いい歌でありさえすれば必ずヒットする。
これが歌の本来あるべき姿です。しかし、現実は強力なタイアップが付いていなければ売れない時代です。いかがなものか?と思います。この風潮に私はあえてアンチテーゼを投げかけたい。いい歌は売れるべきだし、たくさんの人たちに聴いてもらいたい。そんな“音楽愛”が私のポリシーです。

音楽評論家の富澤一誠です。

いい歌を見つけて紹介するのが私の仕事です。今回紹介するのはヒビ★チャズケです。ヒビ★チャズケはサックス・クインテット+ドラムからなる6人編成のジャズ・バンドで、ストリート・ライブから火がついて今根強い人気を誇っています。

ということで、今回のゲストはヒビ★チャズケのリーダー・ひび則彦さんです。

★インストゥルメンタルの聴き方は十人十色!

ヒビ★チャズケはインストゥルメンタル・バンドです。

それだけに音楽を聴いて自分の脳裏のスクリーンに自由に映像をイメージしてみて下さい。

それがインストゥルメンタル音楽を聴く醍醐味だと私は思っています。それだけに今回は、私はあえて言葉で解説をしないことにします。とはいえ、導入し易いようにイントロダクションだけは書こうと思います。

私のイントロダクションを受けて後はあなたが自由にイメージをふくらませて映像を浮かべて下さい。きっとあなたならではのオンリーワンの世界が確立されるはずです。では、ポニーキャニオンからリリースされたメジャー・リリースアルバム3枚の私なりの「CD評」を書いておきますので参考にして下さい。

アルバム①「ハッピー・サックス・ヒット・エクスプレス/ヒビ★チャズケ」(ポニーキャニオン)(2014年7月16日発売)

ヒビ★チャズケはサックス・カルテット(ソプラノ、アルト、テナー、バリトン)+ドラムからなる5人編成(2014年当時)のジャズ・バンドで今、ストリート・ライブから火がついてブレイク寸前。魅力は「千本桜」「女々しくて」などの最新ヒット曲から「シング・シング・シング」などスタンダード・ナンバーまで、ジャズ・テイストのアレンジをほどこしてまったく新しいオシャレな“ハッピー・ジャズ”に昇華してしまうセンスのよさだ。聴いていると心がうきうきと踊り出してしまうし、サックスの音色に魅了されて楽器を弾きたくなってしまう。まさに“新感覚派ジャズ・アンサンブル”である。

アルバム②「ハッピー・サックス・ヒット・エクスプレス2015/ヒビ★チャズケ」(ポニーキャニオン)(2015年7月15日発売)

2014年7月にリリースしたメジャーデビュー・アルバムで2014年度〈レコード大賞企画賞〉を受賞した彼らの待望のセカンドアルバム。彼らはサックス・カルテット(ソプラノ、アルト、テナー、バリトン)+ドラムからなる5人編成(当時)のジャズ・バンドで、「LET IT GO~ありのままで~(アナと雪の女王)」「麦の唄(中島みゆき)」など話題のヒット曲を、サックス・アンサンブルでいち早くジャズ・テイストのアレンジを施して、全く新しいオシャレな〈ハッピー・ジャズ〉に昇華してしまうセンスのよさが魅力である。音を楽しむとはまさにこのことなのだ。

アルバム③「ビバ!スポーツ!!/ヒビ★チャズケ」(ポニーキャニオン)(2018年12月19日発売)

オリンピック、サッカー・ワールドカップ、各種世界大会などスポーツの祭典に欠かせないものは、その応援歌ともいうべき〈テーマソング〉。スポーツのドラマに彩りを添えて盛り上げる役割が音楽である。ここにはスポーツと音楽がコラボレーションして“感動”という共感を作り出した名曲が収録されている。「東京五輪音頭」(東京五輪1964)、「OLE OLE OLE」(サッカー)など15曲を、サックス・カルテット(ソプラノ、アルト、テナー、バリトン)+ドラムで構成されたヒビ★チャズケが見事なアレンジで聴かせてくれる。東京五輪2020へ向けてのオールジャパンにささげる国民的応援歌集である。

