──特撮ドラマ『ウルトラマンオメガ』のオープニング主題歌と前期エンディングテーマを担当することが決まった心境から聞かせてください。

ASH「本当に光栄です。実は僕、幼少期からずっと、今の今まで“ウルトラマンシリーズ”が大好きで。家の近くにレンタルビデオのお店があったんですが、そこで“ウルトラマンシリーズ”を全部借りて観ていって、小学生の6年間はウルトラマンに手紙を書いていたんです。ウルトラマンから返事が届くんですけど、その返事を読みながら幼少期を過ごしていました。後に音楽を志して…僕はバンドもやっていて、バンドの名前が…」

──ASH DA HEROですね。“ヒーロー”と名乗っています。

ASH「そうなんですよ! “まさか僕がウルトラマンの主題歌をやらせていただけるとは!“と驚きました。『ASH』という1つの作品があるとしたならば、とんでもない伏線回収だなって感じて。とても光栄であるとともに、幼少期の自分に”お前は将来、ウルトラマンを歌うぞ“って伝えてあげたいくらい感動しています。ありがたいです」

MindaRyn「えーー!!すごくいい話ですね」

──MindaRynさんは、2023年に『ウルトラマンブレーザー』の前期エンディングテーマ「BLACK STAR」、後期エンディングテーマ「Brave Blazar」に続き2年ぶりとなります。

MindaRyn「またウルトラマンシリーズの一員になれて本当に光栄です。私はタイ人なんですけど、タイでもウルトラマンは知らない人がないくらい、すごく人気なんです。だから、またエンディングテーマを歌えることが決まった時に、タイ人のファンの皆さんはもちろん、世界中の皆さんからもたくさんのメッセージをいただきました。改めて、本当に世界中の皆さんから愛されるヒーローなんだと感じていますし、『ウルトラマンブレーザー』に引き続き、担当させていただけて本当に嬉しいです」

──では、楽曲について聞かせてください。まず、ASHさんはオープニング主題歌「BRIGHT EYES」を受け取ってどう感じましたか?

ASH「作曲していただいたNARASAKIさんと、作詞をしていただいた松井先生から、本当に大事な大切な楽曲をいただきました。最初にデモを聴いた瞬間に、“THIS IS ULTRAMAN!!”と感じて。先ほども言った通りなんですけど、ウルトラマン大好きな僕からしても、“これぞウルトラマンソングだ!”っていう曲だったんです。だから、ウルトラマンが大好きな気持ちも含めて、これから『オメガ』を観て育つ子供たちに勇気を与えられるように本当に想いを込めて歌わせていただきました。もしかしたら、『オメガ』を観て育つ子供たちの中にもミュージシャンを志して、僕みたいに主題歌を歌う子も出てくるかもしれません。そんなバトンを渡せたらいいなと思っています」

MindaRyn「うんうん。私も“ウルトラマンの曲だ!”って感じました」

ASH「ね。ヒーローソングだよね」

MindaRyn「しかも、ASHさんの歌声がすごく力強くて。“頑張ってね”って軽く背中を押す感じじゃなくて、“行くぞ! やってやるぞ!”って感じで、激しくcheer up(元気を出して!)する歌声で。“未来のために、立ち上がって戦うしかないぞ!“ってパワーをすごくもらえて、本当に元気になる曲だと思います」

──歌詞にはどんなメッセージを込められてますか?

ASH「誰もが子供から大人になっていくにつれて、いろんなことに直面すると思うんです。そのたびに、いろんな心の葛藤が生まれて…。心の葛藤がないまま、大人になっていく人はいないと思うんですけど、そんな心の葛藤だったり、一体自分自身は何者なのか?とか、自分の本当にやりたいことは何なんだろう?とか、そういったことをまっすぐに歌っていて。最終的にこの歌詞は“夢はあるか?”って問いかけています。令和のこの時代に、ど真ん中のウルトラマンっていう作品でドストレートのメッセージを掲げられることが嬉しいですし、その責任もすごく感じています。『オメガ』の物語にも沿った内容になっているので、本当に大切に歌わせてもらいたい曲です。自分の中で咀嚼しながら、説得力に変えて届けたいっていう気持ちです」

