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――シングルとしては2年ぶり、4thアルバム『NEO PROPAGANDA』からは1年3ヵ月ぶりのリリースになります。

「この1年はイベントがごっそりなくなっちゃって。ゲストでライブに出演する事があっても、映像出演という形をとっていたので、とにかく人前で歌うことがほんとになかったんですね。とても寂しくはあったんですけれども、声優としては、対策をしつつアフレコ収録はずっとやっていましたので、全く仕事がなくなるということはなくて。それでも、いろいろ考える時間が前よりも増えて、自分を振り返る時間になったかなと思います」

――これまでのキャリアを振り返って、どんなことを考えましたか。

「声優としてデビューして、今年で10年になるんですけど、とてもありがたいことに、様々なジャンルの作品に出演させていただくことが出来ました。アーティストとしても8年活動しているので、ずっと滑車を回し続けるように、次々と新しいものに取り掛かるっていう感じだったので、去年、ちょっと立ち止まってみて。2021年で30歳になるということもあって、自分の表現力というか、自分だからこそできるものをより探していきたいなと思うようになりましたね」

――音楽活動についてもポジティブに考えてますか。

「そうですね。4thアルバムを引っ提げたライブツアーを楽しみにしていたんです。ゲネプロまではやったんですけど、本番だけが迎えられなかったので、すごく宙ぶらりんな気持ちになってしまって。来てくれる予定だった同志の皆さんも、すごく寂しいって言っていただいて。音楽活動は交流の場みたいなところでもあったので、それがなくなっちゃうと、同志に会えなくて。寂しい時間が多かったなって思いましたし、その分ライブをやりたいなっていう気持ちが強くなりました」

――このニューシングルからは心機一転、新たなスタートという心境ですか。

「全く新しいというよりは、新しいコマに進むという感じがしますね。でも、今回は表題曲にも私が作詞に参加していますし、より自分を出す歌にしたいなっていう気持ちはありました。アニメのタイアップ曲で作詞をやるとなると、それなりに責任があると思うんですけど、長瀞さんの漫画を読みながら、楽しく書けたなと思いますね」

――では、まず、アニメについて少し聞かせてください。4月から放送中のアニメ「イジらないで、長瀞さん」では主人公の長瀞さんとして出演してます。

「王道のヒロインとはまた違う路線のキャラクターなので、感覚を掴むのが難しくはあったんですけど、オーディションからアフレコの間に原作をよく読んで、もうちょっと等身大の喋り方というか、あまり力を入れすぎない喋り方を練習してみたりして。少し新しい口調をトライしたなと思います」

――長瀞さんってどんな女の子でしょう?

「先輩から見ると、第一印象は最悪だと思うんですけど、独特の人懐っこさがあって。それに、先輩に興味があるから、先輩のことをいじるっていうのがだんだんわかってくるんですね。長瀞さんは、興味がない人はそもそもいじらない。だから、先輩をイジるのは愛情表現なんですよね。ちょっとひねくれてるんですけど、そのひねくれ方が小学生の男の子みたいで可愛いというか。ストレートに好きです、興味がありますって言えない分、めちゃめちゃ絡んでくる。ウザさと可愛らしさと意地悪さのバランスが難しい女の子です(笑)」

――好きだからイジりたくなる気持ちはわかる?

「そうですね。イジるって、相手の反応が見たくてやることだと思うんですね。しかも、ある程度、相手がどういう人かをわかってないとできない。私も基本、人は”さん”付で敬語で話すんですけど、タメ口になると、急に馴れ馴れしくなっちゃうので。こういう気持ちかなって思います」

――上坂さんの中にも先輩をイジってはしゃぐ長瀞さんのようなドSな部分がありますか?

「ラジオや番組などでSっぽいセリフや役どころをやる事があるんですけど、長瀞さんを見ていると、自分はとてもニュートラルな人間なんだなって思いましたね。Mでも、Sでもなくて」

――でも、ラジオ「イジらじ!」では、“インスタもTwitterもお前らのためにやってるんだからな!”っていう、Sデレ発言をしてましたよね(笑)。

「確かに!マイクのスイッチが入ったり、カメラが回ると、ああいう人がやってくるんですよね。普段からやるのは難しいんだと思います。あの人はどこからくるんだろう……」

――あはははは!どこから来てますか、あの隊長的な上坂さんは。

「私のファンの方はなぜか、叱ってくださいとか、罵ってくださいとか、そういうお願いをされることが多くて。中途半端に罵るのは難しい事なので、やるなら徹底的にやらないとっていう、私の頑張りの結果だと思います(笑)」

――では、漫画を読んでいたときは長瀞さんに共感してたわけではないんですね。

「私はどっちかというと、ガモちゃんとか、長瀞フレンズの視点で読んでましたね。長瀞さんと先輩のくっつきそうでくっつかないやりとりを近くで見てるみたいな読み方で楽しんでました。てっきり、そういう人が多いのかなって思ったら、先輩の気持ちになり切る人もいるし、長瀞さんの気持ちで読む人もいるってことを知って、面白いなって思いますね」

