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海外からの声

前回、自分たちの予想を遥かに上回るスピードでバンドが成功していくことに対して「怖かった」と話してくれたAijiさん。デビューからわずか半年で日本武道館のステージに立ったPIERROTはその後、西武ドーム公演を成功させるなど、動員の規模をどんどん大きくしていく。

「バンドって通常1日1回ぐらいしか通しリハをやらないんですよ。けど、自分的にはそれだけじゃ練習量が足りなかったので、みんなが来る前にスタジオに入り、前日のテイクに合わせて2、3回通してました。本番でしょうもない演奏をしてヘコんだり傷ついたりするのは結局自分なので、後悔だけはしたくなくて。それでも足りなくて、しょうもないミスをいっぱいするんです(苦笑)。でも、その時の怖い感じやプレッシャーを撥ね除けるためには、ストイックにならざるを得なくて。“これだけ練習して間違えたなら、しょうがない”って諦めもつきますから」

ここで少し時間軸を戻し、Aijiさんがデビューする前にスポットを当てたい。高校時代に音楽を始めた彼が音楽で食べていくことを決意したのは高校3年生の時。卒業後の進路を考えた際に、初めて「プロになりたい」と思ったのだそう。そして上京、音楽の道を志し、念願のデビューまで辿り着いた時期は、シーンにおけるヴィジュアル系の躍進期と重なる。当時のことをAijiさんはどう捉えているのだろう。

「ただただ必死でした。俺、親に『24歳までにデビューできなかったら(音楽を)辞める』って宣言して東京に出てきたんですよ。1浪か2浪して大学に入って卒業したら、それぐらいかなっていうところで。結局、ギリギリ23歳でデビューしたんですけど……なので、90年代は自分の夢を追いかけることを許された期間がカウントダウンされていってました(笑)。でも、それを常に意識していたので、必死だったんです。リミットを設けてなかったら、もうちょっと緩かったかもしれないですね」

24歳までにプロになるという目標に向かって、がむしゃらに走り続けたデビュー前、そしてデビュー後もプレッシャーと戦いながらひたむきに音楽と向き合ってきたAijiさん。2006年4月のPIERROT解散後、同年10月にはヴォーカリストのmayaさんと結成したロックユニット、LM.Cとしてデビューを果たした。さまざまなジャンルを取り入れた音楽性は、国内のみならず世界各国で高い評価を獲得。これまでに3回行ったワールドツアーの経験は、自身のライヴ観を変えたという。

「LM.Cを結成する時、アジア圏での活動は普通に視野に入れてたんですけど、まさかワールドツアーをする時が自分の人生の中で来るなんて、まったく考えていませんでした。自分の音楽キャリアの中でも、ある種の事件だった(笑)。しかも最初は向こうからオファーがあったんです。実際に行くまで、なかなか現実のことだって信じられなかったですね。でも、いざ行ってみると、思っていた以上にLM.Cの曲を理解して、日本を理解して、バラードだろうがハードな曲だろうが、常にフルスイングで大合唱してくれて。その光景を見た時、自分の中のライヴに対する感覚が変わりました。それまではずっと、自分たちがすげえ頑張らないとお客さんに響かない感覚があって、頑張り過ぎちゃう部分もあったんです。でも海外に行ったことで、いい意味で、力を抜いていいんだよって教えてもらった気がします。海外だとこっちが普通に演奏しているだけでもすごい盛り上がってくれるんで。それに釣られて、こっちもアガっていく。本当の意味で、音楽を通して、想いのキャッチボールができている感じがしたんです。自分たちが海外ツアーをやる時は、常に日本代表のつもりで行ってます。俺らがしょうもないライヴをやってたら、日本のバンドは大したことないなってなるじゃないですか。そう思われるのもムカつくし。バカンス感覚でツアー廻るのも楽しいんでしょうけど、そういう使命感はしっかりと持ってやってます」

