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「濱田めぐみの劇場こそ我が家」by SMART USEN



──「濱田めぐみの劇場こそ我が家」は2015年12月25日にスタート、これまで100名以上のゲストが訪れたそうですね。記念すべき1回目のゲストがミュージカル指揮者の塩田明弘さん、2回目は濱田さんの親友、沼尾みゆきさん。

「塩田さんは私の劇団四季デビュー作『美女と野獣』のときに指揮をしてくださった方です。あえて俳優ではなく、私の原点を知っている方にお願いしました。沼尾さんはとても親しい間柄で、身内から攻めました(笑)」

──多くのゲストを振り返って、いかがですか。

「全員思い出します。それぞれ、こんな話をしたなぁと印象に残っていますね。私としては、ゲストの方々がどういう道のりを経てミュージカルにたどり着いたかという話が一番面白くて。え?それがきっかけ?という話が多いんです。断トツに多いのは、子供の頃に『アニー』を観て、同年代の子が舞台に出ている姿に憧れるケース。もしくはミュージカル映画、『キャッツ』がきっかけの方も多いですね」


──濱田さんの出演ミュージカルで共演した方々が多いですね。

「はい。共演した方が多いですが、共演していなくてもぜひ来ていただきたい方をお呼びしたりもします。私は宝塚ファンだったので、麻実れいさんや鳳蘭さんをゲストにお招きした時は特にガチガチに緊張しましたね。“ターコさん(麻実れい)の退団公演『羽ばたけ黄金の翼よ』をビデオで見ました”とファンそのものの発言!宝塚は夢の世界で聞きたいことがいっぱいあったので、ファン代表として聞きたいことをダイレクトに聞く回になっていましたね(笑)。ツレさん(鳳蘭)とは『ラブ・ネバー・ダイ』で共演。私がクリスティーヌを演じている時の口紅を気遣ってくださり“私があげる”とプレゼントしてくださって、輪郭の書き方までチェックしていただいた思い出があります。他の回もゲストにリスナーの方が聞きたいことを代表して聞くように心がけています」

──濱田さんのようにともに舞台に立っている人が質問すると、俳優さんも本音が出やすいのでは?

「そう、わかるわかる!って共感できるんですよね。意外と俳優仲間って、ゆっくり喋るタイミングがなかったりするんですよ。だからこの番組で約1時間、しっかり対面で喋る機会があると、“実は聞きたかったんだけど”と必ずお互いの話になって話は尽きないですね」

──共演者の方だと、ここでお話ししたことでお芝居が深まることもありますか。

「あります。例えば若い俳優さんに質問されて、“私はこれを重きとして演じているよ”なんて話したりして、そのことで意識してもう一度試し直してみたら良い感じに演じられたことも。また先輩の俳優さんに聞いたことを舞台上で試すこともあります」

──いつも楽しそうに会話していますが、話が尽きないのでは?

「毎回そうです。収録が終わりにさしかかると、皆さん“もう終わり?”って残念そうにしてくれていますね。喋り足りなくて、時間があるときは、“このあと暇?お茶する?”と喫茶店に行ったことも。そこでまた喋り続けます(笑)」

──個性豊かな方ばかりで、話が面白いですからね。

「本当に!皆さんの持っているエピソードがまた強烈で。舞台人って感性が変わっていると思うんです。一つのことにものすごく執着して突き詰める方が多く、一般常識がありながらも自分の常識で生きている方たち。岡幸二郎さんは『ミス・サイゴン』に出演されていた際、実際に現地に行ってキムのような状況だった女性からお話を聞いたそうです。そのエピソードが生々しくて、うわぁと思いましたね。こうしていろんな方々とお会いすると、それぞれの人となりが見えてきて。パブリックイメージとはまた違う真逆の部分や、非常に優しい部分が垣間見える瞬間も。皆さん、キラッとした純粋さが必ずあって、そこを深く掘り下げたりもします。普通に喋っているかと思いきやすごく照れたりして、案外シャイな方なのね!と素の部分が出てくるのが面白い。年配の俳優さんに“いやいや、どうなの?”とツッコむと、“やめろよぉ”って(笑)」