――そして、主人公を演じる作品のオープニング主題歌を手掛けることに関してはどう感じてますか。

「得難いことでもありますし、その分、責任重大だなと思ってます。タイトルにキャラの名前が入っている作品は、そのキャラが輝かないと意味がなくなってしまうので、お芝居の方も、曲作りの方も、とにかく長瀞さんの魅力が伝わるようにという思いを込めて制作しました」

――作詞は共作になってます。

「仮の歌詞がついている1コーラス分のデモをいただいたので1番の調整と、2番以降の歌詞は私が書きました。テンションが高いけど可愛い曲で、展開がドラマチックなので、切なさもありつつ、駆け引きもありつつ、いろんな表情が見せられるといいなって」

――どんな点にこだわりましたか。

「難しい漢字を使わずに、シンプルな言葉を使うことで、10代の年頃っぽい雰囲気を出したいなと思って。あとは、押せ押せの姿勢ではあるんですけど、時々、内省的なところが出てきたりする。行ったり来たり、押したり引いたりっていうテンションに波があるラブソングになったんじゃないかと思います」

――イジったり、イジけたり、意地を張ったりしつつ、最後に<ラブは簡単じゃない>と歌ってますね。

「最初から「EASY LOVE」というフレーズはあったんですよ。個人的にはゲームのイージーモードが浮かびますけど、簡単に動いちゃうイージーな気持ちなのか、ちょろいのか、気楽なのか……イージーって意味が広いなって思いつつ、結論がちゃんと出てよかった。ちょっとおしゃれな締めくくりになったなって思います(笑)」

――なるほど(笑)。レコーディングはどんなアプローチで臨みましたか。長瀞さんとして歌ってる?

「長瀞さんは長瀞さんでキャラクターになりきって歌うキャラソンがあるので、自分の曲はキャラとしてではなく、地声で歌ってますね。ただ、とても忙しい曲なので、何かを考えている余裕がそんなになくて、技術的なことを頑張ってやってた記憶がありますね」

――可愛らしさもあるし、強さもあるし、ちょっと不安になるところもあリますよね。

「声優さんっぽい歌い方なのかな。心の動きによって声色を変えて、歌の中でひとつドラマができたらなと思ってました。とにかくすごく物量が多くて、体力的には大変だったんですけれども、表情がいろいろ変わるところが楽しい歌なので、賑やかなオケに合わせて、楽しく歌いました。ただ、掛け声パートが6本あったので、6人分のガヤを自分でとって」

――全部一人でやったんですか! 長瀞フレンズの3人を呼んだのかと思ってました!?

「そうなんです。これが最も大変でしたね!自分一人で6人分やりました(笑)」

――ライブでは同志がコールしそうですね。早くライブで聴きたいです。

「そうですね。ライブやイベントができなかった分、ちょっと私のことを忘れかけてるかもしれないんですけど、これを聴いて思い出してほしいですし、自分で書いた詞は思いれがあるので、私の作詞した曲を聞いてくれるだけで嬉しいです。いつか、来るべきライブではコールをしてくれたら嬉しいし、生活の中で聴いても馴染む曲だと思うので、元気を出したい時に聴いて欲しいなと思います」

――ちなみに、MVはどんな内容になってますか?

「3種類の衣装があってですね。長瀞さんぽい制服と、メイドさんと、ヒッピー風のヒッチハイカーと……」

――制服もあるんですね。

「まさか、まだ制服を着るとは思わなかったんですけど、細いリボンの制服に憧れがあったので、嬉しかったですね。制服の子は活発な女子高生っぽい雰囲気で、バスケをしたり、屋上に行ったり、アクティブに活動してて。3パターンの映像が目まぐるしく入れ替わるイメージですね。撮影は外ロケで、とても天気が良かったので気持ちがよくて。川沿いに行ったり、学校に行ったり、お屋敷に行ったり。いろんなシチュエーションにいけたので楽しかったですね」

――お気に入りのカットはありますか?

「思いの外、バスケができそうな雰囲気になってます(笑)。メイキングで引きで見ると、相当シュールなんですけど、私は球技が苦手なので、なかなか頑張った思い出がありますね」

――メイキングを見るのも楽しみです。カップリングに収録された2曲目「夢みるメイドガール」はメイドさんですよね。これはMVとは……

「関係なくて、本当に偶然なんですよ。一番最後にできた曲なんですけど、2曲が激し目な曲だったので、可愛い曲を入れたいなと思って。王道のアニソンぽいと言いますか、ちょっと懐かしい、2000年代のアニソンっぽい、可愛いデモだったんですね。私はアニメが好きになった頃からずっとメイドという概念が好きだったので、昔ながらの従順で可愛いメイドさんっていう歌が書きたいなと思って作った曲ですね」

――アンドロイドなんですねよね。

「私の中のイメージではメイドはロボットが多いんですね。アンドロイドといえば、スペースコブラのレディ、メイドというと、「東方project」の十六夜桜なんですけど、この場合は、「To Heart」のメイドロボのようなイメージですね。完全に私の趣味ではあるんですけど、アンドロイドで、戦えて、ご主人様を守ってくれるみたいな子がいいなと思って、キャラクターを作りました」

