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2021.04.23

スカートとPUNPEE「ODDTAXI」に見るフィーチャリングの妙と記号性

スカートとPUNPEEのコラボ作品である「ODDTAXI」が4月7日に配信リリースされた。ぼんやりと、しかし醒めた意識のなかで音源をリピートし、歌詞カードを反芻する。そこから感じ取れたのは、もっともこんにち的なシンガー・ソングライターとラッパーによるフィーチャリングの妙だった。

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スカートとPUNPEE名義の新曲「ODDTAXI」は、スカートとPUNPEEというアーティスト名の記号性、あるいはフィーチャリングの妙という意味合いでは、令和の「今夜はブギー・バック」的な立ち位置にいるような気がする。いや、もちろん異論は認めるし、“なに寝言ほざいてやがるんだコイツ!”という叱責も甘んじて受け入れよう。だから先に謝っときます。 ご め ん な さ い ! でもね、このコラボは“そうきたか!”的な意外性と、“わかってるじゃん!”的な予定調和の稀有なバランスの上に成立しているのは間違いないと思うし、カクバリズム、SUMMIT界隈のピープルツリーを俯瞰するような楽しさもある。そしてポップミュージックとHIP HOP、それぞれのジャンルに居場所を見つけているという点がこんにちのブギー・バック的と感じさせるのかもしれない。

そもそも「ODDTAXI」は、アニメ作品「オッドタクシー」の劇伴から発展的に生まれたコラボレーションという触れ込みだが、そういったタイアップ的な要素を抜きに――もちろんリリックの風景描写ひとつとっても主題歌然とした佇まいはちゃんとある――聴かせる力を持っている。

たとえば、<底流に寄り添って>という囁くような声音の歌始まりと、タクシーの窓越しに見える風景を切り取ったかのような<カーブを曲がればまた/暗渠に落ちていくようだ>という澤部 渡の言葉選びのセンスはやはりただものではないし、<日々を乗せた針が晒してるノイズ>、<おばけガード抜けてさ>と返すPUNPEEのリリックもまた秀逸だ。



マルチプレイヤーとトラックメイカーがモチーフを投げかけあって共作したDIY感と、ボーカルの揺らぎや楽器のバランスみたいなものを“均し過ぎない”ミックスも楽曲の魅力を高めていると思う。詰め込み過ぎないラップパート、控えめに鳴っているローズピアノや、くぐもったアコギのストロークであったり、アウトロ近くのいなたいサックスも、タクシーの車窓を通り過ぎてゆく都会の喧騒をぼんやりと眺めている気分に誘う。

3分23秒の短い曲――「オッドタクシー」のオープニング・バージョンはさらに短い!――だが、カットアップ描写のように短い言葉で綴られた歌詞には聴き手の想像力が入り込む余白が残されているので、ローファイでスムーズな聴感とは裏腹に濃厚な読了感を与えてくれる。

ともあれ、スカートファン、PUNPEEファンのひとりとして、それぞれのライブでそれぞれのファンが、同じフロアでクロスオーバーする風景を想像せずにはいられない。そして、スカートとPUNPEEがステージの上で客演しあってくれたなら……もう言うことはない。

(おわり)

取材・文/高橋 豊(encore)







スカートとPUNPEE
スカートとPUNPEE「ODDTAXI」
2021年4月7日(水)配信
ポニーキャニオン
スカート
スカート『アナザー・ストーリー』
2020年12月16日(水)発売
CD+Blu-ray/PCCA-04982/4,950円(税込)
CD/PCCA-04983/2,750円(税込)
ポニーキャニオン






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