──今日のインタビューは、残念ながら佐々木ほのかさんと高萩千夏さんが体調不良で欠席ですが、2人のぶんまで話してもらえればと思っています。まずは、3rd EP「2回目の青春」が11月14日にリリースされました。現在の5人体制になって、初のCDリリースです。

鍛治島 彩「CDリリースは1年ぶりになるんですが、その間にずっと温めてきたものを形にできたことがうれしいですし、5人になってできた曲が全部入っているCDになります。そういう意味でも、今までの作品の中でも特に思い入れのある1枚になりました。今回のEPには5曲収録されていて、全部異なるタイプの楽曲ではあるんですけど、起承転結のような形で私たちのストーリーが5曲を通して展開されているので、この5曲を聴いて今の私たちを知ってくれたらうれしいです」

新倉愛海「今の5人になってから、ライブでどうやって見せていくのかなど、前向きな葛藤が多かった思っています。その間、ずっとファンのみなさんに支えられていたなと思うので、ありがとうの気持ちを込めて新しいCDが届けられることがうれしいです。CDのリリースがあると、フリーのリリースイベントでファンの方や初めましての方にたくさん会えるので、それも楽しみです。今は、これからの未来にワクワクする気持ちでいっぱいですし、より多くの方にとって、にきちゃんへの入り口になるようなEPになればいいなと思っています」

島崎友莉亜「5月に今の5人で走り出してから初めてのCDということで、素直にうれしいです。たくさんの濃い時間を過ごしてきた5人のハーモニーが詰まっているので、ぜひ聴いてほしいなって思います」

──2019年11月にリリースされた、アップアップガールズ(2)の1stアルバムですが、タイトルは『アオハル1st』。そして、その4年後にあたる11月リリースのEPが「2回目の青春」です。特に1期生の鍛治島さんはいろんな思いが去来するんじゃないですか?

鍛治島「今、私は加入から7年目で、短くない年月をこのグループに捧げてきました。今回のEPに「2回目の青春」というタイトルをいただいたことで、その年月に対する思いもより深まったなと思います。今までは全力で走ることしかできない自分だったと思うんですけど、ここからが“2回目の青春”だとしたら、2回目だからこそ出せる全力なだけではない青春の魅力があると思うし、何回目の青春だとしても、ファンのみなさんがいつまで経っても思い出せる青春を届けるのが、自分たちの使命だと思っています」

──EPには5曲収録されていますが、それぞれの魅力を語ってもらえますか?

鍛治島「私の推し曲は、5曲目の「はぴかむちゃん~Happy CAM Chance~」です。5人になって初めてできた曲なんですけど、新しく踏み出すときって熱い曲や思いを込めた曲になりがちなのに、この曲は明るくて楽しいんですよ。それが、私たちにきちゃんらしいなって思います。<私たち、にきちゃんでーす!>というセリフから始まるので、新生にきちゃんの名刺代わりになる曲だと思うし、5人になっても立ち止まらずに走るから大丈夫だよ、安心してっていう気持ちを込めた歌詞にも注目してほしいです」

島崎「「HIGH COLOR NEW COLOR」は、明るさの中にどこかちょっと切なくて、泣けてくるような感じがある曲。イントロからバーって世界が広がっていくような壮大な曲でもあるし、今までの大切な思い出と一緒にキラキラした未来へ走って行こうという歌詞も素敵なんです。大好きだし、大きな会場で歌ったらすごく気持ちいいんだろうなと想像しながら、いつも歌っています」

新倉「タイトル曲の「2回目の青春」は、これからの可能性にあふれた1曲だと思っています。今の私たちにこういう曲を書いていただけたことがうれしいし、歌割りもすごくいいんですよ。最初はリーダーから始まって、1期生のかじさんがつないで、そのあとを私としまちゃんの3期生2人が受けて、サビ前でセンターのほーちゃんが“行くぞー!”って感じでバーン!って歌う。そこから全員で歌うパートに入っていくんです。前向きな歌詞も良くて、特に<まだまだ 可能性の全部やり尽くしてないから>というフレーズが好きだというファンの方が多いですね。私も、そのフレーズは大好きです。私たちはもっともっと走って行けるし、夢は見るだけ広がるだろうし。私たちや私たちのファンの人たちだけじゃなく、世界中の人に共感してもらえる歌詞だとも思います」

