「ファースト・レディ・オブ・ソング」とも呼ばれる20世紀最高のジャズ・シンガーの一人、エラ・フィッツジェラルド。彼女が1958年にハリウッド・ボウルで演奏したライヴ録音の完全未発表音源が、『エラ・アット・ザ・ハリウッド・ボウル:アーヴィング・バーリン』として6月24日にリリースされるが、先行シングル第2弾として「チーク・トゥ・チーク」の配信がスタートした。また、同曲のミュージック・ビデオも公開されている。

同曲のミュージック・ビデオは、ロンドンを拠点に活動するシャロン・リウが手掛けたもの。今回のアルバムが録音されたハリウッド・ボウルを舞台に、次々とドレスが変わっていく中楽し気に踊るエラが印象的なアニメーションになっている。今回の動画について、リウは「エラ・フィッツジェラルドの特別なライヴ・レコーディングのミュージック・ビデオを制作できて、とても光栄に思います。ビデオのフレームはすべて手描きでアートワークが施されており、フレームごとに別々のレイヤーにそれぞれのカラーをハンドペイントしています。手描きのアニメーションこそ、ジャズの視覚的な伴奏に最適だと感じています!」とコメントしている。

1958年8月16日、エラ・フィッツジェラルドは名盤『アーヴィング・バーリン・ソングブック』を録音してからわずか数ヵ月後、ハリウッド・ボウルでそのアルバムからの楽曲をプレイし、ソールドアウトだった会場の観客を熱狂させている。このコンサートは、スタジオ・セッションのアレンジと指揮を担当したポール・ウェストンによって行われ、エラがこれらの象徴的なアレンジをフル・オーケストラとライヴで演奏した唯一の機会となった。この夜、ハリウッド・ボウルに集まった幸運な聴衆は別として、ノーマン・グランツのプライベート・コレクションだった今回のテープが発見されるまで、エラがソングブックのアレンジをコンサートで演奏したことはもちろん、これほど音響的に豪華な録音が存在したことも、一般には知られていなかった。また、エラはハリウッド・ボウルで定期的に演奏していたが、この象徴的な会場でのコンサートの全曲がリリースされるのはこれが初めてである。
リリースにあたっては、グラミー賞受賞プロデューサーであり、晩年のエラのドラムを担当したミュージシャンでもあるグレッグ・フィールドが1/4インチのオリジナル・テープからミックス。また、音楽評論家ウィル・フリードワルドによる、コンサートとエラのソングブック・シリーズに関する解説も収録されている。

エラ・フィッツジェラルド『エラ・アット・ザ・ハリウッド・ボウル:アーヴィング・バーリン・ソングブック』 2022年6月24日リリース

収録曲目:
1. ザ・ソング・イズ・エンデッド
2. ユー・アー・ラフィング・アット・ミー
3. ハウ・ディープ・イズ・ジ・オーシャン
4. ヒート・ウェイヴ
5. サパータイム
6. チーク・トゥ・チーク
7. ロシアン・ララバイ
8. トップ・ハット、ホワイト・タイ、アンド・テイルズ
9. アイヴ・ガット・マイ・ラヴ・トゥ・キープ・ミー・ウォーム
10. ゲット・ジー・ビハインド・ミー・サタン
11. レッツ・フェイス・ザ・ミュージック・アンド・ダンス
12. オールウェイズ
13. プッティン・オン・ザ・リッツ
14. レット・ユアセルフ・ゴー
15. アレキサンダーズ・ラグタイム・バンド
パーソネル:エラ・フィッツジェラルド(vo)、ポール・ウェストン(arr, cond)、ハリウッド・ボウル・ポップス・オーケストラ
★1958年8月16日、ハリウッド・ボウルにてライヴ録音

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