持ちたいと思ったんです。今後も、そういった努力を忘れることなく、実力を伸ばしていきたいです」
――MVも公開されていますが、とってもかわいらしい作品になりましたね!
寺尾「韓国で撮影してきました!」
平本「雪だるまと僕たちDXTEENが一緒に過ごす日々を描いているんですが、雪だるまが解けないように工夫して、冷蔵庫にいれたり、いろんなことをしていくんです。でも、その努力もむなしく、結局溶けてしまうんですよね…。ただ、そこから出てきた女の子=NICOという設定なんです。踊っている時に雪が降ったり、部屋が凍っていたりと、すごく曲の世界を表現したMVになりました」
――お芝居はいかがでしたか?
谷口「香信はNICOに例えた雪だるまを冷蔵庫に入れていり、健が雪だるまを寝かしてつけしていたりと、1人1人に設定があるんです。僕は雪だるまに絵本を読みきかせていました。個々に雪だるまを大切にする方法に個性がでているんですよ」
大久保「撮影は溶けない雪だるまと一緒に撮影をしたんですが、すごく完成度が高くて、本物みたいでした!でも、雪だるまをかわいがるってあまりしないじゃないですか。なので、最初は戸惑ったんですが、監督さんからは“より表情が出るように、オーバーに演じて!”と言われました。僕はプロポーズをするように雪だるまに花束をあげるというお芝居だったんですが、これもなかなか難しかったです(笑)」
田中「でも、波留くんは、やっぱり上手なんですよ。僕は雪の中、雪だるまが濡れないように、傘をさしてあげるシーンを演じたんですが、“悲しい顔をして”とディレクションしていただいたのに、なかなかできなくて…どうしても眉毛が八の字になっちゃって!」
平本「困り顔になっちゃうんだよね(笑)」
田中「その違いが分からなくなっちゃって(笑)。頑張って撮影したのでその表情に注目して見てもらえると嬉しいです!」
谷口「全体的にエモーショナルな雰囲気なんですよ。でも笑太郎のかわいらしさも相まって、すごくいい雰囲気でした」
大久保「2日間撮影をする中で、みんな雪だるまの扱いが上手くなりました(笑)」
一同「あはは!」
福田「僕は雪だるまとイヤフォンをわけて一緒に音楽を聴くシーンがあったんです。ただ、イヤフォンを誰かと半分こにして聴いたことがなかったので、ものすごく難しくて…実際にしたことがなかったからどうしていいかわからなかったんです!」
寺尾「慣れてない感じがめっちゃ可愛かったよ(笑)」
平本「撮影中は“歩汰なにしてんの?”ってみんなで言ってたもんね(笑)。メンバーで練習しなくちゃ!」
谷口「もうやることはないんじゃない?(笑)」
福田「あはは。本当に難しかったです(笑)」
――寺尾くんは、お芝居はいかがでしたか?
寺尾「僕は演技には自信があるので…」
一同「おぉ~!」
寺尾「一発OKを頂いたこともありました。なかでも、冷蔵庫をくりぬいて、その向こうから撮影するというシーンは楽しかったですね。かなり自由なお芝居をしたので、そこも見てもらいたいですね」
――2024年は俳優デビューも視野にいれたいですね!
寺尾「チャンスがあれば(笑)。歩汰に負けないように頑張ります!」
一同「あはは!」
(おわり)
取材・文/吉田可奈
写真/中村功
RELEASE INFORMATION
DXTEEN『Snowin'』
2024年1月31日(水)発売
初回限定盤A(CD+DVD)
YRCS 90238/1,700円(税込)
LAPONE Entertainment