――ドラマ『純喫茶イニョン』でチャンソンさんは主演と主題歌を担当されています。主題歌の「これからの君のために」を初めて聴いたときに、どんなことを思いましたか?

「ドラマに似合う、すごく素敵なバラードだと思いました。ドラマの舞台になっている“純喫茶イニョン”は、“途切れた縁が再びつながる”という噂がささやかれていて、会えなくなった人と再会できるかもしれない、不思議な喫茶店です。そこに訪れる人達の温かくて、感動的なお話にこの曲の歌詞がすごくピッタリだと思いました」

――チャンソンさんが演じるマスターの“シウ”は、どんなキャラクターなのでしょうか?

「日本で働いている韓国人で、悲しい過去を持っていてもともとマジメな人です。あまり喋らないんですが、状況を見て必要な言葉だけを言う人で。恋人に対しての未練があ喫茶店でマスターをしています」

―― “シウ”は、マスターとして様々な人達の物語を聞いていく立場になりますが、共感するところはありましたか?

「…コーヒーが好きなところ?(笑)」

――あはは。

「あと、僕は仲の良い人と一緒にいるときはたくさん話しますが、仕事ではそんなことはなくて。きっとシウもそんな感じなのかな?と思いました」

――2PMのメンバーと一緒にいるときはたくさん話しますか?

「はい。ニックンさんはすごく落ち着いていてはしゃぐようなことはあまりないですが、あとの5人は、ずっと元気です(笑)。とくにテギョンさんは常にハイテンションなので見ていておもしろいです(笑)」

――今作には4つのエピソードがありますが、とくにグッときたエピソードを教えてください。

「常連客のひとり、日高さんは離婚した奥さんに伝えたい言葉があって、この喫茶店に通っていたんです。その後、ついに奥さんに会えるんですが、悪い癖が出て、その言葉を言えずに再び別れてしまいました。その後の展開に、気持ちを伝える大切さを考えるきっかけをもらいました。しかもこの喫茶店は、会いたかった人に再会できると、二度とこの喫茶店に来ることができなくなるんです」

――そこに「これからの君のために」が流れると、とても切なくなりそうですね。

「そうですね。でも、すごく温かいんです。誰かに対して後悔があって、その人に再会ができなかったとしたら、永遠に未練の気持ちが残ってしまいますよね。結果がどうであれ、その気持ちを果たせるこの喫茶店は、すごく良い場所だと思いました」

――チャンソンさんは自分で気持ちを伝えられるタイプですか?

「…いや、伝えられないです(笑)」

――ハッキリ否定しましたね(笑)。

「はい(笑)。でも、この“シウ”を演じて、きちんと気持ちを伝える大切さを学びました。とは言え、友達や家族などに直接そういった気持ちを伝えるのは恥ずかしいんですけど(笑)」

――レコーディングではどんな気持ちを込めて歌いましたか?

「最初に2、3回くらい歌った後、スタッフさんから“もっと普通に話す感じで”とディレクションを受けました。それを意識して歌ったら、今までにないくらい自然に歌えました」

――なるほど。それですぐそばで歌ってくれているような感覚になるんですね。

「そう感じてもらえたら嬉しいです。コンサートで歌う時も、みなさんとの距離を近くに感じられる曲になると思っています。ぜひドラマと一緒に楽しんでもらいたいです」

――ドラマの注目ポイントを教えてください。

「監督とは“シウ”がどんなキャラクターなのか?をたくさんディスカッションしました。そこで、エピソードの主人公が喫茶店にやって来るときに、ドアが開く前にシウがドアを見るのか、ドアが開いてからシウがその人を見るのかで、シウが喫茶店にその人を呼びこんだのかどうなのかが分かるようになっています。そこに注目しながら見ていただくと、物語がより深く楽しめます」

――なるほど。そこで来るお客さんのことがより分かるかもしれないですね。さて、「これからの君のために」のMVはどんなものになりましたか?

「実はこの曲のMVは、ドラマのスタッフさんと一緒に作った、“エピソード0”のような作品になっています。そういった意味では、MVから見ても楽しんでいただけると思いますし、ドラマの後に、このMVを見ると、シウがどんな思いでマスターをしているか?が分かるので、どちらでも楽しんでもらえると思います」

――このシングルには、チャンソンさんが作詞作曲を手掛けた「My Everything」も収録されます。どんな思いで作られたのでしょうか。

「今回は、R&Bテイストの曲に挑戦しました。これまでの僕にはあまりないジャンルだったので、曲も歌詞も作るのにすごく時間がかかりました。作曲も、例えば、3時間中、2時間55分は何も思い浮かばなくて、最後の5分で“これ、いいかも!”と思えるくらい苦戦して(苦笑)。でも、その分、出来上がった時は、今までにないくらいの充実感がありました。次に作るときはもう少しスムースにできるといいんですけど(笑)」

――そして2025年の2月には、日本の映画『誰よりもつよく抱きしめて』が公開されます。今作ではどのような役を演じられたのでしょうか?

「イ・ジェホンという、シェフになる夢を追っている男性ですが、今作では、三山凌輝さんが演じる水島良城と、久保史緒里(乃木坂46)さんが演じるその恋人である桐本月菜と三角関係になる役です。良樹は強迫性障害による潔癖症で、恋人に触れることすらできなくて。そして、月菜は、触れてもらえずに、悩んでしまって。その2人に対し、僕が演じるイ・ジェホンは、恋人と触れ合っても心が動かないという、それぞれが愛情を伝えることがすごく難しい役になっています。ドラマ『純喫茶イニョン』の“シウ”とは全く違う雰囲気を楽しめると思います」

――凌輝さんは、どの現場でもキャストの方と本当に仲が良くなることで評判ですが、いかがでしたか?

「その通りです(笑)。僕はスケジュールの都合で、かなり遅れて撮影に参加したんですが、凌輝は本当に性格がよくて、ムードメイカーなので、一気に仲良くなれました」

――さらにチャンソンさんは日本のバラエティ番組にもよく出演されていますよね。

「はい。すごく楽しいです。以前『ラヴィット!』に出演させてもらった時に、ビリビリ椅子を初体験したときは、想像以上に痛くて“あれはダメだ!”って思いました(笑)。今は映画やドラマ、そしてバラエティ番組など、いろんなことに挑戦することで、より成長を感じています。もちろん、その都度、いい意味でのストレスを感じることはありますが、それも楽しく感じながら、今後もいろんなことに触れていきたいです」

――今、プライベートでやってみたいことはありますか?

「野球がしたいです! 韓国で今、『最強! 野球団』という野球のバラエティ番組が流行っていて。この番組は、かつて活躍した韓国プロ野球選手や、野球好きのファンが野球をしたり、ゲームやトークを繰り広げる番組なんです。それを見ると、僕も野球をしたくなって…。なので、東京ドームに巨人戦を見に行きました。ビールを飲みながら生の試合を観戦するってこんなにも楽しい事なんだって感動したので、また来年も見に行きたいです!」

(おわり)

取材・文/吉田可奈
写真/野﨑 慧嗣

RELEASE INFORMATION

チャンソン「これからの君のために」初回生産限定盤 A

2024年124() 発売
CD+ Photo Book A/AVCD-614843,000円(税込)

チャンソン「これからの君のために」

チャンソン「これからの君のために」初回生産限定盤 B

2024年124() 発売
CD+ Photo Book B/AVCD-614853,000円(税込)

チャンソン「これからの君のために」

チャンソン「これからの君のために」通常盤

2024年124() 発売
CD only/AVCD-614861,500円(税込)

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