──この10月でharhaの活動がスタートしてから丸4年になります。待望の1st digital FULL ALBUMが完成した感想から聞かせてください。
ハルハ「“やっと出るな”という気持ちが一番大きいです。EP『未来再来』の時にも、アルバムの話は挙がっていたんですけど、“今じゃない”というのがあって。タイミングとして“もう少し先で”というのがようやく訪れた感じです。ヨナベさんは、どう?」
ヨナベ「私はハルハくんが作ってくれた曲を、“あ、今回はこういう曲なのか”と歌っていたら、“あ、アルバムが出来た”みたいな感じです」
ハルハ「あははは。他人事みたいに」
──(笑)。
──初のデジタルフルアルバムは、これまでデジタルリリースしてきた32曲の中から選ばれた14曲と新曲4曲で構成されています。
ハルハ「そうですね。第一に“僕たちの自己紹介”というのが大きな核になっています。ある意味、harhaの集大成的な意味合いで楽曲は選ばせていただきました」
ヨナベ「アルバムに収録する曲や曲順もハルハくんに完全に任せていて…何ならアルバムが出来てから知りました。だから、ハルハくんがどういう気持ちで曲を選んだのかは直接聞いていなかったんですよ」
──そうだったんですね!? では、改めて聞かせてください。ハルハさんはどういう気持ちで選びましたか? 今、“第一に”とありましたが、“第二”もありますか?
ハルハ「一番は、“自己紹介”ですが、もう1つ、サブテーマ的なものがあって。僕自身が何を思って、どう生きてきたのかな?ということを改めて考える時間があったんです。振り返ると、harhaの始まりは、“クリエイターズマッチングプロジェクト”で、そこから僕が動き出して、ヨナベさんと出会って、どんどん大きな輪になっていきました。そういうことを実感し続けている中で、“コミュニティ”という言葉がすごく残っていて…だから、アルバムの1曲目「Community_mp4」がもう1つのテーマにはなっています」
──アルバムのオープニングを飾るインストナンバーです。“自己紹介”をした上での“コミュニティ”がアルバムのテーマになっているんですね。
ハルハ「はい。harhaの音楽を聴いてくれているファンの人や、その先にいる誰か…その人の人生にharhaが加わることによって、より豊かなものになってほしいという願いがあります。それが“コミュニティ”という言葉に繋がっています。誰かに影響を与えることによって…特に、harhaの楽曲を聴くことによって、新たな繋がりや新しい夢ができて、そのコミュニティの輪がどんどん連鎖的に広がって、そこで新たな出会いが生まれて人生が動いていく。そうなることを僕は期待しています。harhaもある意味、偶発的な出会いのようなもので大きくなっていった感じがしていて。それがアルバムのジャケット写真にも出ています。いわゆるコミュニティの円みたいな、循環していくようなものをもう1つのテーマとして決めたタイミングがありました」
──2年前にインタビューした時は、harhaがこんなにライブアーティストになるとは想像していなかったのですけど、ワンマンライブでお客さんと一体になって楽しんでる景色をを見ると、ハルハさんの言葉がすごくしっくりきますね。
ヨナベ「本当ですよね。この10月でharhaを始めてから4年になりますが、実際に深く記憶に残っているのは、やっぱりライブを始めて、お客さんの顔を見始めてからなんです。“私たちの曲を聴いてくれている人たちが本当にいるんだ”とか…“音楽を今、やっている”という実感はそこからだったので。“harhaが繋ぐ人との縁や輪”というのはすごく合っていると思います」
──では、最初にあった“自己紹介”という意味で、アルバムに収録されている曲の中から象徴的な曲をそれぞれ挙げるとするとどの曲になりますか?
ヨナベ「私は「夏の雷鳴」です。歌っていて一番楽しいです」
ハルハ「今のharhaだよね」
ヨナベ「うん。自分たちが一番ノってる感じがする」
──25th配信シングルとして今年の7月にリリースした、アルバムの中では直近の曲ですね。
ハルハ「もともとは、“青春ソングが欲しいね”という、ふわっとした始まりの曲でした。僕はどんな曲を作るときでも“とにかくポップスにしていきたい”と考えていました。でも1年くらい前にその考えを改めて、もう1回学び直した時期があって…去年の年末ちょっと前くらいかな? アレンジャーの江口亮さんと初めてお会いして、今まで僕がやろうとしてきたことを後押ししてくれる会話やコミュニケーションが取れたタイミングがあったんです」
──江口さんは「夏の雷鳴」をアレンジされていますね。
ハルハ「ポップスとはどういう形になっていて、どういう取り組みがなされてるのか。レコーディングの楽器録りも含めて、江口さんがアレンジしていく過程、その一つ一つで腑に落ちる瞬間がすごくありました。しかも、元々バンド経験がなくて、DTMが主体でサウンドを作っていた僕の構築の仕方に、江口さんが持っているバンドのノウハウや楽器に関してのアプローチの仕方がいい感じにマッチして。「夏の雷鳴」もそうですし、「Forever Never Forever」も「TEEN LOVE」も全部、僕がやりたいことを全てやりきれましたし、しっかり話し合いを踏まえながら進められたので、自信作だと思っています」
──そんなハルハさんが“自己紹介”と思っている曲は?
