三田真一は「纏(まと)うとは何か」について問い続け、「時空・生命・意識」などの根源的なテーマについて思索を重ね、「呼吸し続ける生命の本質と、工芸が持つ技術や素材の歴史は、未来への旅を装う新たな纏い」と考えた。
本展は2023年6月に開催された太宰府天満宮宝物殿(福岡)での「三田真一in-Spire 呼吸」展に、多数の新作を追加して開催される。
今回も金属、革、木、陶磁器といった伝統的な素材と最先端の技術を扱う作家たちを巻き込み、新たな表現が展開される。作品の多くは三田によるスケッチと言葉を起点に制作されており、そこにそれぞれの作家らが解釈を加え、伝統的な工芸の素材と手法、そして現代のテクノロジーを織り交ぜて制作された。
NASA の火星探査車「オポチュニティ」は、未知の大地である火星の地表を走り続けた。当初は90日のミッションだったが、15年もの年月を記録し地球に送り続けた。人類の探究心と技術の進化は、代々継承されてきた工芸のように過去と現代を繋げる軌跡と言えるだろう。工芸とテクノロジーの融合は、これまでにない新たな可能性を開拓し、「オポチュニティの轍」のように時空に「轍」を刻むだろう。「私たちは過去から何を脱ぎ捨て、そして未来に何を纏うべきか」その答えを模索する道程を見ることができる。




参加作家(順不同)
茶筒開化堂六代目当主 八木隆裕/宇治茶陶朝日焼十六世 松林豊斎/中川木工芸 中川周士/金網つじ二代目 辻徹/革計画創造家 上月建太朗/小嶋商店十代目 小嶋諒/九谷焼上出長右衛門窯六代目 上出恵悟/波佐見焼マルヒロ三代目 馬場匡平/名尾和紙七代目 谷口弦/堀口切子三代秀石 堀口徹/水墨画家 土屋秋恒/ライゾマティクス石橋素・柳澤知明・竹森達也/Qosmo 徳井直生・中嶋亮介/ NF 青山翔太郎/サカナクション•NF 山ロ一郎/ nomena / ZOZO NEXT
「三田真一Path in Trace 轍(わだち)」
[会期] 2025年4月4日〜4月20日
[開館時間] 11時~ 20時(※最終日のみ17時まで)
[会場] ラフォーレミュージアム原宿
〒150-0001 東京都渋谷区神宮前1-11-6
[観覧料] 1000円(未就学児は無料)
[作家] 三田真一(K i K i inc.)
[会場構成・展示ディレクション] 村山圭(v i rt.)
[会場施工] 大重暁(有限会社菊田工務店)
[物販/縫製] 大岩大祐(des pierre.ind
[撮影] 村松賢一(55 Co.,Ltd.)
[プレス] 尾花未来(103)
[プロデューサー] 中村ミサ(Cav i ar Limited)
[主催] CAVIAR LIMITED