Marika Hackman『Big Sigh』
イギリスのボーカリスト、SSW(シンガー・ソングライター)として活躍する彼女の今作は、なんと言ってもプロデューサーが豪華。フランク・オーシャン、レッド・ホット・チリ・ペッパーズなどを手掛けたSam Petts DavisとCharlie Andrewが参加。もちろん彼女の実力あっての豪華メンツではありますが、シンプルに美声でかなり深めな歌詞は年月をかけて厚みを出したアーティストのみが行ける境地。ちょっとレベルが違います。
Searows『End Of The World』
オレゴン州拠点のシンガーソングライター、Alec Duckartによるインディー・フォーク・プロジェクト、SearowsがLast Recordings on Earthより全6曲のEPをリリース。Phoebe BridgeersやClairo好きは必聴おすすめ。2022年に21歳から22歳の間に収録した「Guard Dog」から早一年、今作もエモーショナルで繊細なソングライティング。
Eddie Chacon『Sundown』
カリフォルニア生まれのシンガー・ソングライターで、写真家、そしてプロデューサーとしても活躍するEddie Chacon。ここ数年は音楽キャリアを一旦終了していたが、2022年にリリースしたカムバック作で多くの話題をかっさらった。プロデュースはSolangeやフランク・オーシャンとのコラボやソロ作で高い評価を受けるL.A.の鬼才、John Carroll Kirbyが担当。さらに今作はなんとStone Throwよりリリース。瞑想的なメロウ・ソウルを展開する素晴らしい内容。
Retiree『Through The Smoke』
前作『House Or Home』でヒットしたオーストラリアの3ピースバンドによる続編アルバム、Through the Smokeはボーカルのトリ・ホレマンが森林火災「ブラックサマー」から危うく逃れた後に書いた詩を基にして作製されました。サイケデリックとノスタルジーとバレアリックと……言えばキリがないくらいアートな作品。やはり前作同様これもヒット間違い無しでしょう。
Westerman『An Inbuilt Fault』
ロンドンで生まれ、アテネを拠点とするWestermanのセカンドアルバムは、共同プロデューサーとしてビッグ・シーフのジェームズ・クリヴチェニアが参加。デビューアルバムでかなり評価された事がきっかけとなり、ジェームズ・クリヴチェニアによるフックアップからの制作。今回のアルバムはかなり繊細で、耳に残る歌声が印象的。セカンドもかなりの良作です。
Thy Slaughter, A. G. Cook&EASYFUN『Soft Rock』
PC Musicの創設者であり近年では宇多田ヒカルの「One Last Kiss」の共同プロデューサーでも知られるA.G. Cookとソングライター兼プロデューサーのEASYFUNによるカルト・プロジェクトThy Slaughterによるデビューアルバム。Charli XCX、Caroline Polachek、Alaska Reidとのさらなるコラボレーションした楽曲が収録。ハード・ポップとソフト・ロックが融合した野心的な1枚。
Kali Uchis『ORQUíDEAS』
4作目のニューアルバム「ORQUíDEAS」はコロンビアの国花である蘭の意味があり、全曲スペイン語で歌っている。ラテン・ミュージックのスーパースターの本気と、今一番ホットなジャンルでもあるアフロビーツを完全に乗りこなし、パッションを感じる作品。KAYTRANADAとの10%で痺れた人たちがトランキーロ(スペイン語で「焦るな」の意)出来なかったくらい、完璧なラテンバイブス。
Bas『We Only Talk About Real Shit When We're Fucked Up』
J. Cole率いるDreamville RecordsよりリリースされたBasのアルバムはプロデューサーにはもちろんボスのJ. Cole、過去に共演して意外なラインだったFKJ等、オシャレでリリシストな今作。そして、やや昔のNBAネタソングもあったり、ハード過ぎず、HIP HOPマナーのあるアルバム。プッシュ具合を見ればDreamvilleの顔になる日もそう遠くはないでしょう。
▼ bonjour recordsプロデュースのチャンネルもラインナップ!――USEN(有線音楽放送)の番組情報はこちら