その言葉の端々に、いつの時代もひたむきに情熱を傾けてきた音楽への愛情を感じる。そんなAijiさんに最後、今後の目標を訊いた。

「この10年、ぶっちゃけ、体感的には5~6年って思うくらい早かったので、この先の10年はちょっと想像できないです。でも、ある種のオンリーワン――それは音楽的にも見た目的にも、オンリーワンな世界観を大事にしたいですね。かつてはヴィジュアル系という言葉がどこか差別用語みたいになった時期があったじゃないですか。そういうレベルの低いものじゃなくて、ヴィジュアル系=“世界観を大事にしてるバンド”っていう図式になったらいいなと思います。そういう意味では、やっぱり手は抜けない。当時自分が影響を受けた先輩たちに対しても。メイクしてるのがカッコいいとかだけではなく、音楽、その雰囲気やバンドの持つ世界観がカッコ良いんだって、ちゃんと伝えられるアーティストになりたいって思いますね」
(おわり)

文/片貝久美子

Aiji
1995年にロックバンド、PIERROTにギタリストとして加入。2006年の解散後はヴォーカルのmayaとLM.Cを結成。日本だけでなくワールドワイドな活動を行なっている。

LM.C_01

みんなが来る前にスタジオに入り、2、3回は通しリハを行うという。音楽への真摯な態度が窺える

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結成時からアジア圏での活動は視野に入れていたというLM.C。今やその範囲はアジアに止まらず世界だ

LM.C_01

海外ツアーをやる時は、常に日本代表のつもりでやっている――もちろん国内でのライヴも全力投球だ

LM.C_02

ヴィジュアル系は“世界観を大事にしているバンド”、自分はそれをちゃんと伝えられるアーティストになりたいと語るAiji

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<応募期間>
2016年2月19日(PM15:00)から2016年3月18日(AM10:00)まで
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<当選発表>
応募期間終了後、当選者にのみtwitterのダイレクトメッセージでご連絡します
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【LM.Cツアー情報】

-Go to the 10th Anniversary LM.C TOUR 2016-
<GIMMICL☆IMPACT>
4月2日(土)柏PALOOZA
4月9日(土)ESAKA MUSE
4月16日(土)盛岡 the five
4月17日(日)仙台CLUB JUNK BOX
4月23日(土)名古屋Electric Lady Land
4月29日(金・祝)東京キネマ倶楽部
4月30日(土)東京キネマ倶楽部
チケット:3月5日(土)全国一斉発売

-Go to the 10th Anniversary LM.C TOUR 2016-
<WONDERFUL WONDERHOLIC>
6月3日(金)新宿BLAZE
6月5日(日)名古屋Electric Lady Land
6月12日(日)福岡DRUM Be-1
6月14日(火)広島セカンド・クラッチ
6月18日(土)金沢AZ
6月25日(土)KYOTO MUSE
6月26日(日)OSAKA MUSE
チケット:5月14日(土)全国一斉発売

-Go to the 10th Anniversary LM.C TOUR 2016-
<STRONG POP>
8月7日(日)札幌cub garden
8月9日(火)青森Quarter
8月11日(木・祝)仙台MACANA
8月13日(土)水戸LIGHT HOUSE
8月14日(日)HEAVEN’S ROCKさいたま
8月20日(土)名古屋Electric Lady Land
8月21日(日)OSAKA MUSE
8月27日(土)高崎club FLEEZ
8月28日(日)長野CLUB JUNK BOX
チケット:7月16日(土)全国一斉発売

前売り:5,500円/当日:6,000 ※DRINK代別

LM.C「MONROEwalk」
LM.C「MONROEwalk」
【初回限定盤(CD+DVD+スペシャルブックレット)】
3月16日(水)発売/VBZJ-13/4,800円(税別)/CJ Victor

【通常盤(CD only)】
3月16日(水)発売/VBCJ-30005/1,000円(税別)/CJ Victor
※初回プレス分のみ、トレーディングカード封入(全10種/ランダム封入)


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