鍛治島「「PuP」は、めっちゃダンスチューンでゴリゴリの攻め曲。大人になった私たちの等身大を感じてもらえるんじゃないかと思います」

島崎「「ポップコーン」は、かわいくて元気な曲なんですけど、今年の夏を一緒に駆け抜けた思い入れの強い曲です。夏はアイドルにとって勝負の季節なので、どうやったらこの「ポップコーン」で盛り上がるか、試行錯誤しながらライブをしてきました。私たちの今年の夏は「ポップコーン」とずっと一緒だったし、だから思い入れが強いんです」

──ちなみに、ポップコーンは好きですか?

島崎「私は、メンバーの中でポップコーンがいちばん好きだと思います!この曲をいただく前から好きでした!」

新倉「この曲をきっかけに食べてみたら、おいしかったです。「ポップコーン」のおかげで、ポップコーンとの新しい出会いがありました(笑)」

鍛治島「小学校からの親友2人が、ポップコーン大好きなんですよ。普通、家に集まるときってポテチやチョコを買ってくると思うんですけど、その2人は必ずポップコーンも買ってくるんです。正直、なんでそんなに毎回買ってくるんだろうと思ってました(笑)。でも、この曲をいただいてから自分でも買うようになって、「ポップコーン」が配信リリースされた瞬間には自宅でポップコーンを作っていたっていう(笑)。こないだ、久しぶりに1人で映画を見たんですけど、そのときもポップコーンを買いました」

──アップアップガールズ(2)は、今回が「encore」初登場になります。この記事を見て興味を持った読者が今回のEPを聴いたり、公式サイトのプロフィールをチェックしたりすると思うんですが、それぞれのプロフィールの中で気になる部分を質問させてください。まず、鍛治島さんですが、特技に「鼻リコーダー」とあります。

鍛治島「9割ぐらいの人が一生に1回もやらないと思うんですけど、オーディション中の動画配信でこの特技が発覚したんです(笑)。個人での生配信を土曜か日曜の昼間にしてたら、ふとご来場された方がいたんですね。その方が、“鼻でリコーダー吹いてよwww”みたいなコメントをくれて(笑)。私はオーディション参加者の中でも本当に人気がなかったので、もう何でもやりますみたいな必死さから鼻でリコーダーを吹いてみたら、うまかったっていう(笑)。それがきっかけで、7年間やってます」

──その人のコメントがなかったら……

鍛治島「今の私はいないです!絶対音感があるので、リクエストされた曲は全部吹けたんですよね。鼻で(笑)」

──鼻で(笑)。

鍛治島「何か吹いてほしい曲があったら、ぜひリクエストしてください(笑)。ちなみに、夢は鼻リコーダー奏者として大好きなスカパラさんと共演すること!これは、本気の夢です!」

──続いては、新倉さんのプロフィール欄を見ての質問です。趣味の欄に、「途方に暮れること」と買いてありますが。

新倉「私、そもそも趣味らしい趣味がないので、なんて書くか迷って、普段の自分は何をしていることが多いだろうって考えたんです。考えてみたら、ぼーっとしていることが多いな、家でも天井の角を眺めている時間が多いなって気づいて。だったら、それが趣味になるのかなと思って、趣味欄に途方に暮れることって書きました」

──決して、何かに打ちひしがれて途方に暮れているわけではないんですね。

新倉「黙想というか、精神統一的な意味が強い気がします。気持ちを落ち着けるために、途方に暮れてますね(笑)」

──島崎さんの公式プロフィールの趣味欄には、「80~90年代の音楽を聴くこと」と記載されています。具体的には、どんなアーティストの楽曲を聴くんでしょうか?

