4月からの連続リリース『R&B 3部作』を引っ提げ、初のツアー『REIKO 1st One-man Tour “Love you deeper”』を6月からスタートさせたREIKO。そのツアーの最終公演が7月3日(木)に品川ステラボールで開催された。会場には、ツアーグッズのボルドー色のタオルとTシャツを身に着けたRAZE(REIKOのファンネーム)が、いまかいまかとREIKOの登場を待ち望んでいる。
ステージにベージュのジャケットとパンツでキメたREIKOが登場すると、会場中から大きな歓声が上がり、すでに会場はあたたかな雰囲気に。1曲目の「Take It Back」をファンキーに歌い上げていくREIKOと、その姿に歓声を上げながらクラッブで盛り上がるRAZEとのコミュニケーションは、初めてのツアーとは思えないほどの一体感だ。続いてバンドの生演奏に気持ちよく身体を動かしながら、楽しそうに歌い、妖艶なサウンドに身を任せながらも、自信に満ちた表情で「No More」を歌う姿は、この場を心の底から楽しんでいることが伝わってくる。
「歌える人は歌ってください!」とREIKOが言って始まった「BUTTERFLY」では、ピンクの光に包まれながら、“love you”のコール&レスポンスが会場中に響き渡っていく。その声の中を嬉しそうに、泳ぐように踊りながら歌うREIKOもとても印象的だ。気持ちが溢れるように「NICEだよ! もう一回行くよ!」と煽り、一緒に歌い上げる会場の雰囲気はとても心地よく、ピースフルな空気に包まれていく。

「REIKOワンマンツアー、追加公演へようこそ!」と大きな声で叫び、深々とお辞儀をした後に披露したのがDreams Come Trueの名曲「決戦は金曜日」。ファンキーにアレンジしたこの曲を、圧倒的な表現力で楽しく歌う姿を見ていると、彼の歌に対する愛がひしひしと伝わってくる。
REIKOはMCで、「僕からの愛は届いていますか?」と問いかけると、フロアからは大きな声があがり、安堵の表情を浮かべた。さらに、「僕にとって愛は与えることだと思っています。見返りを求めないことこそ、愛と言いますが、それはすごく難しい事だと思っていて。だから、与えることが愛だと思っています。でも求めちゃう自分や、見返りが足りなくて寂しくなっちゃう、そんな自分も肯定してあげようと思って書いた楽曲を聴いてください」と話し、「君のせい」を披露。グッと曲の世界観に引き込んだ後、流れてきたのは聴き馴染みのあるピアノのイントロ。あたたかいオレンジの光に包まれながら「366日」をしっとりと歌い上げ、そのままの空気感をまとったまま、マイクスタンドを優しく持ちながら「イタズラ」を熱唱。芯の強い歌声が、会場をしっかりと包み込んだ。
ライブは、初の単独全国ツアーだからこそ、ルーツを大事にしようという気持ちが溢れたセットリスト。BMSGのオーディションドキュメンタリー番組『MISSIONx2』で披露した「Fantasy」や、ずっと大好きだった清水翔太の「花束のかわりにメロディーを」、そしてその清水翔太から楽曲提供を受けた「First Christmas」、彼の音楽の大きなルーツとなった久保田利伸の「LA LA LA LOVE SONG」に「流星のサドル」などを立て続けに披露。彼の音楽に対してのリスペクトをひしひしと感じるセットリストに、REIKOは少しはにかみながら「エモくないですか!?と嬉しそうに伝えていた。
さらに、REIKOは、「もう1曲、大事な曲をやらせてください!」と言い「Shining One」も披露。彼が現事務所であるBMSGと出会ったきっかけとなった『THE FIRST』の最終審査で課題曲として使われていた始まりのこの曲を、心の底から楽しそうに、嬉しそうに歌い上げていく。当時とはまた違った心情で、最高の笑顔で人差し指を立てながら歌う様子を、クラップをしながら一緒に盛り上げるRAZEは嬉しそうに見つめ、身体を揺らす。その双方の姿は、どちらも美しく輝いていた。
後半戦では、連続リリース『R&B 3部作』の最終章として配信された「LOVE DEEPER」をパフォーマンス。力強いバンドサウンドのなかでセクシーに、気持ちよさそうに踊りながら<君だけにあげたい僕の時間を>と歌い届ける瞬間は、相思相愛のこの会場にいるRAZEと彼の愛を確かめ合うような時間となった。
最後の曲を残したMCの場で、「僕は音楽を通して、作ることを通してどんどん自分の事を愛せるようになってきました。僕が音楽で救われたように、いつか僕の音楽を聴いて良かったと思えるような日が、これからたくさんあってほしいなと強く願っています」と真っ直ぐに想いを届け、客席、バンドメンバー、そして舞台袖にいるスタッフに深くお辞儀をすると、こらえきれなかった涙がぽろぽろと溢れ出したREIKO。まるで子供が泣くように顔をくしゃりと歪め、絞るような声で「僕の声を信じて、こんなに素敵な時間を…設けてくれてありがとうございます」と伝えたかと思うと、いきなりステージに飾ってある“RK”のロゴを指差し、「ロゴ、新しくできたの! 光るんだよ!」と無邪気に説明。その姿にRAZEは笑顔になり、優しい空気が流れていく。REIKOは様々な感情の中を行ったり来たりしながら、「最後はこの曲でしめくくりましょう!」と言い、「So Good」を歌い始める。みんなのクラップに乗せて、ポジティブなメッセージを届け、お互いの愛を確かめ合ったピースフルなラストだった。

アンコールは、ツアーTに着替え、「Take It Back」をみんなと一緒に歌い、最後は何度も何度も「ありがとう!」と気持ちを伝え、ステージを去っていった。
圧倒的な表現力、歌唱力がありながらも、謙虚に、そして誠実に歌を届けようとするREIKO。彼の歌、そして声は、きっとこれからさらに多くの人達の心を癒やし、楽しませていくのだろうと確信できたライブだった。
(おわり)
取材・文/吉田可奈
写真/Ray Otabe(Instagram / X)
==SET LIST==
1. Take It Back
2. No More
3. BUTTERFLY
4. 決戦は金曜日
5. 君のせい
6. 366日
7. イタズラ
8. Fantasy
9. 花束のかわりにメロディーを
10. First Christmas
11. メドレー(Tokyo Night Dreaming/OVER DRIVE/Girilfriend/ICE/Brave Generation/One More Day)
12. Shining One
13. LA LA LA LOVE SONG
14. 流星のサドル
15. LOVE DEEPER
16. Neverland
17. So Good
ENCORE
Take It Back
┗2025年7月3日(木)@品川ステラボール