本展は、「BLOOM=咲く」という言葉の通り、北斎による「花」をモチーフとした作品を『北斎漫画』より65点、特別展示と合わせて会場を構成している。
美しさや理想、時には儚さや畏怖を象徴し、数多くの芸術家が自身の表現や思索の媒介としてきた花々は、北斎の眼にどう映り、どう描かれたのかに焦点を当てた展示となっている。

  • 撮影:永禮 賢
  • 撮影:永禮 賢
  • 撮影:永禮 賢
  • 撮影:永禮 賢
  • 撮影:永禮 賢
  • 撮影:永禮 賢
  • 撮影:永禮 賢
  • 撮影:永禮 賢

自然が息を吹き返し、野に街に、色とりどりの花々が咲き誇る春。北斎の緻密なタッチによってユーモラスに描かれた、花を取り巻く神羅万象、江戸の街、人々の浮き足立った様子を楽しむことができる。

© Uragami Sokyu-do co.,ltd
© Uragami Sokyu-do co.,ltd

HOKUSAI IN BLOOM
日程:2025年4月17日〜2025年6月8日
会場:art cruise gallery by Baycrew’s
東京都港区虎ノ門2-6-3
虎ノ門ヒルズ ステーションタワ ー3F SELECT by BAYCREW’S 内
営業時間:11:00〜20:00(19:30最終入場)

葛飾北斎
1760年、本所割下水(現在の墨田区亀沢)生まれ。約70年間の画業で多彩な作品を残しており、肉筆画を中心に版本や錦絵、春画など、総数およそ30000点ほどと言われている。また、扇子、団扇、祭屋台を職人とともに作り上げるなど、幅広く文化に関わり、江戸の生活に根ざした創作にも携わる。

『北斎漫画』
全国各地に点在していたとされる北斎の弟子たちに、自身の技術を伝えることを目的に描かれた全15編の絵手本『北斎漫画』。その卓越した描写力と大胆な機図で描かれた多種多様なモチーフは、国内外、さまざまな画家に影響を与えた。モネ、ドガ、セザンヌ、ゴーギャン、ゴッホなどの世界中の名だたる巨匠の絵画からもその影響を見て取ることができる。また「北斎漫画」は現代の「漫画 」のルーツになったとも言われており、「事物をとりとめもなく気の向くまま漫ろ(そぞろ)に描いた画」という意味の語源でもある。芸術性の高い北斎の「気まま」は、絵手本の枠を大きく飛び越え 、庶民も大名も、武士もお金持ちも、分け隔てなく楽しむことができた江戸時代のベストセラーであった。

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