クリス・ベレンスは1999 年オランダ、スヘルトーヘンボスのアカデミー・オブ・アート&デザインでイラストレーションを修了。2005 年に、Jaski Gallery(アムステルダム)にて開催された初の大規模な個展で一躍名声を得ると、その後メグミオギタギャラリー(東京、2013 年、2016 年)、ニューヨーク、ロサンゼルス、シアトル、シンガポールなど、世界中で展覧会を開催してきた。

2011 年に発表されたブロンディのアルバム『パニック・オブ・ガールズ』のカバーデザインも手がけるなど、活躍の幅を広げている。
ベレンスは、小さな紙片に細筆やインクで細部を描き、さらに別の紙を貼りつなげて描くという、腱鞘炎に悩まされるほどの作業を繰り返しながら、作品の全体を緻密に構成する技法を用いて作品を作り出している。想像上の景色をありありと表出させる手描きの技術、ピントのずれやレンズの歪み効果により、郷愁を感じさせるような独自の表現、それらを支える高い集中力に加え、近年ではデジタル画像制作も自身の技法の一部としている。レンブラントやフェルメールの影響もうかがわせるベレンスの肖像画は、時空を超えて光と影が交錯する、幽玄な異生物の世界のようにも見える。

本展では、パネルにミクストメディアで描かれた新作32 点を展示予定。一筆ごとに、まるで細胞分裂を繰り返して成長していくようなベレンスの作品は、作家の内的世界と現実をつなぐ生命体として鑑賞者に語りかける。

クリス・ベレンス 素晴らしき地下世界
2024年4月5日〜27日
12:00〜18:00
日曜・月曜 休廊

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