ハルハ「やっぱり「アルテルテ」ですね」
ヨナベ「へー。ふ〜ん」
ハルハ「え? 意外?」
ヨナベ「「あやつなぎ」と言うかなと思っていました。ハルハくんのパーソナル的なとこも含めて作った曲は他にいろいろあって…でも、確かに「アルテルテ」はアルバムの最後の曲になってる! どうしてですか?」
──(笑)。どうしてですか?
ハルハ「あははは。アルバムの最後にしたのも理由があるんですけど、「アルテルテ」が持っている楽曲の温度感や伝えている内容はまさにharhaだと思っていて。辛いことも大変なこともあるけど、それでも愛してくれる人がいて…一緒に近くにいてくれる人がいて、その中で和気あいあいと暮らしていこうね、みたいな。そこが何よりもharhaだと思っているんです。僕がずっと言っている“近所のお姉ちゃん”感です」
──ずっと言っていますね。 ヨナベさんに“近所のお姉ちゃんのような存在になってほしい”って。
ハルハ「ヨナベさんはライブを経て、だんだんと“近所のお姉ちゃん”みたいになってきました。だから、「アルテルテ」は本当にharhaと密接に繋がっていて…“どこまで行ってもこの気持ちだよね”って。最終的にここに落ち着くと僕はもう満足です。だから、アルバムの最後に置きたかったというのもあります。しかもこの曲、すごい初期の曲ですし」
──2022年9月にリリースした3枚目の配信シングルです。
ハルハ「デモのナンバーとしても“6”なので、それを踏まえて根源的というか…とても芯に近いところから出来た曲です。サウンドもそうですし、音色も全部含めて、“これこそ harhaだ”と自信を持って出せる1曲だと思っています」
──ライブではみんなで大合唱する曲になりました。
ヨナベ「『harha 1st ONE MAN LIVE「ミライサイライ」』(2025年3月)でもやったんですけど、「アルテルテ」を歌った時に、みんなが手を上げて、左右に振ってくれたんですよ。人生で、人が私に向けてそんなことをしてくれることってあまりないじゃないですか(笑)。「アルテルテ」が最初にみんなからワイパーをもらった曲だったので、あれでなんとかライブを乗り切れた感じがあって。“ライブを頑張ろう”と思える、“あれを見れるなら”という曲ではあります」
ハルハ「“みんな、僕たちを見に来てるんだ”って感じるよね」
ヨナベ「そう。“好きでいてくれてるんだな”というのが一番伝わった瞬間だった気がします」
──アルバムに収録されている新曲の制作はどう考えてましたか? インストの「Community_mp4」以外に3曲ありますが、これがそれぞれ、アルバムタイトルの“FUTURE、”NATURE“、”TEENAGER“に呼応しているのでしょうか?
ハルハ「そうではないです。強いて言うならリード曲「TEEN LOVE」は、harhaの代表的な曲をもう1曲…このアルバムを象徴する曲になればいいと思っていたくらいです」
──どんなところから生まれた曲ですか?
