――「OTORAKU -音・楽-」SPECIALインタビューには、2022年6月にもご登場いただきましたが、あらためてShin Sakiuraさんの2024年上半期を振り返っていただけますか。

「ありがとうございます!昨年から新しくベースや歌を始めたことで、プロデュース仕事、自分のソロ楽曲の制作ともに表現できることの幅がかなり広がった感覚があり、これからの活動に可能性を感じているところです。同時に、ビートメイカーやビートボックスのような、歌だけじゃないライブ表現にフォーカスしたイベント「BEAT」を始めるなど、新しいことにもチャレンジ出来ていてとても充実していますね」

――昨年リリースされたアルバム『Inner Division』のリードシングル「bud」ではShin Sakiura名義の作品として初めて歌モノにも挑戦しました。

「歌へのあこがれは日常でも仕事でもずっとあったのですが、自分の声が好きじゃなかったり、歌う自信がなく、自分にはできないものだと思い込んでいました。アルバム制作の最中いろんなことに悩んだのですが、そういった無意識の思い込みを一度取り払って、やってみたいこと素直にトライしてみようと思ったのがきっかけですね。6年近く活動を続けてきて、今になって歌をやりはじめることに抵抗や苦手意識はあったんですが、楽しむつもりで毎日コツコツ練習しています。始めてライブで歌ったとき、正直聴いてられないぐらいのクオリティだったのに、それでもインストだけの時と比べてお客さんの反応が全く違っていて感動しました。インストだと、いい意味でみんながそれぞれ好きに揺れられる一方、歌が持っている伝わる力、圧倒的な情報量には毎回衝撃を受けています。シンガーみんなはライブのたびにこんな楽しいことやってたんだなとも感じています」

――今年1月にはフォトジン『Unrelated Issue #1』をリリースされました。また個展「Shin Sakiura PHOTO EXHIBITION」を開催されたり、ジャケットのアートワークにもフォトグラファーとして携わったり、そうした音楽以外のアートフォームについてはどう向き合っていますか?

「音楽を生業にしていると、どうやっても他人との比較や市場経済の競争から逃れることが難しい。そういう状況に息苦しさを感じることが多々ありました。僕にとって写真を撮ったりすることは、自分の感性を客観的に見つめるための活動なので、他人の評価や競争から完全に開放された表現。音楽からは得られなくなってしまった息抜き的な側面を写真で補っている、という感じですね。

音楽と写真には共通点がたくさんあるように感じています。例えば、主題と副題がどうなってるかを意識することがその一つだと思います。音楽でメインとなる1番聴かせたいものが歌なら、それを引き立たせるための伴奏は支えに徹するアレンジにする、そういう手法が写真においても共通する部分だと感じます。

また、僕の好きな考え方で、抽象性と具体性もそうです。例えば、“見てすぐに何を示したいかがわかる具体性”と“あえて隠したりぼかすような曖昧さの抽象性”のバランスがあることとか……ほかにもいろいろ両方に通じるものがある気がします」

――2024年も折り返しが見えてきました。すでにプロデュース作品のリリースなども発表されていますが、今後の活動予定について聞かせてください。

「プロデュース楽曲はもちろんのこと、自分のソロの楽曲でも年内にリリースしたいと思っています。表現したいことやアイデアはあって、デモもたくさんできているんですが、なかなか完成させる時間が作れていなかったので、下半期はしっかり時間取りたいですね。ライブもどんどん強化していきたいなと思っていますし、楽しみにしていただけたら嬉しいです」

――「OTORAKU -音・楽-」では2回目のキュレーションになります。前回のインタビューでは、お店でShazamしたり「BGMには流れている曲にわりと耳を持っていかれる」と言っていましたが、最近はどうですか?

「Shazam癖はむしろ激しくなっていると思います(笑)。そういう時に耳に入ってくる楽曲ほど、自分に必要なアイデアを含んでいて、その時取り組んでいる表現に活きてくることが多い気がします」
  
――今回のプレイリスト「Just Vibing Music」のコンセプトと、2022年のプレイリスト「Relax, Groove, My Favorite」との違いについてレクチャーしていただけますか。

「どちらのプレイリストにも共通して、自分が美容室や飲食店のBGMでなっててほしいというものを集めています。今回はより一層、ただ楽しむことに集中するというコンセプトでです。前回のテーマである“踊れる”みたいなところは考えず選曲してみました。今回のプレイリストでレファレンス的な楽曲をあげるならば、wallows「calling after me」、hojean「comin through」あたりですかね」

――プレイリストを使われるOTORAKUオーナーや、OTORAKUを通じてShin Sakiuraさんのセレクトした音楽を聴かれるリスナーさんへのメッセージをいただけますか。

「いつも僕が家の作業部屋でただおいしいコーヒーと甘いものを食べてリラックスしたいときに流している楽曲たちです。いろんなお店で過ごすみんなの楽しい時間にも花を添えてくれると思います!ぜひ楽しんで下さい」

(おわり)

取材・選曲監修/大園絢音、三浦祐司(USEN)
文・構成/高橋 豊(encore)
写真提供/PARK


「OTORAKU -音・楽- 」PLAY LISTShin Sakiura ~Just Vibing Music~

■ Message from  Shin Sakiura
Just Vibing=考えすぎずにただ時間を楽しむ、というスラングをテーマに、様々なシチュエーションに合いそうな音楽を集めてみました。

1. Wallows「Calling After Me」
2. beabadoobee「Cologne」
3. dawgss「KICK OUT」
4. aimi,Lejkeys「I’m OK」
5. Peach Tree Rascals「HIGHWITCHA」
6. SOLOMON「listen up - Radio Edit」
7. UMI「wherever u r (feat. V of BTS)」
8. Furui Riho「SAPPORO TOKYO」
9. Hoody「Need U (feat.Dok2)」
10. MFS「New World」
11. Kvi Baba「Luv Myself (feat. AKLO & KEIJU)」
12. VivaOla「GIVE MINE」
13. CODY JON「dirty dancing」
14. Humble the Great「pink dress」
15. Sam MacPherson「Backseat (All I Got)」
16. SOLOMON「unrequited」
17. 藤井 風「Workin' Hard」
18. Dhruv「How?」
19. Ayumu Imazu「Obsessed」
20. Dhruv「Tragedy」
21. Paul Blanco「Summer (feat.BE'O)」
22. Justin Timberlake「F**kin' Up The Disco」
23. INJI「THE ONE」
24. Cosmo's Midnight「Chance On You (feat.KU?KA)」
25. Young Franco,Master Peace「Wake Up」
26. NMIXX「Roller Coaster」
27. Rachel Chinouriri「Ribs (Joe Hertz Remix)」
28. NOTD,Emei「Hold On Me」
29. IU「Shopper」
30. GANMI「AGE (feat. Aile The Shota,eill)」

OTORAKUキュレータープレイリスト

Shin Sakiura『Inner Division』DISC INFO

2023年6月28日(水)配信
PARK


Shin Sakiura『Unrelated Issue #1』BOOK INFO

2024年1月31日(水)発売
B5/全44ページ/2,750円(税込)※300部限定
PARK


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