クリエイター・ハルハとシンガー・ヨナべによる音楽ユニット、harhaが10月4日(日)に自身初となる東阪ツアー「ON YOUR MARKS!」の東京公演をSpotify O-EASTにて開催した。
10月30日(Fri)に開催される初の単独大阪公演を控えた中、さらなるボルテージを高めるためオフィシャルライブレポートが届いた。
COUNTDOWN JAPAN 26/27への出演も決定したharha。初のワンマンツアーがスタートした内容をオフィシャルスチールと共に楽しんでいただきたい。

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オフィシャルライブレポート

 「ミライサイライ」「オトナタイコウ」「キボウカクメイ」――これまでharhaがワンマンライブに冠してきたタイトルは、いずれも彼らの精神性を象徴するような四字熟語だった。しかし今回、彼らが掲げたツアータイトルは「ON YOUR MARKS!」。これまでの殻を破り、新たなスタートラインに立つ決意。その刷新が意味するものを、本公演を目撃したすべてのオーディエンスの胸に深く刻み込まれたことだろう。

舞台は、Spotify O-EAST。harha one man live tour「ON YOUR MARKS!」東京公演の模様をレポートする。

青い光に包まれる中、まずはバンドメンバーがステージに姿を現す。ピアノの旋律に電子音が溶け込むとハルハが合流し、照明がいっそうカラフルに瞬く中でヨナベが登場した。
ヨナベの「harhaです!よろしくお願いします!」「東京、準備はいいか!熱い夜にしようぜ!」という威勢の良いシャウトから、オープニングナンバー「Forever Never Forever」へとなだれ込む。
前回のワンマンライブ『キボウカクメイ』で新曲として初披露されたこの曲は、リリースから半年を経て数々のフェスやイベントで磨き上げられ、確固たるライブアンセムへと成長していた。オレンジ色に染まったフロアではサビで一斉に拳が突き上がり、間奏では力強いクラップが鳴り響く。一曲目にして、ステージと客席はすでに完全な一体感を築き上げていた。

暗転したステージで、ヨナベがそっとギターを背負う。彼女がギターを手にしてステージに立つのはこれが初めてのことであり、スポットライトに浮かび上がったその真新しい姿に、客席からどよめきが起こった。

彼女の弾き語りから幕を開けた「アンコモンセンス」は、この日のセットリストの中でもひときわ強いロックテイストを放つ楽曲だ。爽快なギターロックの枠にとどまらず、骨太なリズム隊と緻密に構築された上モノが交錯し、強靭なバンドサウンドを見せつけた。その熱量のまま、アウトロのギターリフから途切れることなく「おはよう人類」へと接続する。
「元気ですか?いっぱい歌ってもらおうと思ってるんだけど、準備はできてるのかな?」
そんなヨナベの煽りに応え、サビの「Say Hello 人類」のフレーズでは息の合ったコールアンドレスポンスが決まる。ポップな照明演出も相まって、フロアは温かな多幸感で満たされた。「よくできました!」と笑いかける彼女の表情からは、オーディエンスへの確かな信頼が窺える。

「新曲聴きたいか、やるぜ!」と告げると、翌日リリースを控えたフルアルバム『FUTURE NATURE TEENAGER』から「劇場版で会いましょう」を投下。疾走感の中に切ない哀愁を帯びたイントロから、Aメロの図太いベースラインへと展開すると、観客はすぐさまグルーヴに身を委ね、初見であるはずの楽曲に自然と手拍子を重ねていく。キャッチーなサビのメロディとラウドな展開が共存するこの曲は、harhaの音楽的な幅広さを証明するとともに、今後のライブにおける新たなキラーチューンになることを予感させた。

力強いドラムのビートが会場の期待を煽る中、ここでハルハがこの日初めて口を開き、挨拶代わりに「ラブハイプマン」を繰り出す。「2階席も声出せますか!」という言葉からは、最前列から最後方まで会場全体を熱狂の渦に巻き込むという気概が滲み出ており、数々のステージを乗り越えてきた彼らのたくましい成長を実感させられた。
新アルバムからの先行配信曲「TEEN LOVE」へと突入すると、フロアから再び歓喜の声が上がる。リリース直後にもかかわらずイントロでどよめきが起き、サビで会場中が手を掲げる光景は、リスナーが常にharhaの新たなアプローチを渇望している証左だろう。軽やかに駆け抜けた前半戦から見事なグラデーションでミドルテンポへと移行し、オーディエンスも自然と心地よいペースに合わせていく。この時点で、彼らは会場の空気を完全に掌握していた。