ハルハ「最初は“愛を歌おう”みたいなテーマがあったんですよ…どうしてかは忘れてしまったんですけど。あったよね?」
ヨナベ「え? 私?」
ハルハ「“愛がわからない”みたいなくだりを話していなかったっけ?…アー写撮影の帰りに、車の中で」
ヨナベ「あー! 話した話した。え、そこから作ってくれたの?」
ハルハ「愛を考えるきっかけにはなってる」
ヨナベ「へー。みんなで車で帰る時、すごい渋滞にはまったんです。話すことも話し切って、もう愛についてぐらいしか話すことがなくて…」
ハルハ「あははは。最後の議題」
ヨナベ「みんなの色々な愛とか、誰かを大切に想う気持ちを聞いた時に、私の理解が追いつかなくて…私はまだ損得で考えてしまうところがあって。“どうして自分を少し犠牲にしてまで人を大切にできるんだ?”みたいな。結局、結論は出なかった気がするんですけど、まさかのそれがきっかけだったとは」
ハルハ「そこから、“じゃあ僕にとって愛って何だろう?”と考えて。その時はヨナベさんに…何を話したっけ?」
ヨナベ「なんだか深いこと言っていたよ。忘れちゃったけど(笑)。あ、“当たり前”って言ってた」
ハルハ「そうだ、そうだ。あと、確か、“自分と相手とか、他者の関係が曖昧になっていくことが愛だね”という話をしていて。相手の考えや思っていることが、まるで自分が思っていることのように感じたり、その人の不幸も幸福も等しく自分も感じているようになってしまう状態。“どうしてそう思ってしまうんだろう?”と思いながらも、そう思ってしまう。そんなところが愛だと思っていて。“損だな”と分かりつつも想ってしまう…みたいな」
ヨナベ「うん。すごいことだよ」
ハルハ「何故かそうなってしまうところが僕は愛だと思いました。それをきっかけに、愛に対して概念として、harhaがどう捉えているのか?を歌った曲になっています。2サビ終わった後のDメロが僕の中の結論でした」
──“ハルハにとって愛とは?”という問いの結論は、<恋とは歌詞が埋まっていくことで/愛とはそれすら億劫になって/ただ鼻歌う僕を眺める君がいることで>なんですね。
ハルハ「この曲に至るまでに20曲くらいがいなくなっていて(苦笑)、愛を歌おうとすると、薄まるんですよ。いわゆる“愛してる”とか、そういう言葉もそうですけど、いろんな表現をこねくり回したとしても、何かこう、象っているだけみたいなものになって。結局、“愛って言葉にできない、日常の中に潜んでいるものだよね”というのがあって。終始、そこにあって気づけないもので、ずっとそこにただいるだけのものみたいなのが、僕にとっては“愛だな”と思って。それで結局、“歌詞では愛は書けない…でも、恋は歌詞で書ける”と思いました。それを僕の結論として落とし込めました」
──恋ではなく、愛を題材にした曲にどうして“ティーン”というタイトルをつけたのでしょうか?
ハルハ「愛ってティーンだと思うんです」
ヨナベ「あはははは」
ハルハ「大人になって考える愛も、結局はティーンの時に思っていることだと僕は思うんです。おじいちゃんおばあちゃんが老後になって思うことって“一緒にいれたらいい”じゃないですか? それって10代の頃にも思っていることで…“帰り道、一緒に帰れたらいい”みたいな。結局、何歳になっても感じている愛の形みたいなものって一緒だと思って。20代を超えて以降、色々と複雑な形にもなっていくと思うんですけど、根源的なものは全部そこだと僕は思っているので。故にティーンが似合うと思います」
──“ティーン”について話してもらいましたが、ここでアルバムタイトル『FUTURE NATURE TEENAGER』に込めた想いを聞いてもいいですか?
ハルハ「harhaにおいて大事なキーワードを並べたタイトルになるんですけど、このタイトル自体はかなり前からあって」
ヨナベ「あったね。ハルハ君から聞いたことがある」
ハルハ「僕のメモ帳のキーワード集にずっとあって、少なくとも 2年以上前、『未来再来』より前にはあった言葉です。そこから、『未来再来』も来ているとも思うんですけど、“FUTURE”がそのまま“未来”、“TEENAGER”もそのまま“10代”という意味で、“NATURE”は“自然体”、“当たり前”、みたいな」
──“NATURE”は“自然”というよりは、“当たり前”、“そのままで”という意味が込められているんですね。新曲「劇場版で会いましょう」では<僕は僕のまま行くんだ、変わらず>という決意が込められていて、もう1曲の新曲「海蛇」では<僕は僕のままいられるかなな>という自問自答が描かれていますね。
ハルハ「アルバムなので、起承転結、喜怒哀楽のようなパラメーターは広く辿っていきたかので、「劇場版」も「海蛇」も今までのharhaでは出せなかった想いの形の1だと思います。今ある“ネガをポジに変える”ところから、もう少しネガにシフトした楽曲があってもいいと思って。「劇場版」も「海蛇」もこのタイミングだからこそアルバムに入れられると思って制作しました。harhaが始まった当時、スタッフさんが“ハルハ君ってとてもピュアだよね”とずっと言っていたんですよ…」
ヨナベ「うん、言ってた」
ハルハ「そこからもう4年の月日が経ったんですけど、僕がやれることはそのまま僕でいることと言うか…素直であり続けることが重要なんだと思って。ここに来るまで、より多くの人と関わらせていただくようになりました。でも、僕にできることってそんなにないんですよ。本当にいろんな方の力が組み合わさって、harhaは積み上がっているので、結局、僕にできることは、根本の素直でいることとか、自分に嘘をつかないことしかないです。今、僕にできることを 100%やりきった先にヨナベさんがいて、さらに別のクリエイターさんがいて、スタッフさんがいます。それぞれがそれぞれのやれることを掛け合わせた結果、今の位置があると思った時に、今の自分ができることって、僕は僕のままでいることだよなって。最近ずっと思っていることがそのまま歌詞になっています」
──どの曲が“自然体”で、どの曲が“未来”で、どの曲が“青春”で、と言うことでもなく?