──濱田さん、インタビュアーに向いているかもしれませんね。

「この間、番組収録のときに福田雄一監督から“めぐさん、人に物を教えるのが上手”と言われて、ほんとかな?と思いましたけど。一度、大学とかで教えてみたいですね。あと舞台関係ではない一般の方々に向けて講義をしてみたいです」

──この先、こんな番組にしていきたいという展望はありますか。

「どんな方が聴いても楽しくて、次回を楽しみに待っていただけるような番組にしたいし、長く続いたら嬉しいですね。私自身、生の瞬間を強烈に楽しみながら収録したいです。希望としてはリスナーの方が参加できるような企画ができるといいなぁ。ラジオみたいに“電話します!もしもし”って気軽に電話するのも面白そう。生配信もやってみたいですね」

濱田めぐみ

『レ・ミゼラブル』エポニーヌ役、唯月ふうかをゲストに迎えた「濱田めぐみの劇場こそ我が家」番組収録


──そしてもうすぐ『レ・ミゼラブル』が始まります。2019年に憧れの『レ・ミゼラブル』に出演なさって、いかがでしたか。

「観ている時と演じる時の印象が全く変わらない舞台は初めてでした。作品そのままに直球で作っているんだなと感じました。『レ・ミゼラブル』を大好きな人たちが制作し、出演し、もちろん観客の皆さんも愛に溢れている。本番では舞台袖でキャストもスタッフもみんな見ているんですよ。私も楽屋でメイクしながら、スピーカーから聞こえる歌声に合わせて歌ったりしました」

──全編通して歌で、それも名曲揃いだから頭に入りやすいし、歌いたくなりますよね。ファンの間では“一人レミゼ”という言葉があるくらい、丸々覚えている人も多いはず。そんなミュージカルは本当に珍しいです。

「好きな人は、メロディーの一節を聞くと、これは幕開きのこのシーン!とか、即座にわかりますから。まさにレミおたくの世界です(笑)」

──またキャスティングが秀逸です。若手の登竜門でありながら、濱田さんのようにミュージカル界の第一線で活躍する方や、お笑いなどの異ジャンルの方もいらっしゃって、キャストの方々がバラエティに富んでいて。

「確かに幹が太いですね。もちろんオーディションを受けて決まるのですが、ある意味、何か縁みたいなものがないとカンパニーに入れないというか。私もずーっと出たくて、でも全然タイミングが合わず。もうこのオーディションが最後のチャンスかな?というところで、“一度受けていいですか?”と切り出しました(笑)」

──もともとエポニーヌを演じたかったと聞きましたが。

「舞台芸術学院に通っていた20歳ぐらいの頃はエポニーヌと『ミス・サイゴン』のキムをやりたかったです。劇団四季に入ってからは劇団内の作品にのみ出演して、その流れで15年。そうこうしているうちにエポニーヌもキムも過ぎ去ったなぁ、と。『ミス・サイゴン』ならエレンかなぁ?思ったりしましたが、縁がなかったですね。『レ・ミゼラブル』はちょうど『メリーポピンズ』をやっていたあたりでオーデションのチャンスがあったんですね。その時、受けなかった場合の自分を想像したんです。するとものすごく後悔している姿が思い浮かんで。受けて駄目だったら諦めるしかないけれども、一度でもできる方に賭けてみようと、エイヤ!って受けました」

濱田めぐみ

唯月ふうか出演の「濱田めぐみの劇場こそ我が家」は4月16日(金)から配信中

濱田めぐみ

唯月ふうかと濱田めぐみ


──濱田さんは大役もたくさん演じられて、ずっと第一線で活躍していらっしゃるのに、初心を忘れないというか、ミュージカルに対して純粋な方だなって改めて思います。

「単純にミュージカルが好きだし、ミュージカルに出ていた人は全員、あ、舞台に出てる人だ!って舞台芸術学院の頃の自分に戻ってしまうんです。もともと持っていた思いが全く変わらない。いまだに森公美子さんを見ると、マダム・テナルディエの森クミさん!って思います。この前、ご本人に“私、森クミさんを見ると、客席から観ていた頃を思い出して緊張するんです”と言ったんです。すると、“え?そうだったの?”と」

