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2021.03.03

都会の一角で「非都市型ショップ」の趣を楽しめるリノベーション店舗──ヴェルメイユ パー イエナ 青山店

都会にありながらも、「非都市感」を感じる古民家をリノベーションしたショップ、ヴェルメイユ パー イエナ 青山店。青山の一等地にありながらも、一歩そこに入ると、どこか懐かしくもあり、時間が止まったような、ここでしか味わえない不思議な時間の流れを感じる。 今回は、ショップの立ち上げの経緯や立地、一軒家リノベショップとしての優位性などについて話を聞いた。

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南青山の奥地、さまざまなメゾンブランドのショップがひしめく一角に、2階建ての古民家をリノベーションしたショップが2019年12月にオープンした。

ベイクルーズが2017年に立ち上げたレディスブランド「VERMEIL par iéna(ヴェルメイユ パー イエナ)」の旗艦店だ。

「最初に内覧に行った時は、どなたかのご実家に伺ったような感じでした(笑)」と語るのは、ディレクターの小林信恵さん。

「1階はキッチン、バス、トイレ、2階には和室が二部屋あって、完全に民家でしたね」と当時を振り返る。

建物の基礎部分はほとんど変えていないという青山店。

「もともとの柱も残してまして、それを活かしながら商品のレイアウトをしています」。

ブランドへの想いは、この青山店に表現されていると小林さん。

「皆さまが楽しんでいただける場というのがコンセプトで、レジカウンターをバーカウンター型にしており、このコロナ前まではお客様が商品を選んでいたり、お会計を待っている時などに、ワインを提供してくつろいでいただいてました」。

ただの売り場としての店舗ではなく、楽しめるスペースとして活用する、まさにブティックの良さを存分に出したお店である。

「オリジナルロゴの絨毯や壁紙などを制作したり、元の玄関のドアを2階のストックルームのドアに付け替えたり、遊び心をふんだんに取り入れたお店なんです」。

ヴェルメイユ パー イエナは、長年イエナを見てきた執行役員である海老沼 愛さんが中心となり、小林さんを含めたメンバーで立ち上げた、イエナから派生した大人の女性に向けたブランド。

ブランド名のヴェルメイユという言葉は、フランス語で銀に金箔を塗るという意味で、アクセサリーではバーメイルという表記でもお馴染み。

小林さんは「私たちが歳を重ねても素敵に輝いていたいという想いを込めてブランド名にしました。一方で、くすみを帯びた赤という意味もありますので、ブランドのコンセプトカラーを赤にしています」と語る。

ビンテージ物もミックスしている商品展開について、「”良い物を厳選する”というコンセプトも掲げていたので、メゾンブランドのバッグやアクセサリーなど古き良きものも取り入れました」とのこと。

21年春夏のテーマは「BE A LADY」。

「”女性らしく”という事もそうなのですが、”自分の好きな物を好きなように着ていこう”という部分が根底にあります」。

それは、このコロナ禍になって、ワンピースやスカート、ブラウスなど、オンオフでいうとオンの洋服を着こなすシーンが少なくなり、ヴェルメイユの商材とマッチしなくなってしまったと小林さん。

「カジュアルなアイテムも取り扱っていたのですが、それは例えばエレガントなスカートとのコーディネートで売れていたんですね。でも、20年秋冬時に、やはりヴェルメイユだから、オフィスに着ていける綺麗なワンピースやスカート、華やかなブラウスは”絶対必要だよね”という思いから、ブランドの原点の部分を残したところ、好評を得たんです。それでお客様がそこに期待値を持たれている事を再確認できましたし、今のマインドに合ったコーディネートで提案していく方向にシフトしたのが今シーズンなんです」とテーマについて続けた。

「女性って、お休みの日は美容院しかり、エステサロンしかり、ネイルサロンしかり、自身のメンテナンスをされる方が多いんですよね。立地的にその分野との繋がりが強い土地なので、予想以上に定期的に来店される方が多かったと感じています」と、この約2年間を振り返る。

現在は青山のお店での顧客作りが大きな課題だそう。

「洋服だけではなく、文化的な面で、例えば、体験型のイベントなど洋服以外で私たちの世代が興味がある事を足がかりに、お客様とコミュニケーションを取れたらいいと考えいます。現状、残念ながら集客するイベントの開催は難しい状況ですので、別注企画のオーダー会だったり、商品に特化したポップアップが中心になっています。売り上げを意識したものだけではなく、基本的にはお客様に何かを提供していく場所にしたいと考えています」と語る。

