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──2ndフルアルバム『Sweet Error』を聴かせていただいたんですけど、聴き進むうちにどんどん気持ちがほぐれていって、最終的にすごく開放的な気持ちになる作品でした。

Akari Dritschler「今回のアルバムは、FAITHとして新しい作り方をした作品です。今までもイメージの中ではこんなことやりたいなと思いながら、それを実際音楽で表現するにはどうやったらいいか、その方法がわからないままでいた楽曲の作り方に挑戦したというか……具体的には、メンバーがDTMを使い始めたことが大きいと思います。音楽が新しい広がり方をしていくんだなって。今の自分たちがやりたい音楽にまた一歩近づけた作品になったと思います。歌詞では今までも“自分とは?”という部分に問いかけるものが多かったと思うんですけど、今回はこれまで以上に自分自身との対話が増えて、より深く向き合って考えるようになりました」


レイ キャスナー「DTMを使うようになった理由の1つのは、コロナの影響でメンバー同士がリモートでやりとりすることが多くなったことなんですよ。PCの画面では音が可視化されるから、この曲のこのときに誰と誰が何をしてるって、音量もメーターで見える。音が見えることで、ここでギターの音が出過ぎているとか、役割が整理しやすくなって、作曲方法自体に変化があったなと思います。今までは、やっぱりバンドなのでスタジオで出す生音に重きを置いて、セッションしながら楽曲を詰めていっていたんですけど、そのやり方だとどうしても自己満足の部分が生まれてしまって。でもこのリモート制作がきっかけで、自分たちの音が冷静に客観視できて、よりバランスのいい音作りができるようになったと感じています」


荒井藤子「Akariとレイが言った通り、いい意味で“バンドサウンド”の型から外れることができた作品になったなと思います。それぞれの自宅からリモートで曲作りをしながら、ここはシンセベースでいこうかとか、そういうやりとりをしていきました。その結果、以前より生でベースを一曲まるまる弾く曲が減ったんですよね。でも、減ったぶん、生で弾くところにはより精神を費やして、いろんなことを考えながら弾く。前作と比べて、それが私の中ではすごく変わったことかなと思います」


レイ「前作『Capture it』の打ち込みサウンドに関してはプロデューサーのakkinさんと作り上げていっていたんですけど、今作ではそこの部分を自分たちでやる必要があったので、音色やサウンドの選び方とか、なんでここでこの音を入れているのか自分たちで考えなきゃいけなかったんですよね。アレンジャー/プロデューサーさんと一緒に制作している曲もあるんですけど、皆さんそれぞれタイプが違っていてバンドサウンドだけじゃないエッセンスも積極的に混ぜ合わせて、より“ポップス”に向かえた作品かなと思います。去年から今年にかけて、メンバー全員があらためてポップスの良さに気づいたんですよね。それからは、変なエゴは捨てて、いいと思うものは取り入れていこうって」

ヤジマレイ「ここまで3人が言ってくれたように、この1年でFAITHとしての音楽の作り方がガラッと変わったと思います。大好きなライブハウスにも思うように行けない中、ストリーミングでいろんなジャンルの音楽をディグるようになってて、ロックも変わらず大好きなんですけど、自分が一番好きなのはポップスだと感じるようにもなりました。今まではギタリストとして1曲の中で長く弾いてたい、目立ちたい!って感じだったんですけど、今作は必要なポイントを考えて、そのぶん目立つところはとことん目立って、フレーズにメリハリをつけたり、曲を作っている段階ではギターで弾いていたフレーズも違う音で弾いたら面白そうって考えるようになりましたね。その上で、今回は歌を中心に考えて、歌を邪魔しない譜割りとかを考えました」


──ここまでの話を踏まえると、セカンドフルアルバムにしてリスタートを切った感覚を手に入れているのかなと感じました。

レイ「自分たちで聴いていても、違うグループの作品に聴こえますね(笑)」

Akari「1年前にメジャーデビューしたんですけど、コロナの状況もあって、ライブができない、ツアーができない。じゃあ、家にいながら何ができるんだろうって、うちらなりに試行錯誤しながらできた作品です」

──コロナ禍をいい方向に転化できた部分がある?

レイ「そうですね。今も変わらず、音楽って間違いなくライブの現場が一番かっこいいと思っています。そこはブレないんですけど、今の時代の音楽には、伝えるにしても聴くにしても、本当にいろんな方法があるなって」

ヤジマ「配信ライブにしても、いちからストーリーを決めて、そのストーリーに沿って曲順や演出を決めるのは、通常のライブではなかなか突き詰めてできないことだから。こういう状況になってなかったら配信ライブをする機会なんてなかったかもしれないけど、今は、より”ライブを作る”のが楽しくなった部分があります」

レイ「新しい楽しさに気づけたというか、次に人前にかっこよく立つための今までにはなかった準備ができている感じはします」

──『Sweet Error』というアルバムタイトルは、どういう思いでつけたんでしょうか?

Akari「これは、みんなでリモートで話しているときに考えました。アルバムの内容として、エラー感というか、食い違っている違和感があるんだけど、それでも1個の作品として完成されているよねっていう感覚があって。もう1つは、今の時代に対する皮肉も込めつつ、小さな失敗や、日常の中の小さなすれ違いさえも自分の一部なんだって愛してしまえたら……というか、バグっていくことを否定しないという思いもあって、そう考えても『Sweet Error』というタイトルはぴったりだなと思いました」

──今の世の中にある失敗を許さない風潮に対して、『Sweet Error』と言えるセンスは、みなさんの世代特有でもあるんでしょうか?