──ご自身で演じながら、ミュージカルを好きな気持ちは永遠なんですね。

「お稽古でファンテーヌのシーンを終えて、2幕を客席から見てることがあって、バルジャン役の福井晶一くんが隣に座ると、“バルジャンやってる人だよね?”と思わず言ってしまいます(笑)。吉原光夫くんにも“今、バルジャンやってた?”と言って“めぐさん、やめてください”“あ、バルジャンの人が喋った!”って(笑)。常に作品に対する憧れの気持ちがあるんです。多分、ミュージカルを楽しんでワクワクしながら演じている人は、同じようなスタンスなのではないかと思います。自分が世間的にどう見えるかということよりも、ただひたすら真摯に目の前のやらなきゃいけないことに取り組んで、それに充実感を覚えて、また次の作品に向かっていく。自分が観てきたものや憧れていたものは、永遠に変わらないですね。 麻実れいさんや一路真輝さんにお会いした時も、ああ!って思いました。だから違う目線で“濱田さん”と呼ばれると、なぜ私のことを知っているんだろう?ってドキッとするんです。『メタルマクベス』の際に天海祐希さんにお会いした時も“濱田さんですよね?”と声をかけられて、すごく恐縮しました。“私、ユリさん(天海祐希)の『川霧の橋』を観ていました。実家にビデオがあります”と申し上げたら、“そんな古いの !?”と驚かれて」

──演劇体験は一生ものですね。鮮烈に記憶に残るから、今こうして濱田さんがミュージカルに取り組むエネルギーになっているのかもしれないですね。実際にファンテーヌをやってみて、いかがでしたか。

「いろんな意味で難しいなと思ったのが、ファンテーヌ像って世界中、ファンテーヌのことを知っている人の数だけあるんです。強いファンテーヌや弱々しいファンテーヌ、薄幸だったりアグレッシブだったり、全員違う。それはレ・ミゼラブルの登場人物全員に言えることです。もちろんファンテーヌという役には生き様や性格、そこに至るまでの状況、どんな思いで生き抜いてきたかという確たるものがあります。一方、お客さんが持つイメージは星の数ほどあって、正解は観た人の中にしかない。ある意味、その人の好みだったら正解なんです。本当に裾野の広い作品で、キャストの組み合わせによっても全く違う作品になるところも興味深いですね」

──確かに一つの役に3人、4人の俳優が配役されて、どの組み合わせで見ようかと迷うのも楽しいです。

「例えばファンテーヌが死ぬシーンでは、バルジャンとファンテーヌの関係性によってストーリー自体が変わってきます。そしてその次のシーン、バルジャンとジャベールの決闘でも、彼らの関係性やパワーバランスによって物語が変わる。一体何通りの『レ・ミゼラブル』があるのだろう?と思います。キャストが一人変わると関係する登場人物の距離感が変わって、今回はこんなマリウスでコゼットとの恋愛模様が変わります。『レ・ミゼラブル』を好きな人は、そんな見え方の変化、可能性まで楽しめるんですよね。まさに中毒性たっぷり」


──ズバリ、濱田さんがシビれるシーンはどこですか。

「2幕で若者たちが戦うシーンですね。ファンテーヌ役は2幕に入ると割と時間があって、役替わりで市民の女性として革命に参加しています。若者たちが路地裏にバリケードを張って、自由のために戦う。これって史実では触れられないくらい端っこで行われていることなんです。広場で大々的に起きていることではなくて、でもあちこちで起きていたこと。それらがクローズアップされているのも『レ・ミゼラブル』の魅力かと。若者たちが銃弾に倒れていくシーンは、もう、たまらないですね。あの後にバルジャンが出てきてマリウスを救い、地下道を通って逃げていくわけですが。あのくだりは本当にリアルです。若者たちは実にあっけなく散り、テナルディエが亡くなった人の金歯や持ち物を漁る。社会の縮図を見るかのようです」