ハルハ「どちらかと言えば全部…harhaは、どの楽曲においても3本の柱のようにこの3つから世界が広がっている気がしています。考え方や描きたい方向、思想のあり方も全部、根源的にはこの3つの言葉があって始まっていると思いますし、改めてアルバムのタイトルとして提示することによって、harhaチームとしても、改めて“harhaっていうことが大事だよね”とか、“結局こうだよね”ということを看板として背負えるのはすごくいいことだと思っています。アルバムタイトルに“今、ここしかねえ”というタイミングで入れられました」
ヨナベ「この語感はすごくハルハ君節だと思います。あと、さっきハルハ君が“最近、僕は僕のままでって思っている”と言っていましたけど、本当にずっとそういうことを言っている印象です。今を肯定する曲がとても多いですし、ハルハ君が敢えて曲に込めようと思わなくても、最終的には曲としてこの3つがまとまっていくんだと感じているので、今のharhaらしいタイトルになったと思っています」

──harhaの4年間の集大成となるアルバムが完成して、今、“未来”はどう考えていますか?
ハルハ「“未来”を冠しているんだけどな…」
ヨナベ「私はあります。“未来”と言うか、やりたいこと。この前の『ジャイガ(OSAKA GIGANTIC MUSIC FESTIVAL 2026)』のオープニングアクトに出させてもらった時に、おおきにアリーナ舞洲で初めてライブをさせてもらって、“アリーナでライブをするのがめっちゃ楽しい!”と思ったんです。なので今は“早くアリーナへ!”という未来を見ています。ライブは苦手な方だったんですけど、アリーナだったらいくらでも!」
ハルハ「逆に? そうなんだ!」
ヨナベ「ライブハウスでやるのも楽しいですけど、アリーナにしかないものがあると知ってしまったので。今はもう早くharhaでアリーナツアーが出来るくらい大きくなりたいという未来が見えました」

──ハルハさんは結成当初から、グリーンアリーナ広島でのワンマンライブを目標に掲げていましたね。ヨナベさんも同じ未来を見るようになりました。
ハルハ「そう考えると嬉しいです。もちろん僕はその夢をずっと描き続けていますけど、そこに向かうまでの道中を考えています。僕としては、とにかくポップスに向き合い続けていきたいです。そこは変わらずに言い続けていますけど、“じゃあ、harhaが提示できるポップスは何なのか?”を改めて考えるようになっていて。今までは漠然とポップスというものを外側から見つめ直していたんですけど、そうではなくて、harhaの内側から、“ポップスってどうやって辿り着けるんだろう?”というのを考えるタイミングになっています。 結局は曲を作り続けるという話なんですけど」
──いい曲を作り続けるしかないですね。
ハルハ「本当にいい曲は語り継がれると思っているので、そんな曲を作り続けるというところが大きいです。さっき言ったように、僕は僕のままで作詞作曲をするのが一番の役割で、目指すべきところだと思います。それをやり続けるんでしょうね。あと、広島でライブをしたいです。グリーンアリーナに関わらず」
──地元ですからね。ライブハウスで言うと、クアトロとか?
ハルハ「上野学園ホールとか、広島文化学園HBGホールとか。あと、今度、広島に新しいアリーナができるんですよ。広島駅直結のアリーナで、完成が4年後とか…」
──だったら、こけら落としシリーズに!
ハルハ「ワンチャンありますよね? グリーンアリーナもそうですけど、29か30歳までに行きたいと思っています。29歳が4年後で、30歳がharhaの 10周年。29歳で行きたい理由は、僕が初めてRADWIMPS さんをグリーンアリーナで見た時の洋次郎さんの年が29歳だったから」
ヨナベ「あと4年か〜」
ハルハ「まだ別に焦るとかはないですけど、具体的な目標で言うと、そこを目指してもっと頑張っていきたいと思っています」
ヨナベ「頑張りましょう!」
ハルハ「ついてきてくれるんですね。嬉しい。頑張ります!」
(おわり)
取材・文/永堀アツオ
写真/Art Director:Maki Miyazaki
Photographer:Akari Hasegawa
Stylist : Minoru Sugahara
Hairmake:Narumi Inoshita
RELEASE INFORMATION
LIVE INFORMATION

one man live tour 「ON YOUR MARKS!」
2026年10月4日(日) 東京都 Spotify O-EAST
2026年10月30日(金) 大阪府 Yogibo META VALLEY

harha one man live『ON YOUR MARKS! DEADHEAT!!』
2027年3月6日(土) 東京都 LIQUIDROOM
2027年3月7日(日) 東京都 LIQUIDROOM

