mod_201125_top_5903m

encoremode
2020.11.25

デミルクス ビームス 新宿が発信する、手書きメッセージで繋がったコミュニケーションの輪

新宿駅に直結するルミネ1にあるデミルクス ビームス 新宿で、購入客に渡していたスタッフひとりひとりによる手書きの感謝のメッセージが、いま予想以上の大きな反響を呼んでいる。メッセージを受け取った客が、SNSなどのインターネット上でお礼やこのメッセージを評価するコメントを投稿し、さらに自筆の励ましの手紙が送られてくるなど、意外な反応があったという。 今回は、この手書きのお礼メッセージという取り組みを始めたきっかけ、そしてその反響などを中心に、ビームス 第1事業本部BEAMS2部 スーパーバイザーの北西利江さんと、デミルクス ビームス 新宿のショップマネージャー 本多美由貴さんの二人に話を聞いた。

<PR>
「ジュルナルクボッチのファッショントークサロン」by SMART USEN



デミルクス ビームス 新宿があるルミネ1は、コロナウイルスによる感染拡大防止のため、2020年4月8日より営業自粛を余儀なくされたが、緊急事態宣言の解除を受け、2020年6月3日より営業を再開した。

北西さんによれば、店舗再開の当初は、新宿駅界隈も閑散とし、来店者数も通常の5割まで減少していたという。

「店舗スタッフも限られた人員で運営をしていた事もあり、そういう状態で販売スタッフのモチベーションを保ちつつ、さらにお客様を迎えるという事に対して、かなりストレスを感じていた状況だったと思います」と、6月の再開当時の状況を振り返る。

緊急事態宣言が解除され、店舗が再開したとはいえ、ウイルスの感染リスク自体が無くなった訳ではないので、不安が募る一方だった最中だ。

北西さんは、今まで経験した事のない状況での接客という所で、「どの様に運営すべきか」の部分を店舗の役職者間でミーティングを繰り返したという。

そして、先に営業を再開していた店舗の声も聞きながら、デミルクス ビームス 新宿として来店客に「何ができるのか」をスタッフとともに考えた時、「スタッフから”この状況下で新宿という土地にわざわざ足を運んで、ご来店いただいたお客様に感謝の気持ちを示したい”という意見が出たんです。それで一筆書きのカードに、お客様への感謝の気持ちを手書きで伝えるという取り組みを始める事になりました」と語る。

本多さんも「最初は、お花を渡すとか、洋服を入れる不織布でマスクが作れるようにマスクの型紙を作って渡すという意見もありましたが、現実的な点を考慮してメッセージカードになったんです。スタッフからはお声掛けもなかなか出来ない状況でしたし、せめて感謝の気持ちだけでもお持ち帰りいただけるようにという思いで始めました」と、この取り組みが始まった経緯について話す。

北西さんは「この7月から状況を鑑みながら、一つ一つ丁寧に書いてお客様に渡し始めたのですが、そうしたらお客様の方から心温まる嬉しいお手紙をお送りいただいたり、直接店頭でのお声やSNSの方にもコメントを沢山いただいたんです。この大変な状況で仕事をしているスタッフも”頑張ろう”という気持ちになってくれましたし、モチベーションの向上に繋がりました」と、期せずして生まれた反響と反応について、最初は驚いたそうだ。

ちなみに、メッセージの文言は役職者が考えているという。「最初は7月でしたので”穏やかな日が過ごせるように”みたいな言葉でしたが、秋になったら”秋を楽しんでください”みたいな言葉にしたり、季節に応じて文言を定期的に変えるようにしています」との事。

メッセージカードへの記入は、日中の空いている時間と、次の日に足りなくなりそうな場合は閉店後にスタッフみんなで書いて、溜めているという。

また、本多さんによると、現状の来店者数に関しては、10月で昨年の7割くらいまでは戻って来てきているそうだ。

「時間帯によってはバタバタするような状況があったりとか、日常まではいきませんが、少しずつお戻りいただけていると思います」。

現在、この取り組みは、ショップの名刺のスペースに手書きでメッセージを書いたり、お店によって違った形で進める他の店舗も増えているそう。しかし、店舗のカラーなどもあるので、その辺りのジャッジは店舗次第という事の様だ。