Akari「そうかもしれないです。今は“多様性”という言葉がよく使われるけど、そもそもそういう感覚や考え方に沿って生きているというか。それに、私とレイはアメリカにもルーツがあるので、アメリカでの多様性などに関する記事に触れる機会が多いぶん、自分の考え方もより影響されているのかもしれないです」


──FAITHは男性と女性2人ずつのバンドですけど、ジェンダーについてはどんな意識がありますか?

Akari「あんまり男と女として見てなくて、みんなメンバーであって、人間であって。上京してからは家族よりも長い時間一緒に過ごしてるっていう、不思議な感覚ですね。バランスはいいけど、男女を意識はしないですね」

ヤジマ「気にするのは、着替えの時ぐらいじゃない?(笑)」

Akari「なんなら、それも気にならないぐらいじゃない?(笑)」

レイ「つきあいも長いしね」

──先ほど“ポップス”というワードがありましたけど、確かに今作にはポップでキャッチーな曲が並んでいます。

Akari「もともとはみんな音楽の趣味がバラバラで、それもいい面としてあったことで、今までのFAITHが作られてきたと思います。そういう時期があった上で、今はみんなで好きな音楽を共有していって、その上で共通で目指したものが“ポップス”なんです」

ヤジマ「ポップスは、何でもできるからね」

Akari「時代によっても変わるけど、その時代の最先端が“ポップス”だなという感覚もあります」

レイ「R&BやHIP HOP、オルタナな音楽も大好きなんですけど、じゃあその好きな要素を自分たちだったらどうするかということを、聴きながら考えたりします。音楽的な完成度はすごく高いけど、ここがもっとこうだったらさらにわかりやすいね、とか。意識的に、“ポップス”を作りたいんだと思います」

──わかる人にだけわかればいい、誰にも聴かれなくても音楽を作るというスタンスではないということですよね。

レイ「そのかっこよさももちろんわかるんですけど、FAITHはそうじゃないです」

ヤジマ「むしろ、できるだけ早くいろんな人とFAITHを共有したい」

レイ「そもそも、みんな人柄がポップだしね(笑)」

Akari「みんなたぶん、関わりづらくはない(笑)。とっつきやすい人柄だとは思います!」

荒井「ただ、ちょっと人見知りの部分があるので、みなさんから積極的にとっついていただいて(笑)」

ヤジマ「みんなの共通点は、人が好きなことかもしれないです」

──FAITHの楽曲は全曲英語詞ですが、これは英語のほうが歌いやすいからですか?

Akari「歌詞を書くときに自分の気持ちと一番近い感情を表現できるのが英語だったというのと、英語独特の比喩のロマンティックさが好きなんです。最近は海外から聴いてくれている方が前より増えてきているように感じます。日本のファンの方からも、MVやCDのブックレットの和訳を見て、この曲の歌詞が好きってメッセージをもらう機会が増えて嬉しいですね。日本語詞の曲を聴きたいって言ってくれている方もいるので、いずれできたらいいなとは思っています」


──6月には、地元の長野を皮切りにツアーが開催されます。

レイ「今から緊張していますね」

Akari「1年半ぶり以上のライブになるんですけど、だからこそ前と同じじゃダメだと思っているので、成長した姿を見てもらえるようなステージにしたいですね。音源とはまた違ったライブだからこそのアレンジにもこだわっていきたいです」

──少し気が早いですけど、ツアー後の未来に向けたイメージは?

レイ「FAITHを始めたときから世界を目標にしているので、その目標に向かって進んでいって、早く夢を叶えたいなとイメージしています!」

(おわり)

取材・文/大久保和則
写真/柴田ひろあき





FAITH

FAITH(フェイス) ――We are ギャング・オブ・ポップ!長野県伊那市発、Akari Dritschler(アカリ ドリチュラー、Vo) 、ヤジマレイ(Gt&Vo)、レイ キャスナー(Gt&Vo)、荒井藤子(Ba) からなる平均年齢21歳の男女4人組バンド。2015 年、別々の高校に通うメンバーが伊那GRAMHOUSEに集まり結成。90年代洋楽をルーツに感じさせるサウンドにメインストリームのメロディが融合した、新世代のグローバルポップ。Akariの瑞々しく伸びやかな歌声も魅力。2017年開催の10代限定夏フェス「未確認フェスティバル2017」ファイナリスト。同年11月リリースの1st ミニAL『2×3 BORDER』がApple Musicの今最も注目すべき新人アーティスト作品に選出。2018年12月、“ロックプリンセス”クリッシー・コスタンザ率いるAgainst The Currentワールドツアー東京公演のオープニングアクトに抜擢。2019年4月リリースの2nd EP「Yellow Road」がタワーレコードの“タワレコメン”に。2020年1月15日、メジャー1st AL『Capture it』をリリース。全編英詞の新人としては異例の全国71ものラジオ局、TV番組でパワープレイに選出。2021年4月28日、2nd AL『Sweet Error』リリース。現在、ABEMAドラマ「ブラックシンデレラ」の挿入歌を手掛ける





FAITH 2nd Full Album “Sweet Error” Release Tour 2021 ~Errored ERA~(イープラス)
2021年6月12日(土)CLUB JUNK BOX(長野)
2021年6月26日(土) 梅田 CLUB QUATTRO
2021年6月27日(日) 名古屋 CLUB QUATTRO
2021年7月3日(土) LIQUIDROOM(東京)





FAITH
FAITH『Sweet Error』
2021年4月28日(水)発売配信
VPCC-86363/3,080円(税込)
バップ




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