──お二人の夢も聞いていいでですか。大人になった今の“夢はありますか?“を。

ASH「僕は音楽でアジアチャンピオンになることです。アジアでナンバーワンのロックシンガーになること、ロックバンドになること。そして、アジアの国であったり、人々が…今、いろんなことがあるじゃないですか。さまざまな社会情勢や世界情勢がある中で、音楽をやっている瞬間だけは、僕たちは1つになれるんだっていうことを伝えたいです。それをアジアを中心に世界中に広めていけるアーティストになっていくことが夢ですね」

──この曲を世界のどこかのライブ会場で聞いていたら、誰もが<オメガ!>のところで手を上げて叫びたくなると思います。

ASH「そうですね。<オメガ!>でまた1つになる景色が見れたらと思っています」

MindaRyn「すごいですね。私はあまり遠くの未来を見ていない性格なんです。でも、夢がないわけじゃなくて…。アニソンシンガーになることは自分のもともとの大きな夢だったので、今も自分の夢の中を生きているみたいな感じがあります。だから、まずは、この夢を守って行きたいです。その夢の中で毎日もらっている大事な機会を全力で頑張っていきたいです」

──ありがとうございます。

──そして、MindaRynが歌う前期エンディングテーマ「Missing Link」にはASHさんがフィーチャリングで参加されていますね

ASH「嬉しいですよね。“マイちゃん(MindaRyn)と一緒にやる“っていうお話をいただいたタイミングで、実はマイちゃんとライブ現場でご一緒したんですよ」

MindaRyn「そうですね。ハワイで開催されたジャパンカルチャーのイベントで初めてお会いして…」

ASH「そう! “よろしくお願いします”なんて話をして、僕たちのライブも見てくれて。なんならマイちゃん、客席で手をあげて楽しんでくれていて(笑)」

MindaRyn「あははは。ファンの皆さんと一緒にワイワイしてました」

ASH「“日本に帰ったらまたマイちゃんのライブを見に行くし、また会おうね!“なんていう話をしていたんです。そうやってコラボする直前に会うことなんて滅多にないじゃないですか。だから、驚きとともに、「Missing Link」の歌詞のように、どこかでつながる運命みたいなものがあったんだなっていうのは最初に感じました」

MindaRyn「私、ハワイに行った時に“一緒に担当するんだよ”って聞いていて…。“どんな方だろう?”ってとても気になって、お話をする前にライブを見たんです。コラボではラップを担当していただくというのが分かっていて…そのパフォーマンス、ラップしている姿がとてもカッコ良かったんですよ! “え? 私とでいいんですか?”みたいな感じだったので、“絶対いいものになる!“と思ってすごく楽しみにしていました」

──ASHさんはMindaRynさんにアーティストとしてはどんな印象を持ってますか?

ASH「マイちゃんの歌声についてレポートしろと言われたら、本当に何ページも使って書けるくらい、素晴らしい歌声の持ち主です。そんな素晴らしいシンガーと、しかも、国を越えて共演できるっていうことが嬉しくて。さっきの自分の夢の話ともつながるんですけど、アジアの本当に素晴らしいアーティストと一緒にできるっていうことは、僕にとってすごく光栄なことだと感じています」

MindaRyn「私にとってのASHさんはBig Brotherです。もう本当にお兄さんなんですよ。ハワイで会った時から私のことをサポートしてくださって、ずっと感謝しています。そして、私はハワイのステージで見たASHさんのパフォーマンスに…I fall in love with his performance。声も力強いですし、すごくカッコよくて。あと、パフォーマンスが自分の世界だけじゃなくて、ファンととてもリンクしていて」

ASH「そうね」

MindaRyn「ファンの方と一緒になってライブを創っていくじゃないですか。しかも、国とか関係なく、お客さんを巻き込んでいく力があって。私にもとてもオープンマインドで優しいお兄ちゃんだから本当に仲良くなるのが早かったんです。でも、実は最初、話す前はちょっと怖かったんです…ルックス的にクールだから」

ASH「まあね、よく言われる。ドーベルマンみたいだって(笑)」

MindaRyn「でも、話をすると、優しいお兄ちゃんで。カービィーも好きっていう可愛い一面もあって…」

ASH「あははは。それくらい仲良くなったし、すぐに意気投合しました」

──(笑)

大山聡一(Gt.)