今回の反響を受けて、「再開後に、わざわざスタッフに会いに来てくれた方もいらっしゃったんですね。人間としての関わりをこのお店を接点として持てたというお声もいただきました。この状況下ではみなさんがお家にいる事になってしまい、人との関わりが薄くなってしまったのかもしれません。会社としてはそういう時代でもあるので様々な部分でのデジタル化はもちろん加速させないといけないのですが、結局、その他の人間味の部分をどうするのか。今回、あらためて私たちが接客をやっている意味を再認識できました」と北西さんは言う。

EC(電子商取引)がリアルなショップの売り上げを超え、SNSやインターネットの発達でちょっとした会話や連絡もメールやメッセンジャーアプリが中心という、リアルよりもバーチャル、アナログよりもデジタルが主流となってしまっている世の中。

今回の手書きメッセージというアナログな取り組みによる反響は、コロナウイルスの影響ももちろんゼロではないが、そういったインターネットの影響で人と人のリアルな繋がりが薄れていく中で、リアルが恋しい世代に響いたと言っても過言ではないだろう。

人と人との接点の場としてのリアル店舗。ショッピングにおけるコミュニケーションのあり方を再度考えるいい機会となったのかもしれない。

デミルクス ビームス 新宿

住所:東京都新宿区西新宿1-1-5 ルミネ新宿1 2F
TEL. 03-5339-9070
※新型コロナウィルス感染拡大防止のため、営業時間を短縮しております。
営業時間:11:00-20:30(平日)/11:00-20:00(土日祝)
定休日:不定休



空いている時間を利用して、スタッフで協力し合いながらメッセージを書いている。

デミルクス ビームス 新宿 ショップマネージャーの本多美由貴さん

今期のおススメアイテムを紹介する本多さん。

ショップ店内。

ショップ店内。

今回の手書きメッセージの取り組みについてお話いただいた北西利江さん(左)と本多美由貴さん(右)。

スタッフからの手書きメッセージを受け取った購入者からの手紙。

ビームス 第1事業本部BEAMS2部 スーパーバイザー 北西利江さん

ショップ店内

購入者からの手紙を嬉しそうに読む二人

(おわり)

写真/遠藤純
取材・文/久保雅裕、カネコヒデシ



久保雅裕(くぼ まさひろ)
(encoremodeコントリビューティングエディター)

ウェブサイト「Journal Cubocci(ジュルナル・クボッチ)」編集長。杉野服飾大学特任教授。繊研新聞社在籍時にフリーペーパー「senken h(センケン アッシュ)」を創刊。同誌編集長、パリ支局長などを歴任し、現在はフリージャーナリスト。コンサルティング、マーケティングも手掛ける。2019年、encoremodeコントリビューティングエディターに就任。

カネコヒデシ
メディアディレクター、エディター&ライター、ジャーナリスト、DJ。編集プロダクション「BonVoyage」主宰。WEBマガジン「TYO magazine」編集長&発行人。ニッポンのいい音楽を紹介するプロジェクト「Japanese Soul」主宰。そのほか、紙&ネットをふくめるさまざまな媒体での編集やライター、音楽を中心とするイベント企画、アパレルブランドのコンサルタント&アドバイザー、モノづくり、ラジオ番組製作&司会、イベントなどの司会、選曲、クラブやバー、カフェなどでのDJなどなど、活動は多岐にわたる。さまざまなメディアを使用した楽しいモノゴトを提案中。バーチャルとリアル、あらゆるメディアを縦横無尽に掛けめぐる仕掛人。





「ジュルナルクボッチのファッショントークサロン」by SMART USEN





アプリのダウンロードはこちらから

Get it on Google Play
Get it on Google Play