普段サックスや鍵盤を使ったライヴとは別にDJなどもこなすUyama Hiroto。

今回のミックスでもHIP HOPや現行JAZZを基軸に、さまざまなジャンルの楽曲が取り上げられています。その広範な音楽知識が反映され、自身の楽曲制作においても奥行きを加えていることが窺える、多彩でバラエティ豊かな内容に仕上がっている。

ミックスの冒頭を飾るのは、Earth, Wind & FireのボーカルであるPhilip BaileyがRobert GlasperやKamasi WashingtonなどとコラボしたPharoah Sandersの「Love Will Find A Way」のカヴァー。その後、アジア人を中心としたレーベル88risingからの「MiNt cHoCoLaTe」やJAZZトランペッターKeyon Harroldの「Find Your Peace」などを取り上げ、ミックスの前半はドリーミーでメロウな雰囲気に包まれている。

中盤では、カナダのHIP HOPデュオPOTATOHEAD PEOPLEの楽曲を人気のCarrtoonsがリミックスした「What It Feels Like [Carrtoons Remix]」や、東海岸スタイルが際立つボルチモアのラッパーJay Royaleによる「90'S Beeper Code」など、Hip Hopを中心に展開。一方で、Blue Noteのコンピ『Re:imagined 2』に収録されたConor Albertの「You Make Me Feel So Good」など、現行のJAZZも織り交ぜられている。

後半にかけてテンポや温度感もぐっと上がっていき、ハンガリーのJAZZ HIP HOPトリオJazzboisによる「Mosquitoh」やイギリスのHerbie Hancockの異名を持つUK JAZZシーンの重要人物Kaidi TathamがTheo Parrishとのタッグでも注目を集めたAndrew Ashongとタッグを組んだ「Washed in You」など、JAZZエッセンスがふんだんに盛り込まれた内容で、ミックスは幕を閉じる。

Uyama Hirotoの音楽感がたっぷりと詰まった、充実の2時間ミックス。ぜひお楽しみいただきたい。

ここではその中から象徴的な5曲を紹介する。

1999 WRITE THE FUTURE: BADBADNOTGOOD, Westside Gunn, Conway the Machine - MiNt cHoCoLaTe
88risingの1999 WRITE THE FUTUREがBADBADNOTGOOD, Westside Gunn, Conway the Machineをフィーチャーした2023年の作品。
ELAQUENT - SMALL VICTORIES (feat. DOM CHRONICLES)
カナダのビートメイカーELAQUENTによるJAZZ HIP HOP。
NxWorries (Anderson .Paak & Knxwledge) - Where I Go feat. H.E.R.
Anderson .PaakとKnxwledgeによるNxWorriesがH.E.Rをフィーチャーした22年の楽曲。
REASON - Too Much | From The Block Performance  (LA)
街中でパフォーマンスを行うシリーズのライブ版。
Jazzbois - Mosquitoh (2023 Live Session)
インプロヴィゼーションから楽曲を制作するJazzboisの2023年のライヴ・セッション。

Uyama HirotoのMIXプレイリストはこちら

Uyama Hiroto

プロデューサー

ジャズ・ギタリストでもあった叔父の影響で、幼少の頃から音楽に慣れ親しむ。「Letter From Yokosuka」をきっかけに多くのnujabes作品に携わり、数々のライヴを共にしてきた。
2008年には自身のファースト・アルバムとなる「A Son Of The Sun」をリリース。2010年のnujabesの他界後、「Luv(sic)シリーズ」や「spiritual state」等の制作に携わり、アーティストとしても参加。
その後2013年に純度の高い音楽をさらに目指すために、roph recordingsを立ち上げる。
2014年には前作から6年ぶりとなる2nd Album「freedom of the son」をリリース。hydeout productions時代から親交のあるCise StarやPase Rock、Fat Jonなどがfeaturingとして参加する他、1stアルバムからの続編とも言える楽曲を表現した。
また2016年には2nd albumから2年ぶり3枚目となるアルバム「freeform jazz」を発表。日本人としてのアイデンティティーを強く押し出し、新たなJapanese Free Jazzの提案として今までの作品とは一線を画す内容となり、その独創性からも海外のHYPEBEASTに取り上げられるなど、日本人はもとより海外のリスナーからも多くの素晴らしい評価を得ることとなった。
現在も新たなアルバムに向けて楽曲制作を進行中である。






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