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「ジュルナルクボッチのファッショントークサロン」by SMART USEN



新型コロナウイルスが広がる中、開かれたセカンドセッションのトレードショーだったが、やはりその影響は免れなかった。ミラノコレクションの最終日が中止となった状況で、市中に広まる危険性も考慮し、「アニエスベー」や「A.P.C」のショー、「LVMHプライズ」のカクテルパーティーなどが中止となったが、各トレードショーは予定通り開催された。

さてグラフと表は上2点が主要3展の推移、下2点が新展リアセンブルドショーを加えた推移となる。





トラノイは、通常通りパレ・ド・ラ・ブルスとカルーゼル・デュ・ルーブルの2会場で開かれたが、特にカルーゼルは、ホールの一部を使用していなかったり、中央通路をディスプレイエリアにするなど、縮小感は否めなかった。出展者数は281ブランドで、前年同期比25.5%減、3年前と比べると38.2%減とおおよそ6掛けとなった。服飾雑貨にアパレルも加える形が定着してきたプルミエールクラスは、チュイルリー公園のテント会場に428ブランドが出展。3年前と比べると31.1%減と大幅減だが、前年同期比では1.8%減と下げ止まり感が出てきた。ウーマンは、引き続きヴァンドーム広場の1会場で開き88ブランドが出展、3年前と比べると2.2%減だが、前年同期比では3.5%増となった。3展全体の出展者数は総計797ブランドで、前年同期比11.2%減、3年前と比べると31.6%減と7掛けの出展者数になった。

そんな中、ニューヨークに拠点を置き、中規模トレードショーの「ブランドアセンブリショー」やシェアオフィスなどプラットフォームビジネスを手掛けるブランドアセンブリが小規模のトレードショーとしてリアセンブルドショーを初めてパリで開催することとなった。場所はメンズの「WELCOME EDITION(ウェルカムエディション)」と同じ、ゴンクールとベルビルの間の会場だ。出展者数は39ブランドと小振りで米国のブランドを中心にややナチュラル感のあるビンテージテーストのブランドが多かった。このリアセンブルドショーを加えても、3年前と比べての総出展者数が836ブランドで、前年同期比6.9%減、3年前と比べると28.3%減とやはりほぼ7掛けという状況には変わりない。

さて出展者数の漸減傾向は前述の通りだったのだが、新型肺炎の影響で、「中国をはじめ韓国などアジア勢、米国、イスラエルなどの来場が大幅に減った」との声が多く聞かれた。やはり昨今のアジア頼みの受注が大きく減退したのは痛手となったと考えられる。また急速に感染者が増えたイタリアからの来場も厳しかったのだが、さらにイタリアからの航空便のキャンセルの影響で来仏できない出展者やサンプルが届かないトラブルも起こった。ミラノからクルマで荷物と共に持ち込んだ出展者もいるなど、混乱が見られた。

昨年の3月には「フランス国内や欧米は減っているが、アジアは多い」という声も多く、新興国の来場に期待していたセカンドセッションだったが、頼みの綱のアジア勢が削がれたのは痛かったといえる。さらに今回の新型肺炎による消費マインドの低迷と先行き不安感が発注量に及ぼすマイナスも懸念され、見通せない状態がしばらく続きそうだ。これはトレードショーに限った危機ではなく、ショールームビジネスにも同じことが言える。リアルな出会いの場であるこうした機会に替わるバーチャルトレードショー・ショールームの台頭が加速されるかもしれない。

さて、ここからは日本ブランドを一部紹介していく。

[section heading="【トラノイ・ブルス会場】"]

「T.A.S」
皮革製品の「T.A.S」は小売価格35000円程度の買いやすい商品や0.7ミリまで薄くした革素材、形の変わったサコッシュの反応が良かったそうだ

「T.A.S」

「Six coup de foudre」
「Six coup de foudre」は昨年、20件を超えるオーダーが入り、今回も賑わっていた

「Six coup de foudre」

「CA4LA」
「CA4LA」は、米国、中国、韓国、イタリアからの既存客の来場キャンセルがあったという

「SUZUSAN」
有松鳴海絞りの「SUZUSAN」は、ショールームとトレードショーの2ヶ所で営業活動を行っている

「VLAS BLOMME」
「VLAS BLOMME」はカルーゼルからブルスへと移動してきたが、やはり米国の既存客の来場キャンセルがあったそうだ

「COOHEM」
山形のニット工場・米冨繊維の「COOHEM」もカルーゼルから移ってきたが、香港、中国の来場キャンセルに見舞われたという



[section heading="【トラノイ・カルーゼル会場】"]