──歌詞はASHさんもコライトされていますね。

ASH「リリックは松井先生に書いていただいたんですが、“1番のラップパートはこういう感じで書いたんだけど、2番以降はもしかしたらASH君が書いた方がいいかもね”っていうご提案をいただいて。そこでジョインさせていただいたのも含めて、とても貴重な体験をさせていただいていますし、すごくカッコいい曲になったと思います。何よりも『ウルトラマンオメガ』のエンディング、攻めていますよね?」

──ラウドでヘヴィーなミクスチャーロックでびっくりしました。

ASH「とても攻めていて最高だと思います。子供たちも、TVでエンディングを見て、“カッコいい!”ってなると思います。しかも、このカッコいい楽曲が、『ウルトラマンオメガ』の話が進んでいくごとに、どんどんリリックが答え合わせになっていくんです。そこも含めて楽しめると思っています」

MindaRyn「私は“ASHさんとだから頑張るしかない!”、“お兄ちゃんに負けないぞ!”って気持ちでレコーディングしたんですけど、ベリータフな経験になりました。本当にカッコいい曲なんですけど、私自身はこういう熱いラップは初めてだったんです」

ASH「そうか、ハードなラップは初経験?」

MindaRyn「リラックス系のラップは歌ったことがあるんですけど、こういうハードで激しいラップは初めてでした。あと、あのドラムの音も。いつものロックじゃなくて、もっとメタルですよね? 今までの私の曲の中で一番メタルロックな感じの曲なので、“早くライブで歌いたい!“と思いました」

──レコーディングは別々だったんですか?

ASH「いえ、一緒にやりました。もともとサビはマイちゃんが1人で歌う方がいいかな?って思っていたんですけど、レコーディングの現場でディレクターさんが“ここ、もしかしたらASHさんが下でちょっと支える感じで、ハモにASHさんがいると楽曲としてもまとまりが出るんじゃないかな?”という話になって。あと、「Missing Link」の歌詞には『ウルトラマンオメガ』の作品の要素がいろいろと散りばめられているんですけど、そこのメッセージともリンクするなって」

──<満ちた月を見上げ>ていたり、<月の影>や<欠けてた月>というフレーズもあって…。

ASH「そうですね。これから物語が進んでいると分かってくることもあると思うんですけど、そこも含めて、サビの向こう側に声がしている。それがオープニングを歌っているシンガーの声だっていう。表裏一体じゃないですけど、そこの面白さも非常にあるのかな?って。そういうアイデアもレコーディング現場で出ましたし、あとは、ブレイクダウンのパートですね」

MindaRyn「一緒にラップさせていただきました!」

ASH「マイちゃんのシャウトは僕がディレクションさせていただきました」

MindaRyn「すごく助けてくれました。私、こういうのが初めてなので…」

ASH「“もっと怒りが大事だよ”とか、“もっとアグレッシブにやっちゃっていいよ”みたいな話を二人でして。ワイワイしながらレコーディングしましたね」

MindaRyn「本当にたくさんの新しい経験があったので、ASHさんから勉強させていただきました。ラップパートは本当に私が今まで使ったことがない声のポジションだったんです。ASHさんは、いい先生でしたし、本当に楽しくて素晴らしい経験になりました」

──歌詞の意味としては、いろいろな『オメガ』らしい要素が入っているんですよね?

ASH「そうですね。僕はリリックを書く上で台本を読ませていただいたんです。なぜ月がテーマになっているのか?っていうのも含めて、後々に納得していただけると思います。今回の作品のストーリーは、子供達だけじゃなくて、大人の方も絶対に楽しめます。“これってどうなっていくの?”っていう展開になるので、僕も台本を読みながら、どんどんのめり込んじゃって。だから、話数が進むごとに、だんだん分かってくると思います。“あっ、これはそういうことだったんだ!”って。“このラップパートの歌詞ってどうしてこう言ってるんだろう? あ、ここでこうなるからこういうことなんだ!”とか。そういのが繋がっていくような、まさに失われたリンクを探していくような、物語性を持った歌詞になっています」

──これから『ウルトラマンオメガ』関連のイベントで一緒にステージに立つことも増えてくるかと思いますが、どんなパフォーマンスを見せたいですか?