島崎「私は尾崎 豊さんが大好きでリスペクトしているんですけど、中学時代に好きになったことがきっかけでその時代の音楽を聴くようになりました。そこから大江千里さんや渡辺美里さんなどを好きになって、最近は小沢健二さんも好きです」

──せっかくなので、欠席の佐々木ほのかさん、高萩千夏さんの推しポイントも教えてください。

鍛治島「リーダーの高萩千夏は、メンバー兼プロデューサー的な役割も担っている存在です。衣装を作ったり、振り付けを考えたり、メンバーをまとめたり、柱としてグループに欠かせない存在。人間としては、知らない間に夜中にラーメンを食べてたり、食べることが大好きで変な人です(笑)。聞けば聞くほど、知れば知るほど面白いので、ニッコリしたやわらかい笑顔が魅力で、よく食べる高萩千夏の沼にハマってもらえればと思います!」

新倉「最年少のほーちゃんは無邪気で弾けてる部分も多いんですけど、ふとしたときにお姉ちゃんみたいに感じることがあります。髪型にアドバイスをくれたり、このお洋服が似合うんじゃないかって言ってくれたり、最年少のかわいさと頼もしい部分の両方がある、そのギャップが魅力です。“そば打ちアイドル”としてそば打ち初段の資格を持っていて、たまに“そば打ってきましたー!”ってそばを持ってくることもあって(笑)。かと思うと、ライブでは曲の世界に入り込んだパフォーマンスが、本当にすごいんです。見たら、絶対に引き込まれると思います!」

島崎「とにかく、いろんなギャップがすごいです!」

鍛治島「グラビアも頑張っているので、ぜひ見てください!」

──この記事の公開後、12月5日にはZepp DiverCityでのワンマンライブが控えています。

新倉「ファンのみんなとの一体感を生み出すことで、会場全体に暑苦しいぐらいの熱を作り上げたいと思っています。1階はオールスタンディングなので、“みんなで叫んで騒いで、熱い時間を過ごそうぜ!”って。それが私たちらしいライブだし、今まで貫いてきたライブのスタイルを、たくさんの人に味わってほしいです!」

島崎「今の私たちは、自信を持って熱くて楽しいライブをしているって言えます。Zepp DiverCityのライブでさらに勢いをつけて、もっと外に広がるきっかけにしたいです」

鍛治島「ここで止まらない気持ちを、メンバー全員が持って臨むライブです。すべてがかかったライブで、ここで高く飛べたら私たちは変わるし、次につながるし、広がっていくと思います。そういうライブにしなきゃいけないです」

──Zepp DiverCityで2023年を締めくくるわけですが、2024年に向けての意気込みも聞かせてください。

新倉「ギアを上げて、もっと高いところに行ける年にしたいです。そのためにも、アイドル界で1番多くライブをするグループになれたら! 私たちは本当にライブが好きだし、ライブの時間を大切にしたいし、ライブで勝負している自負があるので、その生き様をたくさんの人に届けたいです!」

島崎「私もライブについてなんですけど、アップアップガールズ(2)が出たら絶対に盛り上がるって信頼をもっともっと高めていきたいです。ライブイベントでも、にきちゃんがいるから絶対に盛り上がる、だから行こうって思ってもらえるような、そんなグループになれたらと思っています」

──ライブイベントというキーワードが出たので、みなさんがツーマンで共演したいアイドルを教えてもらっていいですか?

島崎「私は、BEYOOOOONDSさんです。大好きだし、いつか共演できるようなグループになりたいという思いもあるので!」

新倉「NEO JAPONISMさんとご一緒したいです。ライブで感じる魂というか、熱い気持ちに共感できるので、一緒に熱い時間が作れたらなって思います」

鍛治島「私は、THE ORCHESTRA TOKYOさんですね。本当に魂のこもったライブをされていて、勝手に似ているマインドを感じている部分があるので、いまいちばん一緒にライブがしたいアイドルグループです」

──最後に、サブリーダーの鍛治島さんから2024年の意気込みをお願いします。

鍛治島「2024年は、アイドル界で1番勢いのある存在になりたいです。駆け出しではなく、長くやらせていただいているグループですけど、心の底からそうなることを欲しています。本当に必要としていただけるアイドルが今までもずっと目標でしたけど、さらに大きな会場でライブをして、ファンのみなさんに恩返しがしたい一心です。“にきちゃんを推してて良かった!”って思ってもらえる、そんな2024年にできたら!」

(おわり)

取材・文/大久保和則

さわげ!さけべ!にきちゃん☆はいじゃんぷ☆LIVE INFO

2023年12月5日(火)Zepp DiverCity

アップアップガールズ(2)「2回目の青春」DISC INFO

2023年11月14日(火)発売
TPRC-0305/2,000円(税込)
T-Palette Records

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