中盤は、より深い音楽世界へと誘うセクションへ。

雨音のSEから始まる情緒的なシティポップ調の「GOODLUCKSTORY」、ヨナベがアコースティックギターを手に静と動のコントラストを鮮明に描き出す「ステレオタイプライター」と続く。そして、ド直球のバラード「えくぼ」では、シンプルな構成ゆえにボーカルとトラックの「骨格」の太さが浮き彫りとなる。曲の終盤では、「GOODLUCKSTORY」から落ちたまま続いていた舞台照明のトラスが上がり、一筋の白い照明が神々しい空間を演出するという目新しい演出が組み込まれていた。観客はゆっくりと体を揺らし、その音に没入する。テンポを落とした楽曲群だからこそ、ヨナベの繊細な歌唱力と豊かな表現力がいっそうの輝きを放っていた。

続く「ボクラノ」を基盤としたSessionでは、前回クラブミュージックの要素を前面に押し出したRemixバージョンで披露されたが、今回は肉体的なバンドサウンドで再構築してみせた。このようにジャンルの壁を軽々と飛び越え、「音楽性の土台」を自在に行き来するアプローチこそが現在のharhaの真骨頂である。
曲中でオートチューンを駆使するヨナベのボーカルと、ハルハの鋭いラップが交錯してフロアを沸かせ、2番ではヨナベも呼応するように巧みなフロウを披露。サビで巻き起こるジャンプは、ダンスフロアのそれではなく、完全にロックバンドの熱を帯びていた。「僕らはレーザー」という歌詞にリンクするように、鋭い水色のLEDレーザーが空間を切り裂き、会場を幻想的な世界へと染め上げる。ドロップからラストサビに向けて、会場の熱気はひたすらに高まっていった。
その熱狂のまま、エレクトロニックな要素を纏った「choose 1」へ。ダンスフロアさながらの興奮が持続し、サビのダイナミックなビートがフロアを大きくうねらせる。
ラストサビ前の「ON YOUR MARKS! よろしくお願いします!」という叫びを合図に、ライブは怒涛の後半戦へと突入。
オーディエンスのシンガロングが巻き起こり、この日一番の歓声と一体感を生み出した「争奪最前線」「マスカレード」を畳み掛ける。中でも驚かされたのは、ダンサブルに原曲のビートアレンジを施したSEからスタートした「人生オーバー」だ。曲中のコールアンドレスポンスでは遊び心を交えつつ、観客一人ひとりと丁寧に対話するような姿勢が印象的であった。
「最後までブチ上がってけー!」
続いて強烈な煽りとともに放たれたのは、屈指のライブアンセム「草縁」。BPMの速さと最後の怒涛のツービートで駆け抜けたこの曲で、会場のボルテージは限界突破の盛り上がりを見せる。熱気がピークに達したタイミングで披露されたのが「ハイホーホー」だ。新アルバムに「live edition」として再録されることからもわかる通り、現場でのオーディエンスとのコミュニケーションを何よりも大切にしている楽曲のスタンスが、そのパフォーマンスからダイレクトに伝わってきた。
本編最後のMCでは、「僕たちがワンマンでこうやってみんなに会えるのも、イベントとかフェスに出させてもらえるのもぜんぶみんなのおかげ。いつもありがとう!」と真っ直ぐな感謝を伝える。「またすぐ会いましょう!」とharhaの明るい未来を約束する言葉に続いてラストに演奏されたのは、今夏にリリースされ、フェスやイベントで“新たな名刺代わり”として定着した「夏の雷鳴」だった。爽快でスケール感のあるサウンドは、どんなステージでも鳴り響く彼らの巨大なポテンシャルを証明しており、“現在進行形のharha”を象徴するリード曲として、そのメロディを力強く会場の隅々まで響かせた。

この日のライブを通して最も強く印象に残ったのは、harhaが「楽曲のエネルギーを身体的に伝えるための筋力」を、ステージを重ねるごとに着実に増強しているという事実だ。
客席からの手拍子、声援、そしてジャンプがかつてないほどの熱量を帯びていたのは、彼ら自身が楽曲の持つパワーを最大限に増幅させる術を、ライブハウスという現場で泥臭く試行錯誤してきた成果に他ならない。同時に、キャパシティが拡大していく中で、音楽を通じて歩みを共にしてきたファンたちの「楽曲への想い」が深く、大きくなっていることの証拠でもあるだろう。
今回のステージでは、メンバー全員がフラットに横並びとなり、これまで恒例だったLEDパネルなどの視覚的な演出も排除されていた。それは、純粋な音楽の力だけで勝負できるというアーティストとしての揺るぎない自信と、自らの楽曲に対する絶対的な信頼があったからこそ成立するストロングスタイルだ。エレクトロニックからロックまでを内包するユニットという枠を超え、強靭な「ライブバンド」へと進化していくharhaの確かな覚悟が、そこには刻まれていた。

【Credit】
All photo byタチバナシン
ライター:ユースケ・ワタナベ(Yusuke・Watanabe)

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