――ご主人様に恋しちゃってますよね。

「そうですね。お話があるようなないような世界なんですけど、ロボットって、スクラップされるけど、前世の記憶も残ってて。いろんな戦闘で使われていたメイドを家庭用に作り替えたんですね。ずっと兵器として戦っていたけど、優しいご主人に出会って、ピュアな気持ちが芽生えたらいいなっていうことで書きました」

――思春期のメイドロボですよね。

「仕事はとても良くできるけど、そういうことが抜け落ちた暮らしをしていたんじゃないかなってことで、ハッピーな雰囲気が出せたらいいなと思ってましたね。これはもう、本当にチャーミングにしたいなってことで、笑顔感を大事にしました。2001年くらいにやっていそうな、懐かしアニメっぽい感じが伝わるといいなと思います」

――もう1曲の「ヒミツのトモダチ?」はハードロックというか、メタルですよね。

「過去に「よっぱらっぴ☆」を書いてくださったMUTEKI DEAD SNAKEさんが書き下ろしてくださったんですけど、キュアコスモとして出演したアニメ「スター☆トゥインクルプリキュア」のエンディングテーマ「教えて...!トゥインクル☆」も書かれてて。それが、めちゃめちゃ可愛い曲だったんですね。だから、幅がすごいなって思ったんですけど、どうやら本職はこっちぽいなって思いました」

――あはははは!歌詞はどう捉えましたか。

「独特ですよね。私には絶対にかけないテンションです。激しくて高圧的なのかなって思ったら、<罪悪感で隠居したくなるよ>とか、<一人アイムソーリー>とか、不思議な言い回しをしたりして。でも、V系ロックのようなノリに載せると、かっこよく聴こえるっていう不思議な感じがあって。歌っていても楽しいですし、一生懸命にカッコよくやってるならではの面白ソングではあるのかなって思いますね」

――ラブソングと言っていいんですよね?

「私はイマジネーションの友達みたいな感じで捉えていましたね。二次元の嫁でもいいですし。自分の願望が詰まった、妄想の存在みたいな。妄想嫁みたいな感じかなと思っています」

――妄想嫁の恋、ロボットメイドとご主人様、思春期の恋と全部ラブソングですよね。

「そうですね。まわりくどいですけど、意外とラブが中心になっている曲が3つ揃っていますね。とても久々のシングルにはなったのですが、とても味の濃い1枚になったなと思います。脈略がなさそうで、実は主従関係っぽいラブと駆け引きという、意外と一貫したテーマがありますし、すごく味わいがいのある1枚になってくれたなと思います」

――理想の恋愛観も入ってますか?

「うーん……この中には無いかもしれませんね(笑)。互いに寛容にやってほしいというか。私はお風呂を溜めている間に寝落ちして、3時間後に追い焚きをするタイプなので、きっと細かい人は私のことを許容していただけないと思うので、お互いにいいところを見るみたいな恋愛というか、対人関係が理想ではありますけど……いい恋愛とはなんでしょうね」

――四六時中いっしょにいたい人もいるし、二次元しか愛せない人もいるし。

「なんだろう。いっしょに気球とか乗りたい。雄大な遊びに憧れますね。レーシングカーに乗るとか。そういう、非日常っぽいのがいいかもしれないですね。一人で気球に乗りに行くのは気が進まないので。「気球に乗ってどこまでも」っていう歌が小学生の歌集に入っていましたけど、歌いながら、全然、気球のイメージがわかなくて。ずっと、乗ってみたかったので、気球とか、パラグライダーとか、潮干狩りとか、世界一周などをするヤツがいいです」

――あはははは!どうして、そこに潮干狩りが入りました?

「絶対に一人じゃやらなそうだから(笑)。きのこ狩りとか、キャンプもいいですね。私は一人だとそういうふうにならないので、アクティブな心の交流があると楽しそうだなと思いますね」

――20代最後の1年はどう過ごしたいですか。

「20代最後でもありますし、30代の始まりでもありますし、声優活動10年目周年でもありますし。平常の年だったら、イベントをガンガンやりすぎて具合が悪くなってたかなって思うくらい、アニバーサリーが多いんですけど、10年、何かを続けるって得難いことだなと思っていて。特に声優という、なかなかなろうと思ってなれるような職業でもないところに突っ走っていって、声優として10年できたことはとてもラッキーなことなので、まずはそれに感謝したいです。それこそ、10年近く応援してくださっている方もいますし、この曲をきっかけに出会う人もいますし、インスタグラムやTwitterとか、SNSを通しても私のまわりには支えてくださるいろんな人がいるっていうことを、去年、特に実感して。フリーランスになっても、変わらずに優しくしてくれる人がとても多いなと思ったので、私も一人前の人になり、もうちょっと尊敬してもらえる人になりたいです。”尊敬している人は誰ですか?”というアンケートに、”上坂さんです”って答える人が3パーセントくらいいる世の中になったらいいなと思います。2000年代生まれの声優さんも増えてきたので、素敵な先輩になりたいし、“すごい声優ベスト30”くらいに入れるといいなと思いますね」

(おわり)

取材・文/永堀アツオ





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