──市民の女性を演じる濱田さんも見逃せませんね。

「誰よりも張り切っています(笑)。だから本気で止められるんですよ。私の場合、本気で止めないと誰かの銃を奪って打つんじゃないかぐらいの勢いですからね。私と一緒に市民を演じるアンサンブルの人たちは、いつも“今日は濱めぐだから、張り切って止めるぞ!”と言っています」

──『レ・ミゼラブル』はさまざまなテーマを内包した作品です。何が一番心に刺さるところですか。

「前作の『アリージャンス』は、自分が信じているものに向かって自分を差し出せるか?がテーマの一つでした。その経験は鮮烈でとても考えさせられるものがあり、私の中で大きなきっかけになった気がします。自分は何を一番大切にしているのか、それを自分は守れるか、いざ問われたら自分の信念をはっきり提示できるか。『レ・ミゼラブル』での革命は、そのことを問われる最たるものですね。私自身、曖昧にふんわりと生きられた時代はもう終わったなと感じますし、いざ結論を迫られたらはっきりと言える自分でありたいです」

──今回の『レ・ミゼラブル』で楽しみにしていることは?

「あの世界観の中にいられるだけで幸せです。共演者の方たちと会えるのはもっと幸せ!作品が好きなので、その中で生きる、リアリティーのあるファンテーヌを目指したいです。本当に心が引き裂かれそうな、生身で必死にもがきながら生きている女性だと思うので。前回も一生懸命、そこに辿り着こうともがきましたけど、より深められるようにしたいです。『レ・ミゼラブル』は演出が細かく、その時々のテーマや方向性、演出家の意向もあり、少しずつ変化を持たせているんですね。今回も所々で、細かいブラッシュアップがなされています。そういうところを利用しながら、持ち味を上手く出していけたら」

──キャストが変わったり作品が変化したりで、いつまでも新鮮に演じられそうですね。

「今、作戦を練っている最中です(笑)」

(おわり)

取材・文/三浦真紀
写真/柴田ひろあき





■SMART USEN「濱田めぐみの劇場こそ我が家」
4月16日(金)配信 ゲスト/唯月ふうか(エポニーヌ)
4月30日(金)配信 ゲスト/熊谷彩春(コゼット)
5月14日(金)配信 ゲスト/内藤大希(マリウス)
5月28日(金)配信 ゲスト/二宮 愛(ファンテーヌ)

濱田めぐみ

ファンテーヌ=濱田めぐみがレ・ミゼラブルCASTを迎えてお届けする「濱田めぐみの劇場こそ我が家~『レ・ミゼラブル』SPACIAL」!





■ミュージカル『レ・ミゼラブル』
プレビュー公演/2021年5月21日(金)~5月24日(木)@帝国劇場
帝劇公演/2021年5月25日(金)~7月26日(月)@帝国劇場
福岡公演/2021年8月4日(水)~8月28日(土)@博多座
大阪公演/2021年9月6日(月)~9月16日(木)@フェスティバルホール
松本公演/2021年9月28日(火)~10月4日(月)@まつもと市民芸術館

クリエイティブ:作/アラン・ブーブリル&クロード=ミッシェル・シェーンベルク 原作/ヴィクトル・ユゴー 作詞/ハーバート・クレッツマー、オリジナル・プロダクション製作/キャメロン・マッキントッシュ 演出/ローレンス・コナー、ジェームズ・パウエル 翻訳/酒井洋子 訳詞/岩谷時子 製作/東宝

キャスト:ジャン・バルジャン/福井晶一、吉原光夫、佐藤隆紀 ジャベール/川口竜也、上原理生、伊礼彼方 ファンテーヌ/知念里奈、濱田めぐみ、二宮愛、和音美桜 エポニーヌ/唯月ふうか、屋比久知奈、生田絵梨花 マリウス/内藤大希、三浦宏規、竹内將人 コゼット/熊谷彩春、加藤梨里香、敷村珠夕 テナルディエ/駒田一、橋本じゅん、斎藤司、六角精児 マダム・テナルディエ/森公美子、谷口ゆうな、樹里咲穂 アンジョルラス/相葉裕樹、小野田龍之介、木内健人 他



「濱田めぐみの劇場こそ我が家」by SMART USEN



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