★おまけライナーノーツ「吹奏楽人のための超入門ジャズ講座」(日竎則彦著、PHP研究所刊)

「吹奏楽人のための超入門ジャズ講座」(日竎則彦著、PHP研究所刊)なる音楽書がロングセラーとなっている。
7日間でジャズができるようになる、吹奏楽経験者のための“ジャズ入門書”という触れ込みだが、なぜAmazonの売れ筋アイテムランキングで上位になるぐらい売れているのか。それは、著者である日竎(ひび)則彦がリーダーを務めている「ヒビ★チャズケ」が注目されていて、人気があるからだ。彼らはサックス・カルテット(ソプラノ、アルト、テナー、バリトン)+ドラムからなる5人編成(当時)のジャズ・バンドで、その魅力は「千本桜」「女々しくて」などの最近のヒット曲から、「シング・シング・シング」といったスタンダード・ナンバーまでジャズ・テイストにアレンジを施し、全く新しいオシャレな“ハッピー・ジャズ”に昇華してしまうセンスの良さにある。聴いていると心がウキウキと踊りだしてしまうし、サックスの音色に魅了されて楽器を弾きたくなってしまう。
彼らはストリート・ライブで地道に活動を続けて地力をつけ、ファンを増やしてきた。そんなマイペースの活動を10年間続けてきたからこそ、2014年7月にリリースしたメジャーデビュー・アルバム「ハッピー・サックス・ヒット・エクスプレス」というカバーアルバムで、2014年度「レコード大賞企画賞」を受賞したのだ。
そして15年、彼らは待望のセカンドアルバム「ハッピー・サックス・ヒット・エクスプレス2015」を発表。同アルバムについて、日竎則彦は言う。「誰もが知っている『LET IT GO(アナと雪の女王)』『麦の唄(中島みゆき)』といった名曲にジャズ・テイストのアレンジを施して、サックス・アンサンブルの美しさ、華麗なソロテクニックなど、絶妙な演奏で新感覚のジャズに仕上げていると思います」
さらに進化をしてオリジナリティーを増したので、さらに期待ができる。

radio encore「富澤一誠のこんないい歌、聴かなきゃ損!」 第17回 ヒビ★チャズケのリーダー・ひび則彦さん

「こんないい歌、聴かなきゃ損!(音声版)」第17回目のゲストにはヒビ★チャズケのリーダー・ひび則彦さんをお迎えしてお送りします。アーティストとして、教育者として、音楽プロデューサーとして…多方面での活躍が目覚ましいひび則彦さんの音楽への想いを中心に、ここでしか聴くことができない貴重なお話が満載です。これを聴けばヒビ★チャズケ、ひび則彦さんのすべてがわかると言っても過言ではない決定版です。ぜひお楽しみください。

富澤一誠

1951年、長野県須坂市生まれ。70年、東大文Ⅲ入学。71年、在学中に音楽雑誌への投稿を機に音楽評論家として活動開始し、Jポップ専門の評論家として50年のキャリアを持つ。レコード大賞審査員、同アルバム賞委員長、同常任実行委員、日本作詩大賞審査委員長を歴任し、現在尚美学園大学副学長及び尚美ミュージックカレッジ専門学校客員教授なども務めている。また「わかり易いキャッチコピーを駆使して音楽を語る音楽評論家」としてラジオ・パーソナリティー、テレビ・コメンテーターとしても活躍中。現在FM NACK5〈Age Free Music!〉(毎週木曜日24時から25時オンエア)、InterFM〈富澤一誠のAge Free Music~大人の音楽〉(毎月最終水曜日25時から26時オンエア)パーソナリティー。また「松山千春・さすらいの青春」「さだまさし・終りなき夢」「俺の井上陽水」「フォーク名曲事典300曲」「『こころの旅』を歌いながら」「私の青春四小節~音楽を熱く語る!」など著書多数。

俺が言う!by富澤一誠

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