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2016年10月13日(木)午後8時すぎ、アメリカのシンガー・ソングライター、ボブ・ディラン(75)がノーベル文学賞を受賞した。ミュージシャンとしては初となる快挙で、スウェーデンのストックホルムにある選考委員会はその理由を「アメリカ伝統音楽にのせて新しい詩の表現を創造した」と発表した。ボブ・ディランは50年以上に及ぶ長いキャリアの中でロックの殿堂入り、グラミー賞、ゴールデングローブ賞、アカデミー賞(主題歌賞)、フランスの芸術文化勲章、スウェーデンのポーラー音楽賞など数々の賞を受賞。2008年には音楽や文学、報道などに贈られるピューリッツァー賞(特別賞)を受賞、2012年にはオバマ米大統領から文民最高位の大統領自由勲章を授与されている。ノーベル文学賞の授賞式は12月10日、ストックホルムで行われる。
受賞の一報とともに、各CDショップではボブ・ディラン特設コーナーが設けられ、本日10月14日(金)は午前中の段階でトータル2万枚以上のバック・オーダーが殺到。特にベスト盤が軒並み品切れて、急遽増産体制に入っている。CDのバック・オーダーはベスト盤とともに、ボックス・セットや、2014年にリリースした43タイトルの紙ジャケット仕様の全オリジナル・アルバムを含めて満遍なく来ており、チャート状況としてはAMAZONのベストセラー・ランキングでベスト盤が3位まで上昇、iTunes総合チャートではTOP200圏外から、8タイトルがランク・イン、iTunesロック・チャートでは13タイトルがランク・インした。その中でベスト盤が5位まで上昇、前日比121倍のダウンロード数となっている。
ボブ・ディランの日本の担当レーベルであるソニー・ミュージックジャパンインターナショナルでは「ボブ・ディランの素晴らしい作品を、まだ知らない人々や若い世代に知ってもらう絶好の機会と考えており、次世代へボブ・ディランのレガシー(遺産)を受け継いでいくために、今後大きなキャンペーンを企画したい」と発表。ボブ・ディランの最新プロダクツとしては、11月23日に“フォークからロックへの転換期”1966年の全盛期のライブを収録した36枚組のボックス・セット『ライヴ1966』と2枚組『リアル・ロイヤル・アルバート・ホール』が発売となる。
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また、10月16日(日)には、ボブ・ディラン生誕75周年記念イベント「ルーム・ディラン」~ソニーミュージック公式ボブ・ディラン ファンミーティング~ソニックアカデミーフェスが開催され、萩原健太氏と東京ボブディラン氏によるトークセッションと、東京ボブディランのライブも行なわれる。
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また、今回のボブ・ディランのノーベル文学賞受賞に際し、下記のコメントが発表されている
■スウェーデン・アカデミーのサラ・ダニウス事務局長
「彼(ボブ・ディラン)は英語文学における素晴らしい詩人であり、伝道者なのです。とても独創的な伝道者です。54年にわたって伝統を体現してきました。それを邁進し、絶え間なく自分自身を再発明してきました。ボブ・ディランは、耳で楽しむための詩を書きます。しかし、それは目で読んでも完璧なのです。これは彼の目覚ましい韻の構成力と絵画的思考力を示す、並はずれた証拠です。歴史を遠くさかのぼると、ホメーロスやサッポーの存在が思い浮かびます。彼らが書いた詩は、聴かれ、演奏され、楽器と共に奏でられるべきものであって、これはボブ・ディランの詩も同じことです。我々は現在もホメーロスやサッポーの詩を読み、楽しんでいます。ボブ・ディランも同様です。よく読まれているだけでなく、読まれるべき存在なのです。彼は歴史ある英語文化における、偉大な詩人です。私も、彼の音楽に以前より感謝するようになりました。今ではすっかり、ボブ・ディラン愛好家です」
■ブルース・スプリングスティーン
「ボブ・ディランは俺の国の父だ。『追憶のハイウェイ61』や『ブリンギング・イット・オール・バック・ホーム』は素晴らしいアルバムだっただけでなく、俺が物心ついて初めて、自分が暮らしていた場所の真実を見せてもらった出来事だったのだ。そこには闇も光もみな存在し、幻想や偽りのヴェールは脇へと引き裂かれていた。彼は人を無能にしてしまう礼儀正しさや、堕落と腐敗を覆い隠してしまう日々のルーティンに足を踏み入れたのだ。彼が描写した世界はすべて俺が小さな町で目の当たりにしていたものだった。そしてそれはテレビを通じて俺たちの隔離された家庭に映し出されていたものの、コメントされることはなく、静かに認められていったのだ。彼は俺にインスピレーションを与え、俺に希望を与えてくれた。彼は他の誰もが、特に15歳の少年にとって、怖すぎて質問できない質問を投げかけてきた。“自分独りでいるのは…どんな気がする?”世代間に劇的なギャップが生まれ、突如歴史の流れの真っ只中で孤立したような、捨てられたような気分になった。方位磁針は回りっぱなし。心がホームレスになったのだ。ボブは真北を指し示し、アメリカが姿を変えた新しい荒野の中、自分の道を突き進む手助けとして導いてくれた。彼は旗を立て、曲を書き、その時代に欠かせない歌詞を歌った。当時の数多くの若きアメリカ人たちの心と魂を生き永らえさせるために。ボブがケネディ・センター名誉賞を受賞したとき、彼のために“時代は変る”を歌う機会があった。俺たちはほんの少しの間、ふたりきりで裏口の吹き抜けの階段を下りていた。彼は俺が来たことに礼を言うと“もし君のために何かできることがあれば…”と言ってくれたのだ。俺は“冗談だろう?”と思い、こう答えた。“もうとっくにしてくれているじゃないか”」
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・ボブ・ディランとブルース・スプリングスティーンの2ショット
Bruce @springsteen: "Bob Dylan is the father of my country." Read the full excerpt from 'Born To Run' https://t.co/Pka3Zlr4Jr> pic.twitter.com/JGvpGzYjbY
— Legacy Recordings (@SonyLegacyRecs) 2016年10月13日
■菅野ヘッケル
(元ボブ・ディラン担当で1978年の初来日公演をライブ・レコーディングしライブ盤『武道館』を制作、ディランの自伝など翻訳も数多く行なったディラン研究の第一人者)
「フォーク、ブルース、ロックなど米英に流れる伝統を受け継ぎ、未知の世界を切り開き、社会を刺激し、人の心に響くことばを吐き出すディランは、今もクールな詩人であり続ける。“自分で歌いたい歌がなかったので自分でつくることにした”と語ったディランは、歌手であることに重点を置き、毎年百回近くのコンサートを世界中で行なっている。だれもディランのように歌えない。同時代に生きるわれわれは幸せだ」
■みうらじゅん(イラストレーター)
「“あなたのやったようなことをやった人がそれほどいない”と、憧れのウッディ・ガスリーに捧げた歌詞がそのまま今のあなたになりました。当時、難解と言われた歌詞もこの受賞によって全ての謎が解けることでしょう。今なお、現役でしかも新譜を歌い世界を回っておられるディラン、“あなたがやったようなことをやった人はそれほどいない”どころか、確実にいない。フォーエバーヤングに祝福を!」
ボブ・ディランは現地時間10月14日(金)にカリフォルニア州インディオで開催される、ロック・レジェンドが集結するメガ・フェス「デザート・トリップ」にローリング・ストーンズとともに出演する。
<ボブ・ディランのオフィシャルサイトはこちら>
レーベルサイト(日本語)
オフィシャルサイト(英語)