近年は、オリジナル曲のライブとアルバム制作のほか、映画やドラマの主題歌や劇伴音楽を担当するなど、幅広く活動しているT字路s。

2021年5月30日に開催されたワンマンライブツアー「T字路s "BRAND NEW CARAVAN" Release Tour Part2」から約1年ぶりとなった東京キネマ倶楽部でのライブだが、彼らの東京でのライブ自体もひさびさとのことで、東京会場は早々にソールドアウト。

コロナウイルスの感染状態もまだまだ油断ならぬ状況のなか、着席スタイルながら満席御礼となったフロアには、ふたりの登場を今か今かと静かに待つ熱いオーディエンスたち。

18時を少し過ぎたほぼ定刻通りにT字路sのふたりが登場すると、会場は大きな拍手で満たされた。

東京キネマ倶楽部という人生の交差点で、今回、来場したお客さんに出会えたということで、おなじみのあの曲からライブをスタート。

アルバム収録曲からは、最初に某CMに使用され話題をよんだ「星影の小径」を披露。
体を揺らせて、リズムを取るなど、静かに盛り上がりはじめる客席。

その後、ステージ上ではスタッフがイソイソとあやしげな器具を準備しはじめ、なにやら物物しい雰囲気に。そして、つづけて「ユウマヅメ」。ちなみに、収録されたバージョンは、さまざまな楽器が使用されていたが、ライブではタエちゃんがアレして、めずらしくシノさんがコレするという、超スペシャルアレンジでの披露となった。

さらに、今年2月にリリースしたブルースのなかのブルース、新曲「雨zing Blues」など、カヴァーアルバム以外からもさまざまな曲も選曲されていたライブ前半。

一曲終わるごとの拍手に力が入る、まさに渾身の拍手を彼らに贈りつづける客席。

しっとりとしながらも、じわりじわりと熱く、聴かせる……いや、効かせる曲が中心のセットであった。

今回のライブもいつもどおりの二部制で、15分ほどの休憩中、静かにドリンクや物販にならぶマナーの良さも、T字路sファンならではの大人の光景だろう。

「買い物ブギ」のBGMとともに、赤いハッピを着たタエちゃんが登場。いつもの新作ツアーアイテムの実演販売から第2部がスタート。彼女の威勢のいい売り文句に、どっと湧きあがる会場。そして、カヴァーアルバムの収録曲「熱き心に」から後半戦がスタート。

本人たちも紅白歌合戦に例えていたが、終盤はあの曲やこの曲など怒涛の大ネタラッシュ。「愛のメモリー」からのクライマックスは、客席側も一層拍手に力が入り、大いに盛り上がる。しかし、盛り上がりつつも、ぐっとこらえて心の声でのコール&レスポンス。

ニューアルバム収録の曲を中心に、新旧織り交ぜたオリジナル曲、そしてこのツアーのためにアルバム未収録のカヴァーも初披露した2時間弱のライブは、あっという間に終了してしまった、まさに至福の時間。笑顔と感動とともに会場を後にしていった来場者たちを目にしたとき、T字路sのふたりにとって、いや会場に駆けつけたたくさんのファンにとっても、ステキな夜となったに違いない。

ギターとベースというシンプルな編成ながらも、古き良き時代のグランドキャバレーの面影がのこる東京キネマ倶楽部に伊東妙子の唯一無二の分厚いヴォーカルが響いたこの日、東京の最高気温は36度という酷暑日。しかし、それ以上に熱いライブだった。

(おわり)


取材・文/カネコヒデシ(BonVoyage/TYO magazine
写真/hiro

LIVE INFOT字路s COVER JUNGLE TOUR season1

6月11日(土)名古屋TOKUZO
6月12日(日)京都磔磔
6月18日(土) 新潟GOLDEN PIGSRED STAGE
6月19日(日)長野ネオンホール
6月26日(日)東京キネマ倶楽部
7月9日(土)和歌山CLUBGATE
7月10日(日)神戸チキンジョージ
7月16日(土)富山MAIRO
7月17日(日)金沢もっきりや
8月6日(土)横浜THUMBS UP
8月7日(日)横浜THUMBS UP

T字路sオフィシャルサイト

LIVE INFOパルコ×吉本興業 presents「コトバノオト #1 -T字路s×オズワルド-」

2022年9月6日(火)渋谷クラブクアトロ


FANY(吉本興業)

DISC INFOT字路s『COVER JUNGLE』

2022年7月6日(水)発売
POCS-23022/2,750円(税込)
ユニバーサルミュージック

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