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IK Multimedia iRig2&Amplitube
エレクトリックギターは金属の弦の振動を電磁力によって電気信号に変換し、その信号=音色をエフェクターやアンプの回路で調整し、そしてアンプ回路で増幅、スピーカーから音を出すという楽器だ。しかしこのシステム、結構な場所を取る上にスピーカーから出る音は家族や近所からは騒音扱いされることもあるし、よい機材を揃えるにはお金もかかり、ビンテージ機材ともなれば入手も難しい。
そこで開発されたのがアンプシミュレーターだ。エフェクターやアンプを通した音をデジタルに再現し、自由な音量やヘッドホンでそれを聴きながら演奏したり録音したりできる。エフェクターやアンプは基本的なものからビンテージの名器と呼ばれるものまで、様々な機種をモデリング(実機をモデルにしてその音を再現)したものを搭載。形態としては足元に置ける弁当箱サイズのものもあれば、PCアプリとして提供されるものもある。
そして今回紹介するのはその分野の定番スマホアプリ、「Amplitube」。いちばん小さくて手軽なギターシステムだ。アンプシミュレーターの他にレコーディング機能、バッキングをしてくれたりする「Loop Drummer」などの機能も搭載されており、トレーニング環境としての充実度も光る。
[/section] [section heading="スマートフォンとギターをiRigで接続"]Amplitubeには無料版もあり、スマホ側にはまずそちらを用意すればだいじょうぶ。ただしスマートフォンとギターを接続してアンプシミュレーターで加工した音をヘッドホンから聴くためには、その接続のためのインターフェース(アダプター)が必要で、それがiRigシリーズというわけだ。
エントリーモデルのiRig2は、スマートフォンのヘッドホン端子に備わっているマイク回線を利用してギターからスマホに信号を送出し、そしてAmplitubeで処理した音をヘッドホンやイヤホンに送り出してくれる。ギターケーブルを挿すための端子は一般的な6.35mm端子、ヘッドホン出力端子はおなじみ3.5mm端子だ。
スマホの標準機能を活用するので本体は価格もサイズもお手軽だし電源もいらない。背面にはスロットとそこに通すマジックテープバンドが用意されており、例えばギターストラップに装着するといった使い方も可能だ。
[/section] [section heading="Fuzz FaceやDeluxe Reverbなどの名機をモデリング"]無料版のAmplitubeは、アンプやエフェクターの種類が最小限なので、動作確認できたら、アプリ内課金でエフェクターやアンプを買い集めていくのがおすすめだ。実在する名機や定番のモデリングも実に豊富にラインナップされている。
その中から今回はFuzz Faceモデルのエフェクター「Fuzz Age」と定番アンプ「Fender Deluxe Reverb」を購入。ギターはビンテージ仕様のストラトキャスターという組み合わせで試してみた。
Fuzz Ageだが、元のFuzz Faceが個体差の大きなエフェクターなので、再現といっても何が正解かというのは難しい。AmplitubeのFuzz Ageはブワッと広がるブーミーな音色で、ゲルマニウムトランジスター期のFuzz Faceの中でも暴れる音色の個体のイメージだ。「曖昧さ」、「飽和感」といったいかにもなFuzz Face“らしさ”という印象なので、まさにそれがほしいという方にはぴったりだろう。音色変化の再現性を高めたシリコン期のモデリングも用意してくれるとなお嬉しい。アプリなのでアップデートでの改善やモデル追加なども期待しておきたい。
「Deluxe Reverb」は特に、ブリッジピックアップと合わせた際の、いわゆる「ガラスが割れるような」サウンドの“らしさ”を堪能できる。こちらも多くの方がデラリバと聞いてイメージするサウンドのはずだ。そのジャギッっとしたエッジ感で、例えばカッティングのキレを引き出してくれる。
[/section] [section heading"厳格な再現にこだわらず“らしさ”を楽しませてくれる"]今回試したどちらのモデリングにも言えることだが、原型機を単純に忠実に再現するだけではなく、ギタリストの多くがそのモデルに抱くであろうイメージ、その“らしさ”を強めに打ち出している印象を受ける。似顔絵や物真似ではその人の特徴を少し誇張するくらいで丁度よいというが、このアプリのモデリングもそこを押さえてあるのだ。通好みにしすぎないこの明快さがAmplitubeの持ち味と言えるだろう。
iRig 2+Amplitubeという組み合わせは、はシリアスすぎず楽しさ重視の「超パーソナルにして超豪華設備のギタースタジオ」だ。
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