SNSなどのインターネットを利用したデジタルのプロモーションについては、「インスタライブで”AROMATIQUE C A S U C A(アロマティック カスカ)”のクリエイティブディレクターにご協力いただき、対談や彼女のお買い物風景、お薦めアイテムのご紹介をインスタライブで撮ってIGTVにアップしたり、メーカーさんのニットの取り扱いについての対談をやったり。皆さまの力をお借りしながら、今後も引き続きコラボレーションしていきたいです」と小林さん。

さらに、「現在、ブランドによってはズームなどのオンライン接客に力を入れている段階なんです。ヴェルメイユでもフォロワーから名物スタッフのSNSへDMが増えている状況ですので、現在、それを明確化させてブランドとしてお客様とオンラインでパーソナルにコンタクト出来る仕組みを具体化させようと動いています」と続ける。

パーソナルなコンシェルジュ機能が、今後のデジタル分野における施策となりそうだ。

ECについては、他のブランドと同じく売り上げをカバーする重要な役割を果たしているとの事。

「ただ、ECと店舗の相関図がすごく密だと感じていて、サイト上で無くなった物を店舗に問い合わせして来店されるお客様が実はとても多いんです。ですから、ウェブでの反響商材が店舗への誘導戦略になっている状況で、お客様へ伝えるツールのひとつになっています」と、ECと店舗が持ちつ持たれつの関係だと語った。

店舗でのウェブへの誘導は、スタッフがQRコードを発行するシステムを採用している。

「もちろん、スタッフ本人のインスタなどのフォロワーに繋がってくるので、そこも取り組みを強化していますが、スタッフが店舗にいるという点において、そこでお買い上げいただいて、笑顔で帰っていただくのが第一だと思っています」と、店舗の価値に重きを置いている点を話す。

「古い物と新しい物のミックスという点においては、店舗のリノベーションという部分にも繋がっていると、私たちも思っている次第です。こじんまりとした空間と、痒いところに手が届くようなベテランスタッフによる接客だったり、ここではそんな特別な時間を楽しんでいただきたいと思っています」と、青山店の良さについて説いた。

古民家をリノベーションしたヴェルメイユ パー イエナ青山店。社会的にも少し閉塞感を感じてしまう昨今だが、ゆったりとした時間の流れや、遊び心を感じるお店の雰囲気がどこか心に余裕を作ってくれる。そんなちょっとした非日常的エンターテインメントを楽しめる場所なのかもしれない。

ヴェルメイユ パー イエナ 青山店

住所:東京都港区南青山5-4-47 1・2F
電話番号:03-6419-9086
営業時間:11:00-19:00
定休日不定休



こじんまりとした店内には自然光がたっぷりと注がれる。

民家時代の柱やスペースが活用されている1階部分。

レジカウンターがバーカウンター型になっており、レジ待ちや商品選びの際にはワインも提供していたという。

フィッティングルームには、オリジナルのロゴを使用した壁紙が。

2階への階段は、古民家時代のままだそう。

2階フロアに敷かれている絨毯も、オリジナルロゴを使用して作ったもの。

こちらが元は玄関に使用されていたドア。現在は2階のストックルームのドアとなっている。

「最初は、どなたかのご実家に伺ったような感じでした(笑)」というディレクターの小林信恵さん。

(おわり)

写真/遠藤純
取材・文/久保雅裕、カネコヒデシ



久保雅裕(くぼ まさひろ)
(encoremodeコントリビューティングエディター)

ウェブサイト「Journal Cubocci(ジュルナル・クボッチ)」編集長。杉野服飾大学特任教授。繊研新聞社在籍時にフリーペーパー「senken h(センケン アッシュ)」を創刊。同誌編集長、パリ支局長などを歴任し、現在はフリージャーナリスト。コンサルティング、マーケティングも手掛ける。2019年、encoremodeコントリビューティングエディターに就任。

カネコヒデシ
メディアディレクター、エディター&ライター、ジャーナリスト、DJ。編集プロダクション「BonVoyage」主宰。WEBマガジン「TYO magazine」編集長&発行人。ニッポンのいい音楽を紹介するプロジェクト「Japanese Soul」主宰。そのほか、紙&ネットをふくめるさまざまな媒体での編集やライター、音楽を中心とするイベント企画、アパレルブランドのコンサルタント&アドバイザー、モノづくり、ラジオ番組製作&司会、イベントなどの司会、選曲、クラブやバー、カフェなどでのDJなどなど、活動は多岐にわたる。さまざまなメディアを使用した楽しいモノゴトを提案中。バーチャルとリアル、あらゆるメディアを縦横無尽に掛けめぐる仕掛人。





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