「M.&KYOKO」
山形のニット工場・佐藤繊維の「M.&KYOKO」は、すでに95%は自社ブランドに切り替えており、ファクトリーブランドとしての成功例となっている

「C.T.PLAGE」
ニットの「C.T.PLAGE」は、この秋冬物については、新型肺炎の影響を受けていなかった1月のフーズネクストにも出展していたことが奏功しそうだ

「HAQUE」
シュールモードへの出展から2年ぶりのパリ出展となった「HAQUE」は、サステイナブルを意識したコレクションに

「JAPAN DENIM」
セレクトショップ「パリゴ」を運営する広島のアクセが日本のデニムでデザイナーやブランドとコラボした企画「JAPAN DENIM」を出展。「チノ」「アタッチメント」「コーヘン」「ミュベール」「ヨシオクボ」「ウジョー」などが参加

「UCF」
「UCF」は上田安子服飾専門学校トップクリエイター学科の学生によるプロジェクトで、6年目の出展となり、毎年着実に受注もある



[section heading="【ウーマン】"]

「F/CE」
「F/CE」はショールームトーキョーを卒業して、メンズ時期にも出ているが、ウィメンズはセカンドセッションのウーマンに継続出展している

「TOUJOURS」
「TOUJOURS」は、ボリューム感のあるコートやシルクのワンピースなどに反応があったそう。米国、EU、イスラエルが少なかった印象とのこと

「Triaa」
2回目の出展となった「Triaa」は、バルキーなニットやカシミヤに当たりがあったが、布帛は今一つとの印象

「Propo」
眼鏡の「Propo」は初出展で、「来場者は丁度良い感じ」という印象だそうで、アメリカンラグシーとのコンタクトも取れた



[section heading="【プルミエールクラス】"]

「VIOLETTE ROOM」
5回目の出展となる「VIOLETTE ROOM」は、イタリア、英国の来場減を感じているそうだ

「TICCA」
大手セレクトショップにも多数入っている「TICCA」

「chisaki」
10回目の出展となる帽子ブランド「chisaki」は、韓国、中国、イタリアの既存先が来場キャンセルとなった

「QARIS SHOWROOM」
合同展「アクセント」や「アングル」を運営する「QARIS SHOWROOM」は、「SWANLAKE」「EN’DAY」の2ブランドを出展させた。初出展ながら最低でも5~6件との取引ができそうだという

「Hanaa-fu by BARCOS DESIGN」
「Hanaa-fu by BARCOS DESIGN」も継続出展しており、反応が取れている

「sumi kaneko」
「sumi kaneko」は一時、ニューヨークへの出展に変更していたが、パリ展に復帰して2回目となり、フランス、スイスなどから反応があった

「sumi kaneko」

「monshiro」
5回目の出展となる「monshiro」はビンテージのパーツや貴石を使ったアクセサリーで、米国からの反応もあったという

「monshiro」

「manipuri」
TICCAを展開するフラッパーズのカラフルなプリント服飾雑貨「manipuri」も継続して出展している

「TO & CO」
「TO & CO」は今シーズン、タイミングが合わず、パビヨンカンボンで開かれていた「マン/ウーマン」からプルミエールクラスへと移動してきたが、カナダ、香港の既存先の来場キャンセルがあった

[section heading="【リアセンブルドショー】"]


日本ブランドが出展していないリアセンブルドショーは番外編。ゆったりムードが漂う空間。

「GEORGIA-ic25」
ロサンゼルスのアパレル「GEORGIA-ic25」はワークベースにプリントを載せたリメイク風のものまで多彩

「Salihah Moore」
コロラドのハンドメイドビーズアクセサリー「Salihah Moore」は、ビームス、ロンハーマンなどへの販売実績もある

(おわり)

取材・文/久保雅裕(encoremodeコントリビューティングエディター)
写真/久保雅裕







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