ASH「今の時点でもう二人の呼吸はかなりいい感じで合っているんですけど、多分これからどんどんシンクロしていく気がしています。僕たちがシンクロしていくと同時に、コンサートやイベントに来てくださるお客さんたちともどんどんシンクロしていきたいです。そんなパフォーマンスができるように2人で考えていきたいですね」

MindaRyn「素晴らしい答え! 本当に「Missing Link」は“リンク”だから、私たちの繋がりを見ていただきたいです。お互いに顔を見ながら歌いたいですし、ASHさんが言うようにお客さんともリンクしたいです」

──すでにシンクロしてるお二人のコラボ曲をもっと聴きたい気持ちになっています。もしまた二人で歌うとすると、次はどんな曲でコラボしたいですか?

MindaRyn「私、アイデアあります! 私とASHさんは激しいロック系の曲が多いじゃないですか。そうじゃなくて、例えばバラードとか、英語の歌詞の曲とか…。ASHさんは英語の発音、完璧なので」

ASH「いいね、楽しそうだね。僕は逆にあまり歌い上げない系もいいかな? 今回、レコーディング現場で、本当にマイちゃんのボーカリストとしての多彩さをまざまざと見せつけられた感じがあって。だから、例えばもっとラップに振り切った曲もいいですし、もう少しダンサブルな楽曲で、ラテンっぽい曲とか…。“メロディーを歌わないMindaRyn”もちょっと聴いてみたいって思ったので、そういう楽曲を一緒にやれるチャンスがあったら面白そうですね」

MindaRyn「楽しそう!」

──ありがとうございます。最後に『ウルトラマンオメガ』を楽しみにしている視聴者の皆さんにメッセージをお願いいただけますか?

ASH「先ほど台本を読ませていただいたという話をさせてもらったんですけれど、これが映像となって、どんなふうに進んでいくのかを、僕自身も楽しみにしています。そして、たくさんいらっしゃるウルトラマンシリーズのファンの方には、今回はどんなウルトラマンなのか? 宇宙人と地球人のバディらしいぞ? どんな怪獣が出てきて、変身のアイテムはどんなアイテムなのか…を楽しみにしていただきたいです。今回のウルトラマンはストーリー展開も含めて、すごくバラエティーに富んでいるというか、とても楽しめる要素が多いと思います。だから、“ウルトラマンシリーズ”のファンの方はもちろん、これを機に『ウルトラマンオメガ』を観ようと思っている方は、本当にウルトラマンの世界を堪能してほしいです。大人から子供まで楽しめる本当に素晴らしい作品なので、ぜひ一緒に楽しみましょう!」

MindaRyn「私はまた“ウルトラマン”の新シリーズを担当させていただくのが本当に本当に嬉しくて。だから、今回も“オメガのためなら何でもやります!”という気持ちです(笑)。日本中はもちろん、世界中の皆さんに『オメガ』の魅力を広めたいので、『オメガ』はもちろん、オープニング主題歌もエンディングテーマもたくさん聴いてください!」

(おわり)

取材・文/永堀アツオ
©円谷プロ ©ウルトラマンオメガ製作委員会・テレビ東京

RELEASE INFROMATION

特撮ドラマ『ウルトラマンオメガ』オープニング主題歌/前期エンディングテーマ 

「BRIGHT EYES/Missing Link」【ソフビ付き盤(数量限定)】
ASH/MindaRyn feat. ASH 
2025年7月21日(月・祝)発売
LACM-34698/3,850円(税込) 
※本商品は、生産の上限に達し次第販売を終了させて頂きます。 
■同梱ソフビ人形:ウルトラヒーローシリーズ  ウルトラマンオメガ  変身時発光カラーver. 
■収録曲: 
1.BRIGHT EYES 
歌:ASH 
作詞:松井洋平  作曲:NARASAKI  編曲:西岡和哉 
2.Missing Link 
歌:MindaRyn feat. ASH 
作詞:松井洋平・ASH  作曲・編曲:thug.

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特撮ドラマ『ウルトラマンオメガ』オープニング主題歌/前期エンディングテーマ 

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