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「笹川美和 Concert 2019 ~薄暑に鳴る笹の葉音~」が開催された明日館(みょうにちかん)は、フランク・ロイド・ライトの設計による名建築として知られ、国の重要文化財にも指定されているが、当日の明日館も、BGMのクラシック・ミュージックが会場内を静謐なものにし、開演前から期待感が満ちていた。BGMが落ち、会場が仄かに暗くなると、サポートメンバーの山本隆二(Pf/Key)、設楽博臣(Gt)のふたりがステージに登場。それに続くように笹川がステージへ。

拍手が鳴り止み、「星の船」で静かに幕を開け、艶と透明感のある歌声で会場をやさしく包み込む。来場者に向けて笹川から挨拶があり、その後、小雨が降ったり止んだりの当日の天気にぴったりの「晴れてくるだろう」、颯爽としたギターのストロークと穏やかに跳ねるピアノの上で「緑の絨毯」を歌い上げ、Kan Sanoプロデュースの「高鳴り」で軽やかに胸の高鳴りを表現。

続くMCではサポートメンバーのふたりを紹介。「令和になった瞬間に何をしてたか?」をそれぞれに尋ねるも、設楽は「覚えていない」、山本は「寝てました」と返し、笹川が肩を落とすという微笑ましい場面も。そしてここから、大橋トリオの楽曲提供による「紫陽花」、流麗な「蓮華の花」「流れ星」と続け、「亡者」、「咎」と徐々に笹川美和の深みを会場に響かせてゆく。

新たにフェス出演の決定や、久しぶりの地元新潟でのワンマン開催、昨年に引き続きプラネタリウムでのライブ開催などの発表があり、サポートピアニストの山本隆二が席を立つと、笹川がピアノの前に座る。彼女が12歳の時に生まれて初めて作った曲であり、昨年リリースしたベスト盤『豊穣 -BEST’03?‘18』にも“2018Ver.”としてリテイクが収録された「向日葵」を、ギターの設楽博臣とともにしっとりと歌い上げた。

再び山本隆二を招き入れ、笹川のデビュー曲であり、代名詞とも言える「笑」を、この15年で経験してきた事を思い返すように大切に奏でると、西田大輔による舞台「野球」のテーマソング「蝉時雨」を夏の持つ郷愁を漂わせてつつ歌い上げた。

本編ラストの「真実の雫」では、音像の浮遊感とは対象的に、しっかりと地に足をつけた歌唱を披露。ステージを去っても鳴り止まない手拍子に応えるように、再びステージに戻る笹川。アンコールはハナレグミのカバー「家族の風景」をピアノ弾き語りで披露。サポートメンバーのふたりを再び迎え入れ、“確かなことは 歌がサンクチュアリ”と、詞に認められているとおり、自身にとって歌うという行為が、何者にも侵されない聖域である事を高らかに宣言した「サンクチュアリ」まで全15曲をもってこの日のライブは大団円を迎えた。

昨年15周年を迎え、新たな気持ちで迎える16年目の笹川美和サウンドは、更に進化していく意思と期待に満ちたものだった。



■「笹川美和 Concert 2019 ~薄暑に鳴る笹の葉音~」2019年6月29日@自由学園 明日館セットリスト
01. 星の船
02. 晴れてくるだろう
03. 緑の絨毯
04. 高鳴り
05. 紫陽花
06. 蓮華の花
07. 流れ星
08. 亡者
09. 咎
10. 向日葵
11. 笑
12. 蝉時雨
13. 真実の雫
EN14. 家族の風景
EN15. サンクチュアリ



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Photo by shiori nakamura







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